「NETでマイム Full Throttle」
2003.SUMMER〜AUTUMN.8.14
お盆で街はひっそりと静まり返っていますが、パントマイム教室だけは今日も暑く燃え上がっています。盆休みも帰省ラッシュも関係ありません。継続は力なり。でも肩の力は抜きましょう。
何度もやっている“足を踏む”運動からスタートです。鉛の玉のイメージ、忘れていませんか?足を踏む→鉛の玉がスーっと上がって行くイメージで、鉛の玉が股を通って反対の足にストン。
これを繋げて行うと『ウォーク』です。テンポを上げて、その場で歩いてみましょう。勿論、手も付けて。鏡をしっかり見ながら、手と足のバランスをチェックしてみましょう。手の振りが左右同じになっていますか?ついつい気を抜くとアンバランスになってしまいます。
『ウォーク』の足の幅を広げていくと、坂を上がる歩きになります。その時の歩きの速さはゆっくりと。そして顔は少し斜め上を向いて、踏ん張っている表情を作りましょう。しかし、力はどこにも入っていません。ツライのは下半身(特にふくらはぎ)ですが、上半身には一切力が入っていません。
2人一組になって、向き合って歩きました。お互いのリズムに合わせると、また感じが変わってきます。
『歩く』というマイムで有名な、マルセルマルソーの『人の一生』をやってみました。
最初は生まれたての赤ちゃんです。四つんばいの状態から始まります。
石山先生が手を叩くと、幼児になります。やっと立つ事を覚えたばかりで、歩く事もままなりません。頭が重く、フラフラしてしまいますが、必死に歩こうとします。
次に手を叩くと、小学生です。希望に満ちた顔で、これから先の人生で起こるであろう全ての事に対しても目を輝かせています。
次に手を叩くと、思春期の学生です。若さがほとばしっています。恋の悩みなんかもあるでしょうが、青春という言葉で全てを乗り越えて行きます。
次に手を叩くと、新社会人です。鞄を持ちます。どんな失敗にも恐れず立ち向かいます。
次に手を叩くと、親になります。子供の手を引いて、幸せを噛み締めます。
次に手を叩くと、老人です。今までしっかり歩んできて、ちょっと疲れました。そして、自分の歩んできた道をゆっくりと振り返ります。色んな思いを込めて…。
そして、前を向いてもっと先を見つめます。これからの人生をどう過ごそうか考えます。
でも、ちょっと休憩をしてみます。肘を付いて目を閉じます。そして、静かに眠りに落ちました…。
とても味わい深い作品です。基本的な『歩く』中に、感情や気持ち、表情をふんだんに盛り込む事によって、こんな素敵な作品になります。
続いて小技マイム。BGMに合わせてピアノを弾いてみましょう。
みなさんはジャズピアノマンです。どちらかと言うと天才です。惜しげもなくその才能を鍵盤に叩きつけます。しかし、思い通りの曲が弾けません。鍵盤を叩きつけて、曲をストップしてしまいます。苦悩する天才。
しばらくして、もう一度弾き始めます。今度はイイ感じです。しばらくノッて演奏していますが、どうしてもイメージ通りの曲に仕上がりません。またまた激昂して演奏を辞めてしまいます。

運命が未完成なわりに歓喜な人。ジャジャジャジャーン!
ここでも大切なのは感情です。ノッていく楽しさと、思い通りにならない悔しさ。2度目の演奏では、最初の気持ちよりもさらに高いテンションを表します。辞める時も、1度目よりもさらに激昂します。

ピアノマンといえばこの人。エルトンジョンではありません。
ラストは輪になって歩きます。石山先生が手を叩くと、キリンの“気持ち”になって歩きます。ジェスチャーではないので、首を長くする必要はありません。飽くまで“気持ち”です。
順に、ペンギン、クワガタ、東京タワー、モナリザ、10年後の自分で歩きます。これも“気持ち”を大事にします。
気持ちに重点を置いたレッスンでしたが、どの気持ちが正解で、どの気持ちが間違っているというのはありません。大切なのは、その“気持ち”を表現できるかどうか、なのです。
誰しも“気持ち”は持っています。でもそれを表現できなければ、気持ちを持っていないのと同じです。簡単な様で、意外と難しいものです。
でも、何度も繰り返しレッスンすることで、いとも簡単に表現する事が出来るようになるでしょう。