| Wonderful Days 一般的日記 土建屋勤務のKMCさんの一般的な日常を綴る一般的日記。 2012 08 07 06 05 04 03 01 2011 12 11 08 07 06 05 04 03 02 01 2010 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 2009 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 2008 12 11 10 09 08 06 05 04 03 01 2007 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 2006 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 2005 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 2004 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 2003 12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01 2002 12 11 10 09 08 07 06以前 |
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■2012/9/19 奥穂高続き。 テントのフライのみで張る予定がうっかり本体のみを持ってきてしまった愉快なkmcさん。しかし雨さえ降らなければとくに問題ないはず。ほとんどふて寝で仮眠を取って、起きるとテントの受付が始まっていたのでそれを済ませる。さてまだ15時半だ。どうしよう。売店で生ビールを飲むことも出来るが今日はワイン持参だしな…と思ってると雨がぱらつきだした。と、見る見る間に立派な雨となり、大雨へ進化し、嵐になった。ギニャーッ! テントが浸水する! 通常テントというものは本体のみでは雨は防げない。ナイロンではあるものの、きちんとした防水素材ではないため、打たれ続けるといつかは染みてくる。ウインドブレーカーみたいなもんだ。よって一般的なテントはもう一枚、防水性・耐候性のあるシートを上にかぶせて二重構造とする。これがダブルウォールテントであり、その耐水性のあるシートがフライシートである。このフライシートがないと当然テントは浸水するわけだ。 と言ってもフライシートのみで張った場合も雨が降り続けば床から浸水する。フライシートは上からかぶせる物だからテント本体のような床(フロア)は存在しないからだ。だがここ涸沢は石ころだらけのサイトでその名も涸沢(からさわ=枯れ沢)なので水はけは抜群によいと思われる。これならばフライのみでの設営に向いていると言える。 そうは言っても、やはり最悪の場合を考えて水対策は一応整えている。濡らしてはマズい羽毛のシュラフは使用時には防水のシュラフカバーを使い、ザックに収納する際はビニール袋に入れた上でアウトドア用の防水バッグに入れてある。身につけていない電気機器やバッテリー類もこの中だ。これを持ち出して屋根のあるところへ待避。これで雨が止むのを待つ。 ![]() まだ晴れてるテント場。 ![]() 猛烈な雨。 ![]() 止まない…。 結局1時間ほども降り続いただろうか。やっと降り止んだのでテント場へ戻る。テントは当然浸水していたが、自立式テントという物はペグなどの地面への固定さえ外せばそのままサクッと持ち上げられるので入り口を下に向けてたまった水を排水してしまえる。敷きっぱなしにしていたスリーピングマットはウレタン部がやや保水していたので絞りだすように拭いて外に干す。 寝るまでには何とかなるだろう。暮れ始めた石ころだらけのテント場で湯を沸かして夕食にする。これで寝てる間にもう一雨来たらきついが、こんだけ降れば今日の分は終わりだろう。 ![]() 夕方のテント場。最盛期には700ものテントが張られるらしい。 ![]() 翌日、朝3時起床。今日は奥穂高まで往復してテントを撤収して上高地まで降りる。夜にはうちへ着いている予定で考えると早朝からの行動になる。本当は前穂高辺りを経由して降りたかったが、それだと涸沢に戻らないのでテント装備を持って登らねばならない。奥穂高はたぶん今までの山行で一番険しい山なのでそれは避けたくて往復ルートとした。 というわけで火を使わないでさっさと食事を済ませて必要最小限のものだけザックに入れて4時出発。まだ暗いのでヘッドランプでの行動だ。涸沢から奥穂高への道は、最初は二通りあって雪渓を横切る道と、テント場正面涸沢小屋の前から上がっていく道と二つある。横着してアイゼンは持ってこなかったので雪渓を避けて涸沢小屋経由ルートから上がる。 涸沢小屋へは石畳の道が通じているので暗くても迷うことはない。ほどなくして涸沢小屋へたどり着き、まだ人影も少ない中をテラスを通って裏手から山道へ上がる。しばらくは分かりやすいが、やがて開けた石だらけの道に出る。歩くのにはそんなに苦労しないが開けているのでぱっと見ルートが分かりにくい。が、きちんとペンキでマークがしているので見落とさないようにヘッドランプを付けた頭を振り振り慎重に進む。後ろを見ると山の端がオレンジ色に光り出している。夜明けが近い。 ![]() 涸沢小屋のテラスから見たテント場。 ![]() ![]() こんな石ころの道を上がっていく。 ![]() すごい綺麗な夜明け。 ![]() 景色が真っ赤に染まる。この朝と夕の光の色を見られるのは泊まり山行の醍醐味。 ![]() こうして見ると涸沢はかなりの窪地。冬は雪崩とかどうなるんだろう。 ![]() ザイテングラートも真っ赤。 ![]() ザイテングラートの取り付きには夜明け間もなくの5時半に到着。たいそうな名前が付いているが意味は「支稜線」で、つまりメインの尾根に続く枝尾根である。gratにはただの尾根でなく「痩せ尾根」という意味があるらしく、いわゆるナイフリッジ的な物か。とにかく傾斜のきつい、細い岩場を登っていくことになる。登るときはそうでもないが降りるのが少し怖い部類の道だ。 ![]() この岩場をひたすら登る。 ![]() もう日はすっかり昇った。涸沢ヒュッテが小さい。 ![]() 頭上に小屋が見えてくる。 ![]() 穂高岳山荘到着。6時半。いよいよ奥穂高岳が丸見えに。登山道ってものが見えねえ。どうやって上がるんだ。 以下次号。 ■2012/9/17 尾瀬の次の夏の山遊びは奥穂高に行ってきた。 昔から山と言えば穂高、みたいなイメージがある。八ヶ岳よりも南アルプス、そして南アルプスよりも北アルプス。黒部峡谷・立山や白馬岳や乗鞍岳…ときいたことあるような山々を並べるその最高峰。標高から言っても富士山は別格として日本第2位の北岳(南アルプス)に次ぐ第3位。「氷壁」も「風雪のビバーク」も穂高。登山口が上高地というのがまたいい。 そんなわけで何年も前から「いつかは」と思っていたのだがもうそろそろチャレンジしても良いだろう、と自分の中で決定したので満を持して登ることにしたのだ。 新宿−(夜行バス)−上高地−横尾−涸沢−奥穂高−涸沢−横尾−上高地−バス−新島々−(電車)−松本−(電車)−新宿 上高地までのアクセスは公共交通なら松本から電車で新島々まで、そこからバス、ということになるのだが、それでは移動するだけで時間がかかって仕方がないし夜行バスを使った。 金曜日に有休を取って、木曜日の夜に出発。この出発日の夜に突発的に外すことの出来ない用事が入って弱ったが、バスの発時間は深夜なのでなんとかなった。例によってこんな狭いバスの座席じゃ神経質なおれは眠れないぜムニャムニャ…と起きたら上高地に着いていた。朝6時過ぎ。こりゃ便利だ。 初の上高地はなんだか観光地らしい観光地であった。バスターミナルのそばにでっかいログハウス風のレストラン兼売店がそびえ立っている。iPhone版の昭文社地図はダウンロードしてあったが、どうにもタイミングを逸して紙の地図を買えてなかったのでここで購入。上高地だからこんな売店があって入手できるだろうと踏んではいたが、読みが当たってホッとする。デジタルデータは何かの拍子に消えたりしそうで不安なのは考え方が年寄りなのだろうか。 簡単に朝食を済ませて歩き出す。と、すぐに写真でよく見る河童橋と、その背後にどっかり広がる穂高連峰(どの山かその時は分からんかった)が現れる。おー、上高地だ! と感動してシャッターをバカバカ切るが逆光気味で上手く撮れない。まあいいや。明日になればおれはあのてっぺんにいるのだからな。実際に登る山が今見えてる山かよく分からんけど。 ![]() バスターミナルの売店。でかい。 ![]() 例の河童橋。朝日で後ろの山が真っ白に飛んでる。次来るときまでに写真の撮り方を覚えないと。 ![]() 山に露出を合わせると木々が黒く潰れる。エントリーとはいえせっかくの一眼レフなんで使いこなそうぜ。 上高地からはずばっと穂高連峰が見えているのだが、これからその奥深くにある涸沢へ向かうには沢沿いに大きく右手に迂回して歩いて行く。道はほぼ平坦だがかなりの長距離で、今日の目的地であるその涸沢までは6時間ほど歩く必要がある。 ![]() 山では夏の花には遅い時期だが、秋の花が綺麗に咲いていた。トリカブト ![]() ![]() 明神岳と前穂高、かな。この山塊を右手から迂回して穂高連峰の下へ入っていく。 ![]() ![]() 車も入る道なので歩きやすい。上高地だけではさすがに物足りない観光客もまだまだたくさん歩いている。 ![]() 1時間ほど歩くと明神館。7時半。飲み物の自動販売機があって缶は160円ペットボトルは200円。この値段ならここらで一服もよいでしょう。 ![]() 今回新投入の「山と道」U.L.FramePack ONE。標準重量で500gを切るという超軽量ザック。おれは通気性・クッション性が抜群のオプション背面パッドを入れてるので100gほど重い(標準でも背面パッドは付いてる)。容量は47リットルとされているがもっと入るような気がする。セミオーダーでほぼハンドメイドなので注文から時間がかかったが、この山行には無事間に合った。 ![]() 橋の向こうには由緒ある嘉門次小屋がある。 ![]() 明神岳はいくつもピークがあってカッコいい。基本的には登る山ではないみたい。ファイト一発の世界。 ![]() 河原が広い。 ![]() 明神から1時間ほどで徳沢。9時。ここらもまだ観光地っぽい雰囲気。テント場が気持ちよさそう。 ![]() みんなソフトクリーム食ってる。ぐぬぬ。帰りは食ってやったが今は先を急ぐ。 ![]() さらに奥へ奥へ。10時前に横尾へ到着。 ![]() ![]() 立派な山荘に自販機があるがここまで来ると500ミリペットは300円。150円の差額を嫌って500gの重量を3時間背負って歩いてくるのも個人の自由である。 上高地から徒歩3時間強。ここらが観光地としては終点だろう。ここまでは多分スニーカーでも歩いてこられる。ここから先はようやく山道と言えるが、山道としては相当優しい。無駄なアップダウンもなくゆるやかな上りオンリー。ただとにかく距離が長い。 ![]() 涸沢までの中間点ということで大休止をとる。と言っても今日の昼はかっちりとは取らずに、玄米ブランやカロリーメイトやミックスナッツをボリボリ食いながら歩いている。今日は時間があるので急ぐわけではないが、時間が節約できるし日帰りなら火器を持つ必要もないので良い方法だ。 ![]() ここを渡るとようやく山って気がする。 ![]() ![]() こんもりした山が見える。地図にある屏風ノ頭という山だろうか。 ![]() ![]() 本谷橋。 ![]() 右岸が休憩場所になってるみたい。 ![]() 前を歩いてた二人連れがなにやら発見した模様。なんだなんだ、と覗き込むとオコジョだった。初めて見るぜ。今までいろんな野生動物を見てきたけどこれは新鮮。 ![]() 動きが超速く撮りづらいが、人を恐れてはいないようでいつまでも回りをチョロチョロと駆けずり回っていた。 ![]() ![]() そろそろ疲れてきたぞ。涸沢はまだか…と思いつつ。 ![]() 林の中の角を曲がると唐突にたどりつく涸沢ヒュッテ。13時15分。長い道のりだった…。 北アルプスの小屋と言えば去年の白馬岳の山小屋が印象に残っている。ベッドや本格和室があり生ビールがジョッキで飲めるという、カルチャーショックを受ける立派な小屋である。もはや小屋という言葉がそぐわない。そこまでではないがこちらもすごい小屋だ。 ![]() これが涸沢。左上方の出っ張りは北穂高岳か。明日登る奥穂高はもっと右手になる。 ![]() そしてこれが名高い涸沢のテント場。日本でもっとも有名なテント場ではなかろうか。左に見える建物は涸沢小屋。 テント泊をするようになってからは「いつかは」と思っていたテント場だ。立山の雷鳥平かどちらか、という感じだが立山は東京からは遠いのでいつになるやら。 さて、テント泊であるが、先ほど涸沢手前ですれ違った人の話では先にテントを張ってしまってから15時の受け付け開始を待って、テント場の中にある小屋で随時受付をしてもらえばいいらしい。よし、じゃあそうしよう。ガレガレのテント場へ向かう。 テント場は石だらけのサイトでおおよそ土の地面が露出している場所がない。涸沢(からさわ)の名の通り、枯れた沢そのものだ。事前に情報は得ていたがまさかここまでとは。そんなわけでここではテントの下に敷く用のコンパネやマットをレンタルしているらしい。これは出発前はどうするか悩んだ。ここで借りるか、自前で用意すべきか、もしくはいつもの装備のままいくか。借りようかとも思ったが、ここまで来て他人の用意した装備に世話になるのも興醒めな気がして自分の薄いスリーピングマットオンリーで行くことにした。今日のテントは尾瀬に引き続きフライのみで張るつもりだ。ところがここで齟齬が。ザックから引っ張り出したテントはフライのみではなくて本体のみであった。げっ、間違えた。 ![]() 本体のみのテント。肌襦袢だけのような心許なさがある。でも雨さえ降らなければ大丈夫っぽくない? ![]() 涸沢の温度計。真夏だけど19度。快適ですな。 ![]() 涸沢カールの雪。ん、雲が出てきたな。しかしテント受け付け開始まで間があるので仮眠することにする。 以下次号。 ■2012/9/9 尾瀬続き。 尾瀬沼ヒュッテの居心地の良いテン場に落ち着いて一息、ついに雨が降ってきた。このフライのみのフロアレスシェルターがどの程度雨に耐えられるものか良い機会だ。かかって来いや! ![]() 寝る時はこんな感じ。まわりが林で虫は結構いるのでこのようにピラミッド型の蚊帳を吊って上半身はこの中に入れる。 ![]() 雨がだんだん浸食してくる。 雨はけっこうな勢いで1時間ほど降り続いた。外に出ることも出来ないので結局うとうと居眠りしながら過ごす。ウッドデッキなので地べたに水がたまることは無く、その点では良かった。結論として、地面の水はけが良いところなら何とか凌げる、というところだろう。シュラフは羽毛なので濡らすわけにはいかず、やや暑苦しいが防水のシュラフカバーを使った。 この、フライシートのみでテントを張るのは適当山行のファイナルアンサーかもしれん。フレームがあって自立するので安定感がツェルトとは段違い。手頃な大きさの石があるなら4隅から出てるストラップ部にボンボンボンと石を乗っけておけば強風以外なら安定する。もちろんきちんとペグを張ったり細引きを石に結んでもいい。ツェルトはきちんと張るにはテクニックと練習が必要で、しかもきちんと張ってさえ頼りないものだ。こっちならほんとに3分かからずに張れる。軽さはさすがにツェルトには劣るがポールとフライシート合わせて800g弱。雨もなんとか凌げる。 夕方には雨も上がったのでヒュッテの風呂へ入りに行く。下水じゃないので石けんなどは使えないが入れないよりだいぶマシである。あとはもうさっさとメシ食ってイヤフォンで音楽を聴きつつ眠りにつく。たまに目が覚めてフライのファスナーを開いて夜空を見ると星がわさわさと都会とは違う多さで瞬いている。明日は晴れだな。 4時起床。カロリーメイトや玄米ブランをモサモサと口に詰め込み適当な朝ご飯とする。簡単なテントは撤収も非常に楽でさっさと出発する。まだ5時前だ。 ![]() テントサイトはこんな感じ。このように木道からすぐのサイトもあればおれが使った左手のように奥まったサイトもある。奥まってると虫が多いので注意。 ![]() 尾瀬沼ヒュッテ。朝は霧が濃い。 ![]() ![]() ![]() 霧が出てすごく雰囲気の良い尾瀬沼をあとにして燧ヶ岳へむかう山道へ踏み入れる。昨日の雨のせいかぬかるんでいるが、広くて静かな森の中の道。 ![]() ギンリョウソウ。 ![]() ゴゼンタチバナ ![]() 7時20分。樹林帯を抜けてようやく燧ヶ岳を眼前に捕らえる。 ![]() 眼下には尾瀬沼が広がる。こうしてみると小さい。 ![]() 傷んでるけどレアポケモンのキヌガサソウ。 ![]() 燧ヶ岳登頂、8時。 …と言いたいが、実はおれは燧ヶ岳の最も高いピークに登っていない。燧は3つのピークがあって(厳密には5つだが登山道が通っているのはうち3つ)、最高峰柴安ー(しばやすぐら・2356m)、俎ー(まないたぐら・2346m)、ミノブチ岳なのだが、この俎ーのみ通って柴安ーはスルーしてしまったのだ。これは帰りのバスの時間の都合で急いでいたのと、俎ーが最高峰と勘違いしていたためだ。ぬぅーなんかショック。まあ忘れたもんは仕方ないだろう。また来よう。 帰りはこのまま北側の御池へ降りる。御池からは会津鉄道の駅までバスが出ていて、その駅からは直通で東武線に乗り入れている。サクサク降りるぜ。 ![]() 燧ヶ岳山頂から1時間ほど下った辺りで木道が窪地へ降りていく場所がある。花のように白いワタスゲが道の脇を飾り立てている。熊沢田代という場所だ。 ![]() チングルマの花後。 ![]() ![]() 2つの小さな池が草原の中に現れる極楽みたいな場所だ。写真だとあの雰囲気がいまいち再現できてない。晴れてたらもっと良かったのだろうか。だがこの霧の中のたたずまいもこれはこれで。 ![]() キンコウカの中に混じってリンドウが咲いている。 ![]() 池の畔にはベンチがしつらえてある。しばしこの極楽の風景を堪能するが、ますます雲が出てくる。こりゃ一雨来るな。御池に着くのとどちらが早いか。 ![]() ![]() 熊沢田代からの下りは結構けわしい。もう一度晴れた日にここへ来たくても、御池から上がるのはここまででも山慣れていなければかなりしんどいだろう。2時間登ってこなくてはならない。このために観光客があまり来ずにこの風景が残っているのだろうか。本当に尾瀬の穴場である。尾瀬は尾瀬ヶ原・尾瀬沼だけでも十分に美しいのだが、2度3度くるならアヤメ平とここ熊沢田代は是非とも選択肢に入れるべき。どっちもしんどいけど。 雨のぱらつく中、御池には10時40分到着。御池では入浴できるのだが帰りのバスまでに時間が無いので短髪を生かしてトイレの水道でジャバジャバと頭を洗う。あとシャツと靴下を替えると多少サッパリするのだ。いかにもヤバイ雷鳴が鳴り出した頃になんとかバスが来た。ホッとして乗り込み、出発してしばらくするともう雨が本降りになってきた。危なかったが今日は雨を避けられたな。 尾瀬は見所もたくさんあるし季節によって花も変わるし何度来ても同じ旅にならないところがいい。高い山の頂上から四方を見渡すのも良いけど、見渡す限りの平原を堪能できるのはここ尾瀬の魅力。今度来る時はどういうルートにしようか。 ■2012/9/8 尾瀬続き。 竜宮十字路の先にある竜宮小屋の脇を通ってさらに東へ。30分ほど歩いてようやく尾瀬ヶ原の東端の下田代十字路にたどり着いた。10時15分。ここは尾瀬ヶ原の中でも最も小屋が集中して建っている見晴銀座とも呼ばれる辺りで休憩所も豊富。まだ午前中とはいえもう4時間も歩いているのでおれもここらで一休みにしようとある小屋でコーヒーを注文。荷物を下ろして一息つく。だがこれが良くなかったのだ。 休憩後、湧き水を補給して元気を取り戻してさらに先へ歩き出す。ここからは尾瀬ヶ原エリアと尾瀬沼エリアをつなぐ山道である。白砂峠という場所を越える、こちら尾瀬ヶ原からは上りとなる道だ。距離も比較的長くコースタイムは1時間50分。今日の行程で一番つらいところだろう。がんばるぜ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 再び山道へ。 で、1時間だか歩いて途中で腰を下ろして休憩してふと恐ろしいことに気付く。携帯持ってない。って言うか携帯その他を入れたサコッシュ(小物を入れる小型超軽量のショルダーバッグ)をどこかに忘れてる! 信じたくないがあの下田代の休憩所しか心当たりがねえ。今からこの道もどるのかよ…。 ザックを道ばたにデポして今まで稼いできた道を戻る。木道区間が多く、しかも上ってきた道だから戻るのは楽な道だ。引き返して時間をロスしてもまだ時間的な余裕はある。しかし気分的には当然しんどい。さっきの休憩所で見つかるという保証も無い。気が焦って駆け下りるようにしてなんとか元の休憩所にたどり着く。あった! ちゃんと保護されていた…。小屋の人に礼を言ってもう一度上り道をこなす。 結局往復で1時間ほどロスして元のザックをデポした場所に戻り、持ってきたラーメンを煮て昼食にする。もう結構長時間歩いているが、ほとんどが尾瀬の平坦な木道歩きだったのできつくはない。まあ忘れ物取りに行くのでダッシュしたけど。 再出発。間もなく白砂峠を越えると山間にちょっとした湿原が開ける。地図にある白砂田代だろう。ここを越えるとすぐに再び視界が開けて尾瀬沼の湖畔に出る。13時30分。 まずは尾瀬沼の西端、沼尻の休憩所で一休み。長かった。天気はやや曇ってきているがまだ保つかな。ここから尾瀬沼の北端を回って尾瀬沼の東端へは1時間ほど。14時半についに本日の最終目的地、尾瀬沼ヒュッテへたどり着く。ここらは多くの山小屋が集まっていて尾瀬沼エリアのベース的存在だ。ヒュッテで受付を済ませてテントサイトへ。 ![]() ![]() 尾瀬沼 ![]() ワタスゲの綿毛の季節。 ![]() ここのテントサイトは今まで見てきた数々のテント場の中でも最高に快適な部類だ。一本の木道が奥へと延びて、その左右に枝が分かれてその枝の先に1個1個の個室的テントサイトがある。おおくのサイトはメインの木道のすぐそばだが、とくに奥まった1サイトを選んで設営する。サイトは木道と同じ素材なのでウッドデッキであり整地の苦労とは無縁。ペグはもちろん刺さらないが手頃な大きさの石が用意してあるので張り綱はこれに結ぶ。水も近くの蛇口から無限に取れる。 ![]() ![]() 今回のテントは愛用のMSRハバHP…のフライシートのみ。本来はこの下に床と壁が一体になった袋状のテント本体がくるのだが省略。寒い時期でもなくサイトも極楽、風も怖くないということでより自然に近いスタイルと言える。 ![]() 一応床にはグラウンドシート。設営には構造上、テント本体かこのシートのどちらかが必須と思われたのだが、これも無しで設営が可能らしい。この動画の2分25秒から参照。 http://www.youtube.com/watch?v=niTLxy2kP2I&feature=related ![]() ビジターセンター付近 さて、あとはゆっくり仮眠でもして、なんとヒュッテでは風呂に入れるらしいのでそれを使って、メシ食ってさっさと寝るぜ、と考えていたが横着テントの大敵、雨が降り出した。以下次号。 ■2012/9/3 7月末に尾瀬に行ってきた。久しぶりの尾瀬であり日本最強の夏の思い出でありおれ的には日本有数の観光地と言っても過言ではないと思える。 尾瀬というのはおおざっぱに言うと福島と群馬と栃木と新潟が接するあたりの山のまっただ中にあって、どこから見ても辺境、とにかく人里から離れた地域と言える。よって昔から自然が手つかずで残ってきたのだが、東京電力(の前身)が発電所建設の計画を持っていて、今でも尾瀬の群馬県側は全て東電の所有地らしい。その後、自然保護の機運の高まりで結局計画は断念を余儀なくされ、尾瀬はダムに沈む代わりに東電や自治体によって保護を受けることになった。開発するつもりであった東電が今ではその自然保護の大きな一翼を担っているのであり巡り巡ってなかなか面白いことになっている。福島原発に係る対応のマズさはクソとしか言いようのない東電であるが一方ではこうした社会活動にも大きな役割を果たしているのであり、東電という会社はやることなすこと全てクソ、と一概には言い切れない。ここまででかい企業となると良いところもあり悪いところもあり様々な面がある、というのは当然だが。 その尾瀬は大きく分けると西側の尾瀬ヶ原と東側の尾瀬沼で構成される。尾瀬ヶ原は一般にイメージされるところの「尾瀬」そのもので緑の湿原の中を木道がどこまでも伸びている。さらに西には日本有数の花の山である至仏山がそびえている。蛇紋岩という特殊な岩が植物の生育を妨げ、これに適した特殊な植物が繁栄しているのである。ちなみに滑りやすい岩なので人間にも厳しい。 東側の尾瀬沼は沼とは言うものの、その実体は湖である。湖を巡る周回路がそのエリアの大半を占め、ミズバショウの群落が見られるのもこのあたりだ。尾瀬ヶ原にもミズバショウは咲くがとにかく数を見たければこちら、尾瀬沼と言うことになる。どのみちこの季節では遅すぎるが。尾瀬沼の北東には東北地方最高峰の燧ヶ岳(ひうちがたけ)がある。今回は一日目で尾瀬ヶ原を横断し尾瀬沼を半周してテントを張り、翌日は燧ヶ岳に登ってさっと引き上げる。一日目が比較的長い行程となるはずだ。 前夜は池袋から夜行バスに乗り、翌日早朝に鳩待峠に到着。ここはいくつかある尾瀬の入り口の中でも一番メジャーどころで、すでに大勢の人が到着して装備を調えている。おれも軽く朝食を摂って準備体操。今回も軽量ローカットシューズ。脱ぎ履きがしやすいのでテント泊には便利だ。ザックは前回の日光と同じオスプレーのホーネット32。30リットル級でのテント泊はまずまずコンパクトな方だろう。ただし今回はツェルトではなくちゃんとしたテント…のフライシートを持っている。軽量化のためテント本体を省略してフライシートをタープ的に使う作戦だ。しかし尾瀬の美しい植物を撮るために一眼レフを持ってきており軽さは相殺。 夏真っ盛りなのでさすがに寒いとまではいかないがかなり涼しい。軽く食事を取って歩き出す。まだ6時前。峠から尾瀬への道は下りである。ハイキングシューズが望ましいが、スニーカーでも歩けないことはないだろう。木道が整備されているが周辺はまったくの山道で、もう尾瀬の一部に踏み込んでいると言える。1時間ほどてくてくと歩くと「山の鼻」という場所に着く。尾瀬に何カ所かある、いくつかの山小屋が集まっている場所で宿泊やら買い物やら軽食やらが可能。山小屋と言っても普通の山の中にあるようなのよりは立派で山小屋以上ホテル未満と言うところか。キャンプサイトもあって色とりどりのテントが並んでいる。こんな往来の激しい賑やかな場所にテント張って落ち着けるのかな、と思う。 前述の通りこの日の日程は尾瀬ヶ原の横断。ここ山の鼻は尾瀬ヶ原の西の端で、今日の目的地はこれを横断してさらに山道を抜けた先の尾瀬沼周辺。それでも夜行バスのおかげで朝一からの行動になる。時間はたっぷりあるのでまずは山の鼻の研究見本園と名の付いた散策路をうろつく。 尾瀬の名峰、至仏山をバックにした湿原には黄色いキンコウカの花が満開になっている。ニッコウキスゲも楽しみに来たのだが、今年は花付きが悪いらしくあまり咲いていない。それでも過去尾瀬に来た時期とは違う季節の花に興奮して写真と撮りつつ歩き回る。 ![]() 山の鼻の一角 ![]() いよいよ尾瀬ヶ原へ。 ![]() 一面の黄色 ![]() 黄色いのはこのキンコウカ。 ![]() コオニユリ(たぶん)とコバギボウシ(たぶん)。 ![]() ミズチドリ。 30分ほどで見本園の散策を終えていよいよ尾瀬ヶ原の横断に乗り出す。まず最初は一本道だ。 ![]() 一般的な尾瀬のイメージ。真っ正面が明日登る山。 ![]() ![]() 久しぶりに見たかったナガバノモウセンゴケ。本州には尾瀬だけ、北海道でもかなり限られたところにしか生えないというレアポケモンである。幸い? ここ尾瀬にはたっぷり生えていて緑の湿原の中にまさに赤い毛氈のような群落を作っている。 ![]() その名の通り普通のモウセンゴケに比べ細長い。 ![]() ![]() ![]() 逆さ燧。明日登る燧ヶ岳だ。 ![]() 8時20分、牛首分岐。ヨッピ川沿いから東電小屋方面への道が分かれるが、このまままっすぐ東へ向かう。 ![]() ![]() ニッコウキスゲもちらほら。 ![]() ![]() ハッチョウトンボというらしい。普通のアキアカネよりも格段に鮮やかな赤さ。世界最小クラスのトンボらしい。 ![]() 木道がなんだか複雑な配置。この付近では雪解け時の5〜6月に「竜宮現象」というのが見られるらしい。湿原の地べたを構成する泥炭層の下に水が流れ込み、それが別の場所から湧き出てくるとか。見ないとよく分からんな。 ![]() ここが出口かしら? やっぱよく分からん。 ![]() カルガモ親子。もっと子供はいたのだが丈の高い草の中を結構なスピードで泳ぎ回り捕らえきれない。 ![]() 竜宮十字路。9時20分。このすぐ先に竜宮小屋がある。そして道はまだまだ続く。以下次号。 |
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