CD寸評


過去の分です。
各CDには私の独断と偏見により以下のランクをつけています。
ブラボー!
いいんでないかい
ぼちぼちかな
う〜ん、なんだかなあ
ダメだこりゃ
但しあくまで素人の戯言ですので、専門家や演奏家の皆さん、大目に見て下さいね。(^^;
これよりさらに古い分はこちらです

1999/10/28
J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ第2集
パルティータ第3番BWV1006
ソナタ第2番BWV1003
ソナタ第3番BWV1005
レイチェル・ポッジャー(バロック・ヴァイオリン)
CHANNEL CLASSICS CCS 14498(輸入盤)
なかなか良かった第1集に続いて第2集がいよいよ登場。大体は前回と同じ。実に明朗で聴き易い演奏。
但しもう少しコクが欲しい。ヴァイオリンの音色もとても美しい。録音も第1集より更に良くなっている。

1999/10/17
ジャン・バッティスト・リュリ Le Ballet d'Alcidiane et Polexandre
アンサンブル・ラフォリア
ARION ARN55470(輸入盤)
聴き始めた途端、「何だ、このいかがわしい響きは!」。
フルートが出てくる所でようやくモダン楽器であることに気づく。モダン楽器であっても演奏の仕方に
よってはマトモになるのだが、これは全ての音がダラダラと引き延ばされて締まりが無く、しかも終始
一定のビブラートがかれられており、正に旧泰然な演奏。よくよく見ると1977年録音。22年も前なら
さもありなん。1トラックめが終わらないうちに聴くのを止めました。
新譜コーナーにあるからといって油断しているとこのような目に遭いますので、皆さん注意しましょう。

1999/09/05
ミゲル・デ・フエンリャーナ編 オルフェオの竪琴
ヌリア・レアル(ソプラノ)
カルロス・メナ(カウンターテナー)
ジュイド・バレストラッチ、アルバ・フレスモ、セルジ・カサデムント(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
フェルディナント・パズ(リコーダー)
デイヴィット・マヨラル(パーカッション)
ホセ・ミゲル・モレーノ(ビウエラ&ディレクター)
GLOSSA DCD920204(輸入盤)
「オルフェオの竪琴」は16世紀スペインの歌曲やその編曲、フエンリャーナ自身の作を集めた曲集で、
つまり歌もあり〜の、器楽合奏曲もあり〜の、ビウエラ・ソロもあり〜の。恋を主題とした世俗曲が多
いようです。
わざとらしい鼻につく演出も無く、刺々しい派手さも無く、自然で上品で耳に心地よい演奏です。エス
ペリオンXXのアクをちょっと薄めた感じ、と言えばご理解いただけるでしょうか。そういえばエスペ
リオンXXのどれかのCDで聞き覚えのある曲がいくつかあります。
6曲目は前記の同じモレーノの演奏による「皇帝の歌」の10曲目「君ゆえに死ぬ思い」と同曲ですね。
このCDでは歌われています。

1999/08/29
LES VOIX HUMAINES
アーベル、バッハ、マレ、コロンブ等(サヴァール自身による編曲も含む)
ジョルディー・サヴァール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ALIAVOX AV9803(輸入盤)
ヴィオールの大御所サヴァールがいろいろな曲をヴィオラ・ダ・ガンバで(ヴィオラ・ダ・ガンバソロ用に
サヴァールが編集したものも含む)演奏しています。一言で言いますと、サヴァールの奏でる音楽の魅力と
彼の強烈なアクの全てがぎっしりと凝縮されている究極の1枚です。変な例えですが、濃縮した彼の体臭を
詰めた1本の香水瓶みたいな感じです。
最初のアーベルの曲が下記の平尾さんのCDと同じです。あれだけ平尾さんを持ち上げておきながら誠に申
し訳ないのですが、正直言ってやはり格の違いを見せつけられてしまいました。サヴァールはその超ハイテク
ニックと彼独特の節回しでもって曲をバッサリと一刀両断。その見事なまでの切り口には何も言えません。
あまりにも圧倒的で、あまりにも見事過ぎるのです。
バッハの無伴奏チェロ組曲からのいくつかの楽章もすごいです。これならいっそ全曲を聴いてみたい。
とにかくサヴァールファンにとっては「聴かずに死ねるか!」という1枚ですね。

1999/08/29
バッハ ヴィオラ・ダ・ガンバ ソナタ全3曲
アーベル 無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバのための小曲
バッハ ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ BWV1027,1028,1029
テレマン ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ ホ短調
平尾雅子(ヴィオラ・ダ・ガンバ)
武久源造(チェンバロ)
コジマレコード ALCD-1020
平尾さんの待望の新譜です。
アーベルの曲は他の演奏家のCDやリサイタルでもよく聴く、ヴィオラ・ダ・ガンバの曲の中では割と有名な
曲ですね。ゆっくりしっとりと、そして時には速く激しく、表現に幅のある素晴らしい演奏です。こんな地味
な音の楽器でこんなにも多彩な表現が出来るとは驚きです。
バッハの方も素晴らしい演奏です。いかにも難しそうな速いパッセージも非常に安定していて、そして緩楽章
はうっとりしてしまう程細やかな演奏。ただ1つ誠に残念なのが、平尾さんがこれだけ個性豊かにがんばって
いるのに対してチェンバロがおとなし過ぎる! そもそもこの曲はヴィオラ・ダ・ガンバのソロに伴奏として
チェンバロが加わっているだけというのではなく、チェンバロの右手もソロパートとしてヴィオラ・ダ・ガ
ンバと同等、そして時にはヴィオラ・ダ・ガンバ以上に自己主張する部分の多い曲なのです。バッハの〜ソ
ナタは殆どがそのパターンですね。ですから武久さんには平尾さんの強い個性と対等に競ってほしかった。
例えばサヴァールとコープマン、クイケンとレオンハルトの演奏は二人の強烈な個性が正面からぶつかり合う
、非常にスリリングで面白い演奏です。これぞバロック音楽の醍醐味です。
そういう意味ではテレマンの曲でちょうどよいバランスですね。
ジャケットのデザインもとてもいいですね。

1999/08/12
ヨゼフ・ハイドン 弦楽四重奏曲 作品71、74
フェステチックス四重奏団
ARCANA A 918(輸入盤)
ハイドンはどうもモーツアルトやベートーベンに押され気味であまり人気がありません。あれだけ大量に曲が
存在しながらCDは非常に少ないのです。古楽器による演奏の録音はなおのこと。しかし聴いてみると
調和と変化のバランスがとても絶妙な素晴らしい音楽です。
このCDでは1枚目の作品71より2枚目の作品74の方が音楽の彫りが深くて面白いです。
フェステチックス四重奏団というのは聴くのは初めてで全く情報を持っていません。とりあえず古楽器を使って
いますよ、というだけで古楽器奏法にはあまりこだわっていないようです。しかし第二ヴァイオリンを右端にする
とか、楽器の配置には工夫があります。解説文によるとハイドンの時代はこれが普通だったとか。
かなりオンマイクな録音。


1999/08/11
ボッケリーニ 六重奏曲 作品23-1,2,5
アンサンブル415
harumonia mundi FRANCE HMC901478(輸入盤)
ヴァイオリン2つ、ヴィオラ2つ、チェロ2つから成る弦楽六重奏曲です。珍しい楽器構成です。ボッケリーニ
は他にヴァイオリン2つ、ヴィオラ1つ、チェロ2つの弦楽五重奏曲や、それぞれ1つづつの弦楽三重奏曲も作
っています。
曲の雰囲気はモーツアルトのセレナーデに似ていますね。あまり難しいことは考えずにリラックスして聴くことが
出来ます。しかしメロディーが分裂症気味にコロコロ変化するのとチェロがよく活躍する点がモーツアルト
と大きく異なりますね。
第二ヴァイオリンは最近注目していますエンリコ・ガッティです。


1999/07/22
J・S・バッハ イタリア協奏曲
協奏曲 BWV976,978,972,980,975,973(原曲はヴィヴァルディの協奏曲)
イタリア協奏曲 BWV971
オリヴィエ・ボーモン(チェンバロ)
ERATO 3984-25504-2(輸入盤)
期待のボーモンの新譜です。今度はついにバッハ。合奏や指揮には手を出さずチェンバロ・ソロに専念して着々
と「いい仕事」を続けています。1〜6曲は「四季」でお馴染みのアントニオ・ヴィヴァルディのヴァイオリン
協奏曲をバッハがチェンバロ・ソロ用に編曲したものです。バッハはこのようにヴィヴァルディの曲を編曲する
ことによってイタリア様式を身につけていったそうです。しかし編曲ものとはいえどれもオリジナルのチェンバ
ロ曲ではないかと思うほどの完成度で、十分に聴き応えがあります。最後は本当にオリジナルのイタリア協奏曲。
二段鍵盤の上段(弱音)を弾く左手が協奏曲のオケを、下段(強音)を弾く右手がソロ楽器を表現しています。
ボーモンの演奏は折り目正しくかつ瑞々しくかつお洒落で素晴らしいです。前々から思っているのですが、彼
の音楽の味付けはレオンハルトにかなり似ていないでしょうか?
ジャケットの彼の写真(セーター姿でチェンバロのそばに立ち、右手にはめがね)もレオンハルトのどれかの
写真にそっくりなのがあったような気がします。


1999/06/20
J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ第1集
ソナタ第1番BWV1001
パルティータ第1番BWV1002
パルティータ第2番BWV1004
レイチェル・ポッジャー(ヴァイオリン)
CHANNEL CLASSICS CCS 12198(輸入盤)
レイチェル・ポッジャーはイギリスの若手バロック・ヴァオリニストで、97年からトレヴァー・ピノック
指揮イングリッシュ・コンサートのコンサートミストレスを勤めているらしい。
聴く前はあまり期待していなかったが、いやいやどうして、なかなかに素晴らしい演奏。先ずヴァイオリン
の音がとても美しい。楽器の持つ魅力を最大限発揮しているとでもいうか、クイケンの様な奥深さは無い
ものの、ともかくふくよかで色っぽい演奏。嫌みに感じるところがひとつも無い。前記のルーシー・ヴァン
・デールのクールでストイックな演奏とは大違い。しかしこの曲に厳格な精神性を追求する方や、厳密なバロ
ック・ヴァイオリン奏法にこだわる方にはちょっと合わないかも。
第2集が楽しみです。


1999/06/20
ジャン・マリー・ルクレール ヴァイオリン・ソナタ集第1巻より1、3、8、9番
フランシス・フェルナンデス(ヴァイオリン)
ピエール・アンタイ(クラブサン)
フィリッペ・ペロー(バス・ヴィオール)
AUVIDIS ASTREE E 8662(輸入盤)
ルクレールは18世紀フランスのヴァイオリニスト兼作曲家。若いころにイタリアで学んだということで、
確かにどことなくイタリアンぽい雰囲気のある曲。しかし例えばクープランの様な繊細さも、オペラ作曲家
のラモーの様なドラマチックな抑揚もなく、ちょっと中途半端な感をいなめない。耳には心地よいが、
いまひとつ印象が残らない。演奏はなかなか良いとは思うが。フランスのレコード雑誌ディアパゾンから
5つ星を得ている。


1999/04/03
ファースト・ラブ
宇多田ヒカル
東芝EMI TOCT-24067
最近FMでよく流れるのでつい買ってしまいました。あの「圭子の夢は夜開く」の藤圭子さん
のお嬢さんだそうです。リズム感というかいわゆるノリにその辺の流行の女性ヴォーカルに無い
本格的なものが感じられます。しかしまだ16才なんですね。すごいです。
歌っているだけでなく、全曲自分で作っているんですね。特にオートマティックは歌詞もメロディ
ーもつい目頭が熱くなるくらいイイ曲です。あじさんは気に入ってしまいました。(^^;
まあ、たまにはこういうのもよいでしょう。


1999/04/03
バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータ全曲BWV1001-1006
ルーシー・ヴァン・デール(バロック・ヴァイオリン)
NAXOS 8.554422(輸入盤)
NAXOS 8.554423(輸入盤)
ルーシー・ヴァン・デールはオランダの女性ヴァイオリニストで、かなり昔からレオンハルト、
ブリュッヘン、ビルスマ、クイケン兄弟らと一緒に活動してきた、いわゆる新ネーデルランド
学派のひとりで、現在はブリュッヘン指揮18世紀オーケストラのコンサート・ミストレスです。
なぜか今まで共演ばかりでソロがほとんどありませんでした。唯一セオン・レーベルでバッハの
無伴奏フルートソナタの終楽章をヴァイオリン・ソロで演奏したものくらいしか憶えがありませ
ん。しかしその演奏はシャープで随所にキラリと光るものを感じました。
さて、このCDの演奏はどうかと言いますと、抜群のテクニックで音もたいへん美しく、いかに
も新ネーデルランド学派らしいアーティキュレーションたっぷりなのですが、ちょっと淡泊です
ね。あの有名なシャコンヌも「あれっ、もう終わったの?」といった感じでサッと目の前を通り
過ぎて行きました。一方速い楽章(例えばパルティータ第3番のプレリュード)は実に壮快です。
悪いというわけではないのですが、全般的にクールでストイックな演奏ですね。
モニカ・ハジェットの方がまだ幾分色っぽいかもしれません。


1999/03/14
シンプリー・バロック
ヨーヨー・マ(バロック・チェロ)
トン・コープマン指揮アムステルダム・バロック・オーケストラ
SONY SRCR 2360
山口のOK無線で購入

テレビのコマーシャルでもお馴染みのヨーヨー・マがいつものモダンではなくバロック・チェロを
弾いています。バッハのカンタータ、受難曲、オルガン曲からコープマンはチェロ&オーケストラ
用に編曲したものが9曲と、ボッケリーニのチェロ協奏曲が2曲収められています。
まだちょっとモダンの癖が感じられるものの、ヤープ・テル・リンデンに指導を受けただけあって
まあまあの出来に仕上がっています。しかし彼にとってはバロック・チェロは1つの挑戦にすぎず、
完全にバロック・チェロに転身する気まではなさそうです。よって長年バロック・チェロに携わっ
ている人の演奏と比べてしまうとやはりどこか物足りないですね。ポスターでもビデオでも
ヨーヨー・マ物を何でも手当たり次第集めているマニアの方以外はあえて買う必要はないでしょう。


1999/02/07
J・S・バッハ オルガン曲集第8巻 オルゲルビュッフライン BWV599-644
トン・コープマン(オルガン)
TELDEC 3984-21466-2(輸入盤)

オルゲルビュッフラインとは直訳するとオルガン小冊子というところでしょうか。様々なコラールの
旋律に基づいた45つの小作品です。短いのは50秒たらずのもあります。コラールの旋律に基づく
といっても全部がコラール変奏曲というわけではなさそうです。しかし"IN DULCI JUBILO"も
コラールと言ってもよいのかな?
コープマンの演奏はオルガンもチェンバロも指揮もとにかくみんな目一杯楽しく面白く聴かせようと
いろいろな工夫がいっぱい詰まっています。ですから宗教曲でも荘厳さとか厳粛さとかいったもの
はあまり感じられません。カンタータも明るくあっけらかんとしています。しかし例えばクリスマス・
オラトリオといった元々歓喜に満ちた曲想の宗教曲ならピッタリですね。
ところがこのCDの演奏はコープマンにしてはえらくおとなしいように感じました。オルゲルビュッ
フラインというと特に映画「惑星ソラリス」に使われたBWV639"Ich ruf dir, Herr Jesu Christ"
が一番の注目です。コープマンのことですからさぞや工夫いっぱいかとわくわくしていたのですが、
えらく静かでゆっくりした演奏ですね。ちょっと拍子抜けです。
今回はドイツのオットーボイレンという所にあるバシリカ・セント・アレクサンダー・ウント・テオ
ドールのオルガンが使われています。バランスのよい素晴らしい音です。それと面白いのがその構造
です。写真で見ると、ずらっと並んだパイプの中央下が通り抜けられる空洞になっていて、その空洞
の途中の向かって右に鍵盤があるのです。つまり演奏者も右に向いて演奏する格好になっているのです。
まあそもそもオルガンはコンサートホールでなくて古い教会の中に据え付けられるもので、その様々な
教会の建物の構造に合わせて設計されるのですから、いろんなパターンがあって不思議はないのでしょ
う。
テルデック・レーベルでのコープマンによるバッハ・オルガン曲全集録音もこれで8巻まできました。
コープマンはかつてアルヒーフ・レーベルと次にノヴァーリス・レーベルで同じくバッハ・オルガン
曲全曲録音を試みていずれも頓挫しましたが、今回は順調に進んでいるようです。全曲達成はいつ頃
になるでしょうか。


1999/02/05
フランスのテオルボ曲集
Bethune、ヴィセ、A.フォルクレ、リュリ、マレの作品
ホセ・ミゲル・モレーノ(アンゼリカとソロ用小型テオルボ)
GLOSSA GCD 920106(輸入盤)

アンゼリカとは17世紀パリで流行ったテオルボの一種のようです。テオルボよりも高域がちょっと
金属っぽい音です。天使のような音色というのが語源ではないかと思います。
テオルボはリュートにとてつもなく長い低音弦をたくさん継ぎ足した巨大な楽器です。大きいのは
キタローネといって人の背を越えるものもあるようです。このCDの解説にはTheorbe de pieces
とあり、英訳は(The small solo theorbo)となっていました。
テオルボはヴィオールと並んで大好きな楽器です。その柔らかでかつズッシリとした低音域は生で
聴くと本当にうっとりしてしまいます。そしてそれがフランス曲ですと更にうっとりとしてしまい
ます。ホセ・ミゲル・モレーノの演奏には暖かさがありますね。以前はホプキンス・スミスが私に
とっての定番でしたが、最近はもっぱらモレーノに夢中です。
最後の曲(マレの「夢見る乙女」)は本来はバス・ヴィオールのための曲ですが、テオルボによる
演奏でも全く違和感はありません。しっとりとして暖かい素晴らしい演奏です。


アルカンジェロ・コレルリ 教会ソナタ集
エンリコ・ガッティ(ヴァイオリン/コンサート・マスター)
アンサンブル・オーロラ
ARCANA A902(輸入盤)

教会ソナタ(ソナタ・ダ・キエサ)といっても別に宗教曲というわけではありません。緩急緩急の
4楽章形式のソナタをそう呼びます。急楽章はとりわけポリフォニックな構成で2楽章めはフーガ
形式のものが多いようです。このCDに収められたソナタは2つのヴァイオリンと通奏低音から
成るトリオ・ソナタで、解説がイタリア語なので自信ありませんが、おそらく作品2の全12曲
と遺作の7曲と思われます。
コレルリの音楽はイタリアといってもむやみやたらに明るいだけというのではなく、気品ある
格調高い響きが特徴です。また、演奏は結構難しいのでしょうが、聴き手には逆に親しみやすく、
そっと柔らかく耳を刺激してくれます。
エンリコ・ガッティの演奏も奇抜な演出も過度な装飾も無く、正にコレルリの音楽にピッタリフィ
ットです。是非作品5のヴァイオリン・ソナタも聴いてみたいで
すね。


映画「女優マルキーズ」のオリジナル・サウンドトラック
ジョルディ・サヴァール(編曲/指揮)
コンセール・デ・ナシオン
ALLAVOX 097 01(輸入盤)

ソフィー・マルソー主演の映画「女優マルキーズ」のサウンドトラックです。「めぐり逢う朝」、
「ジャンヌ」に続いてジョルディ・サヴァールが音楽を担当しています。映画の舞台となった時代
の作曲家リュリ、マレ、ロッシ、デュマノアール等の曲の他にサヴァール自身によるオリジナル曲
も演奏されています。残念ながら私自身はこの映画を観ていないのですが、このCDは全31曲が
4つの組曲にまとめられており、1枚のバロック音楽CDとして十分に楽しめるレベルに仕上がっ
ています。
いつものサヴァールらしい、基本的にはラテン系でありながらも決してハメを外し過ぎない格調高
い演奏で申し分なし。いつも思うのですが、ペドロ・エステヴァンのパーカッションは本当に鮮や
かですね。サヴァールの音楽に無くてはならない重要なポイントになっています。
う〜ん、やっぱり映画の方も観てみたい!


ヴィヴァルディ 合奏協奏曲作品3「調和の霊感」全曲
ファビオ・ビオンディ(ヴァイオリン/指揮)
エウロパ・ガランティ
VIRGIN VERITAS 7243 5 45315 2 1(輸入盤)

雑誌「レコード芸術」であのヴィヴァルディ嫌いで有名な皆川達夫氏が「推薦」していましたので、
どんなもんかいなと買ってみました。「四季」の時と同じくこのファビオ・ビオンディ&エウロパ・
ガランティの演奏はかっ飛んでいますね。胸のすくような爽快さ。随所にいろいろな仕掛け満載。
でも嫌みには感じられません。私にとって「調和の霊感」はホグウッド盤がずっと定番でしたが、
これはかなりそそられます。
前々から思っていたのですが、こんなにも過激な彼らは古楽器である必要なんてあるのかな?
いや、モダンのように平たんな音でない古楽器だからこそあのようなヴァリエーションが出来るの
かもしれません。アーノンクールも然り。
来年2月にファビオ・ビオンディのヴァイオリン・リサイタルがあるのですが、聴きに行ってみよ
うかな。本当はもうちょっと穏やかなエンリコ・ガッティの方が好きなんですが。


「皇帝の歌」スペイン・ルネサンス ビウエラのひびき2
ホセ・ミゲル・モレーノ(ビウエラ)
GLOSSA GCD920108(輸入盤)

ビウエラとは15〜16世紀にスペインで流行していた楽器です。外見は現代のギターにくりそつで
すが、調弦方法はリュートと同じだそうです。ビウエラという軽くて甲高い、ちょうど現代のウクレレ
のようなチャランチャランというイメージを今まで持っていましたが、このCDではとても柔らかい
音色でかつとても優しくしっとりとした演奏。特に10曲目の「君ゆえに死ぬ思い」はその1分ちょっ
との間にもう涙がちょちょ切れそうになってきます。秋の夜にひとり鬱になって聴くのにピッタリの
CDです。
ところで今まで長い間ポータブルCDプレーヤーとパソコン用スピーカーで聴いていましたが、この
度広い部屋に引っ越ししまして、やっとステレオ1式を箱から引っ張り出してこのCDを聴いてみま
した。う〜ん、やっぱりA級アンプとエゲレスのスピーカーの組み合わせはよろしいですな。それと
これから冬にかけてはA級アンプがストーブの代わりにもなって一石二鳥です。(^^;


ベートーベン ヴァイオリン・ソナタ第1,3,5番
寺神戸 亮(バロックヴァイオリン)
ボヤン・ヴォデニチャロフ(フォルテピアノ)
DENON COCO-80851
第5番「春」は堂々たる曲想のクロイツェル・ソナタとのカップリングが多く、そのためにかなり損を
しているようですが、こうしてクロイツェル・ソナタと切り離して聴いてみるとなかなかに中身の濃い
名曲であることに気づきます。しかし寺神戸氏のヴァイオリンはこのCDでは随分とコブシが効いてい
て、ベートーベンの曲として聴くはちょっと違和感を感じました。また、ヴォデニチャロフのフォルテ
ピアノはあまり強く弾かない寺神戸氏と比べるととても力強くダイナミックで、両者のアンバランスな
点も気にかかります。しかしかつてのヤープ・シュレーダー盤に比べれば演奏の質は雲泥の差です。あ
れは本当に酷かった!