「マブイグミ」
魂を落とした
どこかに落とした
さがしても見つかる訳が無い
探す気もない
もし君がみつけたとしても
拾わないでくれ
俺の魂は
多分、そこに居たいはず
「檻」
檻があると君は言う
だけどそこは君が選んだ場所
「illusion」
踊るピンクのネズミを見たかい?
俺は確かに見たんだ
BBのギターで
ツイストを踊ってた
嘘だと思うかい
ホントは嘘だよ
でも、見たんだ
君には教えない
「ツバサ」
イーグルが飛んでいく
俺には永遠に行けない場所に
「パーティーのテーマソング」
ヘイ、ジョー
またあの歌を頼む
「アホウども、黙りやがれ!」
今日はちょっと愉快だ
「厄介払い」
蛇には御用心
あなたの心に忍び込み
隠した秘密を運び出し
心のすき間をスパイする
忘れてしまった愛とかは
もう秘密ではないのだけれど
「あるギタリストの告白」
子供の頃
ギターを弾きたいと言ったら
母は縦笛を買ってきた
「音楽がやりたいなら同じじゃないの」
だから今もギターは弾けない
縦笛を吹きながら、僕は泣いた
もしギターが弾けてたら
僕はここにいない
母も殺さなかった
「踊る男」
南の島に生まれていたら
多分ずっと踊って暮らしていただろう
ラムを飲み
娼婦を抱いて、腰を揺らせ
毎日ずっと踊っていただろう
梅毒とアルコールで早死にしたとしても
こんどはそうする
「コレクターの日課」
コレクターの日課を知っているかい
棚のレコードが
3度と傾かないように心を乱す日々
切手に指紋が付かないように
ピンセットを駆使し
5000坪の書庫に
もれなくはたきをかけ続けるのが日課
カタログを整理し
すべての収入をコレクションに投じる
きっと楽しい事だろう
想像するだけでいやになるけど
「トップシークレット」
スーパーマンは、悪人が居ないと死ぬ
「頼みは一つ」
骨は拾わなくていい
肉があるうちに味わってくれ
「MY WILL」
犬を見ると
彼は必ず頭を撫でに行く
本当は
噛まれることを心底恐れているのに
彼は意地になって犬を撫でる
いつかのど笛を噛み裂かれ
死ぬ日が来るのを恐れながら
「グッド・バイ・ブルースカイ」
グッド・バイ・ブルースカイ
じゃあどこに行くというんだ?
晴れの日も
曇りの日も
雪の日も
雨の日も
空は追い掛けてくる
グッド・バイ・ブルースカイ
でも、君の見えない雲の上で
空はずっと青い
「ゲンズブールになりたい」
ゲンズブールになりたい
ろくでなしになりたい
酒を飲み、女を抱き
歌い、怒鳴り
殴り、よろめく
それ以外何もいらない
「ナイフとドアノブ」
いまそのナイフをどう使う?
そいつの胸に突き立てれば
中身が見えると思うかい?
それとも
君の胸の奥に
剥かれるのを待っている
リンゴがあるのかな
まるで堅いドアノブみたいに
キミはナイフを持って震えている
構わないから開けてみるがいい
そして、教えてくれ
僕の胸の奥にあったものを
でもそんなこと
ずっと興味もなかったくせに
さようなら
「FOR YOUR EYES ONLY」
僕の日記は
読後償却のこと
でも君と過ごした日々のページは忘れるな
僕は忘れる
「杞憂」
空が落ちてくる?
心配御無用
僕らが空に向けて
落ちていってるだけさ
騒ぐほどのことじゃない
人はみんな死ぬ
落下を楽しもう
「イマジン」
ジョン、君は詐欺師だ
言葉で人は救えない
人はいつでも
ちょっと迷い
またどこかに向けて
でたらめに歩きだすだけ
それでも、性懲りもなく
たとえば鉢の中の亀の
鼻先を明後日に向けるように
理由もなしに
イマジン
君の声に
僕らは今日も迷い
でたらめに歩きだす
「へイル、ヘイル、ロックンロール」
拝啓、リトル・リチャード様
ロックンロールが素敵なのは
意味が無いからだと思うのです
教訓では踊れません
愚かな恋の物語だけが
鉄板の上の猫のように
僕の心を躍らせるのは
多分、セックスに似てるからかな
「精神力」
サイコシティの住民諸君
君たちは狂ってる
赤信号で必ず止まり
瓶の中の塩のように
身を寄せ合う渋滞を耐える
ビルに閉じ込められるためだけに
日の出ないうちから起きだして
他人と足を踏みあう為に命を削る
雪が降っても空を見あげず
夕日の赤さはとっくに忘れた
涙腺が乾いても、まばたきもせず
誰かの死を目指してアクセルを踏む
こんな暮らし
たぶん、ネズミなら死ぬだろう
大いなる人類の進化
それは科学でも文明でもない
極限以上のストレスに耐える精神力だ
「what's up ?」
それがどうした?
どうもしない
ただ、少し気になるんだ
電車の中で声も出さずに
涙だけをこぼし続ける君が
「愚かなるもの」
富士山が好き?
何も考えず
年中あんなところでねそべって
年中頭の上が寒いのに気が付きもしない
天然記念物もの?
無神経にも程がある。
日本の象徴?
そうかもしれない。
世界遺産は無理だけど
「取り込み中」
ヤカンに言いたい
今、キスで忙しいんだ
沸騰するのは5分後にしてくれ
「相場」
真夜中の電話代と君の声
今の僕には後者の5円高
「歴史」
モダンは普段になって終わる
「人生訓」
大きなおっぱいも
素敵なおしりも
結局、時間には勝てない
判子を押すのは勘弁してもらおう
僕は案外堅実なんだ
「引力」
バランスが大事
目に見えるものは嘘をつく
支点などなくても
月は落ちてこない
波がいくら寄せても
砂浜はそこにある
バランスが大事
狂っても
叫んでも
泣いても
月は落ちてはこない
そして
愛は君のものにはならない
「月の輝く夜に」
馬鹿な男に惚れられた
そういって君は目を腫らした
本当のあたしを判ってくれる男なんか居ない
犬が遠吼えするのを、月が恥じることはない
月は黙って
夜を照らし続ければいい
君は美しいままで居ればいい
「何気ない顔で」
何を待っているの?
僕が声を掛けるのを?
それとも僕が歩み去るのを?
「略奪のバラード」
ギャングに生まれたら
銀行は襲わない
キミに銃を突き付けて
地の果てまで逃げる馬車に乗る
キングコングに生まれたら
エンパイアステートビルには登らない
キミをさらって
南の島に還る
そしたら、キスをしてくれるかい?
「人類愛」
マシンガンじゃ足りない気がするんだ
でも原爆じゃつまらない
「真理」
どんな熱いキスも
チョコレートには敵わない
女なんて嫌いだね
「Rambling insomnia 」
ウジムシノヨウナ月ガ
ハリツイタ夜ニ
ダレカガオレノ頭ノナカヲ食イアラス音ガキコエル
オレハウマレタ晩ニキリトラレタ
キリカブノヨウナ舌ヲフルワセテ
ダレノ耳ニモキコエナイ
声ニナラナイ
サケビヲアゲル
クロビカリスル
コンクリノ壁ガ
オレノ声ヲ食ッテ
ニヤリト
ワラッタ
「遺言」
父は家を出るときこう言った
「母さんを大事にしてくれ」
僕は泣きもせず
それはあなたの仕事だと言うと
「本当は誰の仕事でもない」
と笑った