〜え?進藤先生が?〜
(神林)「あ〜、明日から進藤先生出張だったよねぇ・・。忙しくなるねぇ・・。みんなぁ、協力しあってがんばろうねぇ・・。」
進藤は、救命センター同士のつながりを広げようと、最近ここの救命にも他のセンターから派遣されてくるDrもいる・・。ここからは、進藤が行くようになった・・。
(進藤)「よろしくお願いします・・。一週間がんばってくださいね・・。」
一週間も・・・という顔をするみんなを苦笑して、見渡す・・。
(たまき)「たいしたことないじゃない・・。一週間だけよ・・。なんとかなるわよ・・。」
苦笑して、カルテに目を通し始める・。進藤もみんなも苦笑している・・。それぞれが別の意味で・・。
〜屋上〜
二人は屋上にいた・・。特に約束はしていないが、お昼になると、必ず二人はそこにいるのだった・・。
(進藤)「お前は、俺がいなくても寂しくないのか?」
たまきは、意地悪そうな笑みを浮かべる。
(たまき)「いなくなるっていっても、一週間でしょ?電話とかだって、あるじゃない・・。寂しかったら電話すればいいでしょ・・。あなたが、寂しいんじゃない?」
進藤は面白くなさそうだ・・。
(進藤)「・・・なぁ・・。お前って、俺のこと本当に好きなのか?」
たまきは怪訝な顔をして進藤を睨む。
(たまき)「はぁ?何言ってるのよ・・。好きだから付き合ってんでしょ?なに呆けたこといってるのよ・・。何よ・・。私が寂しくないとでも思ってるわけ?言ったじゃない・・。寂しければ電話するって・・。」
苦笑して、進藤を見る・・。
(進藤)「・・・悪い・・。何かあったら、すぐ連絡しろよ・・。」
たまきは噴出して笑う・・。
(たまき)「・・・それは、私の台詞よ・・。」
進藤もやっと笑顔になる・・。
次の日、進藤は出張に出かけてしまった・・・。残されたメンバーで、回していかなければならない・・。
(神林)「はぁ、行っちゃったねぇ・・。がんばろうねぇ・・。」
その言葉が・・。今週のテーマになるとは・・。
『バイクの転倒事故・・。26歳男性・・。直線でスピードを出しすぎて、コーナーを曲がりきれず・・。右足に変形を認めます。意識鮮明。頭部挫傷・・。』
急いで初療室の準備をする・・。
(神林)「行くよ・・。1,2,3・・。」
ベッドに移し、指示を次々に出す・・。
(たまき)「・・・レントゲンオーダーして、CT室に連絡・・。」
レントゲンを見ている医師・・。
(城島)「肋骨骨折ありますね・・。」
右の肋骨が派手に折れている・・。
(たまき)「サチュレーションは?」
口唇にチアノーゼがある・・・。
(桜井)「80代です・・。」
(たまき)「・・・血気胸があるわね・・。トロッカー準備して!」
すばやく異常所見を見つけ、指示を出す・・。
(馬場)「右大腿・下腿ともに綺麗に折れてるね・・。こりゃ、OPだなぁ・・。とりあえず、胸が落ち着いてからになるから・・。シーネ持ってきて!固定しよう・・。」
その間、患者は苦痛により、呻き声をあげている・・。
(城島)「ペンタジン打って!」
痛みを和らげる薬を投与する・・。
(たまき)「・・・吸引圧−8センチで吸引して・・。」
処置を済ませると、ICUのベッドに移す・・。
(山城)「・・ご家族が来られました・・。」
(神林)「・・・馬場先生と香坂先生、主治医やってくれる?」
(たまき・馬場)「わかりました・・。」
二人は、家族とともに、説明室に行く・・。
(たまき)「主治医の香坂です・・。こちらが、整形担当の馬場です・・。えっと、私からは、胸のほうを説明させてもらいます。・・・バイクでスピードを出しすぎて、右に曲がりきれず、転倒されたそうです・・。怪我も右側が主ですね・・。右側の肋骨がこことここと・・ここが、折れてます・・。事故の衝撃で、肺に穴が開いてしまって、空気が洩れていました・・。チューブを入れて、機械で肺を広げてます・・・。これで、穴が塞がればチューブを抜きます・・。」
ゆっくりと、わかりやすく説明する・・。母だろうか、動揺しているようだ・・。
(母)「・・・はぁ・・。肺に穴が・・。だから、バイクなんて止めなさいって・・・。それなのに・・。」
涙を流す・・。
(馬場)「・・・右足も骨折があります・・。足の方は手術が必要ですが、肺のほうが落ち着いてから手術になります・・。まぁ、今後のことは息子さんとよく話し合ってくださいね。」
そこに父親だろうか、厳格そうな中年男性がやってきた・・。
(父)「バカ息子が怪我したって?・・・助からなくてもいいのに・・。ったく・・。お前がしっかりしつけしないからだろ!」
来て早々、母に向かって怒鳴りつける・・。その声に二人は呆気にとられてしまう・・。
(母)「そんな・・。あなただって、親よ・・。私にばかり押し付けておいて・・。」
重い口をたまきが開く・・。
(たまき)「あの、そういうことは家でやってください・・。今は、安静にするしかありません・・・。落ち着きしだい他の病棟に移ってもらいます・・・。ちゃんと今後のことは話し合ってください・・。」
とりあえず、二人は患者のところに行き、状態を見る・・。
(内田)「・・・ん・・。イタタタ・・。」
たまきがドレーンの状態を見ていると、患者の意識が戻った・・。
(たまき)「わかりますか?ここ、病院ですよ・・。痛みますが、がんばりましょうね・・。」
安心させるよう、優しく声をかける・・。
(内田)「・・・びょう・・いん?・・・事故っちゃったんだっけ・・。まいったな・・。なぁ、バイク無事なの?」
体のことより、バイクが大事なのか・・。たまきは呆れてしまう・・。
(たまき)「さぁ・・。今ご両親が確認に行ってます・・。胸苦しいですか?」
胸の音を確認しながら、訊ねる・・。患者の視線はたまきに注がれる・・。
(内田)「・・・香坂っていうんだ・・。すっごい美人だね・・。先生が俺の担当なの?ラッキィ・・。よろしくね・・。」
痛みのため、声がかすれているが、たまきの質問には耳も貸さず、言い寄ってくる・・。
(たまき)「・・・もう一人の先生と担当します・・。そっちにいるのが、馬場先生・・。もう大丈夫そうですね・・。」
苦笑して、馬場を見ると、同じく苦笑した馬場が頷く・・。
(馬場)「そうだな・・。まぁ、このまま穴が塞がっちゃえば、整形に回して手術してもらえるからな・・。」
患者が手術と聞いて、驚いている・・。
(内田)「え?手術?どっか悪いの?」
二人はため息をつく・・。
(たまき)「右足折れてます・・。太ももと、すねのところが折れてますので・・。右の肺に穴が開いてるから、手術は今は出来ません・・。チューブを入れて、肺を膨らませてますから、安静にしていてください・・。いいですね?」
無表情で説明する・・。
(内田)「・・・っそう・・。あ〜、ひでぇめにあったなぁ・・。ついてないよ〜。まぁ、先生がいるし、不幸中の幸いってやつかな・・。」
たまきは眩暈を起こしそうになる・・。馬場は苦笑するしかない・・。
(馬場)「香坂先生、倒れないでくださいよ・・。先生に倒れられたら、俺たち大変なんだから・・。」
たまきは、馬場を睨む・・。
(たまき)「うっるさい・・。何が不幸中の幸いですか・・。命があったからよかったものの、死んだらどうするんですか・・。親の身にもなりなさい!ったく・・・。じゃ、何かあったら、すぐ言ってくださいね。」
というと、さっさと医局に戻り、カルテをチェックしていた・・。
〜医局〜
たまきは、ため息をついて不機嫌そうにしている・・。
(城島)「どうしたんですか?・・・怖い顔して・・。」
たまきに睨まれた・・。
(馬場)「なんかよぉ、さっきの患者に惚れられたみたいでさぁ・・。怪我はそっちのけで、怪我したのはついてないけど、香坂先生がいるから、不幸中の幸いだってさ・・・。」
たまきは深いため息をついた・・。
(たまき)「ったく・・。26にもなって、どうしようもないやつね・・。ったく、気が重いわ・・。」
同情の目でたまきを見ている・・。
(馬場)「あまり、行かない方がいいかもねぇ・・。ちょっかい出されても困るし・・。進藤先生が居ない間に、香坂先生に何かあっても困るしさ・・。」
そう、まだ2日しかたってない・・。たまきは気が遠くなる思いだった・・。
(たまき)「・・・ったく・・・。ちょっと、仮眠室に行って来ます・・。患者が来たら、起こしてください・・。」
欠伸をしながら、仮眠室に入ろうとするが・・。
(桜井)「あのぉ、香坂先生・・・。先ほどの内田さんなんですが・・。」
たまきは眉を潜める・・。
(たまき)「何?・・・・なんで、私なの?馬場先生も担当じゃない〜。」
眠たそうにしている・・・。桜井は申し訳なさそうに用件を伝える・・。
(桜井)「どうしても、香坂先生じゃないとだめだって・・。暴れるんです・・。チューブが入ってるから、危ないって言っても、聞かないんです・・。」
たまきはため息をついて、頬を叩く・・。
(たまき)「わかったわ・・。」
馬場を恨めしげに睨み、医局を出て行った・・。ここんとこ、たまきは忙しくて家にも帰れない・・。
(たまき)「どうしました?・・・ちょっと、なにやってるんですか!」
起き上がり、ベッドから降りようとする患者をみて、慌てて体を制す・・。
(内田)「帰らせてくれよ・・。暇なんだよ!タバコも吸えない・・・。」
たまきは、ため息をつく。
(たまき)「・・・いい加減にしなさい!今自分が置かれた状況を良く考えなさい!自分がバイクで怪我したからこうなったんでしょ!普通に運転してても危ないっていうのに、大人しくしなさい!」
たまきの怒鳴り声で、患者は大人しくなる・・。たまきは白衣を整え、髪を手で梳かす・・。
(内田)「・・・いつになったら、動けるようになるんだよ・・・。早く帰らないと、他の連中が俺を待ってるんだよ・・。」
たまきは声のトーンを柔らかくする・・。
(たまき)「・・・手術してからじゃないと、だめです・・。歩けなくなってもいいっていうの?バイクにも乗れないわよ。それでもいいっていうの?ちゃんと、考えなさい。そうなったら、他の人にも迷惑をかけるのよ。両親のことも考えてあげなさい。子供じゃないんだから・・。」
それからは、暴れたりはしなくなったものの、たまきを下らない用事で呼び出す・・。
(たまき)「・・・今度は何?」
ため息をつく・・。
(内田)「・・・胸が苦しい・・。」
たまきは聴診器で胸の音を確かめる・・。内田は、たまきの服の間から見える胸の谷間をそっと覗いている・・。たまきは集中しているため、気づかない・・。
(内田)「・・・・先生って、彼氏いるの?・・・もてるでしょ・・。」
聴診器を耳からはずし、冷たい視線を送る・・。
(たまき)「あなたには、関係ないでしょ・・。・・・キャ・・。ちょっと、どこ触ってるのよ・・。」
布団からはみ出した手でたまきのお尻をいやらしく触った・・。
(内田)「先生って、痩せてるけど、ついてるとこにはちゃんとあるんだよね・・。」
たまきははっとして、自分の服装を見る・・。
(たまき)「・・・変態!どこ見てるのよ・・。胸が苦しいって嘘だったの?」
胸元を押さえ、患者を睨む・・。患者はいやらしく微笑みたまきを見つめる・・。
(内田)「だって、先生俺の近くに来てくれないんだもん・・・。つまんないじゃん・・。俺から傍にいけないし・・。こんなにいい女がいるのに、もったいないじゃないか・・。」
たまきは、信じられないという目つきで内田を睨む・・。
(たまき)「・・・いい加減にしなさい・・・。」
といって、医局に戻る・・。たまきが見えなくなるまでずっと、その姿を眺めてい
たのだった・・。
(桜井・山城)「・・・・どうしたらいいんだろう・・。患者っていう手前もあるし・・・。・・・進藤先生、早く帰って来れないのかなぁ・・。」
たまきは、怒りに満ちた顔で、医局に入るや否や、仮眠室に入った・・。
(馬場)「どうしたんだろう・・。何かあったのかな・・。」
たまきには、直接聞く勇気はない・・。そっと覗いてみたら、疲れた顔で眠ってしまったようだ・・。
(城島)「結構、きてますね・・。倒れなきゃいいんだけど・・・。」
その時、内田のことで相談に桜井と山城がやってきた・・。
(桜井)「あの、香坂先生、大丈夫ですか?」
馬場が怪訝な顔で桜井の顔を見る・・。
(馬場)「どうしたんだ?仮眠室で寝ちゃったんだけど・・。」
山城がため息をついて、先ほどの内田の行動を報告する・・。
(山城)「・・・内田さんが、香坂先生に胸が苦しいって言い出して、胸の音を聴診してたんです・・。香坂先生は聴診器で胸の音を確認してたら、内田さんが香坂先生の・・・胸を覗き見してて・・。お尻も・・・触って・・。香坂先生が、変態っていったんですよ・・。胸が苦しいっていうのは嘘で、香坂先生が近くに来ないからって・・。・・・どうしたらいいんでしょう・・。このままじゃ・・。香坂先生・・・。」
城島と馬場は椅子に座り、考え込む・・・。
(馬場)「・・・・このままじゃ、本当に倒れちゃうな・・。精神的にも・・・・。顔色も悪いし・・・。食欲もなさそうだもんな・・。」
城島たちは、頷く・・・。
(城島)「香坂先生を何がなんでも、あの患者のところには行かせないように、しないとね・・。どうしてもダメなときは、誰かが必ず付いていくようにしよう・・。」
(桜井)「進藤先生、早く帰ってきてくれないかなぁ・・。香坂先生を守ってくれなきゃ・・。あの患者、ますます調子に乗っちゃう・・。患者だから、何しても良いって思ってるみたいで・・。香坂先生のほうも、苦しいとか言われたら、無視っていうわけにもいかないからって・・。責任感ある先生だし・・・。」
すると、仮眠室からたまきが頭を抱えて出てくる・・。
(馬場)「大丈夫ですか?顔色悪いですよ?」
たまきは、疲れた表情で馬場たちを見る・・。
(たまき)「頭痛くって、眠れない・・。疲れすぎちゃってね・・。夢ばっかり見ちゃう・・。眠たいのに・・・。寝られない・・・。はぁ・・。カルテでも整理しようかな・・。」
体が重そうだ・・。
(城島)「・・・先生、俺たちがあの患者を診ます・・。どうしても香坂先生じゃないとだめってときは、俺たちの誰かを一緒に連れてってください・・。先生はできるだけ、近寄らないでくださいね。いいですか?」
たまきは、力なく微笑む・・。
(たまき)「ありがと・・・。でも・・。負担になるじゃない・・。悪いわよ・・。それに、もう少しの辛抱だし・・。」
そう、徐々によくなってきてる・・。他の病棟にも移れそうなのだ・・。進藤もあと数日したら帰ってくる・・。
(馬場)「そんなの関係ないっすよ。先生の体のほうが、心配です・・。俺たちは仲間じゃないですか・・。負担が掛かるからとか言わないでください。お願いします・・。」
必死に説得をする・・。たまきは、少し微笑んで頷いた・・。
(たまき)「わかりました・・。では、お言葉に甘えます・・。すいません・・・。」
城島たちは微笑んで首を横に振る・・。
(馬場)「倒れられても困るってのもあるけど、進藤先生に殺されますよ・・。あのまま好き勝手させてたら・・。」
たまきは、苦笑してしまう・・・。
その後、担当を変わり、たまきの負担は少し減ったが・・。やはり、あの我侭な患者が納得するわけない・・。
(内田)「なんで、香坂先生が来ないんだよ・・・。ヤローには用ないんだよ!香坂先生を呼んでくれ!」
たまきは、遠くから見守っていたが、ため息をついて、足元に来た・・。
(たまき)「子供じゃないんだから、我侭いうんじゃないわよ!ここには、助かりたくて一生懸命がんばってる患者さんがたくさんいるの!あなただけが患者じゃないのよ・・。」
たまきの怒鳴り声が響く中、ICUに笑いながら、入ってきた進藤がいた・・。
(桜井)「あ・・・。進藤先生!戻ってきてくれたんですか!よかった・・。待ってたんですよ・・。」
進藤は苦笑して、事情を桜井から聞くと、目つきが変わった・・。
(進藤)「俺が、注意しよう・・。」
たまきの隣にやってきて、たまきは驚いた顔をした・・。みんなホッとした顔になる・・。
(たまき)「いつ帰ってきたの?」
(進藤)「今だ・・・。事情は桜井から聞いた・・。おい、お前、こいつはお前の女じゃない!今度こいつに指一本でも触れてみろ、ただじゃおかないからな・・・。」
内田は、進藤の顔を睨むように見る・・。
(内田)「誰だ?お前、見かけない顔だな・・。香坂先生のなんなんだ?」
進藤は威勢のよい患者をみて、苦笑する・・。
(進藤)「・・・。進藤だ・・。なんか文句あるか?こいつは俺の女だ・・。」
たまきとみんなが驚いて進藤を見る・・。普段なら言わないだろう・・。その台詞・・。
(たまき)「ちょっと、患者さんに何言ってるのよ・・。他にいいようがあるでしょ・・。」
恥ずかしそうにしているが、内田の表情が変わる・・。
(内田)「・・・もしかして、進藤一生っていう名前じゃ?・・・・あの伝説の、進藤一生ですか?」
内田の目が、一気に尊敬のまなざしになる・・。みんな一斉に進藤を見る・・。
(たまき)「伝説?あなた伝説になってるの?・・・へぇ・・。初めて聞いた・・。なんの?まさか、族とかに入ってたの?似合う気もするけど・・。」
進藤は軽蔑の目でたまきを見る・・。
(進藤)「なわけないだろ・・・。・・・伝説?俺も知らない・・。」
不思議そうに進藤は内田を見る・・。
(内田)「・・・バイク乗りなら、いや族の間でも有名だった・・。最速ライダーだったんだぜ・・・。俺も一回お手合わせしてもらったんだが、足元にも及ばなかった・・。」
みんな驚いた顔で進藤を見る・・。たまきは食いつくように・・。
(たまき)「意外な一面ね・・。驚いちゃった・・。」
進藤は苦笑して、内田を睨む・・。
(進藤)「余計な事を言うな・・。ったく・・・。お前一回大怪我してたな・・。」
思い出して懐かしそうな顔をする・・。
(内田)「はい・・。アニキに助けてもらいました・・。アニキって呼ばせてください。」
さっきまでの態度とは違い、やけに低姿勢だ・・・。
(たまき)「・・・見る目変わっちゃいそう・・。あなたが・・。」
ポカーンと口をあけて眺めている・・。進藤はたまきを睨む・・。
(進藤)「お前の兄じゃないんだ・・。止めろ・・。・・・別に悪いことなんかしてないんだ・・。ただバイクが好きだっただけだ・・。」
居心地悪そうに屋上に上がる・・。たまきの腕を引っ張って・・。
〜屋上〜
たまきは、まだ驚いた顔をして、進藤を見つめている・・。
(進藤)「いい加減に、その顔止めろ・・。・・・ったく、余計なこと言いやがって・・。」
苦笑して、たまきを抱きしめる・・。
(たまき)「だって・・・。あなたの過去にそんなことがあったなんて・・。本当に族とかに入ってたんじゃない?・・・あんなにあたしたちが持て余してた患者をあなた、姿を現しただけで、大人しくなっちゃうんだもん・・。」
上目遣いで進藤を見る・・。苦笑して進藤はたまきの額を小突く・・・。
(進藤)「・・・俺は何もしてない・・・。ったく・・。参ったな・・。それよりあいつに、体を触られたんだって?どこ触られたんだ?」
ふと怪訝そうな顔でたまきを見る・・・。たまきは俯いてボソッと答える・・。
(たまき)「・・・お尻・・。服から胸を覗かれちゃった・・。・・・ごめんなさい・・。」
進藤は顰め面になり、たまきを強く抱きしめる・・。
(進藤)「お前が悪いんじゃない・・。あいつが悪いんだ・・。ったく・・。」
それからは、たまきに害を加えることはなくなったが・・。その代わり・・。
(内田)「姐さん、すいませんでした・・。アニキの大事な人だと知らず、とんだご無礼を・・・。申し訳ございませんでした・・。バツは何でも受けます・・。」
たまきは唖然とした・・。姐さんと・・。
(たまき)「止めてください・・。そんな呼び方・・。極道の妻じゃないんだから・・。香坂先生って呼んでください!ったく・・・。・・・何笑ってんのよ・・。なんか言ってよ・・・。あなたのせいよ・・。」
進藤が後ろで笑っていた・・。進藤は苦笑する・・。
(進藤)「お前、極道の妻も似合いそうだな・・。・・・冗談だろ・・。おい、俺のことアニキって呼ぶのも、こいつのこと姐さんって呼ぶのも止めろ・・。いいな?それから、明日一般病棟に移すからな・・。迷惑かけるなよ・・。」
それから、一般病棟に行き、やっとたまきもある意味進藤も、解放されたのだった・・。
救命にも、新たな伝説が出来た・・。
・・・・昔バイクで最速ライダーと呼ばれた医師と、その恋人たまきは極道より怖い・・。最強のコンビ・・・。
〜END〜
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