1999-NOVELS
OCTOBER

[ INDEX ]

1.白夜行…東野圭吾
2.愛と死…武者小路実篤
3.黄昏の囁き…綾辻行人
4.蘆屋家の崩壊…津原泰水
5.なたぎり三人女…群ようこ
6.ヤマダ一家の辛抱 下…群ようこ
7.眠たい奴ら…大沢在昌

 
1.白夜行 東野圭吾
集英社99.8発行1900円ISBN4-08-774400-4
先が読みたくてたまらなーい度 ★★★★★
読後に色々考えてしまう度 ★★★★★
この作品の好き嫌い判断て難しい度 ★★★★★
 ネタばれ。
 ある事件に関わりのある少年と少女、一見直接的にはつながらないふたりだったが、彼らのその後の人生にもいろいろな事件が起きていく。一番最初の事件を追う刑事が、成長した男と女の裏に見たものはなんだったのか。
 なんというか、こんなに先が読みたくて読みたくてたまらなかった本というのは久しぶりだった。最後どうなるのかが、まったくわからなくて、早くそれを知りたくて止まらない感じ。
 ともかく白夜を生きているような男女の人生というのが怖かった。関わると不幸になる女、それを影から実行していく男、けれどふたりが幸せだったのか不幸だったのか、それはわからない。最後、男に本当の夜は訪れたのか、女はこれからも白夜の中を歩いていくのか。切ないラストシーンだった。
 そして、読んだあとに、これほどいろいろと考えてしまうのも久しぶり。終わってしまった男の人生、女のこれからの人生についてなんかたくさん考えた。男にも女にも感情移入はできずに読んだ(というかどちらにも感情移入させない書き方?)が、それがこんなところで効いている感じ。
 素直に「好き!」とは言えない小説だけど、面白かったのも事実。東野さんてこういう作品も書けるんだなあとつくづくいい意味での器用ぶりを感じた一冊。        [ 先頭へ ]

2.愛と死 武者小路実篤
新潮文庫1952.9発行311円ISBN4-10-105703-6
Jくんひいき本度 ★★★☆☆
究極度 ★(>_<)☆★
今の状況は?度 (>_<)(>_<)
 さて先月「ノックの音が」に続き、私のご贔屓Jくん推薦本その2(*^^*)。
 武者小路実篤本は「友情」しか読んだことがないんだけど、他にも全然関係ないところから色々あって、結構好きな作家である。
 ということで、今回の「愛と死」は、テーマも物語の筋もひたすら究極。余計なものを殺ぎおとした感じさえするくらい。で、ひとつ気になるのはこの主人公は現在どういう状況にいるのかということだ。やっぱりまだ彼女を想いつづけているのかなあ。        [ 先頭へ ]

3.黄昏の囁き 綾辻行人
NON NOVEL1993.1発行728円ISBN4-396-20415-9
ネタが痛い度 ★☆★
作者の術中にはまってる度 ((((;^^)☆
シリーズ順に読む必要なし度 ☆★★☆★
 囁きシリーズの2をすっとばして3作目を読んだんだけど、まあシリーズといっても内容に繋がりがあるわけじゃないからいいでしょう。
 このシリーズは、苦手なような得意なような…ちょっと不思議。話は館シリーズみたいなぱりぱりとしたミステリよりも好きなタイプなんですが、文章がちょっと苦手というか、読んでるうちに幻惑されそうになる。まさに作者の術中にはまってるったら(^^;。
 サーカスとか痴呆の老人とかね、扱っているものがちょっと痛い。その痛さを巧みに利用されたって感じ。        [ 先頭へ ]

4.蘆屋家の崩壊 津原泰水
集英社1999.6発行1500円ISBN4-08-774412-4
不思議な短編集度 ☆☆☆☆☆
これも連作?度 ☆☆☆☆★
怪奇小説度 ★(^^;))((;^^)★
 伯爵という渾名の男と主人公猿渡が登場する話。別にどちらが探偵というわけでもないし、探偵小説というよりは怪奇小説と言った感じ。ホラーよりも怪奇小説である。
 いやもう本当にすごく不思議なイメージの短編集だった。私としては、女ストーカーの話「猫背の女」が、めちゃめちゃ怖かったよ〜〜。電車で読んだんだけど、家では絶対読みたくないよ〜〜。あと、貴志祐介さんの「天使の囀り」を思いおこさせるような「埋葬虫」は、生理的にダメーーーっきゃーーーーっっっ((((;^^)。
 文章とか、連作短編としての雰囲気の統一性がまるでなくて、ひどくアンバランスである。でもそのアンバランス加減が今のところいい方向に働いている感じ。        [ 先頭へ ]

5.なたぎり三人女 群ようこ
幻冬舎1999.5発行1300円ISBN4-87728-297-1
古い本だと思ったのは表紙の雰囲気度 ★★(^^;
字間あきすぎ?度 ★★☆☆
身近具合度 ☆☆★★
 こちらも連作。発行日が意外に最近だったので驚いたが、内容は相変わらず面白い。変な背伸びがないところがいいよなあ。で、読者は、そうそうって共感したり、私の方がスゴイって優越感をもったり、逆にやられたって思ったりするんだよね。主人公たちは私よりもやっぱり年上なんだけど、それでも同年代感覚で読めてしまうのだ。ファミコンとか免許とか自分の体とか家とか、それぞれの話のテーマも身近というのもいいのだよね。
 しかし、活字の詰まった「蘆屋家…」を読みおえて、すぐこの本を開いたんだけど、あんまりにも活字の間が開きすぎていてびっくりした(^^;>念のため・「蘆屋家…」の字間が詰めすぎというわけでは無論ない。        [ 先頭へ ]

6.ヤマダ一家の辛抱 下 群ようこ
幻冬舎98.6発行1400円ISBN4-87728-236-X
テレビと全然違うやん度 (^^;(^^;(^^;
ヤマダさんの会社は大変度 ☆☆※※▲
季節が変わっていく感じ度 ★★(^^)★★
 ということで、この先どうなるので上巻から続いた話。ヤマダさんの会社は凄いことになってしまった…(^^;。でもこういうことって、中小企業では案外よくあることなんだろうなあと思うよ。
 仕事が変わった父と母、彼氏っぽい人ができたかなの姉、勉強ができるようになりはじめた妹、少しずつこうして変わっていくんだろうなって思う。時間の経過というよりも、少し季節が移りかわっていくような雰囲気が漂っていた。みんなまだまだ大変だけど、このままで行くならこの一家は大丈夫なんだろうなと思う。
 しかーし、この秋から始まったテレビドラマ、原作と全然違う…っつーか、ホームドラマ系で原作に忠実ってあんまりないよね、いや、ホームドラマに限らんか(桐野夏生さんの「OUT」はこれまで結構忠実ですが、この後はどうなるのかなあ?)        [ 先頭へ ]

7.眠たい奴ら 大沢在昌
毎日新聞社1996.11発行1650円ISBN4-620-10553-8
眠たかったのは私度 m(..)mm(..)m
軽快なハードボイルド度 ♪★★★♪
今後が読みたい度 ♪☆☆☆♪
 自分の組から追われることになったヤクザと、大阪の不良刑事が、九州で宗教団体をめぐる抗争に巻き込まれるという話。本自体が厚くて二段組ではあったんだけど、それほど字詰めがきつくないのに、読むのがなんと一週間半以上かかったという代物。>これはけっして内容がつまらなかったわけではなく、わたしの時間がなさすぎたということ。読書に関してはあんまりな今の状況…。
 話はシリアスでも案外軽く読めるという感じで面白かった。気負いなく読めるハードボイルド。さてこの後、一度東京に戻った主人公はまた九州に来ることができるのか。ちょっと今後を読みたい気分。        [ 先頭へ ]