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真っ暗い場所。何処だかすら、わからない場所。 『檜山・・・』 聞き覚えのある声。俺の相方の声。 「与座?」 声の方を向く。そこには与座が立っていて・・・・・・ 「よざぁ?」 ふいに倒れかかってきた与座の重みに、そのまま俺も地面に崩れ落ちた。 何とか体勢を立て直して、与座を上向きに抱える。 「与座ッ。どしたんだよ・・・与座?」 『・・・ひ・・・やま・・・』 ズルッ・・・与座を支える右手に、生温かい液体の感触を感じて、 その手を目の前まで持ってくる。真っ赤に染まった手。赤い液体。 「え?」 目を開けば俺の部屋。 いつものベッド。いつもの天井。いつもの部屋。 静かな朝の部屋。俺の心臓だけがうるさくて、 いつのまにか握りしめていたシーツ。寝惚けた頭。 『・・・夢?』 相変わらずうるさい心臓の音を聞きながら、震えの止まらない右手を握る。 「与座・・・」 ただ一言呟いて、俺は部屋を後にした。 カギをかけたのかすらわからない位、大急ぎで。
檜山の指が、俺の唇に触れる。まるで、俺が存在するのを確かめるように。 『何があったんだろう?』 疑問を跳ね除けて、俺は檜山の手を握り、そのまま紅い唇にくちづけた。
無限の不安はお前が消してくれるから お前がそこに居てくれるのなら
(2002.10.4) |