〜合コン?〜
穏やかな時間の中、一本の電話がたまきにかかってきた・・。
(進藤)「香坂、一番に外線だ・・。」
隣の席のたまきに、伝えると首を傾げて、電話を引き継いだ・・。
(たまき)「はい・・。変わりました。香坂ですが・・。おお、絵里?どうしたの?今日?まぁ、空いてるけど・・。え?合コン?・・ちょっと待ってよ・・。合コンなんか興味ないわよ・・。」
周りに聞こえないようにコソコソと話をする・・。みんなは怪訝な顔で見ている・・。
(絵里)『急に一人来れなくなったの・・。お願い!どうしても、合コンを成功したいの!いいじゃない・・。ね?』
たまきはため息をつく・・。
(たまき)「・・・そういわれても・・。」
(絵里)『たまきは、そりゃ良いわよね・・・。素敵なお医者さんに囲まれて・・。出会いだっていくらだってあるんだし・・。助けると思って・・。お願い!』
たまきはついつい周りを見渡す・・。進藤の視線が気になり、苦笑いしている・・。
(たまき)「いくらでもってねぇ・・。・・・わかったわよ。時間と場所PCのアドレスしってるでしょ?メールしてちょうだいね。うん、あっそうだ。もし、急患が入ったらいけないからね。その時は連絡するからね。」
そういうと、電話を切り、深いため息をついてメールソフトを立ち上げる・・。
(神林)「どうしたの?ため息なんかついちゃって・・。」
たまきは苦笑して神林を見る・・。
(たまき)「いえ・・・。ちょっと・・。」
言葉を濁し、PCの画面に目を通す・・。そのソフトはみんなと共有しているが、パスワードでたまき自信のメールをチェックする・・。
ピコーン・・・。
一件のメールが届いている・・。絵里からだ・・。
『急でごめんね・・。急患が入らないことを祈ってます。結構イケメンが揃ってるから、楽しみにしててね。あっそうだ。私たち25歳ってことにしてるからね。
19時からミッチェルっていう飲み屋があるでしょ?あそこでやるから、付いたら連絡頂戴ね。ドタキャンなしよ?(急患が入ったら仕方ないけど・・。)』
たまきはため息をついて、手帳にメモをする・・。
定刻を少し過ぎた18時、たまきは時計を気にしつつ、医局にいた・・。
(神林)「・・・香坂先生、約束?いいよ〜。帰っても。あっそうだ、進藤先生も日勤だったよね?帰っていいよ〜。お疲れ〜。」
たまきの気持ちとは裏腹に、落ち着いてたのだった・・。
(たまき)「・・・じゃぁ・・。お先に失礼します・・。」
というと、かばんをもって、約束の場所に向かった・・。
(たまき)「・・・こんな格好だけど、仕方ないわよね・・。」
その場所の前に行くと、友達数名が待っていた・・。
(絵里)「よかった・・。来てくれて・・。来なかったらどうしようかと思っちゃった・・。」
安心したように、微笑んでいる・・。たまきは苦笑して、絵里を見る。
(たまき)「・・・仕方ないじゃない・・。約束したんだから・・。無責任なことするのって、嫌いなのよ・・。」
(絵里)「真面目よねぇ・・。たまきって・・。じゃ、席についてましょ・・。男の子たちは、まだ来てないわよ。あっそうだ。たまきも気に入った人がいたら、アタックしちゃいなさいよ。付き合ってる人いないんでしょ?それとも何?好きな人いるの?」
たまきは苦笑して、首を横に振る・・。
(たまき)「いないわよ・・。そんな暇なんかないわよ・・。」
男たちがやってくるまで、たわいのないことで盛り上がる・・。たまきも仕事とは違い、笑って楽しんでいる・・。
(男)「お待たせ・・。一人さぁ、急に来れなくなって、急遽助っ人用意したんだ。」
5人の男たちが女性軍の前に座る・・。急に大人しくなる女性たち・・。たまきは苦笑しながら、男たちの顔を眺めていたが・・。最後の人物に見覚えが・・。
(たまき)「・・・進藤先生?どうしてこんなとこに居るのよ・・。」
ちょうどたまきの前に座った進藤も驚いた顔をしている・・。
(進藤)「・・お前だって・・。俺は助っ人でどうしてもって言われて・・。お前も合コンなんていくんだな・・。」
苦笑して、たまきを見る・・。
(たまき)「・・・うっるさいわね・・。あたしだって、助っ人なのよ・・。そうだ・・。他のみんなには言わないでよ・・。合コンいったなんて・・。からかわれるのが落ちよ・・。」
二人が言い合い?していると、絵里がさり気なくたまきに耳打ちする・・。
(絵里)「知り合い?」
たまきは苦笑して、絵里を見る・・。
(たまき)「・・・同じ職場の同僚よ・・。年齢嘘ついたのばれるって・・。」
耳打ちをする。
(絵里)「そうなの?まぁ口止めしといて・・。あそこに座ってる男の子いるじゃない?その子が私の狙いなのよ・・。」
たまきがその男の子を見ると、ふ〜んと興味がなさそうに頷いている・・。
(絵里)「じゃぁ、自己紹介を・・・。たまきからどうぞ。」
たまきは、恥ずかしそうに口を開く。
(たまき)「えっと、香坂です。・・・年は、・・・25歳です・・。」
25といったとき、進藤がむせてしまう・・。
(進藤)「25?・・痛っ・・。」
そういうと、たまきが机の下で進藤の足を思いっきりける・・。
(たまき)「あら・・。どうしたの?大丈夫?医大生です・・。」
進藤を睨んで他の男性には微笑んで自己紹介をする・・。
(高田)「へえぇぇ・・。医大生ってことは、医者を目指してるんだ。すごいねぇ。」
感心している・・。たまきは微笑んで照れている・・。進藤は戸惑ったような顔でたまきを見る・・。それから、順に女のほうの紹介が済まされ、進藤から自己紹介することになった・・。
(進藤)「・・・進藤です・・。年は、28・・・です・・。」
たまきも進藤を軽蔑するように見る・・。進藤は苦笑しながら、たまきを睨む・・。
(たまき)「へぇぇ、28歳なんだ・・。年上ね・・・。実習で行った時、もっと上なのかと思った・・。痛っ・・。」
いやみたっぷりにそういうと、たまきの足を踏みつけた・・。
(進藤)「どうした?大丈夫か?」
睨みながら、一応心配げに訊ねる・・。二人の前には火花が散る・・。
(美恵子)「じゃぁ、お医者さんなんですか?かっこいい・・。」
と、言われまんざらでもなさそうに、微笑んでいる(ように、たまきは見えた・・。なんとなく面白くない・・。)
それから、お目当ての異性のところに移動をする・・。たまきのところにも、一人の男性がいた・・。
(高田)「香坂さんって、彼氏いるの?」
たまきは、首を横にふり、苦笑する・・。
(たまき)「勉強が大変だし・・。忙しいから出会いなんてないんです・・。」
愛想笑いを浮かべる・・。高田は、たまきにゾッコンって感じだ・・。
(高田)「へぇぇ・・。大変だねぇ・・。どう?俺なんか・・。」
積極的だ・・。たまきは、困った顔をするが、ふと進藤を見ると、隣に美恵子が座っている・・。なんだか、仲良さ気に話をしている・・。
(たまき)「・・・もう少しで、国家試験なんで・・。勉強しなきゃ・・。」
やんわりと断りをいれる・・。
(高田)「そうなの?でも、たまには息抜きが必要じゃない?」
それでも諦めようとしない・・。
(たまき)「・・ちょっとお手洗いに・・。」
といい、席を立つ・・。洗面所でため息をついて、頬に手を当てる・・。
(たまき)「ったく・・。なんでこんなとこにいつまでも、居ないといけないの・・・?」
あまりここで時間を潰してはと思い、洗面所から出て行くと、高田が立っていた・・。
(高田)「ねぇ・・・。このまま二人で抜け出さない?・・・二人きりで話そうよ・・。」
たまきに言い寄ってくる・・。たまきは困った顔をする・・。(たまき)「でも、友達が待ってますので・・。」
徐々にたまきに近寄ってくる・・。
(高田)「・・・いいじゃない・・。電話で言えばわかってくれるって・・。」
たまきは、離れようとするが・・。
(進藤)「・・・邪魔だ・・。そうだ・・・。香坂さん、絵里って子が呼んでたぞ?」
助けてくれたのだろうか・・。たまきはホッとした表情で、座席に戻った・・。高田は進藤を睨み、しぶしぶ戻った・・。
(たまき)「ねぇ、絵里。何?」
一応訊ねてみると、知らない・・といわれ、助けてくれたんだと、心の中が温まるのを感じる・・。
(進藤)「・・・・。隣良いか?」
たまきは、仕方なさそうに頷き、隣にずれる・・。進藤が隣に座り、ちょっとだけ、肩が触れる・・。
(たまき)「さっきはありがとう・・。助けてくれて・・。」
進藤は素直なたまきを驚いた顔で見ていたが、鼻で笑い、首を横に振る・・。
(進藤)「別に・・。それより、年ごまかしすぎじゃないか?5歳も・・。」
たまきに睨まれ、首をすくめて見せる。たまきは微笑んで進藤にビールを注ぐ・・。
(たまき)「ごまかしてるのは、あなたもでしょ・・。あたしは好きでごまかしてるわけじゃないわ・・。ったく・・。疲れてるってのに・・。」
顰め面のたまきを苦笑して見ている・・。
(進藤)「そうだな・・。今日忙しかったもんな・・。帰るころになって、落ち着いて・・。断りきれなかった・・。」
ため息をついて、注がれたビールを喉に流し込む・・。
(たまき)「・・・わたしも・・。あ〜付いてないわ・・。こんなとこあなたに見られるなんて・・。」
情けない顔で、進藤を見る・・。進藤はドキっとしてしまう・・。仕事中とは違ったたまきをみて、胸が高まる・・。触れた肩から、たまきの温もりを感じる・・。
(進藤)「俺も同じだ・・。それより、お前のそういう顔見るの、初めてだな・・。いつもそういう顔してればいいのに・・。彼氏もすぐ見つかるんじゃないか?」
たまきは、進藤を睨む。
(たまき)「何よ・・。失礼ね。別に彼氏がほしいわけじゃないわ・・。仕事より好きな人じゃないと嫌・・。そういう顔って、どんな顔よ・・・。ったく・・。」
(進藤)「・・・そういってると、いき遅れるぞ・・。」
つい、憎まれ口をたたいてしまう・・。
(たまき)「うっるさいわね・・。だったら何?もらってくれるっての?」
進藤を睨むが・・。自分が何をいったのかに、気づき照れてしまう・・。
(進藤)「・・・・。自分でいって、照れるなよ・・。」
二人は少しお互いを意識してしまう・・。触れた肩から、お互いの鼓動の速さを気づかれるんじゃないかと思うくらい、胸が高鳴る・・。
(たまき)「・・・帰ろうかな・・。」
気になりすぎて、居心地が悪くなったたまきが席を立とうとする・・。
(進藤)「俺も帰るから・・。送っていくよ・・。」
進藤は慌てて、席を立つ・・。
(木坂)「え〜、これから香坂さんと話ししようと思ったのに・・。帰らないでよ。」
と、たまきの腕を掴む・・。たまきは困った顔をすると、席に座る・・。しぶしぶ、進藤も心配だったため、席に座った・・。
(たまき)「じゃ・・。ちょっとだけ・・。」
すると、強引に進藤とたまきの間に座り、進藤は不機嫌な顔になる。しかし、視線はたまきに釘付けになる・・。意識してしまう・・。
(木坂)「ねぇ、どんな人が好みなの?」
たまきの肩に気軽に手をかける・・。たまきは愛想笑いをする・・。
(たまき)「好みですか・・。守ってくれる人がいいですね・・。しっかりしていて・・。あたしが、間違ってることをしてたら、違うって注意してくれる人がいいです・・。」
たまきはふと考える・・。当てはまる人がいる・・。何気なく進藤のほうをみると、視線がぶつかり、恥ずかしそうにうつむく・・。
(木坂)「何?恥ずかしそうにして・・。もしかして、惚れちゃった?俺に・・。」
勘違いしている・・。たまきは苦笑している・・。
(たまき)「いえ・・。ちょっと・・。」
ごまかす・・。
(木坂)「素直になりなよ・・。ね?このまま二人で飲みなおしてもいいよ?お互いのことくわしく知ろうよ・・。」
たまきを誘う・・。進藤の手に力が自然と込められる・・。
(たまき)「いえ・・。明日することがあるので、これで失礼します・・。」
そういって、強引に帰ってしまう・・。進藤も慌てて帰った・・。
(進藤)「待てよ・・。送ってく・・。いいのか?誘われてたのに・・。」
たまきはため息をついて、進藤を睨む・・。
(たまき)「何よ・・。ほっといて・・。からかうなら、あっちいって・・。一人で帰れるんだから・・。」
進藤は、苦笑する・・。
(進藤)「・・・お前って、もてるんだな・・。」
たまきは、頬を赤らめる・・。
(たまき)「なっなによ・・。急に・・。あなただってもててたじゃない・・。」
進藤を睨み歩きだす・・。
(進藤)「・・・医者っていうのに、食いついてきただけだろ・・。」
鼻で笑う・・。
(たまき)「・・・はぁ・・。興味がない人にもてたって仕方ないじゃない・・。」
ため息をついている・・。
(進藤)「・・・。なぁ・・。お前好きなやついるのか?」
たまきはドキっとする・・。
(たまき)「何よ・・。あなたらしくないわね・・。関係ないでしょ・・。それとも何?気になるの?」
(進藤)「・・・そうだな・・。気にならないっていったら、うそになるかもな・・。」
たまきは驚いて立ち止まってしまう・・。
(たまき)「え?それって・・・。」
進藤は苦笑をして、たまきの腕をとる・・。そして、自分の胸にたまきの手を押し付ける・・。
(進藤)「・・・お前を見ていると、ここがこうなる・・。」
たまきは進藤の鼓動の早さに、自分の胸も高鳴るのを感じる・・。
(たまき)「・・・あなたの鼓動を感じてると、・・・私も・・・。」
進藤は確かめたくなり、たまきを抱きしめる・・。
(進藤)「本当だ・・。ドキドキいってるな・・。自惚れてもいいのか?俺のこと好きって・・。」
たまきは頬を赤らめ、進藤の顔を微笑んで見つめる。
(たまき)「ええ・・。でも、ちゃんと言ってくれなきゃ、嫌いになっちゃうかもね。」
意地悪そうに微笑むと進藤は嬉しそうにたまきの頬に唇をあて、
(進藤)「好きだ・・。」
たまきも微笑んで進藤と同じことをする・・。
(たまき)「私も・・。好きよ・・。」
そういうと、進藤のマンションにお持ち帰りをされるたまきだった・・。
〜END〜
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