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日常は回る くるくる回る 今日、家に帰って寝れば きっといつもの朝が来る 「何か…ヒマやなぁ…」 君がソファに横になりながら そんな事を言うものだから 雑誌をめくりながら 僕は笑って言葉を返す。 「そやなぁ」 ここ2,3日程カンペキなオフが続いた。 度々 君の唇から漏れる「ヒマだ」という声に僕は 「夏休みみたいでエエやん」 と、バカにみたいに笑って見せた。 「俺、何か…逃げ出したぁなったわ」 君の方に顔を向けると、君も僕の方に視線を移した。 「何から?」 逃げたいん?と付け足して もたれかかったソファの柔らかさを背中で感じた。 「タイクツな日常ってヤツから」 天井を見をげながら言う君。僕は心地よく揺れるカーテンを見つめていた。 何気無くつぶやいた一言は 夏の暑さと溶けあって、 まるで魔法のような響きを作る。 君は驚いたように目を見開いて、そして微笑う。 「エエんか?」 舞台で漫才出来ひんよーになんで。なんて言いながら笑う君を見ていたら、 君の瞳に他の誰かが映るコトが怖くなった。 他の誰かの瞳に君が映るコトが怖くなった。 「エエよ。舞台やなくても漫才できるやん。」 「せやな」 見てもいない雑誌のページをめくる、君の体温を遠くに感じながら。 「俺らコンビやしな」 君の言葉が嬉しくて 少し悲しかった。 すぐソコにいる君。 手を伸ばせば触れられるケド、僕には出来なくて 「好きだ」と言える口があるケド、僕には言えなくて 同じ関係 同じ距離 心地良くて 少し切ない きっと一生、距離をうめるコトの出来ない僕は バカみたいに同じ言葉をくりかえす。
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