1999-NOVELS
JUNE

[ INDEX ]

1.未明の家…篠田真由美
2.預言者ノストラダムス 下…藤本ひとみ
3.陰陽師 付喪神ノ巻…夢枕獏
4.黄金色の祈り…西澤保彦
5.トライアル…真保裕一
6.玄い女神…篠田真由美
7.ラスト・レース-1986冬物語-…柴田よしき
8.クロスファイア 上…宮部みゆき
9.メイン・ディッシュ…北森鴻
10.炎都 City Inferno…柴田よしき
11.グイン・サーガ66 黒太子の秘密…栗本薫
12.クロスファイア 下…宮部みゆき

 
1.未明の家 篠田真由美
講談社ノベルズ94.9発行777円ISBN4-06-181799-X
ホームズにワトスンは必要か?度 (--;(--;
設定は少々少女漫画的度 ★★☆※
まあとりあえずは面白い度 ★★★
 建築探偵桜井京介の事件簿その1である。多分、その1だと思う(よくわかっていないらしい(笑))。
 いつも顔を隠しているが実は美形という設定はなんかありきたり〜というか、付き従ってる少年蒼にもなにかありそうだし、深雪名前の男という設定も、なにやら少女漫画的。まあ嫌いというわけではなくて、そりゃレギュラーの特に探偵なんて美形の方が嬉しいよなあと思ってしまうんだけどさ。
 ともかく初篠田真由美作品は、なかなか正当派のミステリだった。これからシリーズを読みすすめていけばいくだけ面白くなるような気もする。うん。
 あ、そうそう、文章が、蒼の視点で描かれている。やはり、ホームズにワトスンは必要なのか?        [ 先頭へ ]

2.預言者ノストラダムス 下 藤本ひとみ
集英社98.12発行1600円ISBN4-08-774378-0
映画的!度 ★★★★★
恰好よすぎ度 ★★★☆
大河ロマン度 ★★★★★
 とっても面白かった。藤本ひとみフランス物の傑作と言いたい。…ってまだそれほど読んでるわけじゃないんだけど。
 なんにしろ、ラスト近辺、カトリーヌの場面なんて、もうすっごいのだ。すっごくお金かけた映画の情景がばーっと浮かんでくるの。誰が映画化してくれないかな、この話>かなり無理な相談?
 とにかくドラマティックで壮大で恰好よすぎ。拷問にかけられてもカトリーヌの名前を吐かないアルベルトなんて出来過ぎのキャラクターだと思うけど(実在する人物なのか?)、それでもそのいい男すぎのところがく〜って感じ。
 ノストラダムスの預言と、フランス宮廷の陰謀と策略、王妃カトリーヌの苦悩、その辺はミーハー的な扱いはせず、本当によかった。面白かった!        [ 先頭へ ]

3.陰陽師 付喪神ノ巻 夢枕獏
文藝春秋97.11発行1238円ISBN4-16-317360-9
「ゆこう」「ゆこう」そういうことになった度 (笑)
下が白い度 (笑)(笑)
朝日ソノラマほどじゃないが度 (笑)(笑)(笑)
 シリーズ3作目、源博雅と安倍晴明の陰陽師。
 下が白いのはなにかというと、ページの下の方。細かく行替えされているので、とんとんと読みすすめられる。善し悪し、好き嫌いは人それぞれだけど細かい描写とかないし、読むのはすごく楽。
 その白さ加減がストーリーの前、中、後でまったく変わらないのでクライマックスでものほほんと進んでしまうのだが、まあこれも好きずきかな。私的にはちょいと物足りない気もするが、まあシリーズ的には好きなものなので良しとする。ところで、博雅と晴明のコンビもやはりホームズとワトスンなのかしら。        [ 先頭へ ]

4.黄金色の祈り 西澤保彦
文藝春秋99.3発行1810円ISBN4-16-318400-7
宗教小説かと思ってた度 ★☆☆☆★
青春小説度 ★☆
読み方は「きんいろのいのり」だ度 ★
 タイトルから宗教小説かと思ってた。表紙のイラストもなんかそれっぽかったし。でも全然違ってた(笑)。
 基本的にはミステリなんだろうが、それよりも作者の青春小説って感じがする。基本的にはあんまり好きじゃない主人公のタイプなんだけど。
 楽器の話とかアメリカの学校の話とかなかなか面白かったけど…う〜ん。        [ 先頭へ ]

5.トライアル 真保裕一
文藝春秋98.7発行1238円ISBN4-16-317860-0
人生はハードボイルド度 ★☆★★★
実は競馬以外は殆ど知らない私度 (^^;/
人生は事件の集まり度 ☆★☆☆☆
 競輪、競艇、オートレース、競馬、それぞれのギャンブルにかける主人公の遭遇する出来事を書いた中編集。拳銃も殺人も出てこないけど、それでも立派にハードボイルドは成り立つといういい見本。
 個人的にはやっぱり競馬を扱った「流れ星の夢」が好きだった。競馬小説ってあとは宮本輝「優駿」とか岡嶋二人「焦茶色のパステル」とか好きだったりする。        [ 先頭へ ]

6.玄い女神 篠田真由美
講談社ノベルズ95.1発行777円ISBN4-06-181826-0
インド度 ☆☆☆
疑わしいものはやっぱり疑うべきなのだ度 ★★★
まだキャラクター不明度 ★??★
 桜井京介シリーズ2作目…のはず(笑)。
 まだ京介とか蒼がどんな人物なのかよく掴めない。読み終わってもつかみきれんかった。うむむ。誰に感情移入したらいいのかよくわからんなあ。
 さて、インドの神話をモチーフにしてるところとか、なかなか面白かった…んだけどなあ。ラストのどんでんがえしもある程度の予想はついていたとは言え、それなりによかったし。
 あとがきに、この作品はシリーズでも異質とかなんとか書かれてたけど、でもまだ2作目で異質ってもなあ、とちょっと思ったけど。うむむ。シリーズ自体もまだ掴めない。        [ 先頭へ ]

7.ラスト・レース-1986冬物語- 柴田よしき
実業之日本社98.11発行1800円ISBN4-408-53346-7
某大●本印刷なのに印刷汚い度 ★★★★
いまいち扱う物がはっきりしない度 ★★★★
そういえばこれも競馬物だ度 ★★★★
 後半、競馬がメインになるからこのタイトルがついたんだろうが、なんかいまいちいまにのタイトルである。
 それと主人公がなんか違和感。思考回路に無理があるというか、たとえばこの作者の他のシリーズの主人公の緑子なら許せるんだけど、こういうタイプの主人公はそんなこと考えるか、みたいなところがいくつかひっかかってきてね。
 それと前半後半、競馬と指輪、主人公が惹かれるふたりの男とか、なんかその辺のつながりがうまく見えてこなくて難しかった。        [ 先頭へ ]

8.クロスファイア 上 宮部みゆき
光文社カッパ・ノベルズ98.10発行819円ISBN4-334-07313-1
「鳩笛草」再読したかった度 ★★☆★★
謎が謎を呼んでいる度 ☆☆★★
結論は下巻を読んでから度 ★★★
「鳩笛草」は確かに買って読んだんだが、今回再読しようと思って捜したらなかった。どうやら古本屋に売りはらってしまったあとだったようだ(^^;。
 しかし、最初はこれだけのこと(というには人は死にすぎてるけど)で上下2冊ひっぱれるのかなあと思ったけど、そのへんはさすがって感じ。どんどんいろんな問題が絡んでくる。まだ謎が謎を呼んで、物語が膨らんでくる気がする。
 人を殺しすぎているように思う主人公がこれからどうなるのか、すごく楽しみ。まだ話がまとまるまでは、結論も出せないね。        [ 先頭へ ]

9.メイン・ディッシュ 北森鴻
集英社99.3発行1700円ISBN4-08-774368-3
北森さんはこんなに文章綺麗だったのか!度 ★★★★★
長編?短編?度 ☆★★★☆
料理がおいしそ〜度 ☆!(*^^*)☆
 今月の押しは、「預言者ノストラダムス」かこの本である。北森鴻という作家はなんか読むたびに好きになって行く感じがしている。読むたびにうまいと感じさせる。今回も絶品の小説だった。
 目次を見て長編かと思い、読みすすめたあとで短編かと思い、そのままいくと結局連作だったという細かいネタが含まれている。
 なにしろ登場する料理はおいしそうだし、文章は比喩とか綺麗でうまいし、もう素晴らしいっすよ。
 劇団女優のねこが拾ってきた「ミケさん」は、本当は誰なのか、という謎を大きな軸にして話は進むけど、なんかもう先が読みたくてたまらない。いや〜、面白かったよ。        [ 先頭へ ]

10.炎都 City Inferno 柴田よしき
徳間書店97.2発行874円ISBN4-19-850367-2
おお妖怪度 ☆!?!☆
しかも続いてしまったよ度 (^^;(^^;
平安時代からの呪い〜度 ((((;^^)
 かの(ってまだ終わってないはずだが)栗本薫さんの「魔界水滸伝」を思いだしてしまっただよ。
 そのくらいのパニックぶり。京都の町に降りかかる災厄。天災火災、その辺を跋扈する妖怪たち。なかなか気色悪いし、この辺はうまいのだ。
 でも、平安時代の話と繋がってるところとか、帝と呼ばれてる男と主人公の恋愛とかなんかいまいちあれってところがあって、その辺が惜しいな。あ、でも、これって話の軸じゃん(^^;。
 しかも続くらしい。終わるのか?(笑)         [ 先頭へ ]

11.グイン・サーガ66 黒太子の秘密 栗本薫
ハヤカワ文庫99.6発行520円ISBN4-15-030616-8
別タイトルをつけるとすれば「スカールは見た!」度 ★★★★★
「スカさんは見た」でも可度 (。☆)\(--*)
後伝!!??度 ★★★★★
 スカさんがノスフェラスで見たものはなんだったのか。うむ、物語は核心に近づいてきたな。そこにグインがいないのだけが謎なんだけど、やっと次は本編に戻っていらっしゃるようで、さすがに嬉しい。
 しかしスカさんとナリスのあいだを阻むものが、イシュトの存在だとは…うああ、やっぱりね。でもイシュトはやっぱりただの人なのかな。スカさんとかヴァレとかの言いぐさを聞いてるとなんか不憫ではあるけど(笑)。
 さて、ナリスとグインは会うことができるのか。できないだろうなあ。やっぱり、話は収束にむかっているという気がしはじめているが(もちろんその前にひと波乱あるのはわかるけど)、あとがき読んでひっくり返る。100巻で終わったら次は…後伝…だあーっ!?        [ 先頭へ ]

12.クロスファイア 下 宮部みゆき
光文社カッパ・ノベルズ98.12発行819円ISBN4-334-07314-X
善悪の境目は難しい度 ★★☆★
主人公、最後はシアワセだったと思いたい度 (>_<)
しみじみ度 ☆★★★
 正義と悪の境目は難しい。どう見ても正義、どう見ても悪、というものは必ずあると思ってるけど、「どう見ても」じゃない場合はすごく難しいよね。
 上では、主人公はちょっとやばすぎじゃないのって感じもあったんだけど、下はなんかほんわかしみじみしてしまったね。また別の形で、この続編を書いてもらいたい気がする。        [ 先頭へ ]