試みる複数の同サイズの芸術の豚/日記15

† 試みる複数の同サイズの芸術の豚 †


『東北見聞録』 9月1日(月)

予定も立てず、東北へ出発。
上野で降りる。
金券ショップをめぐる。
宇都宮駅の近くの店で餃子を食べる。
宇都宮は、でかい街だと想像していたが、並の大きさの街だった。
都って字が入ってるから、大きな街ってイメージがあったのかな。
さらに北上。
福島駅近辺をぶらつく。
街の大きさの割りに、やたら夜の店が多かった。
福島は、そういうのが好きな人が多いのか。
客引きをエヘヘとかわす。
さらに北上。
電車がなくなり、某駅で足止め。
警察官に職務質問された。
長々と会話した。
始発まで、夜の街を観光した。



『東北見聞録』 9月2日(火)

福島駅に南下して、山形へ行く事にした。
福島から米沢にまで行く間の、電車から見える風景がすごいよかった。
山ばかりなんだけれど、霧がかかっていて、龍が飛んでいそうな幻想的な風景だった。
いつか電車を降りて、山道を歩いてみたいなと思った。
山形は、雲のある高さが低かった。
雲の低さが、新鮮だった。
山形市の街は、全体的に新しかった。
資料館に入ったら、ボランティアで説明してくれはるおばちゃんが、山形には古い建物があんまりないっと言ってはった。
山形市は、新しくて、きれいな街だった。
キリスト教とか、仏教の教えが書いた紙が、よく貼ってあったので、信仰心のあつい人が多いのだなと思った。
米沢牛を食べたかったけど、なぜかうどん屋に。
うまかった。
仙台へ。
松島へ。
観光船で、松島の海をプカプカ。
雲っていて、太陽の光が海をキラキラと輝かしてなかったので、いまいち松島が美しいとは思わなかった。
松尾芭蕉は、何をそんな感動したんやって感じだった。
石巻に行って、石ノ森章太郎記念館に行きたかったけど、時間の都合上あきらめた。
仙台へ。
牛タンを食べた。
うまかった。
やたらと、仙台のいろんな店が、牛タンを押していた。
牛タンばっかりかいと、つっこんでおいた。
東北弁を楽しみにしていたのに、あんまり東北弁を話していなくて、がっかりした。
方弁を大事にしてくれよと思った。
ネットカフェに入って、いろいろ検索して、どこ観光するか考えた。



『東北見聞録』 9月3日(水)

岩手に行って、遠野物語で有名な遠野か、宮沢賢治で有名な花巻に行こうと思っていたけれど、金銭的と時間的な問題により、仙台を動かない事にした。
仙台観光。
それにしても、チェーン店があふれていて、どこの街も同じに見える。
初めて来た街なのに、初めて来たって感じがしない。
つまらん。
土地の個性を大事にした街づくりをして欲しい。
仙台市内の観光地をまわった。
宮城県美術館に入ったら、佐藤忠良記念館ってのが横にあって、それに入ったら、女性のヌード銅像がいっぱいあった。
俺はそれを眺めながら、どういう表情をしていたらいいのか困った。
美術館の係員の人が、チラチラとこっちを見てたりする。
「やらしいわ」とかって、思ってるんだろうか。
美術館の人って、何分かごとに、席を移動していて、おもしろい。
一回話しかけてみたいわ。
夕飯は、たまたま通りがかった所で、ラーメン国技場仙台場所とかっていう、全国のラーメンが食べられる施設がオープンしていたので、入って食べた。
仙台に来たのに、なぜか和歌山ラーメンを食べていた。
店は賑わっていた。



『東北見聞録』 9月4日(木)

東京へ戻ってきた。
なぜかまた上野へ。
混沌とした場所が、なぜか居心地がいい。
兄が東京で仕事をしているので、兄の家に泊めてもらおうと、仕事がおわるまで時間をつぶす。
歩きすぎて、足が棒のようになった。
兄のとこに泊めてもらうはずが、兄は彼女と彼女の妹と同棲している事が発覚した。
急な話やったから、また今度来た時に泊まってくれという事になった。
金銭的に余裕があるのか、金をくれようとした。
遠慮したけれど、少しもらった。
そのうち、数倍にして返そうと思った。
久しぶりに、兄弟で会話した。
妙に緊張したし、なんか泣けてきた。
兄と別れたあと、新宿へ。
深夜の歌舞伎町をぶらついた。
客引きばっかりで、歩きづらかった。
「一発ギャグ見てもらえませんか、おもしろかったら店に来てください」とか言ってきた人がいたけれど、つまらんかった時の、あいそ笑いができないので、すんませんと言って、去っていった。
歩いていたら、数十人の人に声をかけられた。
中国の客引きを思いだした。
俺はそういう店には、興味がないっつうの。
だったら、歌舞伎町を歩くなという気もするが。
トイレに行きたくなって、マクドに入ったら、お客はキャラの濃い人たちでいっぱいだった。
観察していた。
ロリータファッションをしている、ロシア人っぽい4人はいるし、トイレに何回も駆け込んでいる謎の中国人っぽい女の人はいるし、もの思いにふける長髪のロッカーはいるし、キンキン声で話している金髪ギャルはおるし、マクドの店員は、中国人でいまいち日本語がよくわかってないし。
店内は、7年前くらいに流行った曲が流れていた。
隣の大学生2人組み女性が、懐かしいなぁと、歌っていた。
深夜のここの客層を考えての、曲を選んでいるのだろうか。
マクドにいたら、消防車がウーウーと走ってきて、近くに停まったので、なんだろうと店を出た。
近くの雑居ビルで火災が起きていた。
見物に行った時には、火は消えていた。
しばらく見ていると、テレビカメラが来た。
歌舞伎町の人間たちが、火事現場に集まっていたので、歌舞伎町にいる人間はこういう人たちなのかと、観察するのにもってこいだった。



『東北見聞録』 9月5日(金)

色々おみやげを買って、家へ帰った。
つかれた、つかれた。
日曜にサッカーの練習をする約束をしてるし、さっさと疲れをとらないと、走れへんなと思って、お風呂で冷水と温水を交互にかけて、血行をよくしようとしたり、寝る時に足の裏にシップを貼った。
歩いてばっかりやったので、足の甲はむくんで太くなっているけれど、ふくらはぎが細くなっていた。



『東北見聞録』 9月6日(土)

旅行後の、うわついた気分を満喫している。
何日か経つと、この興奮が消えてしまうのがつまらない。
旅行は、いろんな人間が見れるから、ほんまおもろいなぁ。
今度は、どこへ行こうかな。

家のアイコンのとこから行ける、僕のサイトのお絵かき掲示板で、ボケモンのキャラを募集する事にしました。
もしよければ、おもしろモンスターを、かいちゃってくんさい。
気ながに、待っております。
どうぞ、おこしやす。
ボケモン、ゲットだぜ。



『僕のラジオデイズ』 9月7日(日)

中学生の頃は、KBS京都をよく聴いていた。
月曜日から金曜の夜10時から『はいぱぁナイト』って番組がやっていて、熱心に聴いていた。
深夜ラジオは、テレビとは違う世界があって、本当に楽しかった。
マイナーな情報を扱っていたり、下ネタがあったり、リスナーがハガキを送って番組に参加できるのが面白かった。
ハガキにネタを書いて送って、何枚か採用された事がある。
ハガキが読まれると、嬉しいのと照れくさいので、カーっとなった。
中学2年くらいになると、オールナイトニッポンも聴くようになった。
一番好きなのは、電気グルーヴのオールナイトニッポンだった。
他のDJのラジオも、みんな聴いていた。
Hなコーナーなんかもあって、デヘへと興奮しながら聴いていた。
そのうち、オールナイトニッポンの2部も聴くようになった。
2部は、午前3時から5時までやっていた。
5時まで聴いて、それから眠って、7時に起きて学校に行くっていう生活をしていた。
ほとんど、寝ていなかった。
あほだ。
YAHOOのニュースに、オールナイトニッポンの2部が打ち切りになるという記事があった。
今はインターネットがあるから、ラジオ聴く人が減ったのだろうか。
2部がなくなるのは、残念だな。
みなさんは、お気に入りのラジオ番組ってありましたか。



『公式日記』 9月8日(月)

最近、だいありぃのーとで非公式な
書き方が目立っている。
公式な日記の書き方は、横16文字な
のだ。それ以上は非公式だ。
横16文字で、15行以内に書きたい事
をおさめるのが公式だ。
そして、できるだけニヒルに文章を
書く。それ以外は非公式。
ニヒルに書くのが公式だ。
とくに注意したい非公式な行為は、
飲み物を飲みながらの日記更新だ。
これは最悪だ。
しかし、公式ドリンクとして認めて
いる、爽健美茶だけは飲む事ができ
る。15行なのでおしまい。



『カリスマ』 9月9日(火)

最近、音楽界とか、お笑い界とか、文学界とか、漫画界とか、スポーツ界とか、映画界とか、そいういうマスメディアに登場する職業の人で、巨大なカリスマが出てきてなくて、なんとなくつまらないなと感じている。
小粒のカリスマは、ちょこちょこ誕生しているとは思うけれど。
時代が進むにつれて、カリスマが小粒化している気がする。
英雄のいない国は不幸だが、英雄を必要とする国はもっと不幸だという、ベルトルト・ブレヒト氏の言葉がある。
平和な日本にとって、カリスマは必要ないのかもしれない。
みんながカリスマって事ですか。
僕カリスマ、君カリスマ。



『軍隊口調』 9月10日(水)

軍隊口調にすると、なんでも面白くなる。
声に力を入れて、読んでください。

「軍曹殿、うんこを洩らしたであります!」
「きたないな」

「軍曹殿、冷蔵庫のプリンを食べたのは私であります!」
「知らんがな」

「軍曹殿、モー娘。の中で誰が好きでありますか!」
「辻ちゃんかな、エヘッ」

「軍曹殿、ちょと私、酔っちゃったかもしれないであります!」
「誘っとんのかいな、キモっ」

「軍曹殿、目玉焼きにはソースをかける派でありますか!」
「なんでもええやろ」



『JUDO』 9月11日(木)

不破「何を書こうかな……、う〜ん」
審判「注意!」
不破「えっ?」
アナ「消極的な姿勢に、注意をとられましたね」
解説「もっとガンガン攻めて、書いて欲しいですね」
不破「ゆっくり考えさせろよ」
審判「注意!」
不破「なんでやねん」
審判「技あり!」
アナ「なんでやねんが、技ありと認められました」
解説「不破選手、有利ですよ」
不破「なるほどね、そういう事か」
審判「五本!」
不破「ゴホンと言えば龍角散、って違うやろっ。なに宣伝さすねん」
審判「一本!」
アナ「不破選手、微妙なノリツッコミが決まって、一本とりました」
解説「これで珍メダルは確実ですね」



『くっさ〜』 9月12日(金)

おもいっきり晴れてるし、雨は降らないだろうと、窓を全開にしていたら、バケツをひっくりかえしたような雨が降って、部屋が水浸しになった。
絨毯がびしょびしょで、新聞紙をつかって水分を吸い取ったり、扇風機をあてたりしたけれど、なかなか乾かないでいた。
そしたら、絨毯がものごっつ臭くなってしまった。
絨毯をにおっては、「くっさ〜」っと連発していた。
臭すぎて、笑えてくる。
ファブリーズを買ってきて、消臭せなあかん。
CM観て、ファブリーズいつかやってみたいと思っていたのだ。
ほんまに匂い、消えるんかいな。



『超人気番組』 9月13日(土)

今、関西では『サンデージャンク魂』というテレビ番組が大人気で、話題になっている。
日曜の夜10時から、フジテレビ系の関西テレビで放送している番組だ。
吉本の若手お笑いコンビ、ヨダソウズが出演している。
その他にも、何組か芸人が出ている。
ヨダソウズは、ダウンタウンの再来と言われるほどの人気者だ。
メディアが褒めていると、観ている方は冷めてしまうけれど、彼らは本当に面白いから、冷めたりなんかしない。
ヨダソウズのつくるコントは、『ごっつええ感じ』とはまた違ったタイプのコントだけれど、ヨダソウズの西村が演じるマッドキャラは、松ちゃんが演じたキャシー塚本のように切れ味がよくて、腹かかえて笑える。
そのうち、全国で放送されるようになるだろう。
関西に住んでる方、観てはりますよね。
ウフフフフ。(ある意味を含む笑い)



『座頭市』 9月14日(日)

座頭市を観てきた。
居合の達人、座頭市が強くてかっこよかった。
柔道を見ていても思うねんけど、何かを極めてる人って本当にかっこいい。
俺も何かを極めてぇなと思った。

↓たまにつくる物語に、登場するキャラの表をつくりました。
 最近、つくってないから知らない人が多いかな。
 というか読んでいる人は、いるのか。
 登場人物紹介



『祝勝会』 9月15日(月)

阪神優勝しましたね。
僕も道頓堀に飛び込んできましたよ。
と言いたかったけれど、行きそびれました。
しょうがないので、お風呂に飛び込んでおきました。
普通やん。
それにしても、阪神の祝勝会すごかったですね。
2000足のヒールかけ。
阪神の選手たちが、はしゃぎながらヒールを履いたり、投げつけたり、踏んづけたり。
金本選手のヒールを履いた姿は、なかなかサマになってましたね。
選手は口々に、日本シリーズも勝って、またヒールかけをやりたいって言ってはりましたね。
ヒールかけ、俺もやってみたい。



『嘘つき』 9月16日(火)

3日前の日記は嘘です。
そんな番組や漫才師は、おりません。
って、騙された人はいないですか。
からまわりしてましたか。
誰も騙せてなかったら、かなり寒い。
ヨダソウズを反対から読むと、ズウソダヨで、ズをとると「嘘だよ」となっていたりします。
まったく、興味なかったですか。
失礼しました。
秋ですね、なんだかしみじみする曲が聴きたくなりました。



『現金に体を張れ!』 9月17日(水)

鈴虫が鳴いている夜。
探偵事務所で、不破と渡辺はくつろいでいた。
「そういや不破、このまえ貸した3万円、返してくれ」
「3万円? そんなん借りてましたっけ」
「とぼけるな。借用書はあるんやぞ」
「冗談ですって」
不破は、財布を覗いた。
1430円しか入っていなかった。
「渡辺さん、お金ありませんわ。ほれっ」
不破は、財布の中を渡辺に見せた。
「貯金おろしてこい」
「宵越し銭は持たない主義なんで、貯金なんてありまへん」
「なにアホな事を言うてるねん。はよ金返せ」
「そんなん急に言われても、ない袖は振れまへんな」
「なに偉そうにしてるねん」
「昨日、給料もらって、全部ローンに消えてしまったからなぁ」
「どんだけ給料安いねん」
「ローンが高いんですって」
「そうや不破、金増やしに行こか」
「増やすって、どうやって?」
「ギャンブルやがな」
事務所を出た2人は、S駅南側にある繁華街へと車を走らせた。
「不破、次の信号を右や」
「渡辺さん、その賭博場に行った事はあるんですか」
「たまに行ってる」
「危険じゃないんですか。ヤのつく職業の人がいそう」
「向こうも商売でやってるし、客が来なくなる事はせえへんわ」
スーパーの駐車場に、車を停めた。
風俗店などが並ぶ通りを抜けて、少し静かな通りに来た。
渡辺に連れられて、不破は雑居ビルへ入った。
ビルの入り口には、見張り役っぽい大男が立っていた。
エレベーターで5階にあがった。
「あの部屋やわ」
渡辺が、ドアを指差した。
「ごく普通のドアですね、意外ですわ」
「豪華なドアにしたら、不自然でバレるやろ」
渡辺がインターホンを押した。
しばらくすると、ゆっくりとドアが開いた。
どんな人が出てくるのだろうと、不破はじっと見た。
出てきたのは、おばあさんだった。
「なんの用でごじゃいますか?」
小さな声で、おばあさんは言った。
「渡辺さん、本当にここなんですか?」
不破は、渡辺に聞いた。
「このおばあさんは、カムフラージュさ」
「なるほど、そうか」
「おばあさん、アイーン」
突然、渡辺はおばあさんに向かって、志村ケンのギャグをやった。
不破は、渡辺の奇行に唖然とした。
「これが、中に入るための合言葉なの」
渡辺は照れながら言った。
「アイーン」
不破も一応真似してやった。
「うひょひょ、どうぞ、どうぞ、いらっしゃいませ」
おばあさんは、2人を部屋の中へと招き入れた。
不破は、渡辺の後について、おそるおそる部屋に入った。
そこには、5畳くらいの狭いホールがあった。
ピンク色の薄明かりで、お香の匂いがする。
「ここで、チップを買ってくだされ」
おばあさんは、そう言うと、ドアの前の椅子に腰をかけて、ウトウトとしはじめた。
渡辺は、3万円をチップにした。
不破は、1400円をチップにした。
金額が少なくて、恥かしいなと思った。
一枚100円のチップ、300円のチップ、1000円のチップ、5000円のチップがあって、不破は100円のチップを14枚手に入れた。
チップに交換してくれたお姉さんが色っぽくて、不破は気になった。
「さあ、ガンガン儲けるぞっ!」
渡辺が気合いを入れた。
「うひょ〜」
不破は興奮して、奇声が出た。
2人は、賭博フロアの真赤な扉を開けた。



『現金に体を張れ!』 9月18日(木)

2人は、賭博フロアの真赤な扉を開けた。
「ようこそ、いらっしゃいませ」
若いボーイが、2人を迎えた。
不破は、はじめてなので落ちつかない。
キョロキョロとフロアを見回した。
賭博フロアは、思ったよりも広かった。
バスケットのコートを、ひと回り大きくしたくらいだ。
赤い絨毯が敷いてある。
そこに、スロットマシーン、ルーレット台、競馬ゲームのマシーン、カードゲームのテーブルがある。
お客は、30人くらい居るだろうか。
「不破、やり方わかるか?」
「カードゲームは、初心者が勝つのは難しいですよね」
「そうやな。ルールさえ知らん状態やし、やめた方がいいんちゃう」
「ほんなら、ルーレットやってみますわ」
「そうか、ほんじゃ俺はスロットしてくるわ」
そう言って、渡辺はスロットマシーンをやりに行った。
「さて」
不破は、ルーレット台へと向かった。
「飲み物はいかがですか」
セクシーな格好をしたウェイトレスが、注文をとりに来た。
彼女の格好を見て、不破はニヤけた。
「牛乳って、ありますか」
「えっ、牛乳ですか。ありますよ」
「じゃあ、ウィスキーをストレートで下さい」
不破は、酒を飲みながら、ルーレット台についた。
しばらく、ゲームの様子をうかがう事にした。
サラリーマンぽい人が3人、チンピラ風の人が2人、外人が1人、年金暮らしをしていそうなおじいさんが1人、ゲームに参加している。
「アナタ、カケマシェンノンカイサ」
隣にいた外人が、不破に話しかけてきた。
「え?」
「ルーレット、シマシェンノ」
「あ〜、ちょっと様子見てるんですよ」
「ソウナンカイサー、ワタチ、キョウ、カチマクリヨ」
外人は、そう言って、カップに山盛り入ったチップを見せてくれた。
「すごいですね。運を分けて欲しいですわ」
「ナニワケルノ? ウンコナンデワケルノ? キタナイネ」
「運ですよ、運。Luckです」
「Luckデスカ。アナタニワケルLuckナンテモノハナイ!」
「うわっ、びっくりした。急に怒らんといてぇや」
「トコロデ、アナタ、キモチヨクナル、クスリイラナイデスカ」
「薬?」
「ヤスクシトクヨ」
「遠慮しとくわ」
「マタ、イツデモイッテネ、マケタゲルヨ」
そんなやりとりをしていると、ルーレットの玉が、黒の13にとまった。
「ハズレタヨ、ムカツクネ」
外人は、熱くなっている。
不破は、ルーレットは単純だと思っていた。
でも、観察していると、賭け方がいろいろあって、よくわからない。
しょうがないので、ひとつの数字に賭ける事にした。
どこに賭けようか。
どの数字がいいだろうか。
彼は、自分の好きな数字に賭ける事にした。
100円のチップを6枚、黒の8に賭けた。
お客全員が賭けおわった。
ディーラーがルーレットを回した。
勢いよく、ルーレットが回る。
ルーレットに玉を落とした。
不破は、じっとルーレットを見つめた。
だんだんと、ルーレットの回るスピードが遅くなってきた。
どこにとまるだろうか。
お客全員が息を呑む。
不破は、8にとまれ、8にとまれと祈った。
ルーレットがとまった。
玉はカランコロンと、まだ動いている。
「ああ〜」
不破はため息をついた。
無常にも、玉は赤の23にとまった。
彼の、残りのチップは8枚になった。
「くそっ」
不破は、グラスの酒を飲み干した。
「よしっ、もう一回8に賭けたろ」
彼は、残りのチップ8枚を8に賭けた。



『現金に体を張れ!』 9月19日(金)

不破は、グラスの酒を飲み干した。
「よしっ、もう一回8に賭けたろ」
彼は、残りのチップ8枚すべてを、8に賭けた。
負けたら、おしまいだ。
ディーラーが、ルーレットをまわし、玉を落とした。
ぐるぐるとルーレットがまわる。
ぐるぐる、ぐるぐる。
不破は、ルーレットの玉を、じっと見つめた。
どこにとまるのだろうか。
カランコロン。
「おおっ、来たかも」
玉が、不破の賭けた8にとまろうとしている。
コロンカラン。
「あれっ」
玉は、ひとつずれて、赤の12にとまった。
「なんじゃそらっ」
不破は、ずっこけた。
彼は、チップを使い果たしてしまった。
がっくりしていると、隣の外人が話しかけてきた。
「アナタ、モウ、チップナイノ? ビンボウネ」
「そうやねん、もうチップないねん」
「アナタ、2カイシカ、カケテマセンヤン」
「そやね」
「ギャンブルハ、クールニ、タノシマナイト、イケナイヨ」
「そやね」
「クライカオ、スルナ。1マイダケナラ、アゲテモイイデスヨ」
「まじっすか、ほんまに、恩にきるっす、ちょうだい、ちょうだい」
「ハイ、ドウゾ」
「ありがとうございます」
不破は、恥を捨てて、外人からチップを1枚貰った。
どこにチップを賭けようか。
不破は迷った。
「こうなったら、3度目の正直で、また8や!」
彼は、8の枠にチップを置いた。
ディーラーが、ルーレットをまわし、玉を落とした。
ぐるぐるぐるー。
カランコロン。
カランカラン。
不破は、息を呑んだ。
玉がとまった。
「マジかよ」
不破は、つぶやいた。
「黒の8です」
ディーラーが言った。
「来たぁー、やったぁ、おっしゃー」
不破は、ガッツポーズを何度もした。
35枚のチップが、彼の手元にやってきた。
「1枚が、35枚になっちゃったよぉ〜、サイコー」
不破は、35枚のチップを両手で持って、喜んだ。
「スゴイネ、ヨカッタネ」
外人が言った。
「あなたのおかげだよ、ありがとう。サンキュー」
不破は、チップを1枚貰ったから、お礼にチップを10枚渡そうとした。
「イイヨ、イイヨ。アゲタカラ、カエサナクテ、イイ」
「受けとってや」
「イラナイヨ。ソレヨリモ、クスリカワナイカ?」
「ドラッグには、興味ないんよ」
「ソウカ。ナラ、クルマイラナイカ」
「あなた、ドラッグの密売に、車の販売もしてるんかいな」
「ワタシ、ユメガアル。ソノタメ、オカネカセグネ」
「ふ〜ん。ところで、あなたの名前はなんて言うの?」
「ワタシ、ンドゥール、イイマス」
「ンドゥールさんか。私の名前は、不破と言います」
「ソウデスカ、ヨロシク、ファサン」
「ファさんじゃなくて、フワね、フワ」
「ムズカシイネ」
不破は、ンドゥールとあいさつを交わして、競馬ゲームに移動した。
渡辺に3万円を返すには、チップを300枚にしないといけない。
現在35枚だから、約8.6倍にしなきゃならないのだ。
「今度は、競馬ゲームで儲けさせてもらいまっせ」
不破は、気合いを入れた。



『現金に体を張れ!』 9月20日(土)

不破は、ンドゥールとあいさつを交わして、競馬ゲームに移動した。
渡辺に3万円を返すには、チップを300枚にしないといけない。
現在35枚だから、約8.6倍にしなきゃならないのだ。
「今度は、競馬ゲームで儲けさせてもらいまっせ」
不破は、気合いを入れた。
彼は、ルーレットで興奮したせいか、喉が渇いてきた。
飲み物を頼もうと、ウェイトレスがどこにいるか、フロアを探した。
「あっこにいるわ」
彼は、ウェイトレスを見つけた。
「うわっ、渡辺さん、ウェイトレスを口説いてるやん」
ウェイトレスと誰かが話をしてると思ったら、渡辺だった。
よく見ると、渡辺はウェイトレスの手を握っている。
「俺には、あんな積極的な事はできへんな」
不破は、渡辺の邪魔をしちゃ悪いと思い、飲み物を我慢する事にした。
彼は席につき、競馬ゲームの画面に表示された、出馬表を眺めた。
1枠1番  ブタブタトンカッツ
2枠2番  トラトラライオンズ
3枠3番  セブンジャイアンツ
3枠4番  ウンチッチモンチッチ
4枠5番  ロードオブザウィンク
4枠6番  ビワコミラクル
5枠7番  キムキムマンセー
5枠8番  ピエールチャンネル
6枠9番  ザトーイチバン
6枠10番 オータムマンダム
7枠11番 トロロトトロ
7枠12番 サクラパンチ
8枠13番 ソニックアホーガン
8枠14番 ハッピーアトム
「う〜む」
不破は、どれにしようかなと考えた。



『現金に体を張れ!』 9月21日(日)

「う〜む」
不破は、どれにしようかなと考えた。
この競馬ゲームには、3つの賭け方がある。
・1着になる馬を当てる。
・3着までに入る馬を当てる。
・1着と2着に入る馬を当てる。
不破は、1着の馬を当てる賭け方でやる事にした。
「どの馬にしようかな〜」
彼は手に持ったチップを、重ねたり崩したりしながら考えた。
「さっきルーレットで、8に賭けて当てたから、8番に賭けようかな」
彼は、ピエールチャンネルに賭ける事にした。
ピエールチャンネルのオッズは、11倍と表示されている。
1枚賭けて当たれば、11枚返ってくるという事だ。
渡辺に借りた3万円を返すには、今持っている35枚のチップを300枚にしないといけない。
「よし、ピエールに30枚や」
不破は、競馬マシーンに30枚のチップを投入した。
そして、ピエールチャンネルが1着に入るとボタンを押した。
ピエールチャンネルが1着になると、不破は330枚のチップを手にできるのだ。
「ドキドキするなぁ〜」
不破は、高ぶる緊張を、深呼吸して抑えた。
パンパカパーン、パ、パ、パ、パンパカパーン。
競馬マシーンのスピーカーから、レース開始の音がなった。
ガシャン。
ゲートが開いて、馬が飛び出した。
いいスタートをきったのは、ブタブタトンカッツとハッピーアトムだ。
ピエールチャンネルのスタートは、まあまあだ。
中位につけている。
ブタブタトンカッツは、先行逃げ切りの馬らしくて、どんどんスピードをあげて走った。
「あかん、あかんて、ブタはブタらしく遅く走ってくれよ」
不破の願いが通じたのか、ブタブタトンカッツは、第2コーナを曲がった所で失速した。
ブタブタトンカッツは、一気に最後尾まで下がった。
代わって先頭を走るのは、ハッピーアトムだ。
その後ろは、8頭の馬が団子状態になっている。
8頭の中に、不破が賭けたピエールチャンネルが入っている。
その8頭の後ろには、3頭の集団が走っている。
3頭の中には、オッズの一番低い、つまり一番強い馬のビワコミラクルが入っていた。
序盤は体力を温存しておいて、ラストの直線で追い抜いてくるのだろうか。
不破は、ビワコミラクルを警戒した。
残りの2頭、ウンチッチモンチッチと、ブタブタトンカッツは、かなり遅れている。
この2頭が1着に入る事はないだろう。
「おら、がんばれ、ピエール! 負けたら承知せんぞ」
不破は叫んだ。
トランペット吹きの休日が、競馬マシーンのスピーカーから流れている。
よく、運動会でかけられている曲だ。
音楽が一層、不破の気持ちを盛りあげた。
先頭の馬が第3コーナーを曲がった。
集団は崩れない。
どの馬も、第4コーナーを曲がって直線に入ったら、スピードを上がるつもりだろう。
今の時点ての順位は、次の通りだ。
先頭 ハッピーアトム
2位 ザトーイチバン
3位 キムキムマンセー
4位 オータムマンダム
5位 セブンジャイアンツ
6位 サクラパンチ
7位 ロードオブザウィンク
8位 ピエールチャンネル
9位 トラトラライオンズ
10位 ビワコミラクル
11位 トロロトトロ
12位 ソニックアホーガン
13位 ウンチッチモンチッチ
14位 ブタブタトンカッツ
先頭のハッピーアトムが、第4コーナーの手前で、遅れてきた。
後ろにつけていた、ザトーイチバンが追い抜いた。
ザトーイチバンが先頭に立った。
「オラオラー、がんばれ、がんばれ!」
不破は興奮して、競馬マシーンをバンバンと叩いた。
すると、ボーイに注意された。
注意されて、テンションが下がった不破だったが、また興奮しだした。
第4コーナーを、先頭の馬がまわった。
後方の馬も、次々と第4コーナーをまわる。
全ての馬が直線に入った。
やはり、ビワコミラクルがぐんぐんとスピードをあげてきた。
あっという間に、ビワコミラクルは2位につけた。
不破のピエールチャンネルは、現在5位だ。
残り200メートル。
「あうわ、やべ〜よ、たのむよ、ピエールがんばれ」
このままの順位だと、不破は30枚のチップをふいにしてしまう。
猛烈に一頭の馬が追い上げてきた。
トラトラライオンズだ。
ピエールチャンネルは、トラトラライオンズに抜かれてしまった。
「うがぁ〜、抜かれてもうた〜、このまま順位を落してゆくのか〜」
不破は、天を仰いだ。
現在の上位の順位。
先頭 ザトーイチバン
2位 ビワコミラクル
3位 オータムマンダム
4位 キムキムマンセー
5位 トラトラライオンズ
6位 ピエールチャンネル
7位 セブンジャイアンツ
8位 ハッピーアトム
これ以下の馬は、距離を離されているので、1位には入れないだろう。
残り130メートル、8頭の勝負だ。
先頭のザトーイチバンと、4位のキムキムマンセーのスピードが落ちてきた。
スタミナを使い果たしたのか。
2頭は、ぐんぐんと失速して、後方に下がっていった。
先頭は、ビワコミラクルになった。
やはり、この馬が一着でゴールするのだろうか。
2頭の馬が順位を落として、不破のピエールチャンネルは4位にあがった。
まだ1着に入る可能性がなくはない。
「がんばれへぇ〜」
不破は、興奮しすぎて、ちょっと気が遠くなった。
どの馬が1着になるのだろうか。
不破は、勝って330枚のチップを手に入れるのか。
それとも、負けて30枚のチップをすってしまうのか。
泣くも笑うも、ラスト80メートルのピエールチャンネルの走りに懸かっている。
さて、どうなる。



『現金に体を張れ! 最終回』 9月22日(月)

さて、どうなる。
さて、どうなる。
さて、どうなる。
残り、50メートル。
馬、走る。
不破、興奮する。
馬、走る。
不破、叫ぶ。
馬、走る。
不破、悶絶する。
馬、走る。
不破、羽ばたく。
馬、走る。
不破、まわる。
馬、まわる。
不破、走る。
馬、興奮する。
不破、走る。
馬、応援する。
不破、走る。
馬、手に汗を握る。
不破、走る。
「逆や、逆!」
馬、突っ込む。
不破、照れる。
馬、走る。
残り、20メートル。
ビワコミラクルが、先頭をキープしている。
首の差で、オータムマンダム、キムキムマンセーが追っている。
その後ろ5メートルくらい離されて、トラトラライオンズと、ピエールチャンネル、セブンジャイアンツが走っている。
「5メートルを逆転するのは、無理やな」
不破は、あきらめて、席を立った。
「あ〜、チップ30枚損したな〜」
と、彼がボヤいたその瞬間。
先頭のビワコミラクルが、こけた。
首の差で走っていた2頭の馬が、巻き添えをくらい、一緒にこけた。
「あら」
不破は、まさかの展開に驚いた。
5メートル離れていた、トラトラライオンズと、ピエールチャンネルと、セブンジャイアンツは、こけた馬をかわした。
3頭の勝負だ。
「ピエールがんばれぇ〜、トラトラをいてまえ〜」
不破は、怒鳴った。
ゴールまで、残り5メートル。
3メートル。
2メートル。
1メートル。
80センチ。
50センチ。
20センチ。
10センチ。
3センチ。
1センチ。
1ミリ。
1ミクロン。
1ナノ。
ゴール、ゴール、ゴール。
ほぼ3頭が同時に、ゴールに入線した。
「どうなった、どの馬が一着や!?」
不破は、画面を見つめた。
入着順位発表。
1着 ピエールチャンネル
2着 トラトラライオンズ
3着 セブンジャイアンツ
 ・・・
と表示された。
「ぬおおおおおおおおおおお、うははははははぁ〜」
彼は、高笑いをした。
ジャンジャラ、ジャンジャラ。
競馬マシーンから、チップが大量に出てきた。
不破は、チップ330枚を手に入れた。
彼が喜んでいると、ゲームに参加していたオジさんが、ボーイにキレていた。
「なんで、ゲームやのに、馬がこけるねん。おかしいやないか。裏で操作してるんちゃうか」
「そう言われましても」
ボーイは困っている。
不破にとったら、裏で操作してようが関係ない。
とにかく当たったのだ。
彼が喜んでいると、渡辺がやってきた。
「不破、当てたんか?」
「はい、見てくださいよ」
不破は、渡辺に獲得したチップを見せた。
「ほな、こっから300枚と利子をもらっていくわ」
渡辺はそう言うと、チップ入れから、チップをごっそり、とっていった。
「あらら〜」
不破の手元に残ったのは、5枚だけ。
「今日の俺には、ツキがあるんやー、もう一回8に賭けたる」
彼は、もう一回競馬ゲームをする事にした。
さっきと同じく8番の馬に、残りのチップ5枚を賭けた。
が、何度も奇跡は起こらず、8番の馬は最下位だった。
不破と渡辺は、賭博場を出た。
不破の財布には、30円のみ。
賭博場から、駐車場まで歩いている途中に、中華料理屋があった。
「不破、中華料理、食ってかへん?」
「えっ、渡辺さん、おごってくれるんですか」
「おごらへんわ、金なら貸したる」
「え〜、おごってくれへんの。また、借金ですか〜。トホホのホ」



『眼帯』 9月23日(火)

右目が赤く充血して、目薬をさしても、一晩経っても回復しないし、涙が流れつづけて、ティッシュで常に拭くっていられないので、眼帯を買ってきて、眼帯をつけて出歩いていた。
いろんなとこで、「不便やね」とか「どうしたの」と心配してくれはった。
未だ回復していない。
はやく眼科に行かなきゃ。
皮製のカッチョイイ眼帯が欲しくなった。



『新世界めぐり』 9月24日(水)

大阪で友達5人と飲んだ。
はじめて、てっちりを食べた。
毒に当たるかもしれないのに、昔の人は食べたがったって言う位だから、死ぬほど美味いのだろうと期待していたのに、普通だった。
あんなものなのか。
今の時期の河豚は、そんなに美味しくないのかな。
もっと高級な店に行かないと、美味くないのだろうか。
飲んだ後は、一度泊まってみたかった、西成の日雇い労働者が泊まる安宿に行った。
一泊2100円。
まだ新しい建物なので、部屋はキレイだった。
西成で2100円だと、高めだ。
ほとんどの宿は、1300円だった。
昼間に、どこの宿に泊まるか、西成を歩いていた。
結局、事前にインターネットで検索して、調べておいた『来山』って宿に泊まる事にした。
宿が、客で一杯になるって事はないだろうけれど、一応って事で、予約しておこうと、宿に入った。
そしたら、フロントのおっちゃんの話し方が微妙に変だった。
間が変に長かった。
こっちの事を探ろうとしているようだった。
西成は、やっぱり物騒だから、そうやって客に探りを入れるのかなと思った。
ここらへんの宿には、すべて門限があった。
夜の11時半が門限って所が多かった。
物騒だから締め切ってしまうのだろうか。
それとも、夜中もフロントの人間を置いておくと、経費がかさむから、門限をつくっているのだろうか。
宿代を払い、部屋を確認してから、飲みに出かけた。
飲んだ後に、門限ギリギリに、駅から宿に歩いていると、道路に寝ているヒッピーの方がたくさんいた。
あと、道になんかの見張りっぽい人がいて、なんなんだろうと、気になった。
次の日の朝は、通天閣のある新世界の方へ行って、朝飯に、ジャンジャン横丁で、大阪名物ホルモンうどんを食べた。
そのうどん屋のおばちゃんは、お客にタメ口でおもろかった。
「なにすんの?」
って、客のおっちゃんに聞いていた。
客は、朝からビールやら泡盛やら、酒を飲んでいた。
ジャンジャン横丁の食べもの屋では、朝から酒を飲むのは普通なようだった。
店をのぞきながら歩いていると、おっちゃんらみんな飲んでいた。
歩いていると、
「2月に死ぬわ。仕事あらへんもん」
と3人で話し込んでいるおっちゃんらがいた。
ジャンジャン横丁を南へ抜けて、さらに商店街を抜けると、飛田新地があった。
そこは、中島らもさんのエッセイにも出てきていてて、一度見てみたかったところだ。
飛田新地は、Hないかがわしい店がたくさんある所だ。
200軒くらい店があるそうだ。
どの建物も古くて、すばらしかった。
『千と千尋の神隠し』に出てきたような世界があった。
朝だったので、開店している店は少なかったけれど、何軒かは開いていた。
店の玄関に、おばちゃんが座っていて、そのおばちゃんが呼び込みをしていた。
そのおばちゃんの隣に、若い女性が座っていた。
お客は、たくさんある店をまわって、お気に入りの女性を見つけて、おばちゃんと交渉して、店に入るそうだ。
帰ってきてから、ネットで検索してみた。
飛田新地は、古い建築物ばかりで、ほんと観光地としても、すごいと思う。
タイムスリップしたみたいな感じ。
夜になると、ぼんぼりがついているそうだ。
ぼんぼりがついたら、艶やかな雰囲気になるだろうな。
日本に、まだこんな場所があるなんてと感動した。
交通手段や、通信手段が発達して、日本に住む人の生活や価値観が同じようなものになって、つまんなくなっていっているんじゃないかと思っていたりするのだけれど、こういう変わった場所が存在していると、とても嬉しくなる。
大阪のミナミには、電器屋が集まっている所、若者の集まる所、日雇い労働者が集まる所、置き屋が集まっている所と、いろんなものが濃縮されていて、すごいなと思った。
数百メートル歩くと、全然違う色の街になってしまうのだ。
街歩きって、ほんとおもしろいから好きだ。



『スターバックス』 9月25日(木)

店をつくりすぎやろと、突っ込みたくなるほど、あちこちにスターバックが出来ているけれど、一回も入った事がなかった。
ほんで、この前、はじめてスターバックスに入った。
入店してカウンターに行き、注文しようとメニューを見たら、サイズの欄にshort・Tall・Grandeなんぞと書いてあって、なんだこれはと思った。
マクドみたいにS・M・Lじゃないんかよと思った。
俺は、中くらいのサイズを頼みたかった。
多分Tallってのが中くらいのサイズなのだろうけれど、何て発音したらいいのかわからない。
中学校の英語で習った、あの、背が高いとかで使うTallなのかと思った。
が、しかし、中ぐらいのサイズというのが、なぜ高いって単語なのか。
と疑問に思った。
また別の単語なのか。
読み方が変わってくるのか。
おお〜、この単語を言えなければ、店員にこいつアホやと思われるやんけ〜と焦った。
おそるおそる、「ト…、トールでお願いします」と言ったら、「トールですね」と店員が言った。
トールでよかったんやと、ホッとした。
なんで、short・Tall・Grandeっていう風にサイズ分けをするねんほんま。
俺を焦らすんじゃない。
英語は苦手やねんから、堪忍してくれよ。
ここは日本やねん。
大・中・小でええねん。
それか、松・竹・梅でええねん。
英語使うなボケ。
トイレも厠って書けコノヤロー。
dressing roomって書いてあったら、トイレなんかなんなんかわからへんやんけ。
英語にしといたら、イメージよくなると思うてるんかコンチキショー。



『備える男』 9月26日(金)

S駅で電車を待っていると、中華鍋を被った男が、俺の隣に並んだ。
俺は、なぜ中華鍋を被っているのか訊ねる事にした。
「あの〜、スミマセン」
「はい」
「ちょっと質問してもいいですか?」
「はい、基本的にOKです」
「基本的にOKなんですか」
「はい、基本的にOKです」
「あの〜、突然ですけど、なんで中華鍋を被っているんですか?」
「はい、基本的に、鉄の矢が天から降ってくる時に備えて被っています」
「て…、鉄の矢ですか」
「はい、基本的にそのためです」
「そ、そうですか。基本的以外には、なんのためなんですか?」
「応用的には、料理をつくるのに使いますね」
「あ〜、なるほど〜、そうですか〜。普通は逆なんですけどね」
「は?」
「い、いや、なんでもないです」
俺は、男がやけに大きなリュックを背負っている事に気づいた。
「あの、そのリュックの中には、何が入っているんですか?」
「基本的に答えたくないんですけど、応用的に答えたいと思います」
「ありがとうございます」
「このカバンには、基本的にチョコが入っています」
「うわっ、カバンいっぱいにチョコが入ってますね」
「はい、基本的にいっぱい入ってます」
「なんでこんなにいっぱいチョコが入っているんですか?」
「基本的に、山で遭難した時に備えてチョコをたくさん用意しているのです」
「そうなんですか〜、今から山登りに行かはるんですね?」
「基本的にも、応用的にも、行きません」
「行かへんのかよ!」
電車がやってきた。
俺は電車に乗ろうとした。
男は電車に乗ろうとしない。
「あれ、電車に乗らないんですか?」
「基本的に、電車に乗りません」
「どうしてですか?」
「基本的に、電車に乗る時に備えて、電車を待っているのです」
「それが今じゃないんですか。わけわからへんわ」
電車のドアが閉まって、俺は男と別れた。



『独眼流マサムネ』 9月27日(土)

右目が充血していたのは、おかげさまで、回復しました。



『サッカー』 9月28日(日)

次の土曜は、サッカーの試合なので、そのための練習をした。
6人しか集まらなかったので、3対3のゲームしかできなかった。
土曜の試合は、殺人シュートで勝利は頂きだ。



『秋物イラスト』 9月29日(月)

僕のサイトの表紙イラストを秋物に交換しました。
上の、家のアイコンからジャンプできます。
★レズ★さんに描いていただきました。
ぜひ、見ていってください。
かっちょいいですよ。
イラストをクリックすると、元の大きいサイズで表示されます。



『仰天!だいありぃのーとの効果!』 9月30日(火)

今回は、だいありぃのーとの驚きの効果を報告します。

鹿児島県 GIさん(45歳・女性)
「宝くじを20年間買い続けているのに、1度も6等以上を当てた事なかったんですよ。でも、だいありぃのーとをはじめてからは、食中毒にアタリまくり。毎日ゲリピーなんです。これもだいありぃのーとのおかげです」
毎日アタリのGIさん。おかげで、87キロあった体重が、63キロまで減って、24キロのダイエットに成功したそうです。ほんと、だいありぃのーとはスバラシイですね。

大阪府 UTさん(25歳・男性)
「25年間、一度も女性とおつきあいした事がなかったんです。でも、だいありぃのーとをはじめてからというもの、毎日のように女性から、英会話講座を受講しないかとか、仏壇はいらないかとか、宗教セミナーに参加しないかって、いろいろお誘いの電話がかかってくるようになったんですよ。もうモテモテなんです」
人生で一番のモテ期を味わっているUTさん。おかげで、コツコツ貯めていたお金が、飛ぶようになくなっているそうです。お金は使ってこそ価値があります。それを教えてくれた、だいありぃのーとは、とてもワンダフルですね。

東京都 HYさん(63歳・男性)
「わたし、3年前に癌で死んだんです。でも、だいありぃのーとをはじめたとたんに、霊魂が舞い戻り、このように元気になっちゃったんです。だいありぃのーと様様です」
体の半分は白骨化しているHYさん、とても元気そうでした。だいありぃのーとは、やっぱりすごいですね。

だいありぃのーとのチカラは、ほんと素晴らしいですね。だいありぃのーとサイコー。



+もくじ+
←BACK       NEXT→
+HOME+