ラザフォードの裏事情

はうあっ...
それを見た瞬間、僕は全身が凍り付いてしまう思いであった。
「まさか、まさか、ラザフォードが....」
そうつぶやいてしまったものの、思い当たる節は既にいくらでもあったのだ。

最初に変だと思い始めたのはいつごろだったのだろうか。
夜、窓を開けたままで寝るには少し涼しくなりすぎたころだったのではなかったか。

もう随分成長したラザフォードはちょくちょく飼い主の僕にメールを出すようになっていた。
なかなかかわいいやつだ。
「きょう広場でみんなとおまつりをした。−−−ラザフォード−−−」
「きょうジャンポールとだるまさんがころんだをして遊んだ。−−−ラザフォード−−−」
なんとも微笑ましいメールではないか。
愛情を込めて育ててきたかいがあったというものだ。

最初におや、と思うことがあったのはそのころだ。
ラザフォードのお使いちゅうに、彼の宝箱を除いてみたときのこと。
なんともまあ、およそポスペらしくない物騒なものがそこには詰まっていたのだ。
セムテック、オート9、M161A対人地雷、スペツナズナイフ、ATGW-3、ガリル7.62、ナイトホークス.....
そのときはおやおや、まあまあ、とくらいにしか思わなかった。
なんせ、そこいらのポスペはおやじやお父さんを拾ってくるそうではないか。
まあ、ミリタリーグッズくらいで驚くこともなかろうと。

御存知の通り、僕はあのメグ・ライアンとポスペ仲間なのだ。
そのメグから先日メールが送られてきた。

いつもメグからはポスペでメールを運んできてくれるのに、その時はポストマンであった。
なぜかな?と思いながらメールを読んでみると、次のようにあった。
原文のまま英語で載せてもいいのだが、読者が読み進みやすい様に翻訳しておこう。


「こんばんは。YOSHI。今度の私の映画、見てくれた?日本では前作の恋におぼれては外しちゃったけど、今回の作品には自信があるの。あなたの率直な意見を聞かせて欲しいな。ところで聞いて欲しいの....(中略)あ、そうそう。この間、あなたのところに私のミランダをお使いに出したら、戻ってこなかったのよ。12時間たっても戻ってこないの。いったいどうしちゃったのかしらミランダ。なにか知っていたら教えてちょうだいね。」

かいつまんで書けばこのような内容のメールであった。
この時はミランダのことに即いてはたいして気にも留めずに返事のメールを出したものだ。

「こんばんはメグ。もちろん封切の日に君の作品を見させてもらったよ。うん、今回の君の演技はなかなかだったね。まあ、2、3個所気になる個所があったんだけど。(以下略)


こんなやり取りをメグと交わした後に、おかしなメールをラザフォードが書いてきた。
「きょう広場でみんなを血祭りにあげた。−−−ラザフォード−−−」
「きょうジャンポールを血だるまにして遊んだ。−−−ラザフォード−−−」
なんだぁ、これは、といぶかしく思ったが、もともとポスペのボキャブラリーは変わっている。
まあ、可愛らしい勘違いくらいにしか受け取らなかった。
しかし、これは重大なメッセージだったということに後になって気づく羽目になった。