|
1.MAZE <恩田陸>
|
双葉社2001.5発行1500円ISBN4-575-23407-9
|
|
表紙・裏表紙の迷図にもタイトルと名前が浮き出るようになってるのが凝ってる。泡坂妻夫氏がこの紋様を作ったらしい。ほう。
さて、ある国の国境近くに建てられた、人が消える伝説のある建物。
なぜ人は消えるのか、という謎はやがて、その建物はなんなのか、さらにまた人が消え、不思議な現象が起きてくる。
途中は完全にホラー色が強く、いや〜怖かった。建物自体には伝説が残り、人には現実が残り、改行多用の文章もあいまって一気に読めた話。軽く読めたというのも意外に本心なんだけどね、よくも悪くも。
[ 先頭へ ]
|
|
2.まぶた <小川洋子>
|
新潮社
|
|
昔から、小川さんの小説は好きなんです。独特の雰囲気、静かで綺麗ででもちょっと怖い、執着している感じとか。
これは短編集で、結構数年前からの作品が時期ごちゃまぜに入っているけれど、どれも共通しているのは、小川さんは体の一部に妙にこだわりを持っているということだ。その執拗なまでのこだわりが、読んでいてぞくっとするくらい好きなんだな。ぞっとする、でもいいけど。
[ 先頭へ ]
|
|
3.片思い <東野圭吾>
|
文藝春秋2000.11発行1524円 ISBN4-16-319680-3
|
|
男と女の境界をさまよう人達、そのどっちにも寄りきれない曖昧な感情がすごく辛い小説。
ミステリーなので当然殺人事件も起きるわけだが、ストレートで、そのストレート感がまたいいのだ(東野作品はストレートじゃないのもかなりいいんだけどね)。おやおや、と捻って物語が進むうちに、どんどん話がテーマに近づいていく。こういう犯罪もあるのか、というよりも、こういう人達がいるのか、とその辺に思うところがあった本。何が正しいのか、何が間違っているのか、そういう話ではない。辛い。でも結構一気読み。
[ 先頭へ ]
|
|
4.パンドラ'S ボックス <北森 鴻>
|
光文社カッパ・ノベルズ2000.6発行819円ISBN4-334-07392-1
|
|
色々な文体、作風、器用だなと思う作家のひとりの北森氏の半エッセイ、半短編集。
そういえばこの方のエッセイって読んだことあったっけ? なかったな〜。経歴もデビューのときくらいのことしか知らないので、初めて色々知った感じです。なるほど、この人の器用さはこういうところから来たのね。
短編も色々趣向が違っていて、面白かった。一冊で二度楽しめる愉快な本。
[ 先頭へ ]
|
|
5.恋物語
|
朝日新聞社1998.12発行1500円ISBN4-02-257306-6
|
|
赤江瀑、芦原すなお、大原まり子、川上弘美、清水義範、辻井喬、津島佑子、乃南アサ、古井由吉、増田みず子、皆川博子、連城三紀彦各氏がそれぞれ数篇ずつの掌編を書くというなかなか豪華な本。
こういうときって、それぞれの個性がどう出るかが読んでいて楽しいんだけど、うまかったのは清水さん、味があったのは古井さんと連城さんと皆川さん。当然だけど、みんなプロだなというのがあって、面白かった。
[ 先頭へ ]
|
|
6.混沌(カオス)の脳 <響堂新>
|
角川書店2001.1発行1700円ISBN4-04-873272-2
|
|
読了後にプロフィールを見たら、元お医者さんらしい。ははあ〜という感じの話。
人格移植とかクローンとか、その辺の話なんだけど、結構「どっかで読んだな」という感じで辛かった。場面も含めてね。
この手の話はすでに似ているものだけでいくつも挙げられるから、あとはどこで個性を出すのかがポイントだと思うけど、それがなかったのが辛い。
[ 先頭へ ]
|
|
7.屋上物語 <北森鴻>
|
祥伝社NON NOVEL1999.4発行800円ISBN4-396-20653-3
|
|
長編連鎖ミステリー、というアオリがぴったりの事件がどんどん次の事件に繋がっていくという連鎖式の連作短編集。北森さんの連作は本当にうまい!というのが私の中にあるんだけど、その通りやっぱりうまかったのだ!!
今回は、デパートの屋上が舞台になって、そのうどんスタンドの女主人を中心に話が進むが、語りはそれぞれデパートの屋上の地蔵だったり観覧車だったりする。その辺もなかなかうまい。それぞれの事件が小気味よく進み、そして悲しい結末を迎えていくのが切ない。そこに女主人の過去も最後には絡んでくる。読むべし。
ところで、この舞台は東京池袋某百貨店の屋上のうどんスタンドだそうだが、私は多分このスタンドを知っている。池袋に勤めていた数年前、わたしもこのスタンドのファンで天気のいい日はよくここでうどんを食べていたのよ。 [ 先頭へ ]
|