1999-NOVELS
FEBRUARY

[ INDEX ]

1.仰天旅行…景山民夫
2.闇色のソプラノ…北森鴻
3.船上にて…若竹七海
4.冬のオペラ…北村薫
5.私が彼を殺した…東野圭吾
6.日曜日の水玉模様…加納朋子
7.柚木野山荘の惨劇…柴田よしき
8.胸の香り…宮本輝
9.グイン・サーガ64 ゴーラの僭王…栗本薫
10.むかし僕が死んだ家…東野圭吾
11.初等ヤクザの犯罪学教室…浅田次郎

 
1.仰天旅行 景山民夫
実業之日本社98.5発行1600円ISBN4-408-53337-8
こーんな旅行がしてみたい♪度 ?????
こーんな落語が聞いてみたい♪度 ★★★★★
まだ未読の景山本があって欲しい(>_<)度 ★★★★★
 新年旅行、貧乏旅行など、内容はとんでもない旅行が詰まった短編集。いくつか別の短編もあったけど、まあそれは合掌m(..)m。
 それにしても、ここまで笑わせてくれるのは、作者の力量なんだろうね。痛快すぎて、皮肉で、思いっきり笑わせてくれました。落語調のもの、本当に落語の原稿までついていて、さらにうけた。景山氏の本は、読むたびに大好きだなあと思わせる。…が、未読の本ははたしてまだあるのか!?        [ 先頭へ ]

2.闇色のソプラノ 北森鴻
立風書房98.9発行1900円ISBN4-651-66077-0
街の話って面白いなあ度 ★★
タイトルを「やみいろ」と読んでいた度 ★★★★
今回も芸術関係の話度 ★★★
 ということで『「あんしょく」のソプラノ』。
 今回は、謎の死を遂げた詩人の話。詩人の記憶障害の息子、行方不明の元夫、有力者の親戚、そしてそれから数年が経ち、まったく別の街で起きる殺人事件。街、を使うというやり方はすごく面白かった。この街が本当にあるのかと思ったわ。
 でも、事件がすべて終わったあとに、色々とそこまでに書ききれなかった謎解きその他を続けるのは勘弁してー。すぱっと歯切れよいどんでん返しが欲しかった。
 あと、直接の事件の関係者(肉親その他)よりも、それを探る方がメインになりすぎてしまった感はあるなあ。        [ 先頭へ ]

3.船上にて 若竹七海
立風書房97.3発行1600円ISBN4-651-66072-X
この短編は面白い!度 ★★★★♪
短編で個性を出すのは難しい度 ☆☆○○
昔の長編とかぶった度 ☆???★★
 さて、なにが面白い!のかというと、この中の一編「タッチアウト」である。他にもいくつか面白いものはあったんだけど、特にこの短編は秀逸であった。  姉妹と、その姉に横恋慕して襲おうとした男が中心の話なんだけど、このラストにはびっくりした。おおっ、すごい! こういうすっきりすぱっとひっくり返される話は、ひたすら好きである。このひとつのためだけにでも、この本は読むべし〜〜〜じたばた。        [ 先頭へ ]

4.冬のオペラ 北村薫
中央公論社93.9発行1262円
寒い〜(>_<)度 ★★
巫探偵の続編はないのか?度 ★★★★★
未だに文庫化してないとは度 ★★★★★
 93年11月に読んだ本の再読。確か、私が北村本を読んだ最初の一冊だったと思う。もちろん内容はすっぱり忘れていたんだけど、なにげにラストの犯人は憶えていたようだ。
 さて、巫探偵は、今読むとなかなか魅力的というかまだ謎の人物なんだけど、本当に続編が出ていないとはなんたること。記録者・姫宮あゆみ嬢は、「円紫さんと私」シリーズの主人公を彷彿とさせるが、そちらよりももっと作り物っぽかった。「私」はシリーズを重ねて成長しているけど(書き手の北村さんも含めてね)、あゆみ嬢は一冊で止まっているから余計にそう思うのかもしれない。
 しかし、全体的に救いのない話だなー。最後の「椿姫」は、小説を読んだり舞台を見ていたりしたらもっとよく判ったかなと思ったが、よく考えたら昔「椿姫」の舞台を見たことがあった>私。でも途中で寝こけていたような…(笑)。        [ 先頭へ ]

5.私が彼を殺した 東野圭吾
講談社99.2発行800円ISBN4-06-182046-X
一度読んだだけではやっぱり判らなかった度 ★★★★★
今回もやられたーっくやしーっ度 ★★★★★
ということで再読した度 ★★★★★
 さて、「どちらかが彼女を殺した」に続く、東野さんの本格ミステリ第2弾(てこともないんだろーが)。やっぱり初読では、犯人は判りませんで、速攻で再読したので、この本、すでに二度読んでます。もちろん二度目は怪しげな箇所に付箋貼りまくりーよ。
 しかし、最後のページの最後の文が「犯人はあなたです」って、誰よーって感じだったなあ。こう来られるのは判っていながらも。でも、この騙され加減が、ミステリ好きにはたまらないのだと思ってしまうのだった。
 ということで、いろいろありまして、現在、犯人は一応判ったんだけど、まだひとつ謎が残っているんだよなー。それともこれはとけなくていい謎なのかなー??        [ 先頭へ ]

6.日曜日の水玉模様 加納朋子
集英社98.9発行1600円ISBN4-08-774214-8
朝の電車で前に座っている人が途中下車しないとくやしい度 ★★★★★
OLは案外男のネクタイチェックが厳しい(^^)度 ★☆♪♪
続編が欲しいー度 (^^)/
 日替わりネクタイ男荻と、OL陶子の連作集。
 加納朋子さんは、OL経験があるということがよっく判った一冊。でないと書けませんて、これ。満員電車の中の気持とか、会社の同僚の話とか、結構うまいもん♪
 小気味よく話が進むので、お気楽極楽ほのぼのと読むことができる。そこに陶子の生まれの話とかがうまく絡まってくるのだ。でもこれってもしや、企業ミステリ?…似合わないフレーズだなあ(笑)。     [ 先頭へ ]

7.柚木野山荘の惨劇 柴田よしき
角川書店98.4発行840円ISBN4-04-788123-6
タイトル「ゆきの山荘」…くだらないーっ度 ☆★○○●
最近の猫は近代的であった度 ★★●★★
毒きのこは怖かった度 ☆★★★★
 ということで、タイトルでまず笑ってしまった。
 猫の軽い一人称…一猫称?、「惨劇」というタイトルの言葉がなんか似合わないなあ。しかし、最近の猫は、パソコンまでたちあげるとは…びっくりだね。しかもこの部分が実話だとは(笑)。
 やっぱり事件が終わってから、ぱたぱたと動機や事情が述べられていくやり方は好きではないんだけど、まあ、猫をうまく事件にも絡めているしいいのかな。        [ 先頭へ ]

8.胸の香り 宮本輝
文藝春秋96.6発行1165円ISBN4-16-316300-X
不倫短編集でなくてよかった度(^。^;) ★※※★
短編がうーまーいー度 ★★★★
判断できる人間が読むべし度 ★★★☆☆
 既読か未読か忘れていたが、読みおえても記憶が甦らないところをみると、未読だったらしい。短編集で、最初の方は不倫ものばかり続いていたので、不倫特集本かと思ったら違った(笑)。
 短編を書ける作家、というものに拘っているらしい作者の、上質の短編集。この作者の短編がうまいのは、読者に考える余地を残しているということ。判断をまかせるというのかな。味があるのである。コクもある。        [ 先頭へ ]

9.グイン・サーガ64 ゴーラの僭王 栗本薫
ハヤカワ文庫99.2発行500円ISBN4-15-030610-9
ペースが速くて嬉しい♪♪度 ★★★★★
はっきり言ってひっくり返った度 ☆※@●□
アムネリスがさすがに不憫だ度 ☆★★
 ネタバレ有り!
 さて、とうとうここまで来ちゃったなあ。でも、イシュトってばこの巻悲しすぎだよー。このまま、本人は何かが違うと思いながら、波にのせられていっちゃうんだろうなあ。アムちゃんとのことだって、私はリンダとイシュトの組み合わせがすごく好きだったので、く〜って感じ(>_<)。なにを今更、だよね。全部イシュトが悪いんだぞー。
 ということで、なににひっくり返ったのかというと、イシュトがパパになる!ということだった。に、似合わない。電車の中で読みながらぶっと吹きだしてしまったくらい、似合わないぞ。いやあ、ほんっきでびっくりしたわ。
 ところで、あとがきなんだが、本当に「スカール死す」なんてタイトルが来る日があるんだろうか。前巻で元気にお目見えしたスカ様だが、やっぱり死んじゃうのねえ〜〜っ(>_<)。        [ 先頭へ ]

10.むかし僕が死んだ家 東野圭吾
講談社文庫97.5発行505円ISBN4-06-263507-0
舞台的設定度 ★★★★★
うまいうますぎる十万石饅頭度 ☆★★★☆
なんで「チャーミー」なの度 ※????
 ネタバレするよ!
 自分の幼少の記憶を求めて、一軒の屋敷に入り込む女性と、その元恋人。その屋敷にあった一人の少年の日記は、その家に住んでいた人々への謎を解きながらも新たなる謎を呼びおこしてゆく。ただいま東野作品再読モード中でありんす。
 メインの場面は、その屋敷のみなので、これは舞台化に向くんじゃないだろうか。誰か舞台化してくれないかなあ、絶対観にいくんだけどなー。
 しかし、ほんっとにうまい話。祐介少年の死の理由、女性が子供の頃の記憶を失った理由、家の不思議、などなど飽きさせないでひっぱるもんね。猫のチャーミーにもやられたという感じ。でね、昔から「久子」を「チャコ」、「久美」を「チャーミー」ってみんな呼ぶのはなんでなの? 誰かこの愛称の元ネタを私に教えてください。うーむ。        [ 先頭へ ]

11.初等ヤクザの犯罪学教室 浅田次郎
幻冬舎アウトロー文庫98.4発行495円ISBN4-87728-591-1
これは小説か?度 (^_^?
これはエッセイか?度 ※☆★
これは実話か?度 ((((;^^)
 さーて、このコーナーは小説のみなので、エッセイ・対談・実用書などの類は省いておりまする。それでもここに載せちゃったのは、これが実はなんなのかよくわからなかったのだ。だから小説だと強引に思うことにしたのだ。
 でも実は、最初の方はずっと実話だと思いつつ読んでいた。んなことあるかっ…あったりして(笑)。
 ということで「プリズンホテル」ツッコミ編みたいな感じであった。ヤクザ講義、犯罪講義と奥が深い。人情物モードの浅田次郎作品もいいんだけれど、「プリズンホテル」シリーズみたいなものももっと読んでみたいなー。余談だけど「プリホ」が春からテレビドラマ化するという噂はマジだろうか。        [ 先頭へ ]