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ジリリリリリリリ・・・ 遠くの方で時計が鳴っている。 『止めなきゃ・・・』 そう思ってたら、突然 誰かに体をゆすられた。 ビックリして目を開けたら、見慣れた顔がソコにあった。 「よ・・・ざ?」 「檜山ー。ソロソロ起きなきゃ遅刻しちゃうよー。」 とりあえず、俺は体を起こして 眠い目をこすった。 まだ寝ている頭を必死に回転させ、昨日の記憶をたどる。 『そっか・・・昨日、与座ウチに泊まったんだ・・・。』 ふと時計に目をやると、針が8時30分を指していた。 今日の仕事は俺1人だけ・・・ 『2人でホーム・チームなのに・・・何か変だな・・・』 上着に袖を通しながら、横目で与座を見る。 のん気にテレビ見てる与座に何気なく声をかけてみた。 「なぁ、お前今日はどーすんの?」 オフだろ?と付け加えて視線をテレビに移す。 「んー?・・・んー・・・ブラブラして過ごす。」 そう返した与座に、そうか。と一言だけ返した。 準備万端。時間的にも丁度いい。 「んじゃ、行ってくるわ。」 「あ、檜山。」 「うん?」 「俺もうちょいココに居ていい?カギはポストに入れとくからさー」 「イイよ。」 返事をしながら玄関に腰をおろしてクツヒモを結んだ。 はい、クツ履き終わり。 立ち上がって床を2,3回 コツコツとつま先で叩く。 「ひやまー」 「何?」 玄関の扉に向かっていた体を声のする方に向ける、 いつの間にか与座がすぐそこに来ていた。 「何だよ。」 まぶたの上 軽く音をたてて キスされた 「なっ?!何ッ!!」 一気に顔が熱くなり、一際熱くなったまぶたの上をパッと手でおおった。 「いってらっしゃいのチューw」 ニコニコ顔の与座に俺はバカと一言。 説得力の無くなった赤い顔を見せまいと、 いってきます!!と声を張り上げて家を飛び出た。 何がなんだかわからなかった。 仕事の合間に来る与座からのメールの内容とそれの返信内容くらいしか 頭に残ってなくて・・・。 仕事が終って家に帰る。 明かりの灯ってない部屋。ポストからカギをとり出してカギ穴に差し込む ガチャン 無機質な音があたりに響いた。 ギィとドアの開く音。暗い部屋。生温かい空気。誰も居ない部屋。 電気のスイッチを押して とりあえずそこらへんに座る。 「・・・・・・。」 ふと昨日の事が頭によぎる。隣に与座が居て・・・舞台と同じような距離で。 俺も与座も、たいして何もしてないのに楽しくて・・・。 一人きりの部屋は、 決してサムくないのに寒すぎて・・・ 決して広くもないけど、広すぎる・・・ 無意識のうちに手にしていた携帯。指が与座の名前をさがす。 『もしもしー』 電話越しに聞こえる与座の声に、俺の不安みたいなモノが消えていった。 『檜山どーしたの?』 「・・・・・・・・・・・・」 『檜山?』 「今からさ、お前んち行っていい?」 麻薬なんて目じゃないくらい もうゼッタイ抜け出せない 抜け出してやらない。 (2002.10.4) |