ダンサー・イン・ザ・ダーク

 

去年のカンヌ国際映画祭でパルムドール取ったやつですね。

チェコから子供を連れて出稼ぎに来た女が、遺伝による先天的な難病で失明しそうになりながらも、せめて自分の子供の病気だけは直そうとして一生懸命健気に生き、周囲の暖かい優しさに助けられ、騙され、盗まれ、殺して、絞首刑になる映画です。なんじゃそら。

主役を演じるは、アイスランドの歌姫ビョーク。きっと監督はビョークと病苦をかけたに違いないですよ。はい、わかってます。妄想ですね。さっさといっちゃいましょう。分厚いい黒ぶちメガネをかけて工場でプレス機をかけるその姿は、役作りを越え、まんまドキュメント。この人に心酔しきっちゃって、爆弾つくったあげく、口に銃をくわえて頭を吹っ飛ばしそれをビデオにとって送りつけたおっさんがいたけど(実話)・・・まあ人生悲喜こもごもだ。

その友人にカトリーヌ・ドヌーブ。プレス工です。めちゃくちゃ無理があります。叶姉妹がジャージを着てラジオ体操するくらい無理があります。田原俊彦が課長島耕作なくらい無理があります。堺正章と離婚した岡田美里の会見での釈明くらい無理があります。

「グリーンマイル」で看守役をしてたデビットモースが、ビョークの心許せるだ一人の友人だったりするんですが、それも警官なんですが、この人が結局お金に困って、ビョークが息子の手術のために貯めていたお金を盗んでしまうのです。

なんで貧乏なビョークがお金を貯めているのを知っていたかですって?

 

モース「もう駄目だ・・・ぼくは裕福そうに見えるけど、実は破産寸前なんだ」

ビョーク「秘密を打ち明けてくれてありがとう。あたしも秘密を教える。あたしたち親子、失明するの。でも、息子には手術を受けさせたくて・・・お金を貯めているの

お金がないと愚痴っている人間にお金を貯めてるとか平気で言い出すあたり、その天使のような無邪気さにびっくりです。無垢なる魂です。というか、弱い子なのか?

他にも、失明寸前なのにプレス機を平気でいじったり、なおかつ夜勤までシフトしてしまったり、そのわりには周りの人間に「かまわないで!」とかいってみたり。当然事故ってみたり。おいおい。

そんでもって踏んだりけったりの後、家に帰ってみると、警官モースに金を盗まれていて、取り返しに行くんですが、もみ合ううちに誤ってモースを拳銃で撃ってしまいます。パン、パン、パン。

パンパンパン。

パンパンパン。

パンパン・・・撃ちすぎです。

しかし状況が悪化すればするほど、ビョークは現実逃避し、大好きなミュージカルを頭の中で妄想していきます。唐突にはじまるミュージカル。(これって絶対「ペニーズ・フロム・ヘブン」だよなあ)

結局捕まり、裁判で死刑を宣告されますが、カトリーヌが弁護士を雇ってくれます。これで安心。死刑は免れ・・・おやおや?

弁護士を雇うと、子供の手術の代金が払えなくなる?だから死刑になる?

そんなあーた・・・で、代金いくらよ?約22万円?

おい!おい待て!誰かこの女殴ってくれ!というか、もういいから映画終わらせろよ!

最後は、絞首刑に処せられたビョークを写し、映画は静かな余韻をもって終わります。

感動という言葉が、「腹が立つほど厭な気分になること」と定義されているなら、なるほど、これは近年まれに見る感動作でありました。お金を払ってでも二度と見たくない映画ってあるもんだなあ。

 

確かこの映画、日本公開のときはパチンコ屋が出資したはずなんですけど、まったく繋がりが見えないところが不思議です。しいていえば、「警官は本当はろくでなしだ」というテーマに共感したのか?

 

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