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1.透明な一日…北川歩実
2.バースデイ…鈴木光司 3.水の翼…小池真理子 4.盤上の敵…北村薫 5.巷説百物語…京極夏彦 6.グイン・サーガ68 豹頭将軍の帰還…栗本薫 7.永遠の仔 上…天童荒太 8.永遠の仔 下…天童荒太 9.百器徒然袋―雨…京極夏彦 |
| 1.透明な一日 | 北川歩実 | |
角川書店99.7発行1700円ISBN4-04-873171-8
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記憶障害ってミステリとしていい設定だ度 ★(゚o゚)★
ストレートすぎかも度 ☆★※★☆ 過去が痛い度 ☆☆★☆ |
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記憶障害という設定をうまく使った話。記憶障害の男、その娘と恋人、さらに過去の放火事件を調べていた男と婚約者――過去の事件と絡みあうように、現在でも事件が進行していくが、意外にもストレートなミステリであった。
北川さんが北川さんだけに、最後でもうちょっと記憶障害をひねった背負い投げーっが出るかと期待もしていたんだけど、さすがにそこまではなかったか。というか、まあ贅沢は言うまいって感じかな。 [ 先頭へ ] | ||
| 2.バースデイ | 鈴木光司 | |
角川書店99.2発行1400円ISBN4-04-873151-3
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リング>らせん>ループ度 ★★!!!
やはりシリーズはホラーではないなあ度 (--;(--;(--; うちの「ループ」はどこ行った度 (^^;(^^;(^^; |
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「空に浮かぶ棺」「レモンハート」「ハッピー・バースデイ」という中編を集めた「リング」シリーズの番外。
鈴木氏本人はホラー作家と呼ばれることを嫌っているそうで、まあホラー作家と呼ぶつもりはないけど、でもホラーがうまいことは確か。「リング」はやはりすごいホラー小説だし、舞から貞子が生まれる「空に浮かぶ棺」も怖くてたまらなかった。読み終えたあと、表紙が見られないほど怖かった。 それにしてもこの中編3つのつながりって、「リング」「らせん」「ループ」のつながりとよく似てる。最後の最後にあたる話「ハッピー…」が、やはりこのシリーズがホラーでないなあと思わせられるんだけどね。 やはり私は単体で「リング」を一番評価しているのだが、うちの鈴木氏サイン入り「ループ」は人に貸したら返ってこないーーーっ>私の名前も入ってるのに(>_<)。 [ 先頭へ ] | ||
| 3.水の翼 | 小池真理子 | |
幻冬舎1998.12発行1700円ISBN4-87728-269-6
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恋愛小説度 ★★★★★
色気ある度 ★★★★★ 退廃度 ★★★★★ |
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木口木版画家の柚木とまだ若い妻の紗江、ふたりの前に現われた青年東吾の物語。
小池さん得意(というか、すごく思い入れがあるんだろうな)の昭和のある一時期の小説で、「恋」などの作品にも共通している退廃的な感じがすごく出ている。柚木の死、東吾と紗江の関係、そこからどんな集結が導かれるのか、期待を裏切らなかった。 三島由紀夫の自決とか、この時代にはありえた、この時代だからありえた信念の貫き方、崇高さが、凝縮されて美となって本に詰め込まれている気がする。まさにこの時代だからありえる恋愛小説だと思う。ラストがどうなるのかなあと思ったんだけど、そうくるかって感じ。しかも、すごく鮮やかに決まってた。そのラストさえ、全然作り物くさくない。 しかし、本当に文章にも話にも登場人物にも色気があるなあ〜。 [ 先頭へ ] | ||
| 4.盤上の敵 | 北村薫 | |
講談社1999.9発行1600円ISBN4-06-209876-8
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妻の回想は…ナルホド度 !!!!!
計算しつくされ度 ☆★◇★ 痛い辛い度 (>_<)/ |
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ネタバレするわ!
銃を持った殺人犯人が家にたてこもり、そこにはひとりでいた「妻」が人質になっている。その事実を知った男のあらゆる画策、妻は助かるのか。 という設定の合間合間に、妻である女の回想が入ってくるのだ。これがまた結構うざったかったのよ。たてこもり犯との攻防に絞って書いた方が、スピーディな展開になっていいんじゃないのかな、と思ってたんだけど、読みすすめるうちに…どんどん怖くなってきた。あとになって気がつくと、この回想こそが問題なんじゃないか。 読み終えたあとは、「よかった」「面白かった」よりもまず「さすが」と唸ってしまったほど綺麗に収まったミステリであった。構成はもちろん、そして北村さんらしいと思わせる味のある情景描写、どれを取っても綺麗すぎ。この「すぎ」が好き嫌い分かれるところかもしれないけどね。 しかし、なによりも痛かったのは、この回想に現われる三季という女の悪意だった。この悪意は痛すぎるし辛すぎる。この話が素直に「よかった」と言い切れないのも、この悪意があるからなんだと思う。 [ 先頭へ ] | ||
| 5.巷説百物語 | 京極夏彦 | |
角川書店1999.8発行1900円ISBN4-04-873163-7
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騙し騙され度 ☆(^^)★♪
不思議はあるのかないのか度 ♪★(^^)☆ 色々と爽快度 ☆♪(^^)♪★ |
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「怪」に掲載された短編を集めた作品集だが、どれもうまく妖怪と絡め、しかも騙し騙されの話に仕上がった。ピカレスクって感じもちょっとするし、小気味よいのだ。でも、「怪」を買ってるのに一編も読んだことがなかった私って、いかに雑誌をまともに読まないかわかるというもの(笑)。
構成もそれぞれ凝っていて、「舞首」とか、読み終えたあとで、もう一回前を読み返してしまった>この話は面白かったぞー。あとは「芝右衛門狸」の狸の化けるエピソードみたいないかにも昔噺ってのもいいしねえ。京極さんの小説って、どんな不思議なことでも受け入れてしまうんだよね。すでに語り口で幻惑されてるとも言うんだけどさ。 [ 先頭へ ] | ||
| 6.グイン・サーガ68 豹頭将軍の帰還 | 栗本薫 | |
ハヤカワ文庫1999.11発行520円ISBN4-15-030628-1
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祝・ケイロニア帰還度 ♪☆♪☆♪
しかし世界は不穏度 〜〜((((;^^) マリウスも不穏?度 〜〜〜((((;^^) |
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グインがケイロニアに帰ってきたーっっっ。いやあ、本当にグインが本編にいるということがこんなに嬉しいなんて、昔の私からは想像もできないなあ。
しかしだからといってそれですべてよしってわけにはいかなくて…イシュトはなんかどうも、今後かなりヤバい立場に立たされそうだし、このまま幸せになるかと思われたマリウスとオクタヴィアももしかしたら?だし(っていうか、マリウスの気持もわかるからなあ>でもマリウスはこれからパロの王子って本当の身分のことでも一波乱あると思うし)、まだまだ安心はできないんだなあ。 というか、グインがケイロニアに帰ってきた割には心配事の種が増えた気がするこの巻。 [ 先頭へ ] | ||
| 7.永遠の仔 上 | 天童荒太 | |
幻冬舎1999.5発行1800円ISBN4-87728-285-8
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待ちに待った度! \(⌒o⌒)/
迫力の筆力度 ★★★★★ 下巻も読みたくなる度 ★★★★★ |
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図書館にリクエストを出してから半年以上。ようやく回ってきて、でも今あんまり本を読む暇ないのに読めるかなあと心配したのだが、杞憂にすぎなかった。読み始めたら、先が気になって気になってどうしようもなくなり、あっという間に読み終えてしまった。
虐待されて育った子供を軸に、子供から大人へ、そして老人へという人生のサイクルを書いた話だが、前作「家族狩り」でも思ったけど、残忍なシーンがかなりうまいのだ。読んでいてもかなり痛い。それでも読みたくなる話。主役三人の身に過去何が起きたのか、そして今何が起きつつあるのか、まだこの時点ではなにもわからないし、わかってしまったら更に辛くなると思う。三人の未来に明るいものが待っているとは思えない。けれどそれでも、下巻が読みたくてたまらない。 [ 先頭へ ] | ||
| 8.永遠の仔 下 | 天童荒太 | |
幻冬舎1999.5発行1900円ISBN4-87728-286-6
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泣いた!面白かった!度 ★★(>_<)★★★
大人は昔子供で、この先老人になる度 ★★★★★ 優希には幸せになってもらいたい度 ★★★★★ |
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ネタバレ。
人と人との関わり、家族の関わり、生命が繋がっていくことの辛さを感じながら読んだ。誰が優希の父親を殺したのか――その真相を三人がもっと早く知っていたら、彼らは幸せになれたのだろうか、なにかひとつ、どこかでなにかのタイミングさえ違っていたら、彼らはこういう結末を迎えずに済んだのだろうか。 病院を去った優希、警官を辞めた梁平、死を選んだ笙一郎。生きていてもいいと、彼らに本当に言いたかった。辛い過去の出来事、人を殺した記憶、崩壊する家族、けれどこの先いつか幸せになれる日も来るのではないか。そう思いたい。 筆力も迫力も説得力もある凄い小説で、なによりこれだけの厚さを感じさせずに読ませる力は本当に素晴らしかった。この小説を読んでいるあいだ、物語の登場人物に同化して、最後の方は泣きながら読んでしまったくらい辛かったけれど、読者としては本当に幸せなくらい楽しかった。こういうのが小説を読む醍醐味なんだなと思う。良質のミステリというよりも、良質の小説。 [ 先頭へ ] | ||
| 9.百器徒然袋―雨 | 京極夏彦 | |
講談社ノベルズ1999.11発行ISBN4-06-182100-8
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要するにシリーズ度 ♪☆♪☆〜♪
活劇度 (。☆)\(^^) 「僕」の名前は?度 ★(^_^?★ |
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雑誌「メフィスト」掲載薔薇十字探偵社シリーズの中編が3作。そうです、あの神様こと榎木津礼二郎探偵サマメインの小説がやっとまとまったあ♪ いやもう榎さんファンの私としてはお待ちかね(いや、掲載されてた「メフィスト」買ってるんだけど、読んでないんだよね〜)。
しかし、ページをめくってみれば、京極堂はいるわ、鳥ちゃんはいるわ、木場修はいるわ、伊佐間はいるわ、当然関口もいるじゃんて感じで、シリーズものとあんまり変わりがなかった。シリーズ未読の方は、まず長編を読んでからこの本を読みましょう。 もっとも、話のまとめ方はやはり京極堂中心のシリーズと、榎さん中心のこの話じゃ当然変わってくるんだけどね。最初の釜の話なんて漫画みたいよ(笑)。まあ、榎さん中心てことも当然あって、なかなか楽しい中編集に仕上がっていた。続きが早く出ないかな♪ [ 先頭へ ] | ||