「NETでマイム Full Throttle」
2003.SUMMER〜AUTUMN.8.21
何度も練習している事が出てきます。そうです。人生は同じ事の繰り返しなのです。ましてや大人は同じ時間に起き、電車に乗って、仕事をし、帰宅するという“繰り返し生活”の達人です。だから、マイムで同じ事を繰り返しても、苦にならないね。
固定点をおさらいしましょう。縦に一本のバーをイメージして、そのバーを掴んで固定点のレッスンです。二人一組になって、バーを持っている手が動かないかお互いにチェックしあいましょう。
今度は掴んでいるものをバーからボールに代えます。先ほどのバーはマイムで作りましたが、今度のボールは実際に本物のボールを使用します。現実にある“モノ”を使うと、よりマイムの不思議感が増します。
片手、両手、どんな動きをしてもしっかりとボールは固定されています。これも二人一組でチェックし合います。
ボールを“遊ばせて”みましょう。自分が操っているのですが、まるでボール自身が動いているかのように、スゥーっと宙に浮きます。逆にストンと落ちる。また浮く。止まる。空いているほうの手で掴みに行く。すると、スルっと逃げる。逃げたボールを見る。驚く。

ガンダムに出てきたモビルスーツ「ボール」。人気のないMS、堂々ナンバー1!
これらは路上でパフォーマンスする人がよく演っているテクニックです。こういうのが上手くなると『小技王』と呼ばれます。
このレッスンをしている時に、石山先生が言いました。
「恋もいっしょ。追いかければ追いかけるほど逃げていく。それが…恋愛。でも…いつかは捕まえられる。」
ボールに、さらに人格を持たせて見ましょう。逃げてから笑ってみたり、ボールが自分に向かってきて悪戯をしたり。こういう“遊び”は小さい頃、ウルトラマンや怪獣の人形で、「ガオォーッ!」「ヒュ〜ッ、ドッカアアン!」などと遊んだそれの延長です。テクニックよりも、そのモノを使っていかに遊べるかが上達の鍵です。
お題を与えての発表です。
まずは、ボールをその場でバウンドさせます。手を叩くと、そのボールが空中に固定され動かなくなります。
「えっ?何で動かないの?」気持ちを大事にします。何度も固定点→動かない。
手を叩くと、ボールが人格を持ちます。逃げる、攻撃してくるなどここは自由演技です。

ボールに人格。つまり「バボちゃん」?
続いて、細かな“生活に関するマイム”をやりました。
服を脱ぐ:シャツのボタンをひとつ一つ丁寧に外します。腕を袖から抜き、脱いでバサっとひるがえしてハンガーに掛けます。
ズボンを脱ぐ:ベルトを外し、チャックを下げます。手だけではなく身体全体で表現しましょう。手を固定点にしてズボンを脱ぎます。
逆に、着る・履くも演ってみましょう。
それ以外では、顔を洗う、歯磨きをするなどを行いました。
さて、最後の作品発表は夏に相応しく、金魚掬いのマイムです。

こないだ、プロの「金魚すくい士」が違反して優勝剥奪されました。
夏の縁日。歩いていると、金魚掬い屋さんが。子供の頃の懐かしさを感じながら、よし、やってみよう。
「すいませーん、1回。」財布から小銭を出して、金魚を掬う『ポイ』を受け取ります。
目の前の大きな水槽をじっと見つめて、狙いを定めます。水槽の中には、物凄いスピードで泳いでいる金魚を発見!よし、コイツに決めた。
腕まくりをして、片手に茶碗を持ち、掬います。逃げられました。ムキになる。掬う。あざ笑うかのように金魚はすり抜けていきます。何度もやっている内に、ポイが破れてしまいました。
お構いなしに茶碗で掬う。店員に注意される。店員を突き飛ばし、金魚と格闘!それでも逃げる金魚。更にエスカレートして水槽に足を突っ込み、追い込む。それでも獲れない。ついには、水槽を持ち上げる。
結末は、即興ですので、皆さんが考えて下さい。
今回演ったボールを使っての“遊び”は誰もが必ず体験した事のある、小さい頃夢中になった経験の延長です。この遊びは、生活にゆとりを出すのに大変重要です。ストレスがたまった時、どうしようもなく行き詰まった時、近くにある消しゴムやボールペンで
「ヒュー、ズドドド、ドッカーーン!!」
などとやると、とても楽しい気分になれます。回りの人には「現実逃避!?」と思われるかもしれませんが、一度試してみて下さい。楽しいですよ。