「NETでマイム Reloaded」


2003.SPRING〜SUMMER.4.17


 今日のレッスンを終えると3週間ほど間が空いてしまいます。石山先生のライブが迫って来ており、稽古に時間を割かなければいけないからです。従って皆さんは先週と今日のレッスンを反復練習しておいて下さい。基本テクニックシリーズ第二段!今回は『軟らかい動き』です。


 まずは前回の「カベ」のおさらいです。色々な所に壁をつくってみましょう。胸の前に広げた掌を片方ずつ放し(リラックス)、下に作ります。手を空中のその位置に置いておいて(固定点)、膝を曲げて身体を沈めます。この時に気を抜くと、身体が沈むのと一緒に手も下に下がってしまいます。
 身体を沈めずに、手の動きだけを取り出してみると、曲がった肘を伸ばし、手を上に移動させています。身体が下に、そして手が上に移動しているので、ベクトルとして、プラスマイナス0となり、空中に止まっているように見えるのです。
 壁を上に作り、ジャンプしてみましょう。ここで固定点を作るには、さっきの逆で、身体が飛び上がった瞬間に肘を曲げ手を下に下ろします。ジャンプして身体が重力に負けて落ちてきた時には、また肘を伸ばします。
 この要領で、右に作って身体を右に移動する時には肘を軟らかくして手は左に。左に作って身体を左に移動する時には肘を軟らかくして手を右に移動させれば、固定点が見えてきます。鏡で確認してみましょう。

 さて、今回のテクニックは『ウォーク』です。まずは基本形。足を肩幅に開き右足をつま先立ちにして、体重を右に乗せます。右足の踵を踏み(トン)、イメージとしては鉛の玉が踵からふくらはぎ→膝→もも→股→左のもも→左膝→ふくらはぎ→左足首にストンと落ちます。ストンと落ちた瞬間に左のつま先を立て、体重をすべて左に乗せます。逆に動かしましょう。トン→スーッ→ストンです。繰り返してみましょう。

 
どちらも鉛の玉ですが、この場合、左は似つかわしくありませんね。


 このトン→スーッ→ストンを時間を掛けてゆっくりやると『山道を登る』マイムになります。その時顔は斜め上を見ましょう。なぜ登るのか?そこに山があるから。と言う気持ちです。

 先程肩幅に開いた足を、今度は開かないで、両足をそろえて同じことをやってみましょう。イメージはトン→スーッ→ストンです。この際、「トン」をすぐに踵を着くのではなく、“土踏まず”をねばっこく、ジワーッっと着けるのがポイントです。この足の運びは色々なマイムに使われますので、よく練習しておいて下さい。見た目に軟らかい「ウォーク」ですが、演るとなると土踏まずのネバリとふくらはぎの筋力が必要となります。優雅に泳ぐ白鳥のその水面下では足をバタバタさせているのと同じ事です。


“土踏まずをねばっこく”の図


 続いての『軟らかい動き』は「波(ウェーブ)」です。ブレイクダンスでみた事があるでしょう。涙のテイク・ア・チャンスが思い出されます。
身体の中心部(背骨)から肩が上がり上腕→肘→二の腕→手首→指先と上がります。次のポイントが上がっている時は前のポイントは下げます。例えば肘が上がっている時には、その前に上げた肩・上腕は下げる(ニュートラルに戻す)のが特徴です。脇は閉めず、常に脇の下にボールが入っている意識を持ちます。


創作ダンスは“柔らかい動き”の宝庫。女子は学校で演りましたよね。


 この「波」を踏まえた上で、“花摘み”のマイムです。身体のまわりにお花が咲いているイメージを持ちます。身体の右・前方に咲いている花を摘みます。この時に先程の身体の使い方、すなわち柔らかい腕の動きを使って手を伸ばします。脇から上腕→肘→手首→指。そして花を掴む時も指先で丁寧につまんでから一輪引き抜きます。同様に左前、右後ろ、左後ろを摘んでみましょう。

 次の『軟らかい動き』は「船頭さん」です。矢切の渡しとか、時代劇で船を漕いでいる、あんな人の動きです。身体の使い方としては、“壁を押す&引く”の使い方です。それでは細かく演っていきましょう。


この左の帽子かぶった人の持っているのが櫓(ろ)です。


 まず、櫓(船を漕ぐ棒)を持ちます。ここで持つ櫓はT字の形をしています。T字の横の棒部分を左手で、縦部分を右手で持ちます。櫓を漕ぐ時に右手と左手の間隔が広がったり狭まったりしないように気をつけてください。足は前後に開き、初めは後ろ足に重心を乗せています。カベの要領で重心移動から腰→胸→手と伸ばします。手が伸びきったところで手首を返し(櫓の向きを変えて)、重心を後ろに下げて腰→胸→手と引っ張ります。ここで柔らかさのポイントとしては、腰・胸・手と動きを区切るのではなく、胸が出切る前に手を伸ばし出す。ひとつひとつの動きを繋げて行う事で柔らかさが表現出来るのです。身体が覚えるまで何度も練習してみましょう。

 『軟らかい動き』ラストは「ソフトクリーム」です。重心を足の裏全体でコロコロ回します。次にひざを回します。腰、胸、首の順番で回します。この動きを繋げると、ソフトクリームがコーンに注がれていく様子が表現できます。


 今回・前回と基本の動きを丁寧に記してみました。この事をしっかり踏まえた上で、いよいよ次回から応用&即興の練習に入ります。今回・前回の身体の使い方は、今後いろいろな所で応用として使いますので、しっかりレッスンしておいて下さい。