ハーシェル・ゴードン・ルイスと並ぶスプラッターの創始者であるアンディ・ミリガン。とにかくはじめて見る者にとっては多少の苦痛を伴う映像世界かもしれない。何しろ徹底した低予算であるが故の16mmフィルムの荒れた画像。手持ちカメラのぶれた映像。殆どの作品がイギリスを舞台にした歴史物であるのに、ストイックさのかけらも無いエロ、グロ、ナンセンス。この作品でも冒頭から王の首が吹っ飛ぶのだが、吹っ飛んだあとに手が思わず首にいく描写の滑稽さ。それでいてコミック調にはならないで、全体的に陰湿なムードで進行していく。
血に飢えた断髪魔
呪いの館
ザ・マン・ウィズ・ツー・ヘッズ
Bloodthirsty Butcheres
監督■アンディ・ミリガン
1970年
The Rats are Coming! The Werewolves are Here!
監督■アンディ・ミリガン
1972年
The Man with 2 Heads
監督■アンディ・ミリガン
1971年
 まず最初の殺しのシーンが素晴らしい。床屋が客の宝石を奪うために客の顔をアツアツタオルで包み、手にもった包丁で指をチョン!その際にまな板まで用意する演出がにくい。いかにも作り物っぽい手が古き良きスプラッターを感じさせ、なかなかに心が和む。しかしこうしたほんわかムードを断ち切るかのごとく、話はどんどんサディスティックな方向に流れていきます。さらに、ミートパイの蓋を開けると、切り取られたおっぱいが出てくるという、いまどき5歳児でも考えないような低俗なショックシーンが・・・。やっぱりこういう天然ボケにかなうものはありません。
 副題は「満月に吠えるムーニィ家一族の惨劇」。長いな。狼男の話ではあるのだが、当時は流行っていた映画「ウィラード」に便乗したのか、それいけとばかりにねずみが登場。このねずみシーンは後から付け足したらしいが、はっきりいって浮いてます。で、このムーニィ家。一応主役っぽいダイアナ以外、まともな人は一人も居ません。でもってラストは父親や兄弟たちが次々に狼男に変身し互いに殺しあうという凄い展開に。おまけにダイアナ嬢もつられて狼女に変身してしまっては、婚約者のジェラルドがかわいそうです。
 これは「ジキル博士とハイド氏」ものです。まずオープニングの娼婦殺しのシーン。この血のりの感じがいかにもミリガンなのだ(といってもよくわからないか・・・)。ところでこの娼婦。どう見ても意地悪な魔法使いのおばさんにしか見えないのだが、こうしたミス・キャストもミリガン映画の特徴。ある種のリアリティを狙ったのか。さらに実験室のシーンではアカデミズムのかけらもみせず肉切り包丁で悪人をめった切りに。このあたり観ているほうがいや〜な気分になること請け合い。
拷問の密室
Torture Dungeon
監督■アンディ・ミリガン
1970年
back
International Shock Movies
shock video collection page 5
International Shock Movies
shock video collection page 5