2001-NOVELS
DECEMBER


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1.グイン・サーガ82 アウラの選択…栗本薫
2.上と外5 楔が抜ける時…恩田陸
3.上と外6 みんなの国…恩田陸
4.邪悪な花鳥風月…岩井志麻子
5.歩兵の本領…浅田次郎
6.最悪…奥田英朗
7.相棒に気をつけろ…逢坂剛
8.白い犬とワルツを…テリー・ケイ

 
 1.グイン・サーガ82 アウラの選択  <栗本薫>
ハヤカワ文庫 540円 ISBN4-15-030682-6
 グインとレムスの会見、グインがクリスタル・パレスで見たものと、そこからの脱出劇。
 なんと言っても、グインとリンダの再会ってのが劇的。古代機械のこととか、レムスの本音とか、色々含めてかなり劇的な一冊だったのは間違いない。もう一気読みのこの迫力ったら。長く読んできた甲斐があったなあ…って、まだ終わってないって(笑)。      [ 先頭へ ]
 2.上と外5 楔が抜ける時  <恩田陸>
幻冬舎文庫 457円 2001.6発行 ISBN4-344-40110-7
 謎の遺跡から脱出を試みる千華子と、儀式を行わなければいけない練、ということで4のあとすぐにも読みたかったのだが、何故か気がついたら5を買わずに6を買っており、5を買うのにえらく手間取った。書店の品揃えがねー。で、5を買ったときにはすっかりその「今すぐにでも読みたい気分」がどっかに行っていて、今頃読んでる訳なのだ。
 個人的に文庫だろうが細切れに読むのは好きではない。が、前巻あたりから俄然面白くなってきた。というか、謎の正体が色々見えてきた。謎の解答、じゃなくて、何が謎なのか判ってきたってことなんだけど。解答は最終巻待ち。スタンバイOK。     [ 先頭へ ]
 3.上と外6 みんなの国  <恩田陸>
幻冬舎文庫 457円 2001.8発行 ISBN4-344-40137-9
 できれば全部まとめて一気に読みたい話だった。
 細切れに読んだことで、いまいち導入部が掴めなかったし入りづらかった。後半は面白かったけど、結局どんな話だったのかというのがわかったのが最後の最後だったしね。何が謎でも関係ない訳だね、なるほど、と。
 結局、この巻のサブタイトルがすべてを表していたのだろう。個人的にそれほど面白かったと言えないけど、一気読みしたらまたちょっと違っていたかもね。     [ 先頭へ ]
 4.邪悪な花鳥風月  <岩井志麻子>
集英社 1300円 2001.8発行 ISBN4-08-774527-9
 岡山でなく時代物でない岩井小説だー(笑)。
 でも面白かったぞ。あるアパートの住人達はどんな人達なのか、ある「作家」の想像による連作。しかし、内容のこの「邪悪」さはなんとも言えないね。薄気味悪いとも言えるけど。しかしこれはすごい個性。やっぱりこの作者はうまいと思う。綺麗ごとを並べているより、こういう小説って書くのが大変だと思うんだけどね。     [ 先頭へ ]
 5.歩兵の本領  <浅田次郎>
講談社 1500円 2001.4発行 ISBN4-06-210624-8
 浅田次郎氏が昔自衛隊にいたというのは有名な話だが、その当時の経験をもとにしたらしい連作短編集。どちらかというと人情モノ系小説だが、それでも自衛隊なんて、普通網の外から見るしかない(網の外からは良く見てる自分(笑))世界の中はこうなのかーと半ば感心というか、それでもちょっと笑っちゃったりなんかして、楽しく読んだ。「門前金融」とか好き。
 しかし恐るべし、自衛隊の勧誘…。     [ 先頭へ ]
 6.最悪  <奥田英朗>
講談社 2000円 1999.2発行 ISBN4-06-209298-0
 今、1999年発行、ちょっと前なんだなーと思って、「このミス00年版」をナニゲに見たら、なんと7位に入っていた。6位が私絶賛真保裕一氏「ボーダーライン」で、8位がこれまた絶賛北村薫氏「盤上の敵」であることを考えると、7位ってスゴイ。
 そのすごさに今頃気づいたのだったが、実はすごく面白かった。もう後半は一気に読みすすんでしまったよ。三人の、まったく関係ない世界で生きていると思わせられる人たちを中心に、どんどん歯車が噛みあわなくなっていく様子、そして三人がクライマックスで同じ場面に出くわして、そこからの逃避行というなりゆきとその結末。怖くて、でも読者としてはもう面白いでしょ、これ。私の中では、最近稀に見る大ヒット作。未読の方は読むべし。うん、最近稀に見る、素直に「面白い」って言えるタイプのミステリーだったなあ。     [ 先頭へ ]
 7.相棒に気をつけろ  <逢坂剛>
新潮エンターテインメント倶楽部SS 1500円 2001.8発行 ISBN4-10-602651-1
 楽しかった。軽く気負わずに読める連作短編シリーズ。もともと文章がうまい作家だから、軽快なテンポで書かせてもうまい。
 内容も、だましだまされと言った感じで、内容的にも好きなんだ、こういうの。謎の男と女のコンビという雰囲気だが、まだまだ女は奥が深そうだし、続編望む。そうそう、最後の「弔いはおれがする」のラストはこれまたうまいねー。     [ 先頭へ ]
 8.白い犬とワルツを  <テリー・ケイ>
新潮文庫
 珍しく海外文学だと思いねえ。実は借り物なんだけど。
 妻を病気で亡くした老人と、不思議な白い犬の物語。個人的に翻訳は苦手なので(文章堅いからねえ。これも例外じゃない)、帯やうしろの解説で書かれているほど泣かせ攻撃にはまるわけではない。
 でもほんのりといい話。老人が犬と車ででかける場面なんて、しみじみしちゃったね。     [ 先頭へ ]