決めた事


東京行きを強く願ったのは 相方のスヌーピーくん
俺も行きたくないワケじゃないし、興味だってある。



ただ、気がかりなのは 可愛い恋人のこと



俺よりちょっと 身長が低くて
俺よりちょっと 体重が軽くて

 力をこめて抱きしめたら 簡単に壊れてしまいそうな、そんな人。



俺がこの事 話したら、
 キミは少しフキゲンになるかな? ちょっと短気だから。
 それとも、心ごと壊れてしまうかな? 本当はとても脆いから。


  ちょっとの不安と 少しの期待。



★ ★ ★




「俺ら、東京行くねん。もう決めた。」
baseの楽屋。皆にソレを打ち明けた時、キミは少し驚いて
その後、にっこりと微笑んだ。
「頑張ってくださいよ!応援してますから!」


どうやらキミは、俺が思ってた以上に強かったみたいだ。



 あぁ、良かった。少しのガッカリと大きな安心。
 あぁ、良かった。あの場で泣き崩れられてたら、困ってた。
 あぁ、良かった。きっと俺が居なくても大丈夫。




  そんな事を思いながら、廊下を歩く。
  俺を育てた 第2の故郷。いつか、自慢話をしに帰ってこよう。



「  」声が聞こえた。多分、聞こえたと思う。
左に向きを変えたら、使われてないハズの空き部屋。
恐る恐るドアを静かに開けたら、微かに人の気配。


…のうえサン…」嗚咽まじりに俺を呼ぶ声。
わかった。後藤だ。俺の好きな声。これだけでわかる。
井上サ…行かんといて…
誰も居ない方に向かって、こらえてた言葉をつぶやくキミ。




   言えばイイのに。俺の目の前で。
   泣けばイイのに。こらえたりしないで。まだ恋人だよ?



やっぱりキミは脆かった。俺が思ってたとおりだ。

やっぱりキミは脆かった。俺の束縛でボロボロと崩れてたんだ。

やっぱりキミは脆かった。俺なんかがキミを縛ってちゃイケナイ。

やっぱりキミは……………


できるだけ早目に別れを告げよう。


俺はゆっくり決心した

(2002.10.4)