2002年11月11-20日のひとりごと

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11月19日(火)
Philosophy Club 主催の映画会で『Baraka』を観てきた。
ドキュメンタリー映画ってことになるのかな...?

すごい。すごいです。
映像と音楽のみで、ナレーションも会話もないのだけど
映像を通して『生きること』とか『社会』とか、
その他いろんなテーマを自分自身に反映して考えたり
映し出されるイメージの美しさに精神が浄化されるような
不思議な感覚にドキドキしたり
はたまたその強烈なメッセージに息をのんだり。
言語に頼らずここまで人の心に訴えることができるのか、そんな感じです。
一言で例えるなら『静かな力強さ』っていうのかなぁ...

でもね。
言葉にしようとしても、指の隙間からさらさらと流れ落ちる砂のように
この作品から感じたものって『形』にして伝えきれないような気がする。
きっと観る人それぞれの価値観やら、過去やら、そういうものと一体となって
一人一人に違ったメッセージを残すような、そんな作品。

大切な人に観てほしい。
で、その後2時間でも3時間でも語り合いたい。
その人がどんなこと考えて生きてるのかとか、
感想を語り合うことでそういうことまで見えてくるんじゃないか。
そんな映画です。

...ということで。
一応ビデオにもなってるようなので
機会があったら観てみてね。

私には残念ながらそういう知識はないのだけど
素人目にもここまでインパクト強いのだから
映像の勉強をしている人とかには
きっともっともっとこのすごさがわかるんだろうな、とも思った。
映像がすごく綺麗で淡々としていて、かつ強烈。

ほめすぎかなぁ...
見終わって余韻が残ってる状態で書いてるので
その興奮を差し引いても、でもやっぱりすごい作品だったよ。

ま、好き嫌いとか観るべきタイミングとかはあるかもしれないけどさ。
日本人の作品ではないのだけど、日本の映像が結構あって
慢性ホームシックな身としては、そこでなごんだりもしてました。

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11月18日(月)
はっきりいって今日はついてない。

久々にリハーサルがない自由な夜なので
自分へのご褒美と気分転換に
すごく面白いと薦められた映画を観に、と思ったら。
昨日買い物に行ったせいで、財布がカバンに入ってない。

出だしの15分を見損ねた映画なんて味気ないので
なんだか今更行く気にもなれず。

なんで上映期間が一作につきたった6日間(しかも一日一回)なのよ〜、と
今更ながらセワニーの田舎っぷりを呪ってみたり。
単館上映もいいとこだよ、まったく。
軽いコメディーでも観て、あははって笑い飛ばして
すっきりしてからペーパーと授業の準備する予定だったのになぁ...

っていうかこれってさっさと仕事しろって天のお告げなのかしら?
だとしたら神様、あまりにも意地悪です。ぐすん。

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11月15日(金)
今日は来学期の授業登録、のはずだったのですが。

去年の冬ぐらいからここで学位を取ろうと思い
いろいろ細々とした手続きをふんできていたのですが
今になって(ICUからの)単位の編入が滞っているから
『special student(学位取得を目指さない留学生など)』のレジ日まで待て、と。
つまり一月になってから、他の学生の「おこぼれ」を取れと。

あのねぇ...
そもそもセワニー派遣が決まった時点で
転入生としての書類も全部提出していたのに
それがきちんと処理されていなくて(っていうか「ない」と言われ)
もう一度願書を提出せねばならず
挙げ句の果てにこの時期になっても手続きが済んでいなくて
結果、アドバイザーすらいないから授業の登録すらできないと。

貴校はそんなに偉いのですか?
と、大学側の半ば exclusive で snobbish な態度が腹立たしくもあり
一年半も滞在しているのにここの『組織』には今だに拒絶されているようで悲しくもあり。
悔しくてややうるうるしましたが。

もう、たとえ私が将来すごい偉業を成し遂げたとしても
「彼女はうちの卒業生です」って言えないんだからね、と。
見当違いなところで妙に闘志を燃やしてみたり。

まぁ、とにかく。
ここでの第二学士に固執するよりも
大学院を視野に入れて動き始めた方がずっと意味があるかなぁと。
やっぱりお金と時間は賢く有効に遣わなくちゃね、限りある資源だし。
ということで、任期終了後はどこか他で新たな一歩を踏み出そうかと。
意思決定のいいきっかけではあったのかしら。

話は変わり Medea。
授業後、先生とマンツーでリハーサルしたのですが
モノローグの最中に、なんだか心の琴線に触れて涙が出てきた。

彼女は、やっぱり不安でたまらなかったんだと思う。
夫が若い愛人と結婚の準備を進めていて
子どもすら連れて行かれて
かつては愛し合った人の人生から自分が消えていき
いつか彼女が存在していたことすら忘れ去られてしまうのではないか。
そんな先の見えない孤独。
大切なものを失う「直前」って
実際に失ってしまった瞬間よりも、実体のない絶望感があって辛いよなぁ、と。
私が今日見てもらったスピーチはちょうどその辺だったから
子どもを殺しちゃうシーンよりも理解しやすいのです。

役者としては、泣きながらだって
声とか身体とかは「コントロール」できなくてはいけないのだけど。
(うっかり感情が高まりすぎてコントロールを失ってしまい
声がうわずったりするのは本末転倒だからね)
でもスピーチの最中に涙が出てきたりするのは
キャラクターと共鳴して一体になれたようで
なんだか不思議な心地よさがあったりもします。

やっぱり私は彼女(Medea)の『味方』でいたいなぁ。

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11月14日(木)
Lysistrata 初日。
キャストパーティーのシャンパンの所為でほろ酔い(っていうかそれ以上)ですが
まぁ、たまにはいいのです。

初日。
木曜の夜にしては客席はほぼ埋まっていて
しかも観客の反応がよくて、演じてる方もやりやすい。
しっかり私のパートでも笑ってくれて、いやぁ〜やる気出るねぇ、みたいな。

後でいろんな人に「観客の笑いを持っていってたよね」と言ってもらえて
本人としては自覚無いのだけど、ほめられるのは何時だって嬉しいものです。
そっかぁ〜、私、面白かったのかぁ...。

キャラ的にコメディーだよね、とか言われると
どう反応していいか戸惑ったりもしますが
コメディーって、シリアス系よりも難しい(と、私は思う)ので
やっぱり嬉しい。

芝居で上手くいくと
その日にあった嫌なこととか忘れられるから
なんかいいなぁと思います。
やっぱりずっとこの世界に関わっていきたいな。

実は今日の午後、すごく不安を掻き立てるようなことが発覚して
半ば絶望的な気分ではあったのですが。
こんなことには負けないぞ、って気分になれました。
こんなにたくさん、自分のこと肯定的に見てくれる人がいるんだもの。
自分のことを否定的にとらえてはいけない、と思う。
誰か一部特定の人と上手くいかないからといって
自分は人間失格、というわけではないよね。

明日も同じ気分でいられるかどうかはわからないけれど、
でも、自分にとって大切なものが何かを気づかせてくれるという意味でも
やっぱり演劇って自分にとってすごく大切な要素だと思う。

初日が上手くいったとはいえ
あと7回の舞台を控えているので
油断せずに集中しなければね。

しっかし自分の(日本語の)学生の前で
ストリップすることになるとは...。
こうなったらヤケッパチだもんね、みたいな勢いでしたが。
そんな先生もアリなのです、きっと。

明日の公演が楽しみ。

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11月11日(月)
本当に大切な気持ちほど
言葉にするのをためらってしまったり
冗談でしか言えなかったり、するんだよね。
失うことがこわいから?

たまに、いろんな駆け引きが
もうどうしようもなくもどかしくて
どうしてもっとシンプルに生きられないのだろうと思う。
素直になれれば、ずいぶん楽だろうに。

***

ジャズダンスの授業中に左脚の付け根を痛めてしまいました。
Lysistrata の初日を三日後に控えたこの時期に、困ったもんです。
結構アクション系の芝居だったりもするので
一日も早く痛みが引くのを祈るのみですが。
なんか、長引きそうなんだよねぇ...

昨日から衣装をつけて通しのリハーサルです。
ヘソ出しコスチュームは、どうやら好評らしい。
着ている本人としては
その衣装の時はずっとお腹を引っ込ませておかなくてはならないのが
実は大変だったりも、するのですが。

sex を扱ったお芝居なので
『ストリップ』したり
(上着を脱ぎ捨ててレオタードみたいのになるだけだけど。
ちなみに私の記念すべきヘソ出しはここです)
男性陣は“phallus”(意味は自分で調べてね)をつけていたり、と
いろんな意味で私にとって『未だかつてない』舞台です。

ちなみにストリップ後の舞台上は、まるでコスプレ合戦のようで
不思議な光景だったりもします。
マニア必見かな、みたいな。

セットも出来てきて、みんな衣装をつけていて
通しのリハーサルとかになると、やっぱり気合いが入るものです。
最近はきちんとリハーサルを楽しめるようになってきて
頑張った甲斐があったなぁ、と思う。

あとちょっと、がんばるぞ。