飛び出し坊や研究所


今をさかのぼる事8年前、僕は就職して滋賀県に来ていた兄を訪ねて初めて滋賀の地を踏んだ。車で色々な所に連れていってもらったのだが、その時僕の心を掴んだのは琵琶湖でも比叡山でも幽霊ビルでもなかった。僕の心をがっちりと掴んで放さなかったのは、滋賀県中の道路の脇に設置されている飛び出し坊やだった。

その後、大学を出てから就職した会社は、九州から千葉まで各地に事業所があるのだが、滋賀県にある事業所配属となったのは、何か運命的なものがあったのかもしれない。就職して、僕は再び飛び出し坊や再会する事となった。

「久しぶりだね」
「うん、お互い変わらないね」
「ふふ、僕の方はすっかり変わってしまったよ。変わらないのは君の方だけさ」
「いや、僕を愛してくれる心は変わっていないじゃないか」
「気づかれていたか、やっぱり....」 
なんて会話を看板である飛び出し坊やと交わしたのかどうかは読者の想像にお任せしよう。とにかく飛び出し坊やを観察していた僕はあることに気づいたのだ。同じようだが、いろいろな種類がある。いや、偽物が沢山蔓延っているが、本物は一つだ、と。