後援会発足に寄せて

「モノクロの書線が放つ虹色の光」
                  フリーライター 牧村由美 

 古来から「言霊(ことだま)」といわれるように、言葉にはそれ自体に力が宿って

いると考えられてきました。そして書という行為は、言葉のもつ力にさらなる自身の

思いを込めて紙の上に定着させることのように思えます。そうふまえた上で氏の作品を

みるときに感じるのは、その作品に表わされている言葉の普遍的な力とエナジーは、

氏ご自身の魂の投影にほかならないということ。その静かな迫力と穏やかな吸引力に、

ただただ圧倒されるばかりなのです。

 森大衛氏の作品世界について語ることなど本当はできるはずもなく、作品をみる人

それぞれに、ただそれを感じていただくしかないのですが、それでもあえて申し上げる

としたら、氏の作品には、本来ならば相反するはずのものが何の違和感もなく、分かち

難く共存しているように思えるのです。相反するものとは、猛々しい豪快さと危うげで

儚げな繊細さであり、ほとばしるような熱情と射るような冷徹さであり…それはまるで、

溶け合うはずのない水と油がなにかの拍子に混じり合ったとき、虹色の光を放つのにも

似た一瞬のきらめきのようです。そしてそのきらめきはおそらく、森大衛氏ご自身をも

映し出したものであることはまちがいありません。