知ってる人

ゴメンな、徳井。俺、ホンマは知ってんねん。

お前に好きな人が居ったコト。
俺のコト、別に嫌いじゃないコト。
お前の好きなヤツもお前のコト好きなこと…
でも、お前がソレに気付いてなくて、諦めようとしてたコトも。
全部知ってんねん。


知ってたから、俺。お前に告ってん。
お前が断わらんの知っててん。全部知っててん。




「陣サン…俺」
知ってるで?別れ話、切り出そうとしてるんやろ?
そんなんさせへんから。
「んっ!」
無理矢理唇を奪って、冷たい床に押し倒す。
怯えた目がマッスグに俺を見た。
押さえつけた腕に少し力が入る。初めての反抗。

「…ターキーが好きなヤツなぁ。お前とちゃうで?」

一つ大きな嘘をついた。アイツに渡してなんかやらへん。
徳井の瞳に絶望的な色が宿る。


「お前、俺のもん…やろ?」



掴んだ手の中で、徳井の力が抜けていくのがわかった。
「…ハイ。」

                     ほら、俺のもんや。

(2002.10.4)