4月21-30日のひとりごと

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4月30日(水)
最後の日本語が終わった...
あとは期末試験を作って採点するのみ。
(それが大仕事なんだけど)

期末直前成績レポート配布。
この子もっと頑張れたのになぁ、って学生もいて
potentialよりも低い成績をつけねばならないのは
やはり今でも心が痛む。
心なしか手の荒れも一晩で急激に悪化したよう。
(私はストレスを感じると手が荒れるのです)

これで最後なんだ、とは思えないほど
あっけなく、いつものように終わるものなんですね。

***

浦島太郎って実はすごく哲学的な物語なんじゃないかしら、とふと思う。
以前、「何故フタを開けると歳を取るような箱をあげたのか」って
友人と話したことがあったけど。

過ぎていく時間を大切な人達と共有できないのは、
きっとものすごく淋しい。
映画『グリーンマイル』のおじいさんが抱えていたような切なさ。
知らない間に自分だけが取り残されてくようで、
だったらみんなと一緒に年月を重ねたかったよぉ、って
私なら思うだろう。
不老不死ってのは一見夢のようだけど
万一実現してしまったら
実は人類最大の悲劇になり得るのではないかしら。

浦島太郎のあの結末は、
そんな切なさを見越した
竜宮城のお姫さまの優しさだったのではないかしら。

失ったのと同じ分だけの時間を、
取り戻せたのだから。

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4月27日(日)
全員参加のクワイアーとしては最後の日曜日。

なんだかいろんなものが最後になっていくなぁ、と
いつもと同じ普通の礼拝なのに
ちょっと、じ〜んとした。

『心が動く』って、きっとこういうことなんだ。

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4月25日(金)
日本の大学生からメールが来た。
秋からセワニーに留学するんだって。
『なんて呼んだらいいのかわからなくて...』
と断りつつ『あや先生』なんて書いてあるメールに
“ちょっとよそいき” の文章で返事をしつつ、思う。

知らない間に私は大人になっていたようだ。
私が大人になったというよりは、
周りが私を見る目が変わった。
中身はどんなに未熟でも
世間はもう『大人』としてしか私のことを見てくれない。
逆に、今更子ども扱いされたら
そこでムッとしてしまう自分もいるだろう。
やっぱりもう『子ども』には戻れないんだ、
たとえどんなに必死に否定してみたとしても。

客観的に自分を眺めてみても
やっぱり表向きは『大人』だよなぁ、と思う。
まだまだ未熟な自分自身の目から見ても、
やっぱり私はもう “社会的には大人” の部類に入るみたいだ。
幼き日々へのノスタルジーとかそういうものでは全然なく
でもどこか他人事のようにぼんやりと
いつのまにか大人になっていた自分を
どこか子どものままの自分で眺めてみる。
そういえばもうすぐ26になるんだった。

26かぁ。
もういい歳なんだなぁ。
というか、26という数字と自分の年齢が一致するだなんて
どうもピンとこない。

中学か高校の頃、
父が「俺なんか気分はいまだに18ぐらいだよ」とか言っていて、
「何言ってるの、もぅ!」なんて軽く流してたけど
それもあながち笑ってられないのかもしれない。

実は私もいまだに21ぐらいの気分だ。
ハタチになったばかりの初々しさは忘れてしまったけれど
それから特に「大人になった」実感も無い。
成人式が済んで、一年ぐらい経って
いろいろ『落ち着いてきた頃』から
私の外側の時間はどんどん過ぎていったけど
内側の時間は取り残されたままのようだ。

とはいえ冷静に考えてみると
21の頃とは違った考え方をし
21の頃とは違った生き方をしている自分がいる。
内側も外側も21のままでないことは、自分がよくわかってる。
無意識の部分でいくら21だって信じようとしても
それが嘘だってことはものすごく簡単に証明されてしまう。
でもそういうことはついつい全部忘れてしまって
どこか21のままの気分なんだ。

50になっても60になっても
気分はこのまま21のままなんだろうか。

もうあの日の父のことも笑ってられないなぁ、と
ふと思った。

***

日本語の授業でちょっと厳しいことを言う。
LLの課題やチュータリングをさぼったり
無断欠席をする学生がいるのです。

「あのね、私はそのことで気分を悪くしてる訳じゃない。
 ただ、成績を見たときに怒るのはやめてくださいね。
 それがあなた達自身の選択だったんだから」
(私のクラスは出席と授業への参加が成績に占める割合が大きい)

大学生ともなれば自分の責任は自分で取るべきでしょう?
日本語でやるべきことをやらない代わりに
他のところで自分にとって必要(だと思う)ことをしていて
そちらで満足な成果を得ることを本人が選択したのだから
やらなかったことまで評価してもらおうというのは甘い。
比較的『教授』っぽくもなく、厳しそうでもないから
これぐらいなら大目に見てもらえるだろう、
なんてのはもってのほか。
commitment しなかったところに reward を求めるのはおかしい。
それは大人としての常識と責任です。

やはり心当たりがある学生は動揺してましたね。
厳しいようだけど、これって友達と先生との立場の違い。
かなり心を鬼にして
『成績の基準はシラバスに書いてある通り』って態度を貫いてきました。

授業終了後、30分。
...いまだにドキドキしてるよ。
アドレナリン(だっけ?興奮したときに出るやつ)出まくり。

こういう厳しいこと言わなきゃいけないときって
先生やってて一番エネルギーが必要なんです。
一番気が重い瞬間でもあります。
『素の自分』ではいられなくて
『先生の仮面』をかぶってそれを『演じてる』感じ。
こういうところが先生として未熟なのかもしれないけど
かなり頑張らないとできないんです。

こちらに来てから気づいたのだけど
私は confrontation が苦手で、
相手に厳しい態度をとったりするのに
かなり膨大なエネルギーを要するというか、
私生活では「まぁいいよいいよ、それぐらい」
みたいな感じに流してしまうことって多いのですが
先生してるときはそういう態度ではいられなくて、
それが大変でもあり、辛くもあります。

例えばね。
普通の待ち合わせだったら
15分なんて誤差の範囲だけど
授業に15分遅れてきたら
やっぱり遅刻しなかった子と差をつけなくてはならないわけで。
普通の約束でドタキャンされても
まぁ仕方ないか、いろいろ事情もあるだろうし、 とか思うけど
授業を「ドタキャン」されたら
それなりの減点をしなきゃいけないわけで。
そういう、私生活では許容範囲にあることを
先生という立場上
見過ごすわけにはいかないとき、注意しなきゃいけないときって
シビアに振舞うの頑張らないとできないんだよね、精神的に。

『親の心子知らず』といいますが
『教師の心生徒知らず』なんだなぁ、と
教え始めて気がついたよ。
先生の仕事ってティーチングだけじゃないんです。
実際にやってみるまで全然気がつかなかったけど。

まぁそんなこと言ってても
先生の顔して教室に立つのもあと3回。
気合いを振り絞って頑張ります。

まだドキドキ。
まるで三日分のエネルギーを一気に使い果たしたかのよう。
あー、疲れた。

***

夕方。
アート専攻の学生の口頭卒業試験を見に行く。
ギャラリーで卒業制作作品の展示があって、
それのプレゼン+質疑応答。

質疑応答。
先生方からずいぶん鋭い質問がなされていて
面白かったです。
かなり、おもしろかったです。

その一つ。
『美』とは何か。
beauty と pretty は一致するのか。
必要条件なのか、十分条件なのか、
はたまた関係ないのか。

写真とか続けていく上で
永遠のテーマだなぁ、と思いました。

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4月24日(木)
Tennessee Williams Festival を観に行く。
これは年一回開かれる『セワニー演劇祭』みたいなもので
毎晩4つの芝居、一つの朗読があるのです。
今年は数年前の卒業生が戻って来て
小道具・セットほとんどなしの二人芝居をしているのですが
これがかなり面白い。
一応彼らプロとしてやってますから、演技がしっかりしてるの。
(一人はブリトニー・スピアーズやロバート・デニーロと
映画で共演したらしいです)

そんな芝居の最中、とある場面で
「彼女が(体重)99ポンド以下だといいな〜♪
彼女が9...歳以下だといいな〜♪♪」
とか歌いながら膝の上に座られてしまいました。
(↑こうして文字にすると、意味不明というかかなり怪しげですね)

観客として安心しきってるときにいきなりそんなことされると
反応に困ります。

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4月23日(水)
ビザゲット!!!
たった今(12:30pm)スタジオの人から電話がありました。
正式に認可がおりたので、受け入れOKです。

きゃー。
がんばろ。

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4月21日(月)
いつも通り日本語の授業へ。
いつも最初に教科書付属のビデオを見せるんだけど、
その途中でちょっと忘れ物をしたのに気づき、
学生を残したままオフィスに戻る。

...と。
なんと教室の方から突如サンバのリズムが。
廊下に響き渡るノリノリのサンバ。
周りに迷惑だってば。(教室もオフィスも図書館にある)
急いで教室に引き返す私。

そこにはいつどうやって駆けつけたのか
教室中にあふれんばかりのサンバチームの皆さま。
うちの学生もいつの間にかアロハシャツに着替えノリノリ。
...っていうかサンバなのに何故アロハ?

あまりの出来事に茫然自失の私を尻目に
容赦なく鳴り響くサンバのリズム。
その奥には虚しく今日の会話を流し続ける日本語ビデオ。
先生もどうぞとばかりに能天気に微笑みかける学生。

そこでやっと我に返った私は逆ギレして叫ぶのです。
「みんながそんなに勉強する気ないなら
もう今日は授業なんかしないからね!!」

サンバに負けた。
敗北感とともにオフィスに引き返す私。
追い討ちをかけるように高らかに雄叫びをあげるサンバ。

***

神様。
この悪夢は、レッスンプラン未完成のまま二度寝した罰なのですか?