寺山 修司 「懐かしの我が家」


『衝撃』だった。
この詩に出会ったときの反応って、まさにこの一言に尽きる。
生きることを“完全な死体となるプロセス”と表現した寺山の視点に
目から鱗が落ちる思いだった。

この詩を書いた当時、寺山は自分の死を予感していたらしい。

“完全な死体”となるために、私はどう生きていこうか。
そもそも“完全な”とはどういうことだろう?
ただ生物学的な「息を引き取る」だけの“死”とは違う価値観が
この言葉には込められている気がする。

強く心に響いたのは書き出しの一節だったけれど
結びの言葉も心に引っかかった。

“自分自身の夢のなかにしかない世界の涯て”

どういうことだろう...

きっと、何十年もして「完璧な死体」になる頃には
この言葉の意味が真にわかるのかもしれない。
何年か後にも読み返してみたい詩だ。

(2003.8.17.)


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