少女革命ウテナ

 

お約束、と言う言葉があります。物語を進める上で、「まあ、ここはなぜか決まってこんなふうになっちゃうんだけど、きっと皆さんわかってらっしゃることだから細かい説明は省き、話を先に進めますよ」といった場面のことですね。

例えば、水戸黄門の印籠とか、そういうの。

だけど、そのお約束が段階を踏むごとに、省略され、記号化され、なおかつ曲解されていくと、トンでもない方向に話が流れていく場合がありまして。

例えば、少女漫画なんかはその極端な例ですね。あたりまえのように登場人物の背景に花が出てきたりしますが、まあ、それはそれで美しい日本の継承芸能、ちょっとした心理描写なわけです。

でも、そんなものを、前提とする知識が無い人間が読んでしまうと、なにがなんだか訳がわからなくなってしまうもので。

ずっと読んでいる人間にとっては「ごく当たり前」のお約束事だったりすることなんでしょうが、そのお約束事を知らない人間にとっては、難解以外のなにものでもなかったりするわけです。

と、長々とエクスキューズを書いてしまいましたが・・・

 

ウテナ、わけわかんねえ。

 

TVで放送されていた「少女革命ウテナ」の映画版を観たわけですけど・・・テレビ版は観たことなかったのですわ。一回も。だから何がなんだかさっぱり。

 

おおよその見当をつけたあらすじ。

女の子を巡って学校のそこいらへんで繰り広げられる決闘。女は戦利品でしかなく、人格は否定される。

女もまた、モノであることを受け入れ、「憧れの王子さま」を思い描くことで現実を乗り切ってきた。

そこへ女の王子様(ウテナ)が現れ、状況は次第に変化していく。

女であること、そして実存としての自分を取り戻すための闘争、逃走、倒錯。

そーゆーことがいたいのはわかる。君の気持ちはよーくわかる。心情的にはイエスだ。

でも、映画的にはノーだ!

早い話が、これは少女漫画の背景の花なんだ!

ここに描かれた一時間半の映像とストーリーは、すべて、女の子の心理描写なんだから。ある意味、夢オチなんですよね。

全体的に、この映画の全てがメタファーなんですよね。少女漫画やアニメの醍醐味とされる、美少女やマシーンを使ってはいるが、それは象徴でしかなく、実際の物語に付与されるものじゃなくて、それによって連想されるものの形容詞でしかないわけです。だから、ストーリーで追っていくとさっぱりなにがなにやらわかりゃしないし。観る側が前提とされるイメージの組み合わせを、さらに自分の中で再構築してやっと理解できていくというか、手間がかかりやがるな、ちくしょう!書けば書くぶんだけ説明くさくなってきちゃうや!

ぼくはただ、目ン玉のおっきいむっちりぷりんな女の子が観たかっただけなんだ!ぷにぷにっと!「あっ、あっ、あ〜ん」といった感じの!そんなのが観たかっただけなんだ!それなのに!それなのに!ぼくの青春を返せ!にんげんをかえせ!

 

 

 

あ、そこ。軽蔑した目つきでこっちを見ないように。

 

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