NOVELS
2002.1
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1.
噂
…荻原浩
2.
作家小説
…有栖川有栖
3.
月蝕の窓 建築探偵桜井京介の事件簿
…篠田真由美
4.
反乱のボヤージュ
…野沢尚
5.
続・巷説百物語
…京極夏彦
6.
邪魔
…奥田英朗
1.噂 <荻原浩>
講談社 1700円 2001.2発行 ISBN4-06-210463-6
女子高生を中心に広まるある殺人鬼の噂。そして同じように起きる連続殺人。噂を操作する企業。それを追いかける警察。
噂をテーマにした小説と言えば、小松左京さんの「牛の首」(だったはず)という短編を思いだす。この話とはちょっと違っていて、私はその「牛の首」系の話かと思っていたんだけど、なるほどこういう話かと。
で、面白かったのは、多分刑事のふたり組のキャラクターが、地に足がついていたためだ。だからリアリティが出て、下手すると浮ついた話になりかねないのがよくなったんだろう。ということで、かなり面白い話だった。お薦め。
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2.作家小説 <有栖川有栖>
幻冬舎 1500円 2001.9発行 ISBN4-344-00108-7
何らかの形で「作家」が登場する短編集なんだけど、ものによってはさすがだうまい、というものもあって、なかなか面白かった。
結構ブラックな雰囲気もあって、長編じゃあんまりこういうブラック加減は見ない人なので、意外なんだ。特に、夜読んでいた「殺しにくるもの」のラストシーンは、視覚的に「うわっ」って感じだった。…びびった…。こんな雰囲気のものがこのあと続いたらどうしようかと思ったもん(笑)。
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3.月蝕の窓 建築探偵桜井京介の事件簿 <篠田真由美>
講談社ノベルズ 1050円 2001.8発行 ISBN4-06-182194-6
桜井京介シリーズ最新刊だ。出版されてから、ずっと図書館に行くたびに捜していたんだけど、やっと発見。ほっ。
今回は完全に京介の視点から書かれていて、シリーズ読者としてはそのシリーズ具合が面白いのだ。深春との「喧嘩」ではじまって、京介の過去にちょっとひっかかるような話が出てきて、という流れがね。
京介、深春、最後に登場する蒼のシリーズキャラクター同士の会話が、いかにもっぽくていいというか悪いというか微妙なところなんだけど、これはどうなのと思いつつにやにやしちゃったりするのよね(^^;。ミステリとしての作り方もちょっと面白かったなあ。次回作にも期待。
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4.反乱のボヤージュ <野沢尚>
集英社 1600円 2001.4発行 ISBN4-08-774517-1
去年10月に放送されたスペシャルドラマの原作本。まあでも、もとが野沢尚さんの作品だから、内容にそれほど違いがあるわけではない。細部でちょっと変わったところがあったけど。
もともとアテ書きだったのか、ドラマのイメージが強いのか、名倉さんのキャラクターとか、クンペイにしてもドラマ出演者のイメージで読んでしまう。でもこれはいい相乗効果だった。クライマックスなんて、結構いい青春小説って感じがしたからね。ドラマの方が、映像がとても綺麗だったのでじわじわと感動できたけど、こっちもよかったよ。
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5.続・巷説百物語 <京極夏彦>
角川書店 2000円 2001.5発行 ISBN4-04-873300-1
こちらは「巷説」の続編、にして完結編、だよね? 多分。
前作が結構痛快だったんだけど、今回は割にじっとりとしていた。登場人物たちの過去の話がかなり出てきたせいで、しかもそれがどんどん次へ次へと流れていって、ラストがアレだったんでそう思ったんだろうけど。
面白かったけど、結構流し読みしちゃったせいか、あんまり細かいところまで憶えてないんだぞ。
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6.邪魔 <奥田英朗>
講談社
大藪春彦賞を確かタイムリーに受賞した…ハズ。ふと見るとこのミス最新版の2位であった。「模倣犯」の次じゃん! すごい!! 実は直木賞候補にもなってたらしい。
賞を取ればいいってものではないんだけど、面白さは認める。前作「最悪」の方が地に足がついていたような気がして面白かったけど、好みの問題か、前と同じ3場面同時進行っぽいところが新鮮味を失わせたことは確か。それでも筆力は問題なしだし、やっぱり面白かったし、なんか人が地に落ちていく様子が苦しげなんだよね。ああ辛い。でもうまい。読むべし。
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