Book Project −with color slides


写真中級の授業の最後に
カラースライドフィルムで撮ったものを
スキャナーでコンピュータに取り込んで
それをプリントアウトして製本し
小さな写真集を作りました。
本当に小さな、『図工の時間』に作ったような本。

ここではその本の中から特に気に入っている2枚を公開します。
私が色を調製するといつの間にか絵画っぽくなってしまうのですが
カラーだったら『リアルな』仕上がりよりも
絵画っぽい、あったかい仕上がりが好きなのです。




「この場所で」





セワニーにいる間ほぼ毎日通った劇場。
劇作家にちなんで Tennessee Williams Center (TWC)といいます。

セワニーに来てからの日々を振り返ってみると
周りの環境や人間関係や自分の弱さや
そんないろんなことに悩んだ時期も
ここにいる時間だけは『自分らしく』いられたかなぁ、と思う。
すごく大変だった時期もあったけど、
毎晩ここに通うことで乗り切れたような気がする。
ここでの時間が救いになっていたような気がする。

「逃げてはいけない」「問題から目を背けるのは卑怯だ」と言われ
それで本当に逃げ場をなくした時期があった。
まるでホラーサスペンス映画のクライマックスがずーっと続いているかのように
常に些細なことに怯えながら暮らしていた時期があった。

でも、今振り返ってみれば
そんな時期もここが『つかの間の逃げ場』になっていたのだなぁ、と思う。
当事者以外が「逃げるな」と言うのは簡単で、
でもたぶんそれが大方にとっては正論でもっともな意見なのだろうけれど
私はときには逃げる勇気も必要なのではないかと思う。
だから一日ほんの数時間ずつとはいえ
常に逃げられる場所があったことはすごくラッキーだ。


もちろん物事が上手くいっているときも
毎日ここに通って
いろんな経験をして
たくさん学んで
時には悔しさに涙を流したり
時にはプロ意識を前に感嘆したり
そして時には
自分たちの創り上げた舞台上で
観客や自分自身の内面との
コミュニケーションに
心を揺さ振られたりしながら
本当にたくさんの時間を過ごした。

きっとここを去ってからも
セワニーと聞いて
真っ先に思い出すのは
この景色だろうと思う。
この写真を見ただけで
それぐらいたくさんの場面が
次々と浮かんでくるから。

この景色は
常に安らぎをもたらしてくれる
私にとってとても大切なものなのです。

(2003.2.27.)


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