PICK UP


KILL BILL
vol.2


監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
製作:ローレンス・ベンダー
撮影監督:ロバート・リチャードソン
美術監督:デヴィット・ワスコ、ツァオ・ジュウビン
衣装デザイン:小川久美子、キャサリン・マリー・トーマス


出演:ユマ・サーマン/デビット・キャラダイン/ダリル・ハンナ/
マイケル・マドセン/ゴードン・リュー/

2003年 アメリカ 2時間18分
配給:ギャガ・ヒューマックス
      
4月24(土)より丸の内ピカデリー1
他 全国松竹・東急系にてロードショー


ヤッチマイナで大ブレイクのKILL BILL
いよいよ最後の戦いへと挑むザ・ブライド
Kill isl love
お気に入り監督:ポール・ト-マス・アンダーソン/ジョナサン・デミ
             デビット・リンチ/チャン・イーモウ/市川準
お気に入り俳優:ケヴィン・スペイシー/ジョニー・ディップ
お気に入り女優:ジュリアン・ムーア/ユマ・サーマン


今日の映画館 


シネマライズ
渋谷のスペイン坂を昇ったところに、
オシャレな若者の心を掴む作品を
上映する映画館があります。


最近少し映画を見てるかなという気がするものの、情報源が足りない。映画の題名は間違うわ、人から言われても分からん。
TV東京で放送していた「シネマ通信」がなくなったのはやっぱり痛い。
石川三千花さんの的を得たコメント大好きだったのになあ。
KILL BILL1.2のプログラム買ってしまいました(^_^;
暫くはこれで飯が食えそう・・・
 
MOVIE
●コールドマウンテン
監督・脚本:アンソニー・ミンゲラ
撮影:ジョン・シール
CAST:ジュード・ロウ/二コール・キッドマン/レニー・ゼルウィガー
2003年 イギリス・イタリア・ルーマニア(2h35)
配給:東宝東和
日劇3ほかにて4月24日より公開
★南北戦争の戦線を離れ、恋しい人の待つ故郷を目指してひたすら歩き続ける。
オスカー女優陣の演技をご堪能あれ、やっぱり素敵ジュード様。


●スクール・オブ・ロック
監督:リチャード・リンクレイター
脚本・出演:マイク・ホワイト
撮影:ロジェ・ストファーズ
音楽:ニコラ・ズラビシュヴィリ
CAST:ジャック・ブラック/ジェーン・キューザック/サラ・シルヴァーマン
2003年 アメリカ(1h50)
配給:UIP
日比谷映画ほかにて4月29日より公開
★不世出のロックバカ、ジャック・ブラックが代用教員になりきって
小学生を洗脳。


●21グラム
監督・製作:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
脚本:ギジェルモ・アリアガ
CAST:ショーン・ペン/ナオミ・ワッツ/ベニチオ・デル・トロ
2003年 アメリカ(2h04)
配給:アミューズ
丸の内ピカデリー2ほかにて5月下旬より公開予定。
★オスカー級の熱演で死と背中合わせで生きる3人の人生が
交差する。


●ロスト・イン・トランスレーション
督・脚本:ソフィア・コッポラ
撮影:ランス・アコード
音楽:ブライアン・レイツェル
CAST:ビル・マーレイ/スカーレット・ヨハンスン/ジョヴァンニ・リビシ/
アンナ・ファリス
2003年 アメリカ(1h42)
配給:東北新社
シネマライズにて4月17日より公開
★パークハイヤットや渋谷の街を舞台に、ビル・マーレイは何を思う。
マシューも登場でこえは見るっきゃない!

●イン・ザ・カット
監督・脚本:ジェーン・カピオン
原作・脚本:スザンナ・ムーア
撮影:ディオン・ビーブ
CAST:メグ・ライアン/マーク・ラファロ/ケヴィン・ベーコン/
ジェニファー・ジェイソン・リー/
2003年 アメリカ(1h59)
配給:ギャガ・ヒューマックス
丸の内ピカデリー2ほかにて4月3にちより公開
★メグ・ライアンが脱ぎ、ジェーンカピオンが撮った。二コール・キッドマンが放つ女の為の映画。



●エレファント

監督・脚本:ガス・ヴァンサント
撮影:ハリス・サヴィデス
音響デザイン・レスリー・シャッツ
キャスティング:マリー・フィン
CAST:アレックス・フロスト/エリック・デューレン/ジョン・ロビンソン/
イライアス・マッコネル/
2003年 アメリカ(1h21)
配給:東京テアトル・エレファントピクチャー
シネセゾン渋谷にて3月27日より公開
★コロンバイン高校銃乱射事件が題材。彼らの精神は叙情的に
語られる。製作はダイアン・キートン

VIDEO/DVD





シネコンLINK
AMC IKSPIARI16 舞浜
109CINEMAS 港北・木場他
CINEMACITY 立川
CINECITTA 川崎
CINEMA MEDIAGE 台場
VIRGIN CINEMAS 六本木・南大沢他
WARNER MICAL CINEMAS 新百合ヶ丘・東武練馬・
桜木町他




アメリカンビューティー(99アメリカ)
監督 サム・メンデス
CAST ケビン・スペーシー/アネット・ベニング/ソーラ・バーチ/ウェス・ベントレー/ミーナ・スヴァリ
ストーリー 主人公のレスターバーナム(ケビン・スペーシー)は40を過ぎた、広告マン。妻のキャロリン(アネット・ベニング)は上昇志向の強い性格でふたりのはお互いにうんざりし、セックスレスだ。娘のジェーン(ソーラ・バーチ)は典型的ティーンエージャーで、父親を毛嫌いしている。会社の上司からはリストラの危機を告げられてしまう。レスターは日々の生活に疲れきっていた。そんなある日、レスターはジェーンの友達のアンジェラに恋をしてしまう。その時から、レスターは自分自身が過去に無くしてしまったものを求めて誰からも口出しをされない自由に生き始めた。そんな父親の姿に家族や周囲の人間は翻弄され、あきれ果てる。そして、レスターが最後にたどり着いた人生の答えとは。
感想 最高の監督、最高の脚本、最高のCASTによるコミカルでシニカルな人生模様/ありのままの姿はこんなにも美しい!シンプルなストーリー展開の中に現代アメリカ社会が抱える問題を全て描いている。(冷え切った夫婦関係、ティーンエージャーの苛立ちと不安、リストラ、自己実現、ドラック、セックス、ゲイ、銃社会)
世の中の多くの人間が躍起になって追い求めている美しさはどれも偽りの姿ばかり、地位や名声やお金、自己実現は上辺だけの豊かさに過ぎない。限りない欲望に支配された人生。本当の豊かさは心を安らかにしてくれる幸せ。肩の力を抜いて、ゆっくりと深呼吸した時に目に映るもの!!美はいたるところに溢れている。

マグノリア(99アメリカ)
監督 ポール・トーマス・アンダーソン
CAST ジェレミーブラックマン/マイケルボウエン/トム・クルーズ/メリンダ・ディロン/
フィリップ・ベイカー・ホール/フィリップ・シーモア・ホフマン/ウィリアム・H・メイシー/
ジュリアン・ムーア/ジョン・C・ライリー/ジェイソン・ロバーズ/メローラ・ウォルターズ/
エマニュエル・L・ジョンソン
ストーリー サン・フェルナンド・バレーのとある日。
死の床で息絶えんとするテレビの大物プロデューサー(ジェイソン・ロバーズ)は死を間際にして妻子を捨てたことを後悔していて、息子に再会したいと願っている。
→彼が捨てた息子(トム・クルーズ)は今や女性を虜にするテレビ界のSEXの教祖になっていたが母親の死を見取り、自分達を捨てた父親を恨む過去をもっていた。
→プロデューサーの若い妻(ジュリアン・ムーア)は財産目的で結婚したが、夫の死を前に自分が夫を愛していたことに気が付き、動揺を隠せずにいる。
→看護人(フィリップ・シーモア・ホフマン)は自分の患者の頼みを聞き入れ、家族の和解を図ろうとする。
→癌を宣告されたテレビクイズ番組の司会者(フィリップ・ベイカー・ホール)は、家族尊重主義者の象徴でありながら、不倫を重ね、娘にも手をだしてしまった過去があり、番組中に倒れ、妻に娘とのことを白状し、死を前にして妻からも見捨てられようとしている。
→彼を憎む娘(メローラ・ウォルターズ)は、家を出てテレビとコカインに漬かった生活をして自分自身を傷つけている。
→彼女に一目ぼれする警官(ジョン・C・ライリー)は通報を受けて訪れ、その晩彼女をデートに誘うが・・・
→番組でおなじみの天才少年(ジェレミーブラックマン)はいつでも一人で本を読みクイズの知識を増やしていたが、父親(マイケルボウエン)が自分のことを金儲けの道具のように思っていることに傷ついていた。
→過去の栄光にしがみつくかつての天才少年(ウィリアム・H・メイシー)は今や凡人となり、自分の知名度を利用されて働いていたが、その職さえ失おうとしながらも、若い男への恋に苦しんでいた。
ある者は許しを求め、ある者は逃避し、ある者はほつれてしまった絆を繕い、ある者は仮面を剥がされる。やがて、許されるはずのない過去は洗い流され、消えることの無いと思っていた苦しみは癒されていく。
感想 世紀末を生き抜く、愛と希望の群像劇/一見何のつながりも無いように思える彼らの人生は一本の糸に操られ繋がっていく。テレビの大物プロデューサーの死の床での台詞「人生にはしていい後悔としてはいけない後悔がある、してはならない後悔とは愛を知っていて捨てることだ」が印象的。その妻役のジュリアンムーアが今になって夫を愛していることに気付き、かつて自分が犯した浮気行為を赤裸々に顧問弁護士に告白し、財産相続を放棄したいと涙ながらに訴えるシーンでの汚い台詞と演技が圧巻(あの演技でハンニバルの出演を)。エイミー・マンの歌も登場人物の苦悩を描き出すのに役立っている。この世に愛がある限り、憎しみは続かない。愛により人は癒され、救われる。人生には後悔があり、愛がある。

スタンドバイミー(86アメリカ)
監督 ウィル・ウィートン/リバー・フェニックス/コリー・フェルドマン/リチャード・ドレイファス/
キーファー・サザーランド
CAST ロブ・ライナー
ストーリー ゴーディは新聞の記事で古い友達のクリス弁護士がレストランで酔っ払いの喧嘩を止めようとして刺殺された事件を知った。オレゴンの夏休み、ゴーディ(ウィル・ウィートン)、テディ(コリー・フェルドマン)、クリス(リバー・フェニックス)、バーン(ジェリー・オコネル)の仲良し4人組はいつものように秘密基地に集まっていた。バーンが不良達の話を立ち聞きしてきた。3日前にブルーベリーを摘みに行ったまま、行方不明になっていたブラワー少年の死体を不良達が森で見つけたのだ。
果たして4人は死体探しの旅に出る。
森の中を線路沿いに歩き、鉄橋の上を渡り、汽車にひかれそうになりながら、焚き火を囲み、沼を越えて冒険を続ける彼らはそれぞれに家庭環境に苦悩し、自分の将来に失望していた。
お互いをからかい、たわいもない話をしていたあの頃、僕らは本当の友達だった
感想 4人の少年たちの友情と冒険の物語/あの夏僕達はそれぞれの道を歩き出そうとしていた。この頃はまだ、リバーよりもグーニーズで見たコリー・フェルドマンが好きだった。スティーブン・キングを知ったのもこの作品が最初。中学1年の夏休みに従姉妹と一緒に見た、スタンドバイミーは自分にとって始めての映画館での字幕の映画だった。物語の少年達と自分の年が近かったことと、夏休みにひと夏の冒険の物語を見たせいか、自分の中に深く入ってきたのを覚えている。オレゴンの土臭い風の匂い、地平線まで続く真っ直ぐな道路と、森の中を走る汽車の線路、そこには古き良き時代のアメリカがあった。アメリカ、冒険、友情、4人の少年に恋したのを覚えている。大人に成長したゴーディの台詞「あの12歳の時のような友達はもう出来ない。もう二度と、だれだって」は今でも忘れられない名台詞。ベン・E.キングのスタンド・バイ・ミーが頭の中に流れ、オレゴンの自然の中を何処までも走って行き、息が出来ないくらい苦しくなってもまだ止まることが出来ずにいる13歳の自分がいた。

オールアバウトマイマザー(99スペイン)
監督 ペドロ・アルモドバル
CAST セシリア・ロス/マリサ・パレデス/ペネロペ・クルス/カンデラ・ペニャ/アントニア・サン・フアン /
ロサ・マリア・サルダ/エロイ・アソリン
ストーリー スペインのマドリード、臓器移植コーディネーターのマヌエラ(38歳)(セシリア・ロス)は
女手ひとつで、息子のエステバン(エロイ・アソリン)を育て上げ、暮らしていた。
息子は作家志望で、母親のことを書こうとしていた。しかし母のすべてを書くには、大事なことが欠けていた。彼は父親について母から何も聞かされていなかったのだ。
エステバンの17歳の誕生日、ふたりは大女優ウマ・ロッホ(マリサ・パレデス)の舞台「欲望という名の電車」を観に行く。舞台が終わり、エステバンはウマのサインを求めて、
雨の中彼女の乗ったタクシーを追って事故に遇う。
悲しみに暮れるマヌエラは18年前に逃げるようにして出てきた、バルセロナへ旅立つのであった
そこで待っていたのは、かつての売春仲間のアグラード(アントニア・サン・フアン)、
尼僧のロサ(ペネロペ・クルス)、大女優ウマ、そして・・・・・
感想 全ての女達に捧げられた人生賛歌/母親から子供へ、子供から母親へ愛は受け継がれる。
最愛の息子を亡くした母親の悲しみが至る所で溢れ出し、痛々しいながらも、赤を中心とした原色の色彩とユニークな登場人物の存在が物語を暗くさせていない。サグラダ・ファミリアのあるバルセロナのヨーロッパ伝統文化のイメージと臓器移植、妊娠出産、AIDS、アルツファイマーといった医学的な題材の混在する意外性が印象的。
ペネロペクルスが聖母マリアのような尼僧役を好演。
愛する息子を亡くした母親が、かつて自分が女だった頃を過ごしたバルセロナでかつての友達、
そして新しい女達に出会い、女達を助け、悲しみを癒され、また母親として生きていく姿に心を打たれる。女の愛は母親の愛、海のよう深く全てを包み込む。
母親から受け継いだ愛を忘れずに生きて行きたい。

トーチソングトリロジー(88アメリカ)
監督 ポール・ボガード
CAST ハーベイ・フィアスタイン/マシュー・ブロデリック/アン・バクロフト/ブライアン・カーウィン 
ストーリー アーノルド(ハーベイ・フィアスタイン)はブルックリンのショーパブで女装姿でトーチソング(恋歌)を歌っている。
ゲイバーでエド(ブライアン・カーウィン)という男と知り合い、二人は付き合い始めるが、バイのエドに彼女が出来てアーノルドは誕生日にふられてしまう。
アーノルドは傷つきながらも、仲間達に励まされ、仕事に精を出し生活していた。
クリスマスの晩、アーノルドは店に来た酒癖の悪い客に絡まれて、店にちょっとした騒ぎが起き、
気絶した客の美少年アラン(マシュー・ブロデリック)をアーノルドは家に連れ帰る。
翌朝、目を覚ましたアランは何も覚えていなかったが、後日アーノルドの前に現れたアランは自分もゲイでアーノルドを愛していると告白する。
果たして、アーノルドとアランは二人で住み始めるが、結婚したエドの家に招かれたり、息子がゲイであることをを恥だと思っている厳格でパワフルなアーノルドの母親(アン・バクロフト)の存在と二人は騒がしい毎日を送っていた。二人は、念願の養子をもらう為に広い部屋へ引越しをするのだが、そこはあまり治安のいい場所ではなかった。
感想 ゲイとしてのプライドをもって生きる生粋のオカマの物語/どんなに頑張ってもハイヒールしか似合わない。
今まで見たどの物語よりも人を好きになるという気持ちをリアルに描いている。好きゆえに離れていると淋しくて、逢いたいと思う気持ち。相手が自分を本当に好きなのか不安で相手の時間を自分の物だけにしたくて、束縛してしまう。友達を作って気を紛らわせても、根本的な解決にはならない。要はそこに愛があるかどうかなのだ。
アーノルドは言う、「今まで沢山の男達と寝てきた。でも彼らは誰も愛してるとは言わない、心からは。では自分は愛したのか?胸を張って言える、イエスと。自分は愛した、真剣に。でも、十分ではなかった。」
何人も人を好きになることは出来る、恋愛も同様に。でも、心から愛していると言える相手は一生に何人もいない。だから、アーノルドはもう、他の人を愛することはないのだ。
淋しくても辛くても、思い出を胸に生きていく、アーノルドは母親になろうとしていたのだ。
そのことでアーノルドと母親は衝突するが、本当はお互いのことを大切に思っている。ゲイとして生きて行くことと家族の絆、カミングアウトと言うものを考えさせられた。
この素晴らしい映画を教えてくれた元彼に感謝、ありがとう!俺は元気です。体に気をつけて

12モンキー(95アメリカ)
監督 テリー・ギリアム
CAST ブルース・ウィルス/ブラッド・ピッド/マデリーン・ストウ/クリストファー・プラマー/デヴィット・モー/
フランク・ゴーシンス/ジョン・セダ
ストーリー 1997年 50億人の人間が死のウィルスにより死滅するだろう。
人類のほとんどが死滅した2035年の世界。残されたわずかの人間は、汚染された地上を逃れ、地下で暮らしていた。    
ジェームスは(ブルース・ウィルス)無期懲役中の囚人だったが記憶力の良さと強靱な精神力を科学者達に見込まれ、人類を救うための任務を与えられた。1996年の秋の世界に転送されるはずが、1990年の春のボルチモアに着いてしまう。ジェームスは事情聴取をした警察を殴り、精神科女医キャサリン(マデリーン・ストウ)の担当として、精神病院に送られてしまう。キャサリンをはじめ、医師達は彼の話を誰も信じようとはしなかった。
脱走に失敗したジェームスは気が付くと、2035年の世界へ戻ってきていた。再び、過去へと送られたジェームスは途中第一次世界大戦の戦場に遭遇しつつも1996年の秋に送り出される。ジェームスはキャサリンを拉致し、死の細菌に関係する12モンキーの調査に乗り出す。そこで彼は以前、ボルチモアの精神病院で出会った細菌学者の息子ジェフリー(ブラッド・ピッド)とその仲間達が関係していることを突き止めるが、再び2035年へと戻されてしまう。ジェームスの突然の失踪の後、ジェームスの言っていたことを信じ、動き出すキャサリン。世界の運命は二人の手にかかっていた。
感想 人類滅亡の運命を変えるべく未来から送られた男の物語/かけがえのないこの世界は滅びてしまうのか?テリー・ギリアムの描く近未来のゴシックレトロでダークなビジュアルが最高。ブラット・ピットがエキセントリックでクレージーなジェフリー役を熱演(きれいなお尻も○)。細菌によって人類が滅んでしまうという緊迫感のあるストーリー設定と現在、過去、未来を行き来してのストーリー展開が見るものを現実と妄想の間に引き込む。。オープニングの赤いサルのイラストに流れるアコーディオンの汚染されていくような不安を掻き立てるシーンと、エンディングの空港での白い光に包まれたシーンでのバイオリンの悲しい音色が対照的に美しい。What's a wanderful world / ルイ・アームストロングが心に残る。美しいこの世界。

ピアノレッスン(93豪)
監督 ジェーン・カンピオン
CAST ホリー・ハンター/ハーベイ・カイテル/サム・ニール/アンナ・パキン/ケリー・ウォーカー/
ジュヌビエーブ・レモン/トゥンギア・ベイカー/アイアン・ミューン
ストーリー 19世紀の半ば、エイダ(ホリー・ハンター)はスコットランドからニュージーランドへと9歳の娘フロア(アンナ・パキン)とピアノと共に父の決めた相手へ嫁いできた。夫のスチュアート(サム・ニール)は、運び手がない事から、ピアノを海岸に置き去りにしてしまう。失語症のエイダにとってピアノは彼女の心を代弁してくれる大事な存在なのだ。しかし、スチュアートはエイダのピアノを勝手にベインズ(ハーベイ・カイテル)の土地と交換してしまい、エイダにそのレッスンをするように言うのだった。
エイダの美しさに惹かれているベインズはエイダにピアノを弾かせ、それを聴いているだけだった。べインズは彼女に、提案をした。自分の言うことを聞けば、ピアノのキーをその度に返し、いずれピアノを返すと。警戒しながらも、いつしか、エイダはドレスと共に、自分の心をも裸にし、エイダはベインズの優しさと純粋さに惹かれていくのだった。
感想 ピアノが奏でる官能的な愛の物語/ピアノの意思は彼女を選んだ。波打ち際に置き去りにされたピアノが何処までも何処までも美しく、意思をもった存在のように見える。カンヌ・オスカーを制したホリー・ハンターの情熱的で官能的な演技が素晴らしい。言葉を話せない気丈な女性でありながら、死をも恐れずに愛に生きようとする情熱的な女の強さを見事に演じている。
幼くして、オスカーの助演女優賞を獲得したアンナ・パキンが言葉を話せない母親に代わり、エイダの意思を代弁する大人びた姿と対照的に犬やニワトリ達と無邪気にはしゃぐ姿がいたずらな天使のようで愛くるしい。愛する気持ちは誰にも止められない情熱を持っている。心を燃やし、想いを廻らすことそれが生きること。

さらば、わが愛 覇王別姫(93香港)
監督 チェン・カイコー
CAST レスリー・チャン/チャン・フォンイー/コン・リー/ルォ・ツァイ/クーヤウ/トン・ディ/イン・ダー/
チー・イートン/ホアン・ペイ
ストーリー 1925年の中国、9歳の小豆子が娼婦の母親に連れられて京劇の養成所へ預けられることとなる。そこで待っていたのは、芸を磨くための血を吐くような修行の毎日だった。そんな彼をいつも守りかばってくれる男、小石頭がいた。ふたりはまるで兄弟の様にしたいあう仲になっていく。
やがて成長し彼等は「京劇」のトップスターの座につく。女形(旦)として小豆子(レスリー・チャン)は程蝶衣という名で片や小石頭(チャン・フォンイー)は男役(生)として段小婁という名でデビューする。やがて、段小婁は遊郭の売れっ子菊仙(コン・リー)と結婚する。しかし、程蝶衣はそのことに嫉妬するのだった。段小婁を愛していたのだ。
二人は、日本軍侵略、国共合作、文化大革命という時代流れに翻弄されながらも二人の当たり役、覇王別姫を演じ愛憎の流れの中を生きていく。
覇王別姫とは敵に囲まれた項羽の后、虞美人が項羽の前で舞を舞い敵に辱められる前に剣で自害して、項羽への貞節を貫いたという話だった。
現実と演技の区別がつかないほどに、役にのめり込み京劇以外に生きる価値を見出せなかった程蝶衣は恋愛感情さえも、演技と重ねる生き方しか生きられなかった。
感想 京劇に全てをかけて生きた男の抒情詩/時代の流れに巻き込まれながらもその愛を貫き通した。チェン・カイコー作品のスケールの大きい物語をご堪能下さい。レスリー・チャンの妖艶な演技が見事。チャイニーズオペラの豪華絢爛な衣装と妖艶な旦の演技、雑技のアクロバティック的な演技に魅了され、北京に京劇を見に行ったものでした。人間の弱さと狡ささえも時代の変革の前にさらけ出される。程蝶衣は菊仙に嫉妬し続け、決して認めようとしなかったが、同じ男を愛する二人は同時にお互いの辛さを誰よりも理解できる相手だった。同じものを愛する者達は憎しみながらも、きっといい友情関係を築けるはず。嫉妬の裏側にはちゃんと愛があるはず、美しく嫉妬の炎を燃やしましょう。

紅夢(91香港)
監督 チャン・イーモウ
CAST コン・リー /ホー・ツァイフェイ /マー・チンツー/ ツォユン /チョウ・チー /コン・リン/
チン・シューユエン/ティン・ウェイミン/チュー・シャオ
ストーリー 封建的な古いしきたりが根強く残る1920年代の中国。大学生のスンリェン(コン・リー)は、父親の死によって、大学を中退し大金持ちの家に妾として嫁がされる。スンリョンには第4婦人としての生活が待っていた。妻たちは、それぞれに院と呼ばれる部屋を与えられ、全てが家法によって執り行われる生活を送っていた。妻達は姉妹のように仲良くし、助け合って主に使えるようにとされていた。夕方になると妻達はそれぞれの院の前に立ち、主が今夜誰と床を共にするのかを知らせる赤い提灯が自分の前に灯されるのを待つのだ。その提灯の明かりは絶対的権力者である家の主の愛情を勝ち得た者にだけ与えられる、女達の憧れであり、主の相手をする前の足打ちの儀式のを欲するのだった。今夜も他の院から足打ちの音が聞こえてくる。女達は嫉妬と淋しさから今夜も眠れぬ夜を過ごすのだった。
感想 中国封建社会を生きた女達の悲しくも美しき愛憎劇/人間の愚かさと尊厳を静かに照らし出す赤い提灯。コン・リーの虚ろな表情とぼんやりと赤い提灯の明かりが何処までも美しい、もはや芸術!! かつて女達は結婚し、夫に愛されることによってのみ幸せに生きていくことが出来た時代があった。赤い提灯を灯されるのを待つだけの生活の女達の嫉妬と策略に満ちた孤独を静かに美しく描いている。揺るぎない家法の戒律を印象着けるような中国特有の対称の様式美の院と対照的に女達の揺れ動く心を投影している赤い提灯。スンリェンは封建社会の中に人間としての尊厳を見出そうとするが、それにはまだ時代が早かった。人間として尊重されて初めて愛し愛される喜びを知ることができる。

バニラスカイ(01アメリカ)
監督 キャメロン・クロウ
CAST トム・クルーズ/ペネロペ・クルス/カール・ラッセル/ジェイソン・リー/ノア・テイラー/
キャメロン・ディアス
ストーリー デヴィット(トム・クルーズ)は幼くして両親を失い、父親の残した大手出版社を引き継ぎ、金銭的にも恵まれ、ハンサムなルックスで、ジュリー(キャメロン・ディアス)という恋人とセックスをエンジョイし、何不自由のない生活を送っていた。デヴィットは自分の誕生パーティに親友が連れて来たソフィア(ペネロペ・クルス)に一目ぼれをする。彼女を家まで送り、2人は一晩中、会話に夢中になる。次の日の朝、ソフィアの部屋から出ると、ジュリーが待ち伏せしていた。デヴィットはジュリーの誘いに乗りジュリーの車に乗り込む。ジュリーはデヴィットを愛していると涙ながらに訴え、アクセルに力を入れた。
感想 残酷で甘酸っぱいラブストーリー/本当の愛を知った時、もうそれは手に入れることの出来ないものだった。
キャメロン・クロウは新しくて懐かしい映画を作る監督だ。それは、彼がその青春時代を大切にしているからだ。音楽もいい、サントラも買ったし。
スペイン映画/オープンユアアイズのリメイクだが、本作品の方が良く出来ている。テーマがアメリカ的であり、ハリウット向きなのだ。冒頭から無人のタイムズスクウェアの映像が夢と現実のはざ間に見るものを引き込む。金持ちでハンサムな自己愛の塊のような嫌な男が、ある日本当の愛を知る。物語の中でデヴィットは4回目を覚ます。1回目は夢の中で2回目は
日常の生活で、3回目は悪夢の中で、4度目は真に目を覚まし、現実を見ることとなる。
デヴィットは自分自身に目を覚ます、現実を生き、愛から逃げないで生きる決心をする。
THE OTHER SIDE OF LOVEのテーマである本当の愛の形とそのもう一つの側面を表している。人生は酸っぱさがあって甘さを知ることが出来る。目覚めよ!

インタビューウィズヴァンパイア(94アメリカ)
監督 ニール・ジョーダン
CAST トム・クルーズ/ブラッド・ピット/アントニオ・バンデラス/クリスチャン・スレーター/スティーブン・レイ/
キルスティン・ダンスト
ストーリー サンフランシスコの一室でインタビューを受けるルイ(ブラッド・ピット)は18世紀から生き続けているヴァンパイア。
18世紀末のニューオリンズの地主だったルイは若くして妻に先立たれ、生きることに何の希望も見出せない日々を送っていた。
ある晩、賊に襲われたルイを吸血鬼レスタト(トム・クルーズ)が救い、そしてその生き血を吸った。
再び、ルイの前に現れたレスタトは自分の血をルイに吸わせ、同類へと変えるのであった。
それは、生きるために人間の生き血を吸い、太陽の光を恐れる生活の始まりだった。
人間の生き血を吸うことにためらいのあるルイはある日、母親を亡くしたクローディア(キルスティン・ダンスト)という少女の生き血を吸っていしまう。レスタトはルイを繋ぎ止める為にクローディアを仲間に変えるのだった。しかし、それは新たな苦悩の始まりだった。
感想 現代に生きるヴァンパイアの苦悩を描いたロマンチック・ホラー/自分は何の為に行き、何処へ行こうとしているのか?トム・クルーズ/ブラッド・ピット/アントニオ・バンデラスと美形俳優陣の演じるヴァンパイアにうっとり(笑)トム・クルーズが妖艶なレスタトを好演。レスタトがルイの生き血を吸ったまま、宙に舞い上がるシーン・アーマンド(アントニオ・バンデラス)とルイがお互いを自分を救ってくれる存在だと感じ、惹かれあうシーンがゲイチックでドキドキする。
人間の生き血を吸う事で老いや病気の心配をせずに永遠に生き続けることのできるヴァンパイア。しかし、それは日々人間を殺し、時代が変わっても、変わることのない自分自身の存在を問い続ける毎日だった。
永遠に生き続けても、生きる意味を見出さなければ、生きているとは言えない。
時として愛する人がいるから生きていたいと願うこともあるだろう。貴方の笑顔を見ることが私の幸せだから。

二十歳の微熱(93日本)
監督 橋口亮輔
CAST 袴田吉彦/片岡礼子/遠藤雅/山田純世/佐藤恒治/原田文明/大河内浩/石田太郎/
 入江若葉
ストーリー 大学生の島森(袴田吉彦)は新宿二丁目のホストバーで男に体を売るバイトをしている。バイト仲間の高校生、信(遠藤雅)はバーの店員に客に見せる為、BOYのリスト写真を撮らせてくれとしつこくされていたところを島森に助けられ、島森に惹かれていく。島森は両親の離婚、家を継ぐことと悩みをかかえ、周囲から距離を置いている。そんな島森を気にかける大学の先輩頼子(片岡礼子)。信を好きでありながら、信を友達としてゲイであることを理解しようとし、世話を焼くあつみ(山田純世)。彼等の奇妙な四角関係は静かにけだるく展開していく、まるで微熱のように。
感想 90年代の2丁目を生きる決して熱くならない少年達の青春映画/僕がなりたいのはなにものでもないもの。この作品をNHKの朝のニュースで知った頃の自分は、まだ2丁目を知らなかった。二十歳の微熱をノンケの女の子の家で二人で見たのを思い出した(^^;
島森樹は両親の離婚によってどっちの家を継ぐとか、ゲイだとか、ノンケだとか、そんな周りから強制されたり、定義付けられることを嫌い、
家族からも、友達からも浮遊し、誰も愛さず、誰も憎まないで生きている。
誰の女とか、男とか、付き合っている人でその人格が判断されるのを嫌がっている頼子はそんな島森に惹かれていく。色々なしがらみから開放されて自由に生きたいのだ。
信は島森を好きだが同情で島森に抱かれたいとは思わない、自分の淋しさを受け入れて欲しいし、島森の淋しさを知りたいのだ。しかし、島森は心を他人に開こうとはしない。それが90年代を生き抜いて行く若者たちの自分を守る方法なのかもしれない。
感情を出さないはずの島森だが、ある日自分自身の淋しさを吐き出してしまう。きっとこれからは少しだけ素直になれる気がする。少年達は微熱のような静かな恋を見つけた。
二丁目から朝帰りする時、この作品のエンディングを思い出す。新しい朝、昨日を越える想い。

きらきらひかる(92日本)
監督 松岡錠司
CAST 薬師丸ひろ子/豊川悦司/筒井道隆/津川雅彦/加賀まり子/川津裕介/大島智子/
柴田理恵/阿藤海/蜷川幸雄/山谷初男
ストーリー 情緒不安定で軽いアルコール依存症の笑子(薬師丸ひろ子)は、医者で同性愛者の睦月(豊川悦司)と見合い結婚をした。しかし、睦月には紺(筒井道隆)という大学生の恋人がいた。笑子は紺にやきもちをやきながらも、二人の結婚生活に紺を入り込ませようとする。
その一方で、睦月に愛され、抱きしめられたいと願うのだった。いつしか笑子は3人の子供を作りたいと思うのだった。しかし、酔った笑子の一言からそれぞれの両親に、お互いの秘密が知られることとなり・・・・
感想 奇妙な三角関係が心地いいヒューマンラブストーリー/私達3人の子供を作りたいの。江国香織の同名小説の映画化。物語の舞台が自分が東京で初めて暮した多摩地区だったことで妙に親近感があっていとおしく思える作品。酒に酔ってファミレスのウェイトレスに絡む笑子のぶっきらぼうな口調の裏にある優しさと純粋さ、孤独が心地よい存在感をみせている。昼間からファミレスで酒びたり、深夜のドライブがとても贅沢な時間を過ごしているようで羨ましい。男(ホモ)+男(ホモ)+女(ノンケ)、そのぐらいの方がバランスがいいのかもしれない。恋人として、人間として愛することは何処まで近づけるのだろうか?誰もが幸せになれることは難しい。それでも、それぞれを大切に思っている彼らなら、それが出来るかもしれない。明るい日差しの中で、きらきらとひかる3人には優しい風が吹いているのだ。この作品を教えてくれた、大好きだったHさん、元気ですか?
今度は、俺がきらきらひかるになります。

グリーンデスティニー(00香港)
監督 アン・リー
CAST チョウ・ユンファ/ ミシェル・ヨー /チャン・ツィイー /チャン・チェン /ラン・シャン /チェン・ペイペイ /
リー・ファーツォン /ハイ・イェン /ワン・ターモン /リーリー
ストーリー 中国で剣の英雄たちが群雄割拠した時代、天下の名剣 “グリーン・デスティニー”(碧名剣)の使い手としてその名を轟かせるリ−・ム−バイ(チョウ・ユンファ)は、ム−ダン山での瞑想修行を途中で切り上げ、女弟子ユー・シュ−リン(ミシェル・ヨ−)の元へやって来た。碧名剣を ティエ氏に納め、引退することに決めたのであった。ティエ氏の書斎へ剣を置きに行ったユーは、そこで貴族のユィ長官の娘イェン(チャン・ツィイー)に出会う。イェンは碧名剣を見て、結婚するよりもユーのような剣士になりたいと言うのだった。
その夜、ティエ邸に賊が忍び込み、碧名剣が盗まれる。イェンの家庭教師に成りすましていた碧眼狐(チェン・ペイペイ)はリー・ムーバイの師匠の仇敵で、イェンに剣を教え育ててきたのだった。果たして、碧名剣を巡る熱き戦いが始まろうとしていた。
感想 香港ワイヤーワークが生み出す、カンフーアクションストーリー/グリーン・デスティニーに導かれて剣士達は己の心と戦い続ける。剣と武道に生きた剣士達の戦いと愛を描いた英雄時代映画。CGが現代映画界を凌駕する時代にハリウットを魅了したアジア映画の伝統技術に酔いましょう。古いところではレスリー・チャン/ジョイ・ウォン出演のチャイニーズゴーストストーリーの方が
「どうして空を飛べるの?」なんて考えずに割り切って楽しめるかもしれません(笑)
貴族の娘イェンは親の決めた結婚に幸せを見出せずに、荒野へ行き、剣と戦いの自由な人生を生きたいと願う。人間はどんな道を歩もうとも、自分の心に正直に生きなければ決して幸せにはなれません。恋の荒野へと繰り出して、自分の弱さや汚い心と向かい合い、不安に打ち勝ってみましょう。強さとは自分の弱さや狡さを受け入れられること。相手を信じれば真に通じるのはず。

奇跡の海( 96年デンマーク )
監督 ラース・フォン・トリアー
CAST エミリー・ワトソン/ステラン・スカルスゲールド/カトリン・カートリッジ/ジャン・マルク・バール/
エイドリアン・ローリンズ/ジョナサン・ハケット/サンドラ・ヴォー/ウド・キアー/ミケル・ゴープ/
ローフ・ラガス/フィル・マッコール/サラ・グジョン
ストーリー べス(エミリー・ワトソン)は過去に精神病院へ入院したことがあり、、大人になっても子供のような純粋な心と激しい感情をもっていた。べスはよそ者のヤン(ステラン・スカルスゲールド)と結婚をする。愛し合う2人だが、ヤンは仕事で海底油田の発掘へと向かうのだった。ヤンがいない寂しさに耐えられずに、精神のバランスを崩しかけるべスは教会に行き、神にヤンが戻ってくるようにと祈るのだった。べスは自分が神と話が出来ると信じていた。数日後、ヤンが事故に遭い大怪我をして帰ってくる。一命はとりとめたものの、全身にマヒが残り、体の自由を失ってしまう。べスを愛するヤンはある提案をするのだった・・・
感想 しい愛が起こした奇跡の物語/ヨーロッパ版ツインピークスとも言うべき、キングダムのラース・フォン・トリアーが描く自己犠牲愛の物語。手持ちのカメラによって創り出される映像は、映画と言うよりはドキュメントフィルムのようなリアリティを持っていて、人物の動揺する感情を見事に映し出している。独特な形状をもつスコットランドの海岸付近の丘の景色が、教会の絶対的価値基準に生きる人々の信仰している神の存在を感じさせる。エミリー・ワトソンの無邪気さと激情をみせるベスの演技が圧巻。ベスは言う「愛し合えるのは、人間だけだ。人間は愛し合って完全になるのだ。」と。ベスは愛することにだけ生き、愛する人の幸せの為に信じたのだ。

A.I..( 01アメリカ )
監督 スティーブン・スピルバーグ
CAST ジュード・ロウ/ハーレイ・ジョエル・オスメント/フランシス・オコナー/ベン・キングスレー/
ロビン・ウィリアムズ/メリル・ストリープ
ストーリー そう遠くない未来、地球は激しい気象変化により人間は住む場所を追われ、人口増加や資源の浪費を防ぐ為出産制限がなされていた。その社会は食料を必要とせず、半永久的に作動するロボットの労力によって支えられていた。そして、その技術は人間と同じ感情をもったロボットを生み出そうとしていた。モニカ(フランシス・オコナー)の息子マーティンは治療法の見つからない難病で冷凍催眠状態にあった。回復の見込みのない、辛い生活を送っていたモニカ夫婦に彼女の夫ヘンリーの会社はモニターとして人間を愛するロボット、デイビット(ハーレイ・ジョエル・オスメント)を与えることに決めるのだった。モニカは戸惑いながらも、デイビットに自分を母親として愛するようにインプットする。デイビットを実の子の様に愛そうとしだしたモニカに突然、マーティンが回復したとの連絡が入る。ママの愛情を自分の物にしようと、子供達2人はライバル意識を燃やす。そして、デイビットは自分が自分が人間ではないことに傷つき、事故を起こす。モニカは悩んだ挙句にデイビットを森の中に置き去りにしてしまう。デイビットはスーパートイのテディと共にママが読んでくれたピノキオの物語に出てくるブルーフェアリーを探す旅へと出発するのだった。
感想 愛という感情をもったロボットの現代版ピノキオ物語/ロボットは愛を忘れようとしている人間に愛することを思い出させ、世界を救うことが出来るのだろうか?スタンリー・キューブリックの意思をスピルバーグが受け継いで映画化、賛否両論のあるところだが、個人的には良かったと思う。CGのレベルの高さで映像的にも楽しめるが、なんと言ってもハーレイ・ジョエル・オスメントの演技の上手さに脱帽。マーティンを失ったモニカがデイビットを見て、子供をその腕に抱きたい衝動に駆られた時から物語の最中、ずっと涙が乾くことはなかった。自分はこの物語を母親の視点で見続けていて、これ程感情移入したことはなったかもしれない。もう2度と見ないといいながら、終に4度目を迎えてしまった(映画はやっぱり映画館で!)ラストで繰り広げられる物語はスケールの大きさと共に、愛することの真理をついていて、全てを悟ったような気持ちさえ覚えた。ロボットが人間を愛することが出来るようになり、人間が愛することを忘れるのであれば、人間は滅びるしかない。人間は愛することを知っているからこそ尊い存在なのだ。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(01アメリカ)
監督 ジョン・キャメロン・ミッチェル
CAST ジョン・キャメロン・ミッチェル/スティーブン・トラスク/ミリアム・ショア/マイケル・ピット/
アンドレア・マーティン
ストーリー ヘドウィグ(ジョン・キャメロン・ミッチェル)は共産主義体制下の東ドイツで男の子タンセルとして生まれた。母親と二人暮しで、米軍用のラジオから流れるロックを子守唄に育ち、いつしかアメリカに渡りロックスターになることを夢見ていた。ある日タンセルは米兵ルーサーと恋に落ち、彼と結婚してアメリカに渉る為に性転換手術を受けるが、失敗し「怒りの1インチ(アングリーインチ)が彼の股間に残ってしまう。母親の名ヘドウィグを名乗り、アメリカへ渡った彼女だったが、ルーサーはあっけなく彼女の元を去ってしまう。韓国軍兵士の妻達とバンドを結成し、片手間にベビーシッターをする彼女は17歳のトミー(マイケル・ピット)に出会う。トミーはロックに夢中でヘドウィグに惹かれていく。ヘドウィグは全ての愛情とロックシンガーとしての魂を注ぎ込むが、彼女が男だったことを知ると彼女の元を去り、ヘドウィグのオリジナル曲を盗みビルボードNo.1のロックスターになってしまう。ヘドウィグは自らのバンド「アングリーインチ」を引きつれ、トミーの全米コンサートを追い、コンサート会場の近くの場末のレストランで愛を歌い続けるのだった。
感想 マドンナ、デビットボウイをも魅了したオフ・ブリードウェイ発のロックミュージカル/ヘドウィッグにとって自分の魂である歌を取り戻し、愛の片割れに出会うことが出来るのだろうか?ジョン・キャメロン・ミッチェルの才能に拍手、サントラも買ったし、ヘドウィグが飲んでいたZIMAもお気に入りに!ヘドウィグは母親からプラトン哲学に由来する「愛の物語」を聞かされ育つ。かつて人間は2つの頭と2対の体が1つになった生き物だった。力をつけた人間を恐れた神々は、人間の体を真っ二つに切り離し、大雨洪水を起こしてそれぞれを離れ離れにしてしまった。だから人間は失われた片割れ(missing half)を探して彷徨うのだ、そしてもう一度その相手と1つになろうとすることがセックス(メイクラブ)だと。
人は母親から愛を教わり育つものなのだ。母親から教わった愛を大切にし、歌い続けるヘドウィグの姿は寂しくも逞しく美しい。その姿必見!!!

マルホランド・ドライブ(01アメリカ)
監督 デイヴィッド・リンチ
CAST ナオミ・ワッツ/ローラ・エレナ・ハリング/ジャスティン・セロウ/アン・ミラー
ストーリー ハリウット郊外、マルホランド・ドライブで車の衝突事故が起こる。ただ一人生き残ったブルネットの女(ローラ・エレナ・ハリング)は記憶をなくしていた。女は有名女優の留守宅に身を潜めていたが、叔母を訪ねてきた女優志望の姪のベティに(ナオミ・ワッツ)に見つかる。女はとっさに"リタ"と名乗るが、やがてベティに事情を打ち明ける。同情したベティは彼女を助けようと決意、手がかりを求めて開けたリタのバッグには大金と青い鍵が入っていた……。
感想 ハリウッドの闇へと足を踏み入れた女が見たものとは/細部にわたる伏線、謎に満ちた登場人物、夢と現実が入り乱れ、眠らないまま素敵な悪夢を見る。薄汚れたキッチンや安宿。リンチの描くアメリカは田舎臭くて、古っぽくて、如何わしい。ベティとリタは謎を探るうちに深い闇の底へと入り込み、心を通わせ、ビアンな関係を持ってしまう。その妖艶な姿はゲイでさえも魅了する。ハリウットの表と裏、愛と憎しみが見え隠れするその世界に潜む邪悪な部分にスポットを当てた今作品は、リンチ作品の中でもその完成度は高い。何んで、どうして、そんなことを考えずに暗闇に眼を凝らせば、やがて厚いカーテンの向こうに潜むものが見えてくる。その時そこがリンチワールドへの入り口。

つぐみ(91日本)
監督 市川準
CAST 牧瀬里穂/中嶋朋子/白島靖代/真田広之/安田伸/渡辺美佐子,/あがた森魚/
高橋節子/財律和夫/高橋源一郎/下條正巳
ストーリー 西伊豆の海辺の町で過ごすつぐみ(牧瀬里穂)は生まれたときから体が弱く、医者からも短命宣言をされた。それで周りがちやほやと甘やかして育てたために、思い切り開き直って育ち、意地悪でわがままで、狡賢く口が悪くなった。つぐみは東京に住む従姉妹のまりあ(中嶋朋子)に電話をかけて、夏休みに戻って来るように言うのだった。かつてまりあはつぐみの実家である旅館の離れに母親と住んでいて、東京に住む父親が前妻と離婚したことを期に上京したのだった。
まりあは懐かしい故郷の海辺の町へと帰ってきた。そして、つぐみ達はきょういち(真田広之)に出会い、ひと夏を過ごした。つぐみは今までとは違う恋をした。
感想 海辺の町でのひと夏の優しいラブストーリー/あの夏は胸のあたりで覚えてる。
吉本ばななの同名小説の映画化。
市川準の描く人物はその間に優しい光がある。全ての風景や物に存在意義があり、役者も素人も日常の自然な風景として描く。生きることに前向きになれなかったつぐみを変えたひと夏の恋。つぐみの人生は前よりもいいものになって行くだろう。物語の舞台の伊豆も、まりあがバイトしていた高円寺の喫茶店もお気に入りに。市川準が描く東京が自分の中の東京。誰もが何かを信じて頑張っている。淋しさを分かり合えるから誰かに優しくしたくなる街、それが東京。
この作品が自分の中の東京の出発点。

太陽と月に背いて(95年イギリス)
監督 アニエスカ・ホランド
CAST レオナルド・ディカプリオ/デヴィット・シューリス/ロマーヌ・ボーランジェ/ドミニク・ブラン/
フェリシー・パソッティ・カバルベイニタ・クレイン
ストーリー 1871年秋、パリで名を馳せていた詩人ポール・ヴェルレーヌ(デヴィット・シューリス)は、アルチュール・ランボー(レオナルド・ディカプリオ)という男から送られてきた詩に驚嘆し、「偉大なる魂よ来たれ」と招いた。パリコミューン後、資産家の娘である妻マチルド(ロマーヌ・ボーランジェ)の
実家に身を寄せていたヴェルレーヌを頼り、パリへ出てきたランボーだったが、無作法で常識はずれの行動を起こす。そんな、ランボーを唯一理解し、惹かれていくヴェルレーヌは妻を捨て、
ランボーと共に詩作と流離の旅へ出る。それは愛と憎しみ、敵対心。激情と幻滅の軌跡をたどるものだった。
感想 天才詩人ランボーの激情の人生を描いた抒情詩/2人は地獄の季節を生きた。レオナルド・ディカプリオが粗野で全てを見下して、自由気ままに振舞う悪魔のような天才詩人ランボーを好演。透き通るように美しい肌、サラサラの金髪、瑞々しい唇がたまらない。ヴェルレーヌとランボーは才能に欲情し、同性愛の関係をもつ。当時法律で禁止されていた同性愛の関係を持ち、全てを捨てて詩作に生きたランボーの激情の人生は孤独で哀しく美しい。それは太陽と月が一緒になろうとするように、お互いの存在をかけてひとつになろうとする「永遠を残す試みだった。愛に一番近い感情は憎しみだと実感させられる。

ロードトウパーディション(02アメリカ)
監督 サム・メンデス
CAST トム・ハンクス/ポール・ニューマン/ジュード・ロウ/ジェイソン・リー/スタンリー・トゥッチ/
ダニエル・クレイグ/タイラー・ホークリン/リーアム・エイケン
ストーリー 1931年イリノイ州ロックアイランド。マイケル・サリヴァン(トム・ハンクス)は街を牛耳る、アイルランド系ギャング、ジョン・ルーニー(ポール・ニューマン)に実の息子のように可愛がられ、彼の仕事を手伝っていた。マイケルの息子(タイラー・ホークリン)は父親の仕事が何なのか知りたかった。仲間のダニーと話をつける為マイケル・サリヴァンはジョン・ルーニーの息子コナー・ルーニー(ダニエル・クレイグ)と共に夜出かけて行った。その車にはマイケルの息子が隠れていた。町外れの倉庫の中での話しの最中、コナーはダニーを撃ち殺してしまう。その時壁の穴から中を覗いていたマイケルの息子にマイケルとコナーは気づく。マイケルは息子に口止めを約束させた。
しかし、父親とマイケルの親密さを嫉妬していたコナーは口封じのために、「金の支払いを帳消しにする代わりに、マイケルを殺害するようにと命じる内容の」手紙をマイケルに持たせ、集金に向かわせる。それに感づき、その場を切り抜けたマイケルは急いで家族の下へと向かうのだった。
感想 ギャング版子連れ狼の物語/父親が恐れたことは息子が自分と同じ道を歩むことだった。
トム・ハンクスポール・ニューマンジュード・ロウの3大スターの共演。裏社会に生き、寡黙ながらも家族を愛する父親役のトム・ハンクスの演技が上手い!ジュード・ロウも残酷な殺し屋を好演。マイケル・サリヴァンとジョン・ルーニーの血が繋がっていないものの絆の固い親子関係とジョン・ルーニーとコナー・ルーニーの不出来ながらも、実の息子を捨てられない親子関係が対照的。そして、マイケル・サリヴァンとその息子マイケル・サリヴァン・Jrの今までろくに話をしたことが無かった二人がそれぞれを支え、息子は父親から学んでいく姿にほろりとさせられる。息子は父親の背中を見て育つ。素直に感動!

アイリス(01イギリス)
監督 リチャード・エア
CAST ジュディ・デンチ/ケイト・ウィンズレット/ジム・ブロード/ベントヒュー・ボナヴィル
ストーリー アイリス・マードック(ジュディ・デンチ)は、夫のジョン・ベイリー(ジム・ブロードベント)と母校のオックスフォード大学サマヴィル校のチャリティ・ディナーに主賓として招かれる。校長はアイリスを「哲学者であり、26冊の本を書いた文学者」と、またジョンを「有名な文学教授」だと紹介する。
 アイリスは、「精神の自由こそ何よりも大切な宝物」だと語り、アイルランド民謡の「ラーク・イン・ザ・クリア・エア」を歌う。型破りのスピーチに、親友のジャネット・ストーン(ペネロープ・ウィルトン)は微笑み、皆は驚きつつも賞賛の眼差しでアイリスを見つめる。傍らのジョンは誇らしげに彼女の歌声に耳をかたむけながら、遠い昔を思い出す。
オックスフォード大学で講師と指導教官を務める若き日のアイリス(ケイト・ウィンスレット)とジョン(ヒュー・ボナヴィル)。アイリスは、知性とウィットに富んだ熱弁と、魅力的な容姿で常に周囲の注目を集めていた。一方、あまり目立たない存在だったジョンは、アイリスと初めて言葉を交わした時から彼女に恋をする。二人が友達になってまもなく、アイリスはジョンに小説を書いたと打ち明ける。
アイリスはBBCのテレビ・スタジオでインタヴューを受ける。司会者の質問に答えるアイリス。突然、彼女は言葉につまる。自分が何を話していたか全くわからなくなってしまったのだ。
そう、彼女に痴呆の症状が現れたのだ。
感想 イギリスで“もっとも素晴らしい女性”と讃えられるアイリスとその夫ジョンの愛の物語/幾千の言葉を失って初めて私達は愛にたどり着いた。
痴呆とそれを支える人間との関係がリアルに描かれている。妻の介護をしながらも
症状が進行し、夫である自分が誰であるかさえ分からなくなっているその姿に怒りを覚えるジョン。
若き日の結婚する以前のアイリスの男友達との奔放な関係を思い出してしまう。
それでも、ジョンはもうそんなことは許している。もうアイリスを放しはしないのだ。ジョンは再びアイリスの手を握る。転んだ相手に優しく微笑みもう一度手を差し伸べることが愛の一つの形だと教えられた。愛すること、失うこと、残されること、それでも生きた証を残したい。

ファーゴ(96アメリカ)
監督 ジョエル・コーエン イーサン・コーエン
CAST フランシス・マクドーマンド/スティーブ・ブシェーミ/ウィリアム・H・メイシー/ピーター・ストーメア
/ハーヴ・プレスネル
ストーリー ノース・ダゴタ州ファーゴのバー。カール・ショウォルター(スティーブ・ブシェーミ)とゲア・グリムスラッド(ピーター・ストーメア)というがらの悪そうな2人の男に1人の男ジェリー・ランディガード(ウィリアム・H・メイシー)が近づいてきて仕事を依頼する。その内容とは自分の妻の偽装誘拐だった。何故だか訳は話さないが、ジェリーには金が必要だった。最後の頼みは妻の父親であり、会社の社長のウェイド・グスタフソン(ハーヴ・プレスネル)に投資を持ちかけ、資金援助を得ることだった。以外にも投資の話は受け入れられたものの、その投資はジェリーに任せてはもらえずに、会計士が進める展開になってしまう。そんなこととは知らずにカールとゲアはジェリーの妻を誘拐してしまう。ジェリーが用意した車でジェリーの妻をアジトへ運ぶ途中、車のナンバーを付けていないカール達は警察の職務質問を受け、犯行がばれそうになったゲアはとっさに警官を撃ち殺してしまう。その現場に通りかかったカップルの車を猛スピードで追いかけるゲア。今まさに悲しい引き金が引かれようとしていた・・・
その一方で深夜に電話を受けた、身重の女警官マージ・ガンダーソン(フランシス・マクドーマンド)はその事件の捜査に乗り出した。
感想 最初はほんのささいな偽装誘拐だった/人生はおかしくて、悲しい。
コーエン兄弟の人生賛歌は人生の矛盾を皮肉りつつも、いとおしいものだと訴えている。辺り一面雪に覆われてしまう冬のファーゴで起きた事件。雪に閉ざされた世界の中で繰り広げられるおろかで悲しい人間模様。わずかなお金の為に人は犯罪を犯し、人を殺してしまう。ラストのゲアの行動はハンニバルも顔負けの映画史上に残る残酷な場面かも。
マージは言う「人生にはお金よりもいいものがあるわ、そう思わない?」
雪が人間の頭を変にするのか?不器用でもいい、誠実に生きて行こうと思わされた。

彼女を見れば分かること(99アメリカ)
監督 ロドリゴ・ガルシア
CAST グレン・クローズ/ホリー・ハンター/キャシーベイカー/キャリスタ・フロックハート/
キャメロン・ディアス/エイミー・ブレナマン
ストーリー 医師のエレイン・キーナー(グレン・クローズ)が自宅で年老いた母親の介護をしている。痴呆症が進行している母との間には、もはや会話は成り立たない。
レベッカ・ウェイモン(ホリー・ハンター)は銀行の支店長をしている独身女性。ロバートというビジネスマン(グレゴリー・ハインズ)と不倫関係になって3年になる彼女は、ある日,妊娠したことに気づく。
教師をしながら童話を書いて暮らしているローズ(キャシー・ベイカー)は15歳の息子ジェイと二人暮らし。ある時彼女は,向いの家に越してきた男性アルバートと知り合い,好意を抱く。
占い師クリスティーンが一緒に暮らしている恋人リリー(ヴァレリア・ゴリノ)は病に侵され,死が迫っている。他人に助言を与えることは得意なクリスティーンだが、恋人を失おうとしている今,彼女はただ途方に暮れている。
カルメンの自殺の原因を調べているキャシー(エイミー・ブレナマン)は盲目の妹キャロル(キャメロン・ディアス)の世話をしながら暮らしている。キャシーには恋人がいないが、キャロルは自分の容姿に自信を持っていて,男性経験も豊富である。今は銀行の副支店長ウォルターと交際を始めたところである。そんな妹がキャシーには時々うらやましい。ある夜,キャロルはカルメンガ死に至った理由を推理してキャシーに聞かせる。彼女は愛のない人生に絶望したのだろうと語りながら涙を流す妹に、キャシーは彼女もまた弱く傷つきやすい存在なのだと言うことを知る。
サン・フェルナンド・ヴァレーの夜が更けていく。新たに出会う人々と、今日でお別れする人々を、夜がともにつつみこんでいく。
感想 ふとしたきっかけで人生の痛みと孤独、そして希望に気づく女達の5つの物語/キナー医師の場合・レベッカへの贈り物・ローズの為の誰か・おやすみリリー、おやすみクリスティーン・キャシーを待つ恋。ハリウッドを代表する5人の女優の夢の競演。
静かに繰り広げられる彼女達の生活はそれぞれに本当の愛を追い求めていて心のふとしたきっかけで、彼女達は孤独な生活から1歩踏み出そうとする。彼女達の孤独を一身に背負うかのように自殺したカルメンの代わりに、前向きに明日を信じて生きていくのだ。
自分自身を騙し、傷付きながら生きる毎日を変えるのはほんのちょっとした勇気なのだ。

リトルダンサー(00イギリス)
監督 スティーヴン・ダルドリー
CAST ジェイミー・ベル/ジュリー・ウォルターズ/ゲアリー・ルイス/ジェイミー・ドラヴェン/
ジーン・ヘイウッド/スチュアート・ウェルズ
ストーリー 80年代半ばのイギリス東北部の田舎町。炭鉱労働者がストライキをする中、11歳の少年ビリー(ジェイミー・ベル)の父親(ゲアリー・ルイス)と兄のトニー(ジェイミー・ドラヴェン)もストに夢中。母親を幼い頃に亡くしたビリーはボケかけたおばあちゃん(ジーン・ヘイウッド)の世話を押しつけられている。町の小学生は男の子はボクシングを、女の子はバレエを習っている。
ある日、体育館でボクシングの練習とバレエの練習が同じフロアで行われることになった。ボクシングの練習後、残って練習をすることを言いつけられたビリーは体育館の鍵をバレエのウィルキンソン先生(ジュリー・ウォルターズ)に返そうとするが後にしてくれと相手にしてくれない。
暇を持て余したビリーはバレエの練習に参加するのだった。ビリーは家族に内緒でバレエの練習を続け、いつしかバレエに夢中になる。ウィルキンソン先生もビリーに何かを感じるのだった。
感想 少年版フラッシュダンスとも言うべき青春ストーリー/踊っていると何もかも忘れて、体の中に炎が燃え上がる。ジェイミー・ベルのキュートさが堪らない。坂道から空まで続く真っ青な海とレンガの建物といったイギリス北部の町並みが印象的に目に映る。イギリス映画は音楽もポップでいい。
頑固だけど誰よりもビリーを想っている優しい父親、口が悪くぶっきらぼうながらも母親のようにビリーを導いていくウィルキンソン先生。マイクのビリーに対する初恋に似た感情も青春の甘酸っぱさを想い出させてくれる。
優しい愛情に支えられながら成長していくビリーの姿が何処までもいとおしい。
愛されている人間は強いと実感させられる。真っ直ぐ進んで行こう。

初恋の来た道(00アメリカ&中国)
監督 チャン・イーモウ
CAST チャン・ツィイー/チェン・ハオ/スン・ホンレイ/チャオ・ユエリン
ストーリー 都会で働く青年ルオ・ユーシェン(スン・ホンレイ)は、父の訃報を聞いて雪の中、生まれ故郷である華北の村に戻ってきた。母(チャオ・ユエリン)は、伝統に則り、父の遺骸を亡くなった先から家まで人の手によって担いで運ぶと言い張って聞かなかった。
写真の中の若き日の父と母が目に入り、かつて村の伝説となった父と母の恋物語を思い出すのだった。
都会から村の小学校に若い教師ルオ・チャンユー(チェン・ハオ)がやってくる。村人はそのことで持ちきりだった。その姿をひと目見ようと18歳の少女チャオ・ディ(チャン・ツィイー)も出かけて行った。息を切らして、家に帰ったチャオは新しい服に着替えるのだった。彼女はルオ先生に恋をしたのだ。村にはまだ校舎がなく、村の男達とルオ先生は校舎の建設にとりかかる。村の娘達は男達の為に昼ごはんを作ることになっていた。その想いを伝えようとチャオは手を変え品を変え料理を作る。料理の数々に込めたチャオの恋心は、やがて彼のもとへと届くのだが、時代の波「文革」が押し寄せ二人は離れ離れに。チャオは町へと続く一本道で、来る日も来る日も愛する人を待ち続けた・・・
感想 料理を作り、待ち続けた少女の初恋の物語/少女の想いは龍となり天高く舞い上がった。移ろいゆく季節の中で“食”が伝え育む人間の絆。身分違いの恋だと反対されながらもその思いを持ち続け、魂を燃やして想い続けたチャオ。美しい四季の移ろいの中で移ろわないチャオの一途に想う強さの美しさに胸を打たれる。
愛する人を失った色褪せた日々は、再び色を取り戻す。その想いは親から子へと受け継がれる。
移ろい行く季節の中で、人を愛することに必要なことは二人の心だけなのだと思わされる。
初めて恋をした時の胸の高鳴り、心が舞い上がって、幸せでいっぱいだった。やがておとずれる、不安との葛藤。眠れない夜、人知れず涙したの思い出す。

めぐりあう時間たち(02アメリカ)
監督 スティーヴン・ダルドリー
CAST 二コール・キッドマン/ジュリアン・ムーア/メリル・ストリープ/エド・ハリス
ストーリー 1923年のイギリス、小説「ダロウェイ夫人」の作者であるヴァージニア・ウルフ(二コール・キッドマン)は今まさに、川の中へとその身を投じようとしていた。ヴァージニア・ウルフはロンドンから尋ねて来た姉とお茶を共にしていたが,、執筆に情熱を捧げるあまり、その精神をも病み苦悩していた。
1951年、LAに住む主婦ローラ(ジュリアン・、ムーア)は夫の誕生祝いのケーキを焼く、それが夫への愛の証であると信じて。しかし彼女は理想的な妻を演じ、家庭生活を送ることに苦悩していた。
そして2001年のNY、編集者クラリッサ(メリル・ストリープ)はエイズに冒された作家の友人の受賞祝賀会を開く為に、朝から準備に追われていた。それぞれの時代に生きる3人の女性の一日が
時間の流れに導かれ、一つになっていく。
感想 小説「ダロウェイ夫人」に誘われてひとつに紡がれる3人の女性の人生の協奏曲/全く違った時代、違う場所に生きた彼女達のたった一日が今始まろうとしていた。
3大女優陣の迫真の演技が素晴らしい。二コールのオスカー受賞の渾身の演技は一見の価値あり。
人生と死、母と息子、芸術と狂気、記憶と後悔といったテーマが時間の中で揺れ動き、3人はそれぞれの人生の旅を出発する。その選択の代償がその選択の意義の重さであるということがめぐりあう時間の中で突きつけられる。創作のために精神を病む危険を犯す作家、人生を変えるしかない母親、死にゆく者に尊厳を与えようとする介護者。
死と謳歌すべき生を賭けた彼女達の苦しみは時間の流れの中でめぐりあい、また彷徨っていく。

アバウイト・シュミット(02アメリカ)
監督 アレクサンダー・ペイン
CAST ジャック・ニコルソン/キャシー・ベイツ/ジェーン・スクイブ/ダーモット・マルロニー/ホープ・デイヴィス
ストーリー 定年を迎えたアメリカ中西部のオハマ、保険会社で働くウォーレン・シュミット66歳は(ジャック・ニコルソン)は定年退職を迎える。シュミットは、間もなくしてすることがないことに気が付く。
自分がどれだけ会社に依存していたのかを知る。会社に顔を出し、アドバイスをしようと後任の若造を訪ねるが、すでに自分の居場所はなかった。机に向かい、クロスワードをし、TVを見て過ごす毎日。老後は妻のヘレン(ジェーン・スクイブ)が買ったキャンピングカーであちこち回るつもりだ。ある日CMで見たチャリティ団体に応募する。郵便を出しに出かけて、帰ってみるとヘレンが床に倒れていた。離れて暮す一人娘のジニー(ホープ・デイヴィス)と婚約者ののランドール(ダーモット・マルロニー)がやってくる。ヘレンの葬式が済み、ジニー達が帰って行くと。急に淋しさがこみ上げ、家事の全く出来ないシュミットの家の中は散らかり放題になる。キャンピングカーでジニーの住むカンザスへ向かうのだった。
感想 人生の喪失と新たな旅の出発の物語/すべてをなくした日、人生最高の贈りものが届いた。
人生を生き抜き、何かを成し遂げたと信じていたのに、実は自分にはしてこなかった沢山のことがあったと分かった瞬間に新たな出発をすることの難しさを語っている。長年連れ添い、すること全てに苛付いていた妻がいなくなって初めて、愛していることとその大切さに気付いたシュミット。麦畑の中の一本道を行くキャンピングカーでの旅がストレートストーリーの様に孤独でいて楽しい。ジャック・ニコルソン/キャシー・ベイツがオスカー俳優とオスカー女優の体当たりの演技を見せている。真っ裸になって見せるその役者魂。本当に大事なもの、愛すること、感謝することこそが人生を素晴らしいものにすることだということを教えられる。幸せはすぐ近くにある。
何があっても洗い立ての朝は来る。

トーク・トゥ・ハー(02スペイン)
監督 ペドロ・アルモドバル
CAST レオノル・ワトリング/ハビエル・カマラ/ダリオ・グランディネッティ/ロサリオ・フローレス/
ピナ・バウシュ/カエターノ・ヴェローゾ
ストーリー 病室のベットの上に横たわるアリシア(レオノ-ル・ワトリング)は事故に遭い昏睡状態。そんな彼女を看護士のベニグノ(ハビエル・カラマ)は、4年間、髪を切り、爪の手入れをし、体を拭き、クリームを塗り、マッサージをして、日々の出来事や彼女の好きな映画を見てはその話を語り続けてきた。一方、女闘牛士であるリディア(ロサリオ・フローレス)もまた、暴れ牛の角の餌食となり、病院に運ばれるが、昏睡状態となってしまう。彼女の恋人ジャーナリスト、マルコ(ダリオ・グランディネッティ)は、彼女の怪我は自分のせいだと、自分を責めながらも何も出来ないことに困惑していた。
同じような境遇のベニングとマルコはお互い、心を許し、親しくなっていく。
しかし、リディアが昏睡状態になる数日前に、以前の恋人とよりを戻していたことを知り、マルコは彼女の元を去る。ベニングのアリシアへの献身的に見えた看護の裏側に隠れていた想いはある日
悲劇を迎えることとなる。
感想 昏睡状態となった2人の女とそれを見つめる男達の物語/語りかけ、触れられた1人の女だけに奇跡が訪れる。オールアバウトマイマザーのペドロ・アルモドバル作品。オープニングに演じられるのはドイツの舞踏家・振付家ピナ・バウシュの「カフェ・ミュラー」の舞台。リディアが聞き入り感動するのはブラジルのミュージシャン、カエターノ・ヴェローゾ。感動することは、太陽のようなラテンの命の煌めき。バレエダンサーやフラメンコを思わせるギターの切ない旋律も美しく、作品の芸術性を高めている。その一方で「南くんの恋人」逆バージョーンを思わせる、男の業の象徴のような仰天シーンも、命や生きることの本性を表している。それでも愛する人を失った喪失感と孤独感、その中で相手を想い語り続けることが、命をそして愛を育むと語っている。深い眠りの中でも女は女であり続ける