Shakespeare
F 10:30-12:15 Elizabeth Swain ("Liz")

back


9月12日(金)
−自己紹介 → 自分の名前のイニシャルから始まる形容詞2つと共に名前を言う
        (例:Amazing, awesome Aya など)
−ペアで言葉遊び
  @“It is nice to see you.”の語順を変えて互いに言い合う
  A“It is nice to see you.”をどんどんエスカレートして言い合う
−Text の読み方
 言葉の対比、言葉遊び、リズムなど

シェークスピアの台詞は「タ タン タ タン タ タン...」というリズムに乗って書かれています。
しかしそれだけでは単調になってしまうのでわざとそのリズムを崩しているところもあります。
それを身体でも感じ取るためにスタジオを台詞を一行ずつ読みながら
馬のように(タ タン のリズムで)走ってみて、果たしてそれが言葉とマッチするか試してみました。
結果。規則的な行と不規則な行、ほぼ半分半分。

心に残った先生の言葉。
「観客が俳優の台詞を聞かないのは 俳優が聞かせる努力を怠ったときだ」
納得。

シェークスピアって演劇を始める前はものすごく敷居が高いイメージがあったけど
やってみると奥が深くてとても面白いです。
言葉遊びに拠る部分がだいぶ大きいので、翻訳するの難しいだろうなぁと思います。

*Assignment:Read 『Shakespeare Alive』
       Learn Sonnet  

9月19日(金)
−Sonnet (18) structure
−各自の Sonnet 
  1)structure の確認
  2)母音の強調・子音の強調
  3)8-9人のグループで発表

まずは輪になってシェークスピアのソネット(18)を一人一行ずつ読み、
その構成(structure)について考えました。
 ‐テーマ(問い)
 ‐答え
 ‐理由 @〜C
 ‐転換
 ‐理由 @〜B
 ‐結び
それを頭に入れてもう一度読み。

ちなみに特にシェークスピアのスピーチの注意点
 *行の最後を弱く下げない

次に二人一組になって各自のソネットの構成や意味について話し合い

全ての母音を強調する読み方
全ての子音を強調する読み方
パートナーの合図で母音・子音を交互に強調する読み方
をしました。

最後にクラスを半分に分け
自分のソネットを一人ずつ「今だ」と感じたときに読む、というのをやりました。
なんかすごく心から語ってる感じになって、生き生きと情熱が伝わってきて面白かったです。

9月26日(金)
‐言葉のイメージを身体の動きにする(マイムではなくイメージを取り入れて動きにする)
‐Sonnet(109) --- 全体
‐Sonnet --- 各自

最初はスタジオ内を歩き回り、言われた単語のイメージを取り入れて身体の動きにします。
使われた言葉は
 ‐Devouring Time
‐swift-footed Time
 ‐heinous crime
 ‐antique pen
 ‐untained
これらは全てSonnet(109)に出てくる単語です。

動いたときの感覚を忘れないようにしながら輪になって一人一行ずつSonnet(109)を読みます。
意味の不明な点を確認し、また一行ずつ読みますが今度は隣(次)の人に向かって話しかけるようにします。

次に輪になって座り、一人ずつ輪の中で自分で選んだソネットを暗唱します。
このとき誰か一人を指名し一緒に輪の中に入ってもらい、その人に語りかけるようにします。

【コメント抜粋】
*Don't go into yourself!
  誰に語りかけてるのかをきちんと意識する。

*Breathe at the beginning of each line → excitements/new thoughts coming in
  各行が始まる前に息継ぎする。
  シェークスピアの場合どこで改行されてるかには理由があり、
  大抵そこで興奮や新たな考えが起こる。

*Don't go down at the end of the lines
  行の最後を下げない。なんだか冷めたようなつまらない感じになってしまう。

*Have to end it!
  最後はきちんと終わる

*Have a sense where you're going
  どの言葉が重要なのか、そこに行き着くまでどのように発展していくのかを意識する。

*繰り返し出てくる音、言葉遊びを生かす
  シェークスピアの言葉って、きちんと読まれると音として聞いてるだけで本当に美しいんです。
  これは原語で演じることの利点の一つだと思います。
  (原語の言葉の流れや響きまでも翻訳で生かすのはほぼ不可能だからです。
   つまり異なる言語間で意味と音が共に一致することは稀なため翻訳ではどこかを削らなければならないのです。
   記憶に誤りがなければ『翻訳不可能性』の問題で取り上げられるテーマだと思います)

  身体の状態・動き・ジェスチャーが心・感情に影響をもたらすように(“External gesture makes internal spirit happening”)
  言葉やその響きが内面にどのように働きかけるのか敏感になり、それを探求しましょう。
  
【Assignment】割り振られたスピーチを完璧に覚えてくる。どの作品の誰の台詞かを調べてはいけない。
       言葉のみをヒントにアプローチするエクササイズです。

10月3日(金)
‐Warm-up(一息で指定された数を数えつつ歩く)
‐Text
  1)Walk on thought
  2)Vowel / consonants
  3)90's TV report / 19c Theatre / “real”
  4)Speech in group
  5)Speech

軽くWarm-upしてから課題のテキストへ。
まずは暗唱しながら歩きますが、考えが転換する度に方向を変えます。
テキストの“理論”を身体で感じるエクササイズ。

次にテキストのうち母音のみを(大袈裟に)強調、子音を強調、という読み方をしてから普通に読みます。
これは音の美しさを発見するエクササイズなのだと思う。
同じ母音が並んでたり連なる子音の響きが面白かったりして、シェークスピアって音に敏感だったのだなぁと思います。
...とはいえ残念ながら私はまだ読むのに必死で自分の身体で美しさを実感するには至っていないのですが。
でもクラスメートの暗唱するシェークスピアを聞くだけでも「はぁ〜」って思います。
なんかね、シェークスピアって普通の言葉を擬音語・擬態語として遣ってる感じがするの。すごい。

それから『90年代のレポーター風』に(感情を抑え気味:under-actで)→『19世紀の大劇場風』に(大袈裟に芝居がかった感じ:over-actで)→ 普通に
という三通りの暗唱をしました。

次に5-6人ずつのグループに分かれ、まず全員で歩き回ります。
準備ができて“衝動”を感じた人から語り始め、誰かがスピーチを始めたら他の人は立ち止まって聞く。
スピーチが終わったらそのまま次に誰かが語り始める、というのをしました。
このやり方だと「話しかけてる」感じがものすごく出て、言葉がとてもいきいきとしてきます。

Shakespeare のセリフには常に聞き手が存在するそうです。
それはときに観客であり、自分自身であり、はたまた神であったりするわけですが
誰に話しかけてるかを意識するだけでも随分セリフが“生きて”くるもんだなぁ、と思います。

最後に全員で輪になって一人ずつ中に入りスピーチを発表しました。
その際、必要ならば誰かに『聞き手』になってもらって一緒に輪の中に入ってもらいます。

【コメント】
*Be careful that emotion won't overwhelm words.
 感情が言葉を乗っ取ってしまわないように気をつけること。
 まずは言葉ありき。言葉と自分自身に忠実ならば感情はごく自然についてくる。

*Take breath at the beginning of each line.
 各行の最初に呼吸する。
 原語ではブチブチ改行されてますが、それは訳あってのこと。
 そこで新しい考えが始まるのです。
 例外もありますが、現時点では全ての行の初めに息を吸うことを原則にする。

*基本的にコンマ、セミコロンは無視する。
 コンマなどは文の解釈を容易にするためのもので、そこでスピーチが区切れるわけではない。
 ピリオドは一つのまとまった考えの終わりを示す。

10月10日(金)
‐ペアで押し合いながらモノローグ
‐グループの中で周りとつながりながらモノローグ
‐ペアでショートシーン
‐グループの中で周りとつながりながらショートシーン

まずは二人組みで押し合いながら先週の課題だったモノローグ。
押し合うことで全身が“活性化”されるというか、
リラックスした状態でエネルギーが高められる気がします。
一人でやるときには壁を押しながらとか椅子を持ち上げた状態で、というのもよくやる方法。

次にクラス全体でまずは歩き回り、“衝動”を感じた人から一人ずつモノローグ。
誰かが話し始めたら他の人は立ち止まって聞きます。
話す方はきちんと周りとコミュニケーションしながら語るのを忘れずに。

それから先週与えられた短いシーンを発表。
このクラスでの発表はみんなが輪になって座る中で行われることがほとんどです。
きちんと360度意識を配って発表する練習、なのかな。
やはり一方向にのみメッセージを伝えるのとは演じ方も変わってきます。

私のシーンは『Love's Labor's Lost(恋の骨折り損)』(ActU, Scene@)より。パートナーはJeff。
Berowne と Rosaline の掛け合いのシーンで、言葉遊びやらメタファーが愛らしいシーンでした。
指摘されるまで気づかなかったのだけど馬(に関わる言葉)がSexualな隠喩で使われてるそうな。
Jeffっていっつもニコニコしててハッピーな感じなので
(しかも演劇のバックグラウンド皆無という異色の存在、「だけど」なのか「だから」なのかのびのびしてて筋がいい)
こういうシーンを一緒にやるとものすごく楽しい。

最後にモノローグと同じように全員で歩き回り“衝動”を感じたペアからシーンを始める、というのもしました。

【コメント】
‐オーディションのモノローグは最初の2行で決まる。
 ポイントは『何に反応して』そのセリフを言ってるか、ということ。
 直前に起きたことを『聞いて / 見て』、本当にそれに『反応して』モノローグが始まれば
 最初の2行だけ聞けば審査員は満足である。
 (You gotta hear what's before → really respond to something)

‐Find the balance between heightened texts and the reality
 シェークスピアの戯曲・セリフは“高められた”ものだから
 リアリティー(現実的な“リアルな”演技)とのバランスを見つけなければならない。
 ソープオペラのようでは仕方ないけどリアルすぎてもつまらない。

‐Everything (stage directions etc.) you need to know is in the text; Use it!
 演技する上で必要な情報は全て台本(セリフ)に書かれている。きちんとそれを使うこと。
 
 これって当時の演出上(?)の慣習からくること、といえるでしょうか。
 シェークスピアの時代、役者が知らされるのは自分のセリフとその前の三単語(cue;きっかけ)のみでした。
 そのため役者はしっかり他の俳優のセリフを聞き、キューが聞こえたら自分のセリフを言わなければなりません。
 そして自分が言うこと、誰かが言ったことの通りに動かなければならなかったといいます。
 これって役者にとっても『驚きの連続』(←次に何が起こるか知らないわけですから)なので
 そんな反応が舞台を面白くしていたのかな、なんて思います。

 まぁ結論としてはぐちゃぐちゃ難しいことを頭で考えずに
 書いてあることに素直に忠実に従うといろんな発見があるよ、ってことなのかな。

‐“O”is an expression of the emotion; Don't have to be [ou].
 原文でよく“O”(おぉ)で始まるセリフがありますが、
 それは感情の表現(“感嘆”ってことかしら?)として使われている。
 なので必ずしも[ou]でなくてもよい。

‐Don't wander too much!
 これはシェークスピアに限らず一般的に当てはまることだけど
 意味・目的もなくフラフラと動き回らない。

【Monologue assignment】:
 『Measure for Measure(尺には尺を)』(ActU, SceneC)Isabella

10月17日(金)
‐モノローグ(from serious play)

今日は課題になっているモノローグを各自披露。
方向性として正しいところに向かっているかどうかをチェックしました。
私のは『尺には尺を(Measure for Measure)』(Act U, Scene C)からイザベラ。

‐誰に向かって話してるのか?
 シェークスピアのセリフには、常に聞き手が存在します。
 それは
  @(シーンの)パートナー
  A観客
  B神(“The theatre God”)
 のいずれか。自分自身に話しかけることは決してありません。
 このイザベラのモノローグは“actors' best friend”、観客に向かって話しています。

‐Mono-syllable is the message for the actors to slow down.
 単音節の語は、「ゆっくり味わえ!」という俳優へのメッセージである
 
‐Lift the end of the line
 行の最後を弱めたり下げたりするとエネルギーが逃げる。
 行の最後に向かって突き進むように!

‐Think in the moment; play moment by moment.
 自分の置かれているその場・その瞬間において考え、
 各瞬間ごとに演じる。

‐Examine the situation.
 モノローグを発しながらその状況を探求する。
 (私にとって)Angeloとは誰か?兄とは誰か?

‐We don't take pause in the middle of line, EVER!!
 行の途中では何があろうと決して間をとらない。
 “Late-play”では行の中間で新しい文が始まっていることもあるが、
 それは“新たなエネルギー”の始まりであって、間を取れ、ということではない。

‐You have to hear the line that you're responding.
 モノローグを言うきっかけとなったセリフ、言葉、出来事は何か?
 それを見て、聞いて、それに反応した結果としてモノローグを始めること。

‐The effect of feminine ending = slow it down
 “Feminine ending”の効果とは、そこでスピードが緩まることである。
 フェミニン・エンディングについてはまだ完全に理解しきれていないので追々書きます。

‐“Die”の二つの意味
 シェークスピアにおいて“die”とは
  @死ぬこと
  Aオーガズム
 を意味する。
 シェークスピアって性的な隠喩が多いんですよね。
 ちなみに知っているところでは“come”“will”なんかもその類です。
 あからさまに演じないまでも、俳優がこういうのに気づいてることって重要だと思う。