REVIEW 2001・4

 ハンニバル ★★★
 
前評判がいろいろすごかった鳴り物入り本作ですが・・・やっぱり思いっきりグロテスクだった。まだ腸
が飛び出るとか、豚に食われるぐらいはそれでも我慢できたけど、流石にあの「脳を食べるシーン」だけ
はスクリーンを直視できませんでした。一言で言えばレクター博士とクラリスの(というよりレクター博士
からクラリスへの)倒錯した愛の物語だったのでは? 登場した人物のほとんどがクラリスの行く手を阻
む者で、よくよく考えればこっちが悪役ですよね。そうやって考えるとレクター博士の恐ろしく常軌を逸し
た行動でも正当化されてくるようで怖くなってきます。彼の価値基準はすべてクラリスを中心にまわって
いるような気がしました。果たしてまたまた続編はできるのかしら。そのクラリスといえばジョディ・フォス
ターをすぐ連想してしまうけど、ジュリアン・ムーアもよかったです〜。
 トータルでみるとやっぱり「羊たちの沈黙」の方がよかったなー、というのが正直なところです。
 
 グラディエーター 
★★★★★
 
もうすこし前に公開されてたわけですが・・・オスカー受賞記念特別上映ということで、2400円豪華シ
ートを通常料金でみてきました。てなわけで、平日夜にもかかわらずやっぱり満席でした。 
 まず、もう全てに於いて文句なし三重丸もとい花丸です。何もかもスケールがでかい。過去にこんなに
スクリーンに惹き込まれた映画はありませんでした。とにかく次はどうなる?どうなる?いったいいつに
なったら皇帝や妻子の敵が討てるんだーと、どきどきしているうちにあっという間に終わっていたという感
じ。でもね、最後に主役を何も殺してしまうことはないでしょっ。どきどきはらはらだけじゃなくて、しっかり
お涙頂戴シーンも満載で、この映画をつまらんという人の顔を見てみたいもんです。かくいう私もしばしば
涙うるうるにさせられました。主役ラッセル・クロウ演じる悲哀漂う将軍マクシマム・・・ラッセル・クロウを
かっこいいと思ったことは一度もどころかまったくなかったのに・・・本当に凛々しく存在感があって人を惹
きつけました。父殺しのシスコン皇帝役のホアキン・フェニックスはやっぱりはまってました。濃い顔だけ
に、こういう時代物系はぴったりですね。

 ユリョン ★★★★
 これはほんとに怖かった・・・といってもホラー・オカルト系の怖さじゃなくて、いつこれが現実になっても
おかしくないという怖さ。一言いうと洒落になってないよ〜。これは韓国の原子力潜水艦が日本に向けて
核を打ち込むという話ですが、あのハングルが妙にインパクトあって、ついつい北朝鮮っぽく見えてしまっ
て恐ろしいです。ちなみにタイトルでもある原潜名「ユリョン」とは「幽霊」の意。要するに存在を抹殺され
た鑑というもの。このタイトルや冒頭の水中のシーンからラストが早々推察されたのは残念ですが、終わ
りまでずっと緊迫感がありました。
 私的には、もう少し救いのあるラストを期待してたのに・・・。ストーリー展開も実に救われないし。主人
公が鑑内で起こったクーデターに一人で抵抗していくんですが、唯一の味方も、生きながらして(麻酔も
なしで)腹から腸をえぐられ(このシーンは「ハンニバル」よりも気持ち悪かった)、他の乗組員に助けを求
めても全て裏切られ、そして絶望的なあのラストですからね・・・。 
 南北朝鮮紛争が続く限り、この手の映画はいつ観ても鳥肌たつんだろーなー・・・。  

 隣のヒットマン 
★★★★
 ブルース・ウィルス主演のコメディです。やっぱりシリアスなキャラよりコメディの方がこの人は似合うな
〜。「スナッチ」同様けっこうかる〜く人が死んでいくんだけど、これもベタなブラックコメディで楽しく観ま
した。やっぱり人間関係(利害関係)も複雑でしたが、その分先を読むおもしろさがありましたよ。最近
上映時間が長い映画が多い中、90分ほどでテンポよくまとめてあったと思います。
 やっぱりたまにはなにも考えずにほけ〜と観るのが一番!
 マシュー・ペリーの殺し屋にびびる情けない歯医者役は熱演でした(笑)。
 やっぱりハッピーエンドの映画はいいものです。

 スターリングラード ★★★★
 予告編観て絶対観ようと思っていた本作。初めから終わりまでジュード・ロウの美しさに尽きます(笑)。
逆を返せばジュードの美しさしか残らなかったというか・・・(泥にまみれていても、無精ひげ面でもやっ
ぱりジュードは美しい・・・) ジャン・ジャック・アノー監督(セフン・イヤーズ・イン・チベット)ということで
期待大だったのにストーリー的には平凡でした。敵側のスナイパーとの対決、レジスタンスの女兵士と
のロマンス、出世のきっかけとなる政治局員との出会い・友情・確執、そして何よりも独ソ戦、ひいては
スターリングラード攻防戦の意義・・・のどこに最重要点が置かれているのかがいまいちよく分かりませ
んでした。少なくとも戦争そのものにスポットが当たっているという感はなかった。前述のどれを一つ取っ
てもテーマとなりうるだけに、いろいろ盛り込みすぎて散漫な感じも受けました。ストーリー的には可もな
く不可もなくというところでしょうか。
 この映画は実話がベースになっていて、原作が未邦訳なのが残念ですが、同じヴァシリ・ザイツェフを
小説にした「鼠たちの戦争」(新潮文庫)も出ています。実在のヴァシリがスターリングラード戦を生き抜
き長寿を全うしているので、ラストも救いのある終わり方でめでたしめでたし。でもターニャが本当に生き
延びたのか、ヴァシリと生涯をともにしたのかは?です。ヴァシリ本人はモスクワで念願の工場長となり、
80才くらいまで人生を全うしたようですが。
 ちなみにジュードの美しさに免じて★は四つにしてあります(笑)。

 アタックナンバーハーフ ★★★★
 これも実話をベースにした話ですが、思いっきりオバカ系(といったらおかまのみなさんたちに殺される
ね)にスポ根青春ものが混じった感じ。演じた連中がピア役以外はストレートとは信じられないくらいの
演技でした。逆におなべ役の三つ子役の三人(みんなおかまでそのうち二人はほんとの双子)が不気
味でした。もうちょっとバレーボールの腕が上がると試合シーンも盛り上がっただろうと思うけどな〜。
また、唯一のストレートのチャイ役がかっこよかったです。バレーボールというと、まさしくスポ根青春もの
の典型、王道といったところ。ラストも想像ついちゃうけど、応援せずにはいられないですね。古今東西
出尽つくしたテーマでもこういう斬新な設定だとおもしろくなります。それが実話だというからまたまたす
ごい。見終わってほのぼのしました。 

 トラフィック ★★★
 まずはじめに、長すぎです。はっきり言って。登場人物の多いこと多いこと。はじめの30分くらいはだれ
がだれだかさっぱしでした。三つの物語が一つにまとまっていくわけですが、それぞれ単独でも十分一
本の作品になるくらいでしょう?結局だれが笑うのか、という点でどーなるのかなという期待はあったけど。
わたし的には、麻薬取締のトップの娘が実は麻薬中毒だというくだりはなくてもよかったなーと思いました。
長官役のマイケル・ダグラスなんかどんどんなさけないただのおじさんになり果ててくし・・・。対照的に実
生活の奥さんキャサリン・ゼタ・ジョーンズはよかったですね〜。自分の旦那が麻薬王とも知らないとこか
ら始まって、どんどん狡猾な悪女になってく様がいいですね〜。ほんとに妊婦で演じてたとはっ、その根
性にも脱帽。もちろんベニチオも二重丸です。どうも濃い顔の人は他人と思えないのでついつい思い入れ
が・・・(笑)。
 ラストは結局中途半端というのか、結局麻薬は永久に解決しない課題だというのを押し出した感じでち
ょっとすっきりしませんが、アメリカのような日常的にそこらで麻薬が手に入ってしまうところでは社会への
少なからぬ警鐘になったのではないでしょうか?

 メキシカン ★★★★★
 今をときめくブラピとジュリア・ロバーツの豪華?競演というふれこみです。しかしだまされちゃあいけま
せん。ブラピとジュリアが同じスクリーンにはまってたのはなんと15分もなかったそう、パンフレットによる
とね・・・(しかしながらよく測りましたよね) ちなみにわたしはすっかりダマされてました。でもでもそんな
とこに観ているときは全然気付かされなかった撮り方がすごい。
 実はこの映画、まったく観にいく気はさらさらなかったんだけど、(もともとロマンス系はパスなのです)
 たまたま暇しててついついチケット買ってしまったのね。ところがいざフタをあけてみると大当たりでした。
やっぱりジュリアって大きい口してるだけあって早口でまくし立てる役がピッタリ。ちょっとブラピの野暮な
チンピラ役はいただけなかったけど、コメディありサスペンスありロマンスあり友情ありを、「メキシカン」とい
う美しい銃の哀しい逸話を交えて上手く話を持っていってたと思います。期待してなかっただけにおもしろ
かった。あえて難を言えば、周囲はカップルだらけでちと恥ずかしかったこと。くっそ〜・・・(笑)

 ショコラ 
★★★
 丁度この期間「名探偵コナン」とかぶっていて、まずチケット買うまでに50分かかりました。かなり余裕を
持って行ったのに、スタバのコーヒーももちろん買えず、すでに予告編に食い込んでました。あせって行った
ら、客はたった5〜6人で、まあゆったりと観れました。
 これはとっても美味しそうな映画です。パンフもね。観ていてほんとにおなかが空いた。諸国を流浪する
親子が、閉鎖的な村を、住民を、指導者を徐々に変えていく様はどろどろではなく少し痛みのあるほのぼ
のかな?
 ジョニー・デップがいつ出てくるかずーっと待ちかまえていたのに登場が遅すぎますっ。待ちくたびれまし
た(笑)。でも一番衝撃的だったのは、ジュリエット・ビノシュの年齢。あんなにおばさん顔なのに、30代、
それもジョニーよりも若いのですよ〜。信じられない〜っ。という理由で★三つ(笑)

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