「NETでマイム2」
2003.WINTER〜SPRING.3.27
今クール最後のパントマイム講座。新学期に向け巣立つ人、新しくやってくる人にパントマイムでお祝いをしてあげましょう。喜ばれるか、気持ち悪がられるかどっちかですが、他人のためにマイムをしてあげる自分がきっと大好きになることでしょう。それでは、右手を高く上に揚げて「レッツ・マイミングっ!」
おさらいです。「カベ」を作ってみましょう。身体の向きはしっかり正面を向いていますか?固定点はちゃんとしていますか?色んなところにカベを作って、移動もしてみましょう。
さて、応用です。男女2人一組になって距離を取ってお互い向き合います。設定としては、2人は会いたくて会いたくてしかたがないカップルです。2人の間には見えないガラスがあり、せっかくの会いたい気持ちを阻んでいます。ガラス(すなわちカベ)を表現しつつ会いたい表情を大事に。ガラスを叩いてみるのも良いでしょう。

ガラスをたたく→映画『卒業』→ダスティン・ホフマン
下の方に持ち手がありました。シャッターを開ける要領でそのガラスを開けます。一歩近づくとまた見えないガラスがあります。今度は襖タイプで横に開けます。また一歩近づく。またガラス。今度は大金庫の扉のように大きい取っ手があります。それを回して扉を開き、やっと再会!そして熱い抱擁、もしくは握手をします。
シャッターや大金庫の扉には重さがあります。その重さを表現するのを忘れないようにして下さい。

命の重さってどれくらい重いんでしょう?
さらに「カベ」の応用です。今度は『幕』の表現です。基本的にはカベと変わりないのですが、触り心地が軟らかく、カベの硬質感との区別を出します。掌を気持ちリラックスさせると良いでしょう。
カベと同様に、作りながら横移動をしてみましょう。すると自分の身体の右の方に、幕の切れ目がありました。その端を掴んで幕を開けてみましょう。開け方は襖の扉と同じです。細かい違いは、襖の場合は持ち手に“指を引っ掛ける”感じで。幕の場合は幕の端を“しっかり掴む”事です。

「引っ掛ける」と「掴む」の違いです。
ここで作品発表!
受講生の皆さんはエンターテイナーです。男性はマジシャン、女性はディーバ(歌姫)すなわちボーカリストです。会場はたくさんのお客さんで湧き返っています。皆さんはこれから、たくさんのお客さんの前で自分の技を披露しなくはなりません。まだ幕は閉じています。しかしお客さんがどの位いるのか、とても気になります。まずは幕を表現して下手(しもて)側【見るお客さんからして左側。ステージにいる演者からすると右側】の幕の切れ目からチラッと客席を覗き見ます。満員御礼!急に緊張してきました。表情を大切に。緊張をほぐす為に色々な事をしてみましょう。
さて、いよいよ出番です。幕を自分の手で開きます。幕の後ろにいた今までの自分と、幕が開いた後の自分は表情が違います。なぜなら、皆さんはプロのエンターテイナーなのですから。幕を上手(かみて)側【下手の逆。演者から見て左側】に開けきって、演技に入ります。マジシャンはカードを使ったり、鳩を出したり。ディーバは気持ちを込めて歌い上げます。
演技が終わり、お客さんの反応を確かめ、そして、自ら幕を閉じます。幕が閉じきってから、緊張が一気にほぐれていきます。ステージ上の表情とは違い、素の自分に戻ります。


歌姫といえば天童よしみ。マジシャンといえばトランプマンでしょ?
お次は「綱引き」のテクニック。引く・引かれるを基本にして、応用の「傘」をやってみましょう。
傘を差して歩きます。マイムウォークです。進行方向から強い風雨が襲ってくるので、傘は肩の後ろではなく、顔の前で差します。実際に本物の傘を使う場合。開ききる訳でもなく閉じるでもなく、中途半端な位置でバタバタさせる事によって、風になびく傘が表現できます。
あまりに風が強いので、顔の前の傘は風の力で肩の後ろに持っていかれます。ここで「綱引き」のテクニック。まず手が後ろに持っていかれます。手が伸びきってこれ以上後ろに行かないので、身体が半身になります。さらに引かれ、胸が伸びます。胸が伸びきって、これ以上伸びないから腰が後方に重心移動をします。身体の重心の使い方は「綱引き」の「引かれる」と同じです。
ラストは「しりとりマイム」です。2人一組になって、マイムで何をしているか表現します。次のペアがその単語をうけて、マイムをします。
例えば、アメフト→トス→スノボー→ホッケーというように。瞬時で何をやるのかを考えなければならないので、マイム以外に即興の能力も必要となってきます。
さて、今回でこのクールも終了です。皆さんの生活にパントマイムがささやかなスパイスになれば…と思います。実生活から夢のようなメルヘンまで、様々な世界を作り出すことが出来る、パントマイムはそんな素敵なアイテムです。これからも是非とも続けていきましょう。
最後にモハメド・アリの有名な言葉でこのクールをまとめてみたいと思います。
「パントマイムを制する者は世界を制する」
講師:石山博士 アシスタント:エディー