(間宮)「残念ですが、彼女を訴えることはできません。」

間宮法律事務所のボス弁・間宮に断言され、目の前の男は打ちひしがれた顔になった。

(男)「な、どうしてですか!?あの女は、俺に色々ねだってバックやらアクセサリーやら買わせたんです。それを、取り返したいんです。無理なら、現金で返させてください!!」

(間宮)「いいですか、男女間の書面に寄らない贈与契約というのはいったん履行されれば取り消すことはできないんです。諦めてください。」

 

(大介)「この頃、別れた彼女からプレゼントを取り返したいって相談多いですねぇ。」

男が帰った後、大介はお団子を食べながら間宮に話しかけた。

(間宮)「せこい男がそれだけ増えたってことでしょう。」

(亜紀)「先生、男の人からのプレゼントって返さなくていいんですか?」

(間宮)「ん?そんなのプライベートな問題で、裁判所だ法律だって問題じゃないでしょう。恋愛関係において国は不介入、一回あげたものは取り返せないわよ。」

間宮の言葉に、なぜか亜紀はガッツポーズを作っている。

(紀三郎)「先生、お客様です。三つ葉商社の松田常務の奥様の紹介だそうです。」

 

 

(間宮)「婚約不履行?」

(久保田)「はい、ある女性が僕を婚約不履行で訴えると言っているんです。ですが、私はその女性と婚約した覚えもないですし、訴えられる覚えももちろんありません。しかし、訴えると言っているのを放っておくこともできないので・・・・どうにかできませんか?」

間宮は目の前にいる男・久保田洋二を見た。どう見ても軽そうで、不誠実そうな男。久保田は自分がさも被害者のように言っているが、おそらく相手の女性は久保田の不誠実な言葉を本気にしてしまったのだろう。あまり気が進まないが、大事な顧客の紹介となればおろそかにできない。

(間宮)「相手の方の名前とか、職業はわかりますか?」

(宮田)「雨宮こずえ、弁護士です。」

 

 

今回の依頼人は、ホストの久保田洋二さん。彼は三ヶ月前にホストとお客として弁護士の雨宮こずえさんと知り合った。かなり上客の部類に入る女性で三日とあけず電話をしたり会ったりしていたが、それを彼女が付き合っていると勘違いしてしまい、結婚を迫られた。久保田さんとしてはそんなつもりはないので断ったところ、雨宮さんは「婚約不履行だ」と騒ぎ出し、内容証明を送りつけてきた。

(大介)「久保田さんとしては騙したつもりはまったくないそうで、どうにか説得して欲しいそうです。」

(柳田)「雨宮弁護士相手に説得かぁ〜、こりゃ大変な仕事ですね。」

(大介)「この間来た人ですよね、確かに優秀そうな人でしたけどそんなに難しい人なんですか?」

(柳田)「間宮先生が前にいた大田原法律事務所と同じく日本でトップスリーに入る法律事務所で、エースだって言われている実力の持ち主だ。でも変だな、彼女あの時も恋人連れてきてたよな。別れたのか??」

(亜紀)「あのイケメン医者なら、私がもらいたい〜。先生、連絡先知りませんか?」

(間宮)「知るわけないでしょう!まったく、それどころじゃないってのに。いい、雨宮が交渉相手だとすると、本当にやっかいなのよ。何せ、相手は腕利きの弁護士の上に、常識が通じないんだから。」

間宮の言葉に、佐伯とつや子は大きく頷いた。

back          next