特殊戦隊イーゴス
第一章 マッドサイエンティスト珍堂登場!
時は200X年。場所は富士の樹海の中に隠されている地球科学防衛特捜隊御殿場支部。
けたたましいい警報が鳴り響くなか、かっこいい作戦室に設置された大型モニターを見ながら、いかにもという感じの白衣を着て豊かな白い髭を貯えた見事な禿頭の博士がこう叫んだ。
「いかん、浜名湖パルパルが何者かによって攻撃されておる!」
なるほど。大型モニターには見るからに悪人といった感じの黒装束の者たちが遊園地の門を破るために怪光線を放つ銃で守衛と打ち合いをやっている様子が写っている。話の展開からして守衛がやられるのは時間の問題だ。ここで守衛が勝利してしまったらお話が続かない。更に無意味に巨大なロボットがパルパルへ向かってのしのしと歩いている様子も映し出された。もちろんパルパルの破壊に向かっているのだ。
博士の叫び声に反応するように、これまたいかにもという感じのかっこいい制服を着た5人の若者達がかけよってきて、そのなかのリーダー格の青年がこう言った。
「浜名湖パルパル?あんなしょぼい遊園地なぜ攻撃を受けるのですか?」
「うむ、しょぼい遊園地は敵を欺くための仮の姿。その実、世界中の全防衛システムの制御機構があそこの地下に設置されているのじゃ!」
「にんとも、かんとも」
「これはイカン。このままでは日本が、いや世界が転覆してしまうぞ!よし、特殊戦隊イーゴスの初出動じゃ。イーゴス、パルパルへ向かい敵を鎮圧せよ!」
「ラジャー!っていったって、我々は何も訓練等を受けていないんですが、どうやればいいんでしょうか?」
「愚か者!君たち5人は最強メンバーじゃ。とりあえず現場に急行すればなんとかなるってもんじゃ。よし、君たち自己紹介するのだ。最強メンバーであることが分かるから」
まずはリーダー格のかっこいい青年。
「俺の名前はタケシ。22歳。なんでもこなす万能型です」
次にすらりと背の高い優男タイプ。クールなまなざしが特徴的だ。
「俺は翔。頭に自信があり技もさえる。23歳」
割腹の良い、いかにも力が強そうなタイプの男だ。
「おいどんはリュウ。やっぱり力自慢であります。タケシと同じ22であります」
紅一点。かわいい女の子だ。
「私はさやか。19歳ね」
そしてなぜか子供。
「僕の名前は正太。すばしっこいんだ。こう見えてもコンピュータに強いんだよ。年齢は10歳」
満足げにうなずきながら博士は言う。
「うん、うん。まさに5人戦隊のお手本のようなメンバー構成だな。このメンバーで勝てぬ敵などあると思うかね。君達?」
「いわれてみればそうですね。これで勝てないわけが無い」
タケシも博士の説得力のある説明にすっかり納得したようだ。
「そうそう、ちなみになんで戦隊名がイーゴスか分かるかね」
タケシ、ウームと首をかしげる。タケシのみならず他のメンバーにも分からない様である。いや、一人部屋の隅で腕組をして目をつぶりながら壁にもたれかかっていた、翔が言った。
「スゴーイを逆から読んだものだな。琵琶湖遊園地にある観覧車の名前にも同じ意味の名前がつけられている」
博士すっかり御満悦だ。
「よしよし。答えも完璧、役どころも完璧ってところだな。よし、イーゴス、今度こそ出動せよ!!」
「ラジャー!」