「NETでマイム Reloaded」
2003.SPRING〜SUMMER.4.10
春です。新生活の始まりです。気持ちも新たにパントマイムのレッスンを始めましょう。
さて、今クールが始まるに当たって、石山先生が掲げたテーマは
「自分(オレ)ってグレイト!」です。何がなにやらさっぱりわからん!とおっしゃる方のために少し補足説明いたしますと、
パントマイムというのは、普段あまり使わない筋肉を使ったり、あまりやらない動きをしたりします。今まで気付かなかった身体の使い方や表情の豊かさに気付く事で「自分ってこんなにスゴイんだっ!」と感じていただきたいのです。
そして、さらにパントマイムを身に付けても家の中でひとり黙々と演じるのはあまり意味がありません。人前で表現する事によって、その楽しさが改めて確認できます。自分の演技や表現によって、それを見ている人の心が反応してくれる。その時「自分ってこんなことが出来るんだっ!」という快感と自信が生まれてくるのです。
と、まあ仰々しい事をつらねて参りましたが、むずかしく考える事はなにひとつありません。楽しんで参加してください。そして、『完全無欠のパントマイマー』を目指してみましょう。


こちらは『パントマイマー』ではなくて『ロックンローラー』
さて、第一回目で、新たにパントマイムに接するかたも多くいらっしゃいますので、やはり基本中の基本。「パントマイムの入り口でもあり出口でもある」と言われる『カベ』をレッスンしてみましょう。
『カベ』の表現はいたって簡単です。胸の前で手を広げる。これで出来上がりです。掌をピンと張り指先をしっかり伸ばす。そうすれば『カベ』は自然とソコに出来上がります。鏡や窓ガラスに映して客観的にチェックしてみましょう。
今度は胸の前だけでなく色んなところに『カベ』を作ってみましょう。胸の前から手を放す時に特徴があります。ピンと張り指先をしっかり伸ばしていた掌の力を「フッ」と抜きます。専門用語を使えば「リラックス」と「テンション」です。
カベを作る時は手のひらを緊張させているので「テンション」。逆にカベから手を離す(カベを壊すとも言います)時は、その緊張を解く為に、「リラックス」です。この使い分けが上手く出来ると、カベが綺麗に見えてきます。
ここでちょっとブレイクです。簡単な即興をしてみましょう。お題は初めてのレッスンに相応しく「自己紹介」です。、みんなの前で自分の名前を告げようとします。いざ、名前を言おうとしたその瞬間に、あれ?自分の名前を忘れてしまいます。なんだっけ?何だったっけ?一生懸命考えます。あせります。周りの皆は注目しています。床や天井に書いていないか、辺りを見回してみます。どこかにメモしてなかったか、身体の色々な部分を探してみます。ドンドン焦ります。やっと思い出しました。そして、笑顔で自分の名前を告げます。
本当にはありえない事を、さもあるかのように表現するという点では「カベ」も「自己紹介」も同じです。「カベ」のようなパントマイムのテクニックと「自己紹介」のような即興演技。このパントマイム講座では2本柱を大切にしてレッスンしていきましょう。





いいなぁ、こんなに“柱”がそろってて。こりゃ、今年も優勝だよ!
さてテクニックに戻ります。カベを作ったら今度はそのカベを押してみましょう。胸の前に広げた掌を、前に出して肘を伸ばします。これでカベが押された事になります。腕が伸びたら手(掌)を空中のその位置に置いておいて、一歩前に出て身体を手に近づけます。そしてまた掌を前に突き出す。これが「押す」という作業です。
更に応用です。壁を押すときに先程は“手だけで”押してみました。次に“腰と入れて”押してみましょう。
カベを作ります。足を半歩前に出し、前足に体重を乗せ腰を入れます。重心が前足に乗ったら、胸を前に突き出します。そして手を前に突き出します。イメージとしては、パワーが足の裏から腰→胸→手に伝わって壁を押す、という感じです。
「押す」の逆・「押される」は身体の使い方を逆にします。押して伸びきった腕を曲げて胸の位置まで移動します。そして、胸を後ろに引いて、手を空中に固定しながら脚を一歩後退させます。脚を後退させて体重は後ろ足に乗せて腕を伸ばします。
身体の使い方・動かし方が良く似ている「綱引き」もレッスンしてみましょう。
まずは地面に置いてある綱を手にします。今回は左に“引く”ために左手をクルっと返して上から掴みます。綱の高さは腰の位置が良いでしょう。そして足は肩幅より少し広めに重心は真中に置いておきます。
「カベ」でやった腰→胸→手を使います。真中にある重心を左足に乗せ、左の膝を軽く曲げます。体重のほとんどが左足に乗ったら胸を左に動かします。腕が伸びきったところで手を引いてきます。手を空中に固定して、身体を一歩左に移動します。あとは繰り返しです。
今回は初めてのレッスンになる方も多く、基本のオンパレードでした。パントマイムのレッスンは色々な所で関連性があります。「カベ」の身体の使い方はそのまま「綱引き」の体の使い方に当てはまります。ですから、「カベ」が終わって、はい終了!ではなくて、カベの応用で「風船」や「重量挙げ」など様々なマイムが出来るようになってきます。
今日のこのレッスンを忘れないように、しっかり反復練習して下さい。
と、長々と書きましたが、やはり楽しんで演っていただくのが一番なんです。頭で考えずに、身体で、そして肉体で思い切りはじけながら3ヶ月お付き合いください。