日々の想い
winter 〜spring 2004 in N.Y.
最新の日記
5月22日(土)
Shakespeare Workout 最終日。
今日は、ただ今学期の最後というのではなく
14年半続いたクラスの締めくくり。
なので昔取ってた人が参加して、大規模なものになりました。
Clump という、4-14行の“新しく覚えた”シェークスピアを披露するエクササイズ。
みんなが(示し合わせた訳ではないけど)
Eloise に向けたメッセージとなるものを覚えてきてました。
たぶん、初めてだと思う。
シェークスピアが言葉に込めたメッセージを
こんなに心から理解したのは。
一語一語が本当に“意味を成す”と感じたのは。
私も Sonnet18番を英語4行、日本語10行で発表。
相手の美しさを夏の日に例えて讃え、
この詩が残る限りその美しさも忘れ去られることはない、みたいな詩。
そんなつもりは全然なかったのに一行目を口にした途端に
涙がぼろぼろこぼれてきてしまいました。
最後まで言えないかと思った。
Eloise と出会ったこと、この Workout に参加するようになったことで
だいぶ心の拠り所になっていたのだなぁ、と思う。
たった週一だけど、しっかりとしたコミュニティーが形成されていたのだと思う。
みんなが大人でしっかりと自分をもっていて
尚且つ互いへのサポートがあって
何よりも Eloise を、このクラスを、シェークスピアをこよなく愛している、
そんな空間はとても居心地がよく
切磋琢磨ってこういうことを言うんだなぁ、と思った。
この人達に出会えた偶然に感謝したい。
Eloise の物真似に爆笑したり
自作のソネットに涙したり
途中からマイケル(Eloise の恩人でもある)もやってきて
お昼休み後にはシャンパンなんかも開けちゃって
最後の Workout は終わりました。
Eloise も言ってたけど
これからは“外に出て行く”使命がある。
シェークスピアの面白さを伝えていく一端を、担っていこう。
夜は公演。
今までの中では一番いいかな。
明日はマイケルもベティー(奥さま)も観に来てくれるし
ベストの状態が見せられるようにがんばろ。
マイケルにはいいとこ見て欲しいもん。
5月11日(火)
夏の Physical Theatre Intensive のオーディション受けてきました。
感触はよかった。受かるといいな。
マイケルとのミーティング。
話の流れでごく自然に「You can do it.」と言われ涙が止まらなくなる。
アヤならできるよ。
私はこの数週間、ずっとこの一言を必要としていたんだ。
そもそもの始まりはキャスティング。
その経緯はオーディション云々以前に
「アヤには台詞の多い役は無理だろう」みたいなのが感じられ
公平にチャンスを与えられて考慮された気がしなかった。
初めから全くしなかった。
英語の訛りが壁になってチャンスが来ないのなら
どれだけ出来るのかすらも見てもらえないのなら
この一年間ここで演技を学んできたことは何だったのだろう。
所詮そんなものは実践では役に立ちはしないのだと
この一年を頭ごなしに否定された気がした。
自分がマイノリティーとなる環境で、
しかも外国語で演技をしていく以上
こういうことが起こるだろうとは覚悟していたけど、
でも『今、ここで』起こるとは思っていなかった。
どうしてプログラムの締めくくりとしての公演で?
そもそも演出をする人はスタジオの人でもないし
私たちのことも、今まで受けてきたトレーニングのことも知らない。
他人と比較してどうこうというのは大人気ないとは思うけど
プログラムに不平を言ったりサボったり、授業中寝ていたり、
そんな態度だった一部の人が急に掌返したように『いい生徒』になって
そしてそんな人にチャンスが与えられたのも悔しかった。
選ばれた戯曲も演出法も好きになれなかった。
今までに学んできたことを充分に生かせない特殊な芝居。
演技よりもシーンの合間の大道具移動に大半が費やされるリハーサル。
演出家と役者達、スタジオ側のコミュニケーション不足が感じられた。
全く遣り甲斐を感じられない、憂鬱でたまらないリハーサルなんて生まれて初めてだった。
自分達が創るものを誇れないのはアーティストとして苦痛だ。
みんなの苛立ちに満ちる稽古場。
最後の最後に裏切られたようで積もるスタジオへの不信。
大好きだったスタジオへの信頼を失い
どうしても前向きに取り組めない自分自身が一番情けなかった。
こんなことで腐るようではプロにはなれない。
でも台本を開く度に涙が止まらなくなってしまい
リハーサルの場に一歩足を踏み入れるだけで鬱になってしまい
どうにもならなかった。
「やっぱり所詮アヤには無理だったんだ」
そういう空気が息苦しかった。
こうなってしまうと私は脆い。
日本にいたときはほとんど挫折を経験したことがなくて
(挫折を挫折と捉えてないだけかもしれないけど)
いろんなことを割とソツなくこなせてしまう子だったので
誰にも期待されてない、可能性を信じてもらえてない環境に弱い。
とにかく弱い。
この空気の中で英語で話さなければならないのは
丸裸で人前に出されて虐待されているぐらいの脅威に感じられた。
もうどうにもならない。
昨日ラリー(プログラムの責任者)に呼び出されて
こういうことを話したら
「明日までに、次のリハーサルから前向きに取り組むか降板するか考えてくるように」
ということになった。
もうやめてしまおうか。
そう思っていたとき、ラリーから連絡があったといってマイケルから電話が来た。
マイケルの声を聞いた途端にほっとしていろんなものが一気に溶け出して号泣してしまった。
いろんなことを我慢して緊張していたんだなぁ、と思った。
それで今日のミーティング。
マイケルは嘘をつかない。口先だけの適当な言葉で誤魔化さない。
その誠実さが大好きだ。
私が感じていた憤りもごく自然で健康的なことだと言ってくれた。
マイケルがどう思ってるかも(内緒で)正直に教えてくれた。
そういうことを全部認めてくれた上で
ここから何が出来るか、何をすべきかアドバイスしてくれた。
そして何より、マイケルは私なら必ずできると信じてくれている。
可能性や能力や努力を心から信じてくれている。
そういう人がいると心から感じられることが
自信喪失してどうにもならない泥沼から抜け出すのに一番必要なことだったんだ。
マイケルの期待を裏切りたくない。がっかりさせたくない。
マイケルも同じような悔しい想いをしたことがあったんだって。
ネイバーフッド・プレイハウスで2年間学んだ後の卒業公演。
背が低くて“ハンサムではない”(個人的にはすごくキュートだと思うけどね)彼の代わりに
スタジオは2年前の卒業生を呼んできて主役を与え
マイケルは召使いみたいな小さい脇役だったんだって。
すごく悔しくて憤慨したんだって。
そしたらマイズナーから侘びの手紙が届いて、
それを今でも保管してあるんだって。
あのマイケルでも。
演技力とは関係ないとこで除外されて
しかもプログラム外の人を連れてこられただなんて
どれだけ屈辱だっただろう。
私は何でもかんでも英語の所為にしてしまえるだけ
まだまだ甘いのかもしれない。
頑張ろう。
どうせ出来ないだろうと思ってた人達を見返してやる。
4月21日(水)
長い週末を経て久々のスタジオ。
今日は卒業公演に向けてのキャスティング・オーディションでした。
モノローグを2つ披露して、後は結果待ちです。
いい役がもらえるといいな。
金曜日はマイケルの誕生日。
偶然にもかのシェークスピアと同じなんですね。
4月23日に生まれると演劇界で大成功するんだろうか...?
すごい先のことっぽいけど自分の子どもはこの日に生みたいなぁ、なんて
これまた勝手なこと思ったりして。(笑)
写真をプレゼントしようと思い
頼んでおいたプリントを受け取ってフレームを注文しに行きました。
ここでは自分で現像やフレームができないのがちょっと残念です。
喜んでくれるといいな♪
******
何となく気持ちがすっきりしなくて
久しぶりにビールでも飲もっかな、と近所の中国系スーパーに買いに行ったら
IDがないからとか言って(しかも中国語で)売ってくれませんでした。
年齢聞かれるのに“How are you?”とか言われるし、もう訳がわかりません。
もうすぐ27だってば。
ビールでIDを求められたのはNY生活で初だよ(普通はもっと度数の高いアルコールのみ)。
っていうかここはアメリカなんだから客には英語で喋りなさい。
なんかねー、このスーパー、店員の感じがときにすごく悪いのだが
「じゃあもう二度とここで買い物しないもんね!」
と言えない弱き消費者。もっと選択肢が欲しい。
ますます疲れたので寝ます。
4月7日(水)
映像クラスの一環であるショートフィルム制作。
一時はどうなることかと、最悪の場合落としてしてしまおうかと実は思いましたが...
無事脚本完成!
まだ撮影が済んだわけではないので安心はできませんが
とりあえずちゃんと実現しそうな気配が見えてきたのでホッとしてます。
写真のページにあるポエムプロジェクトを基に、
春休みに取った Playwrightワークショップで書いたシーンも取り入れながら
たぶん5分ぐらいの短い作品になります。
いいのができるといいな。
3月21日(日)
春休み最後の二日間。
Actors as a playwright (脚本家としての俳優)というワークショップを取りました。
戯曲を書くのは初めてだったのだけど
クラスの進め方が「与えられた状況を基に制限時間内でとにかく書きまくる」方式だったので
無理なく悩まず書くことができ
(〆切を間近に控えると“書き上げることに意義がある”ので
“完璧でなければ書いちゃダメ”と悩まずに済むから、という心理を利用するのだそうな)
初日の昨日だけで短い戯曲二つ、モノローグ一つ(の大まかなもの)が生まれました。
二日目の今日は戯曲一つとモノローグ一つに配役を割り振り(注:客観的に見るため自分では読まない)
実際に役者によって読まれるのを聞いてみてコメントをもらいました。
いや〜、自分の書いたものが読まれるときってなんだか照れくさいというかドキドキしますね。
戯曲の方は各シーンごとに写真を選んでそこからインスピレーションを受けて書く、というエクササイズから。
幼い頃に両親の離婚を経験した女の子が成長して結婚し、去って行った親を理解・許容する話。
たった四幕なのでまだまだ内容は荒いけど、コメントはなかなかいい感じ。
シンプルでキャラクターが解りやすい。emotionally authentic(感情に真実味がある)、など。
もっと膨らませていってきちんとした戯曲に仕上げたいな。
モノローグは『It drives me crazy when......』という書き出しで15分間書き続けるというエクササイズより。
(“こういう事が起こると嫌になっちゃう・もう耐えられない...”ってこと)
NYでやたら中国人のおばちゃんに中国語で話しかけられるというネタで。
どちらかというとこっちの方が好評だったかな (←なんせ実体験に基づいてるからね 笑)
すごく面白かったとか、絶対にこれを発展させていくべきだとか
いろいろ“その気に”なっちゃうようなことを言ってもらいました。
一度読んだ後、他の二人のモノローグと組み合わせて交互に読んだりして
「こんな感じで発展させてくとシーンにもなるんだよ」
みたいなこともしました。
興味深く充実したワークショップでした。
3月4日(木)
今日は Body(ムーブメント・身体づくり)のクラスで演出プロジェクトがありました。
基になるコンビネーションを覚えた後、ペアになって片方がもう一方を演出するのです。
私のパートナーはマイケルで、月曜は彼が私の演出をしたので今日は私が演出する番。
彼は視線が鋭くて激しく感情的な動きをするタイプなので
第6Chakra(眉間:第三の目とも言われ、直感などを司る)を開いて両目を閉じてもらいました。
深く呼吸をして空気(とそこに漂う全てのもの)を感じながらスローモーションで振り付けをこなし、
最後の方で目を開けて第7Chakra(頭のてっぺん:宇宙からのエネルギーが出入りするところ?)
にエネルギーを移行させて終わらせます。
で、与えたストーリーは以下。
若いギリシャ神話の青年(王子)。
初めての『翼』を手に入れ、それを背中につけて飛び方を学んでいきます。
試行錯誤を重ねた結果、最後に飛べるようになり、その喜びを享受する。
但し彼の身体は儚く脆いので乱暴な動きをすると砕け散ってしまう、ということにして
マイケルの動きから激しさを除き、普段は彼が見せないような繊細な動きが自然に引き出せるように心がけました。
結果。
大絶賛。
私もマイケルも大満足。
彼の集中力は抜群でした。
私とは正反対のタイプのマイケルの動きのあちらこちらに
“アヤらしさ”がでていたらしい。
クラスメートからも先生からもものすごくよい評価を頂き、
「アヤは演出をすることも考えた方がいいよ。きっと成功するよ」
とまで言ってもらいました。
こういうムーブメント系の演出、機会があれば是非やってみたいです。
3月3日(水)
ひな祭りの日がNYでは松井の日ってどうなんだろ...?
背番号とか子どもの日とかけて、せめて5月5日にすればいいのにね。
今日はマイケル(ハワード)の初授業。
いつものチェーホフの先生が仕事で来れなくなって、その代打で来てくれたのです。
初めはマイケルのお話、そして椅子取りゲーム(賞金$10)、
リラクゼーション → ドリームエクササイズ(後半で clown っぽく夢を自由に操る)、
最後にモノローグをしました。
やっぱりマイケルはすごい。
彼の授業に出ていると、演技(のトレーニング)がいつも以上に楽しく、
俳優って本当に素晴らしい誇りのもてる職業だなぁ、って気分になるんだよね。
それはやはりマイケル自身が情熱と愛情に満ち溢れているからなんだろうなぁ。
3月2日(火)
Clown exercise(道化のエクササイズ)。
私のストーリーは以下。
初デートで出かける直前の女の子。
花を抱えてウキウキで登場。
...と、なんと化粧台があるではありませんか!
引き出しをのぞくと香水発見。
シュッ、シュシュッ、う〜ん、いい香り♪
もっとよく嗅ごうとして顔(鼻)に噴射。
むせてクシャミが止まらなくなる。
気を取り直して口紅発見。
(想像上の)鏡を見ながら紅をひく...
と、そこでクシャミが。
なんと大きく頬まではみ出してしまうのですね。
どうしたものかと考えた結果、
反対側の頬にも同じくらいはみ出してバランスをとり解決。
同じくマスカラ、アイライン、眉もはみ出しつつ終了。
最後に、あらあら、なんと小さなタオル2枚発見!
胸に詰めて寄せてあげて“セクシー”にしてから
花を抱えてルンルン気分で退場。
...って感じです。
髪は前髪を頭のてっぺんで、残りの髪を横2つに分けてカラフルなゴムで縛り、
衣装は上は赤のタンクトップ、
下はカラフルなロングスカートの上から花柄の短パンを重ね履きしてズン胴に。
もちろん鼻にはピエロの赤鼻。
道化のエクササイズは“その気になってないと”なかなか難しいんだけど
今日は何故かノリノリ気分だったので、やりたい放題って感じで楽しかった〜♪
Tom(先生)から physicality(身体の使い方)が素晴らしかったけどダンスやってたの?
なんて嬉しいコメントを頂きました。やったね。
他にもクラスメートから
「アヤは普段特に化粧とかしないし、浮いた話(下ネタとか)のイメージが全くないから
なんか“セクシャリティーの発見・開花”をなぞってるようで面白かった」
という興味深いコメントも。なるほど。
3月1日(月)
今日は先生の都合で予定が変更になり、ミーティング。
そこで『グループとしてのまとまりが感じられない』とか
『互いのサポートが足りないんじゃないか』みたいな話になって。
(To be written)
1月28日(水)
気づいたらお財布にコインしか入ってなくて焦った。
まぁカードがあるから平気と言えば平気なんだけど
さすがに$1以下の買い物でカード使うのもねぇ...
(写真の焼き増し ―― 一枚29¢税込み32¢也)
ヒヤヒヤしながらも何食わぬ顔で支払いを済ませ、残金34¢になって帰って来ました。
これだったらむしろお財布忘れて一文無しの方が潔くてよくないか?
たぶんこの冬一番の積雪。
朝はふくらはぎぐらいまで積もった中を
必死になって駅まで向かいました。
こんなに雪が積もるのは、去年までの私には『特別』だったんだよなぁ、なんて
いつの間にか雪景色が『日常』になってた自分に気づいたり。
NYのいいところは、雪が降ってもあっという間に道が綺麗になる(みんなが雪かきする)ので
夕方帰る頃までにはだいぶ歩きやすくなってることです。
1月21日(水)
いつからこんなキャラになったのか。
ふと思ったのだけど、最近「ずいぶんはっきりしてるね」と言われることが多い。
たぶんその前には“日本人にしては”って但し書きが付くのだろうけど。
夕方、公演のため役者を募集してる人に会ってきたのだけど
話を聞いたり台本読んだりしてるうちに、なんか違うかなぁ、と。
企画として求めてるレベルがちょっと期待外れというか...
なので「出演することによって自分が学べないような役にコミットするのはちょっと...」とお断りしたのです。
まぁどうしても見つからないようならヘルプできるけど、ってことで。
そこで冒頭の反応。
その前はバイト探しをしていたときのこと。
画像のファイルをCDに焼く方法を知ってるか、と聞かれ
「半年ぐらい前に一度やったけど、自信をもって出来る訳ではないから
最初は誰か教えてくれる人が必要だと思う」と答えたところ
「Wow, I really like your directness.(その率直なところがいいね)」と。
(↑はアメリカ人ね。一癖も二癖もある雇い主だったので結局仕事自体を断ったけど...)
うーん...どうなんだろ。
無責任な安請け合いはしたくないから
最初の段階でできないことはできないと言ってるだけなのにな。
幸いなことに二人とも気分を害しての反応ではないのだけど
いかにも意外、みたいな反応をされると逆にこっちが驚いてしまう。
一旦引き受けたことを断るのって、初めに断るのより難しくない?
ごく当たり前のことを普通に伝えただけのつもりだったのだけどな。
どうなんですかね。
まぁ自分としては悪い変化ではないと思うのでヨシとしてはいるのだけど、
知らないうちにいつの間にか自分が変わっていたらしいのが
面白いような不思議なような、おかしな気分です。
“変わることは敗北ではない。
それはただ
変わるということにすぎない”
by バーノン・ハワード
タフな街NYにいると
知らず知らずのうちに皆タフな人間になってくのだろうか。
1月19日(月)
今日は何かの祝日でお休みだったので、午前はちょっと遠くのスーパーまで買い物に。
しかし昨日の霙が凍って雪かきしてない家の前の道路はアイススケートリンク状態。
ツルツル滑って恐ろしいことこの上なしです。
家の前の雪かきをしないと告訴される、ってあり得ないと思ってたけど
こんな道を歩かされると告訴したくなる気持ちもちょっとわかる気がしてしまった。
でもこれってモロに『罪の文化と恥の文化』論を地で行ってるなぁ、と思う。
高校の頃、小論文の補習でたくさん文化論みたいなのを読んだのだけど
欧米は罪の文化で、日本などアジアは恥の文化。
人々の行動を律する要素の差、ってことなのですが。
日本だと「そういうことするのは社会人として恥ずかしい」って考えが行動を律したりするでしょ。
雪かきの例を使うと。
日本だと家の前を歩きやすくしなくても誰も文句言わないけど
でもやっぱり他人への思いやりというか、そういうのからみんなするじゃない?
アメリカでは雪かきしないと罰せられるからする、みたいな。
遅刻に関してもそうだよね。
日本では遅刻しないのが当たり前というか、待たせちゃ申し訳ないって気持ちが律するけど
なんかこっちの子には「遅刻したら退学」とか
そういう実質的な罪が課せられないとなかなか真剣にならないようなところがあるような。
みんながみんなじゃないけど、そういう人が多いような。
海外での暮らしが長くなってくると
そんな目に見えない文化の差を肌で感じる機会が多いなぁ、
なんてことを思いながら氷の上を歩いてきました。
転ばなくてよかった。
午後はお仕事。
勤務時間中みっちり翻訳をする。
帰り道で気づいたけど、たまに頭を存分に使うと気持ちいい。
そういえば最近しっかり脳をフル回転させてなかったような気がする。
どちらかというと演技に必要な感情とかアーティスティックな面とか
そういうところばかりが頑張って活動している数ヶ月、って感じだろうか。
ずっと身体を動かさないとなんとなく調子が悪くなるのと同じように
ずっと頭を使わなくてもなんか調子が狂うものなんだ。
ずっと感情を押し殺していてもきっとなんかしっくりこないのだろう。
身体と心と頭。
結局はバランスなんだなぁ。
1月18日(日)
月に一度の日本語礼拝。
ついでに友人にオーディション用の写真を撮ってもらう...
(まだプロによるヘッドショットを作ってないのですが、
友人の紹介でちょっとしたオーディションの話があったので、緊急措置ですね)
...はずが!
よりによって唇に火傷。致命的です。
そもそも事の始まりは昨日の朝食。
朝向きの食べものが何もなくてどうしようかと思ってたところ
ふと冷凍庫にある中国系の干し柿(円くて平たい)が目に入ったのです。
干し芋だって温めると柔らかくなって美味しいのだから、柿も温めた方がいいのでは?
ということでレンジでチン。
何故か風船のように丸く膨らんだ干し柿さん。
なんだろこれ、と不思議に思いつつも
まぁいっか、と食べようとしたその瞬間。
出てきたんですね、柿の中から熱い蒸気が唇めがけ。
土曜はそうでもなかったんだけど、
一晩経ったら瘡蓋っぽく赤く目立つ火傷になっちゃったのです。
よりによってこんな日に、ねぇ?
まぁしかし素晴らしい技術の進歩のおかげで綺麗に修正してもらい
とりあえず無事に写真撮影は済んだのでした。
あまり自分の写真を公開するのもどうかと思うけど、面白いので公開。
人生初の“Before/After”写真です。
しかもなかなか気に入ってもいる。
こんな感じでハプニングにもメゲず、日々頑張っております。
どうぞよろしく。
1月17日(土)
シェークスピア・ワークアウト。
朝スタジオに行ったら Eloise (先生) が「アヤ、シェークスピアの全集もってる?」と聞いてくる。
突然だったので「え、もってるけど...」と訳のわからないまま答える。
「気にいってる?」「う、うん...」
「なんだ、アヤにあげようかと思ったんだけど」「えっ...?」
やや遅れてたので動揺したままそのままエクササイズへ。
やっぱ欲しいかなぁ、と思ってたら Eloise と話すタイミングを逃し、
結局他の(クラスの中で唯一全集をもってなかった)子のもとに。
...欲しかった。
かなり、欲しかった。
私の安いペーパーバックとは違い、
表紙もしっかりしててページを横から見ると金色に輝いてて、
しかも先生が使い込んだ、って感じのすごく素敵な古さの全集。
ほしかったよ〜〜!!
先生が使ってた本、ってとこに価値があったのになぁ。
私にとって特別な一冊になったろうになぁ。
なんか、別に自分が損したわけではないのだけど
まず最初に私に譲ろうと思ってくれてたことだけでも嬉しいのだけど、
後悔の嵐、って感じでなかなか寝付けませんでした。ぐすん。
予想外のことが起きると咄嗟に思考が停止してしまう自分を
このときほど呪ったことはありませぬ。
1月10日(土)
午前は Shakespeare Workout。
シェークスピア、日本で言えば源氏物語みたいな感じなのかな。
現代の言葉や文化背景と違うからネイティブでも簡単には読めないけど
高校まででみんな習ってて概要は知ってるのが当たり前、みたいな古典。
そのバックグラウンドがない私は人一倍インプットが必要だと思っていたところ
たまたま Eloise(先生)と出会って誘ってもらったのです。
私の事情もよく理解してくれてて、何かと気にかけてくれたりもします。
彼女に会わなかったら自分には到底無理と思って参加してなかっただろうから
つくづく出会いって不思議だなぁ、と思います。
このワークショップは私にとっては云わば課外授業なのだけど、
取ってる人も経験豊富な役者さんがたくさんで、いろいろ勉強になります。
何といっても Eloise が心からシェークスピア愛してます、って感じで
同じ空間にいるだけで楽しくてたまらなくなってしまいます。
彼女の話を聞いてると、シェークスピアってなんて面白いんだろう!!
って気がしてくるんだよねぇ。
今日は Puck のモノローグを披露してきました。
クラスの中でみんなの前に立って何かをするのは初めてで始まる前はちょっと緊張したけど
私はまだまだ勉強中の身だし、“きちんとやらなきゃ”みたいなプレッシャーもないし、
何より Puck 大好きなので思いっきりやりたい放題やってみました。
みんな笑ってくれて、いいコメントももらえて、楽しかった♪
やっぱり Puck っていいな。
午後、シェークスピアを早めに抜け出して殺陣のワークショップへ。
会場がスタジオの目と鼻の先なので掛け持ちできるのです。
こちらもすっごく楽しかった。
みんないい人であっという間に馴染めたし、武道の空気って肌に合うみたい。
高校のとき空手部って言ったら驚かれてたけど
もう8年ぐらい前なのに腰の落とし方とか足の運び方がずいぶん役に立ちました。
あとは剣さばきを鍛えなければ。
早くパフォーマンスに参加できるようになりたいな。
ワクワクしてきたぞ。
1月8日(木)
特に何があったというわけではないのだけど
なんとなく、いろんなことが動き始めたような気がする木曜日。
絶え間なく変化し続ける状況の中で、ずっと先のことを考えると
その得体の知れなさに圧倒されて押し潰されそうになるけれど
目の前の、確実にできることから一つずつこなしていこう。
1月7日(水)
自分の仕事に誇りと情熱をもっている人と話すのは
いつもとても楽しい。
1月6日(月)
レッスン再開。
今週は Clown(道化)ウィークの予定だったのですが、
先生が体調を崩しているのでキャンセルに。
急遽他のレッスンと差し替えられることになりました。
Clown は役者としては“こわい”分野の一つで。
狙って笑わせようとするとまず失敗するし
自分を防御する“壁”を取り払わなければならないというか、
正直何をどうすればいいのかわからなくて
舞台上で途方に暮れる自分を受け入れなければならないこわさというか。
だからこそ挑戦してコンプレックスをなくしたかったんだけどな。
1月4日(日)
冬休み最終日。
セワニーから旅行中の留学生とマンハッタンで会う。
なんと2年目に私が担当してた学生の一人が退学(強制休学?)になったらしい。
原因は、麻薬所持+売却未遂。
なかなか大学生活に馴染めないのかなぁ、って印象はあったけど
去年も出席率が問題になって学長から勧告は出てたけど
でもそれをやっちゃダメだよ、と悲しく思う。
麻薬が出てきたら周りがどんなに頑張っても庇いようがないじゃん。
ちょっと精神面で弱いというか脆いようなとこはあったけど、
根はいい子だったのだけどなぁ。
こんな事態に至る前に、私も含めて、支えてあげられる環境がなかったのがね...
最後は本人の責任とは思っても、やっぱりなんだか気にかかる。
これで腐れないで、ちゃんとしっかり自分を大切に見つめ直す機会にしてくれれば、と思う。
***
セワニーで買ってきてもらった聖歌隊のCD。
去年(というか一昨年)のクリスマスに録音したものです。
我ながら、ものすごく、よい!!
やっぱりまた唄いたいなぁ。
1月3日(土)
日本語を教えるため久しぶりにマンハッタンへ。
マンハッタンの空気とクィーンズの空気は
たった30分の距離なのに明らかに違って、
マンハッタンの喧騒は何事もなくても気の引き締まる勝負の場、って感じがするんだよね。
せっかくなのでちょっと歩き回ったり日系食料品店で買い物したり。
ネットで殺陣ワークショップ、というのをみつける。
なんと場所は通っているスタジオの目と鼻の先。
こればっかりは性別ゆえ実践の機会は少なそうだけど
いい運動にもなるし費用も手頃だし試しに見学でもしてみようか。
最近運動不足をひしひしと感じるので
思いっきり汗を流しつつ身体を鍛えたくてウズウズしてるのです。
海外にいるとこういう“日本的なもの”を学ぶ機会や動機は
実は国内にいるときより多い気がする。
やはり『他とは違う自分』を確立しないと、というのもあるし
外国人であることは強みにするのも弱みにするのもとても簡単。
なら、強みにしなきゃもったいないしね。
1月2日(金)
アマゾンで教科書や課題になってる戯曲を購入。
...したら、発送は12日、配達は15日以降予定らしい。
おいおい嘘でしょ、と目を疑う。
早く手に入れたいからネットで頼んだのに意味ないじゃん。
こういうのって遅れて抗議されないように、余裕をもって見積もっとくのかしら?
本気で15日に届いても実は困るのだがなぁ。
来年以降も滞在したければアーティストビザを申請しなければならないかも。
ということで下調べしていくうちにどうやらそうのんびり構えてもいられないことに気づく。
基本的には『如何にアメリカにとって有益な人物なのか』を証明せねばならぬようで。
んなこと言われてもねぇ。
ビザの申請には時間もかかるので、まだ修行中の身なれど
そろそろ対策を考え始めねばならないようです。
なんだかこういう些細なことでも、それが幾つか重なると
ものすごく大変な気がして意味なく焦ってしまったりするんですよね。
ぼんやりと未来に佇む問題を先取りして不安になってしまうの、悪い癖だなぁ。
『出張カット』の人に来てもらって髪を切る。
NYでは日本で美容師してた人が短期滞在などでこっちに来て、
その間に個人的にカットをしてくれることが結構あるのです。
私がお願いしていた人は(来週には帰国してしまうのだけど)
腕はいいのだけどなんかイマイチ馴染めないなぁ、なんて感じてしまい
カットしてもらいながら東京で通っていた美容院を思い出したりしてました。
なんとなく、いろんな人が恋しくて
久しぶりにご挨拶メールを出してみたりしました。
あたたかい優しい空気につつまれて
100%安心して無防備でいられるような
そんな時間が少しだけ必要な気がする。
1月1日(木)
あけまして。
まだこちらでは元日の朝を迎えたばかりですが、
大晦日の朝(午前10時)から日本から新年の便りが続々と届いていたので
なんだかもうとっくにお正月は過ぎ去ってしまったようなオカシナ気分です。
とりあえず今年の抱負。
来年の今頃までには演技の仕事での初収入を経験しとくこと。
願わくばそれが生活サイクルに組み込まれていること。
そのためには6月の Conservatory 修了時まで全力で学び貪欲に吸収すること、ですね。
来年の元旦にはどこでどんな生活をしているのだろうと考えただけで
何だかワクワクしてきません?
来年の自分がここを読んで恥ずかしい思いをしないように
一日一日を大切に精一杯生きていこう。