「NETでマイム Full Throttle」
2003.SUMMER〜AUTUMN.9.11
まだまだ残暑が厳しい折ですが、今回のテーマが『真夏なマイム』である以上、今クール中は熱さが続くでしょう。暑さに負けずに、マイミングッ!
まずは身体全体を使って『固い』『軟らかい』を表現してみましょう。
固いモノを持ちます。固い箱をイメージしてみましょう。持っている箱を色々と持ち替えてみますが、掌の先にある固いものを表現するのは勿論、動きもカクカクさせて、表情も硬く動いてみましょう。
次に柔らかいモノを持ちます。大きな豆腐などが解りやすいでしょうか。上と同様に、身体全体、表情もやわらかくして持ち替えたりします。
応用として『熱いモノ』『冷たいモノ』も持ち上げてみましょう。これらはマイムというより表現方法の練習に近いですね。表情が大きな役割を担います。
さらに応用で発表です。
お肉屋さんにあるような(見た事ない人の方がほとんどだと思いますが…)、大きな冷蔵倉庫です。そこにある、大きな氷を持ってくるのが指命です。
まずは重いドアを身体全体を使って開けます。ドアが開いた瞬間冷気がゾゾゾーっと流れてきます。かじかんだ手に息をハァ〜ってしたり、身体を擦らなくても、表情だけで寒さは表現できます。
捜している氷が見つかりません。段々、手足がかじかんできます。一生懸命捜します。あった。氷を手にした瞬間、部屋の寒さとはまた違った冷たさが指先に伝わってきます。
しっかり掴んで、持ち運び(固定点をしっかりと。)、ドアを開けて出てきます。
さらに更に応用の作品発表です。
今度は色んな部屋を体験します。歩いていて、目の前に引き戸があります。ガラガラガラ。戸を開けるとそこは、
極度に熱い部屋
先ほどと一緒で、あけた瞬間熱気が飛び出てきます。その部屋をしばらく歩きます。汗が流れてきます。吸い込む息も熱気にまみれています。すると前に扉が。開けると次は、
極度に寒い部屋
同様に冷気との戦いの中歩き続けます。膝も震えます。鼻が痛くて呼吸もままなりません。鼻水も凍りそうです。すると前に扉が。開けると、そこは
すんげぇ臭い部屋
なんじゃこの部屋はっ!何をどうしたらこんなに臭くなるのだ?そんな考えもこの臭さの前にはぶっ飛んでしまいます。鼻をつまむというようなジェスチャーは必要ありません。表情と身体の動きだけで表現します。
罰ゲームのような部屋をしばらく歩いたら次の扉を開きます。今度は、
湿気の多い部屋
ジトーっとします。部屋に入った週間、コチラの動きが鈍ります。あまりの湿気の多さに、表情も緩みっ放しです。不快指数2000%です。毛穴という毛穴から汗が吹き出ています。この部屋を歩いて次の扉を開くと、
霊気が充満した部屋
たとえどんなに霊感がなくても、どんなに鈍感な人でも、この部屋に入った瞬間背筋が凍ります。見えなくても確実に何かがいます。シックスセンスのブルース・ウィリスだったら
「なんじゃ、この多さは?火事?喧嘩?江戸の花?」
と、思うくらいの霊が飛び交ってます。霊感がなくても、いるっ!て事におびえながらこの部屋を歩き、扉を開けると最後に出てきた部屋は、
マイムの前に行われているバレエのレッスン
なんじゃ、そりゃ?どう表現するんだぁぁぁぁ?確かにマイムの前の、バレエ終了後のこの部屋はなんとも表現しがたい熱気と湿気とエイトフォー(もしくはBAN16)の香りが充満しています。


開けたらそこが『徹子の部屋』だったら、恐えだろうなぁ。最近、滑舌悪いしさぁ。
ポイントとしてはテクニックやジェスチャーではなく、気持ちや表情でいかにその部屋を出せるかという点です。各部屋の違いが演じる人の中でしっかりと出来ていれば、見る人にもしっかりと伝わるのです。
テクニックは『カベを押す』。
足を前後にしっかりと踏ん張り、腰を入れて、胸をしっかり使って押します。手を前に伸ばすスピードによってカベの重さが変わります。
その逆で『押される』。
また、同じ身体の使い方で手を横に使うと『綱引き』になります。
綱引きを使ってプチ即興です。言う事を全然聞いてくれない牛を引っ張ってみましょう。引っ張ってもあまり動かない。つまり重さを表現します。引っ張ることが出来てもその「引く速度」はゆっくりです。
さらに応用即興。
みなさんは『マタドール(闘牛士)』です。赤い旗をヒラヒラさせ牛を挑発します。旗の柔らかさも表現します。向こうから興奮した牛が迫ってきました。ヒラリッ!交わします。観客にアピール。ざわめくオーディエンス。気を良くするマタドール。何度も交わして調子に乗ったのか、気を許してしまったのか、ついに牛に突かれてしまいます。ここからは即興。



マタドールです。ちなみに真ん中と右は『ままどおる』。ダメ?
旗を捨てて逃げてしまうのか、それとも牛に立ち向かうのか。牛とどう相対するかは、マイムですから、やはり何でもアリですね。角を掴んで持ち上げ投げ飛ばしたり、背中に乗ってロデオ気分を味わったり、手刀でなぎ倒して大山倍達気取りで、その後片方の眉毛を剃り落として山で修行してみたり。様々なドラマと演出して下さい。

「牛殺し・大山倍達」。カラテ馬鹿一代のモデルとなりました。
今日の『部屋のマイム』、個人的にはとても大好きです。気持ちの切り替え、表情の豊かさが問われますが、テクニックをあまり必要としない割に面白い作品でした。
畳半分のスペースで色んなドラマが展開される。それがパントマイムの持ち味なのです。