Ovation Custom Legend 1869





Ovation Custom Legend 1869-1(1996年製)
   Serial Number  5102XX


今回の「お気に入り」は、先日ついに我が物となってしまった栄光の一本、コネチカット生まれのオベーション・カスタム・レジェンド1869-1(1996年製)である。我が家のコレクションの中ではスタインバーガーのベース(XL2A:1985年製NYもの)以来の高級(高額)楽器であり、非常に興奮している。

何はともあれ、素晴らしいルックスではないか。見よ!この美しいサンバーストのグラデーションを!!(撮影ヘタでごめん)あわび貝の飾りがボディ全周をふち取っていて、いかにも「高級」という感じである。なんだか「私を抱く以上、それなりの覚悟を持ってねるんでしょうね!?」と威嚇されているような気になる。ま、覚悟がなくても「ある」と言う、そういう男です、ボクは・・・。

トップはAAAクラスのシトカスプルース、指板はもちろんエボニー(黒檀)である。高額なんだからエボニーである。一流はエボニーなんである。ペグはSchallerのゴールド仕様(なのか?とりあえず金色)、ブリッジはローズである。プリアンプはOptimaというものが付いている。アコギのことをよく知らないので、こういうスペックがどういうことなんだか、実はよくわかっていない・・・(涙)

見るからに「やるんか、ワレ?」という風情であるが、そもそもこのギターはネットで知り合った自宅録音仲間のNさんという方がお貸しくださったものである。借りて弾いているうちにだんだん好きになってしまい、紆余曲折を経てとうとう筆者のもとへ嫁ぐことになったのである。

自宅録音を趣味とする人間の中では特殊な部類だと思うのだけれど、もともと筆者はあまり楽器に執着がない。昔からそうである。そこそこの音が出ればよい、というタイプの人間であるからして、「ギブソン○○年モデルの××タイプ」だとかそういうことはまったく気にならないし、高額な楽器も特に欲しいとは思わない。「高いからいい音するんだろうな」くらいの他人事である。自分が出したいと思う音がそこそこ出るならば、それが安物の楽器でもハードでもソフトでもなんでもかまわない。

つまるところ楽器がどうこうというよりも、音楽作成の上で「やりたいことが便利に出来る」ということのほうが自分にとって圧倒的に重要だったりする。音楽ソフトのSonarやReasonを導入したのもそのためであって、決して音楽作成ソフトが好きだからではない。さらに本音を言えば楽器を弾くのも面倒である。誰か弾いてくれないか。録音やミックスなどというのも面倒であり、できればやりたくない程である。脳に直接シールドを差したい気分である。

しかし、そうは言っても高額楽器を実際に触ってしまうと話はまた別である。見ると触るでは大違いなのである。いいものはやはり良いのである。

というわけで筆者はこのギターを借りた三日後にはすっかりそのサウンドにハマってしまい、これはもうアコギを買うしかないという精神状態になっていたから、すぐさま楽器屋で下調べをすることにした。その時点では、このギターは借り物だから返さないといけないと思っていたので、とりあえず楽器屋でいろいろと試奏してみることにした。予算は5万から10万までの間と考えていたから、USAのオベーションは最初から対象外であった。そこで9万円ほどの韓国製のオベーション(セレブリティ)を試奏したところ、コードストローク一発かました瞬間に嫁はんに「あかんな」と切り捨てられるほど音質に違いがあり、すぐさま失格となった。他にも10万付近のギターを試してみたが、なかなかこれというものに当たらない。かくして高額楽器と普及品との格差を思い知ったのである。

仕方がないのでお借りしているものと同じカスタム・レジェンドを、地道にヤフオクで探すことにした。そしたらあるわあるわ、わんさか売りに出ている。大体スタートが6万、7万くらいからである。これなら10万以内でいいものがあるかもしれない。本来、アコギをオークションで買うのは、音を確認できないのでかなりリスキーであるけれど、オベーションの場合、ボディが樹脂製なのでモデルが同じならばそうそう品質に大きなバラツキはなかろうと考えたのである。

そうしてヤフオクで何本か目星をつけ始めた頃、お貸しくださっているNさんから「気に入ってくれたんなら売ってもいいよ」とのお話があり、「え!そうなんですか!?」とあい成って、アッ!と驚くお値段で譲ってくださることとなったのである。ヤフオクで買うより断然愛着がわく、というものである。

そんなわけでこのギター、今や正式に筆者のものである。かわいいんである。あちこちにアタリ傷などもあるけれど、それも含めてかわいいのである。「じゃらら〜ん」とコードを弾くたびにエクスタシーなのである。「ジャ〜ン」とEのコードを弾いても、その「ジャ〜ン」が「高い〜」に聞こえるんである。「ジャ〜ンジャ〜ン」と弾くと「高い〜高い〜」と聞こえるんである。ノイローゼだろうか?

さて肝心の音はどうなのか、というと低音から高音まで非常にバランス良く鳴ってくれる感じである。筆者はアコギ初心者なので細かいことはわからないのだけれど、生音もじゅうぶん素晴らしく、輪郭がクッキリとした感じである。変なビビリも皆無である。オベーションというとライン録音という定説があるけれど、筆者はマイク録音でも十分使えると思う。マイクとラインを混ぜるなんていうのも楽しそうである。コンデンサーマイクでアンビエントを狙い、ダイナミックマイクで近接音を録り、さらにラインでも録ってその三つを混ぜる、なんていうのも入り組んでいて楽しそうである。(面倒くさそうだが)

思えば小学生の頃、姉がYAMAHAのフォークギターを持っていてよくフォークソングやビートルズを弾いていたが、筆者が触ると殴られたので、それ以来「アコギ=触れてはいけない」というアコギ恐怖症になっていたのだけれど、三十年になろうかという時の流れを経て、ようやくその恐怖症も克服できそうである。

さて、舞い上がって色々書いてきたけれど、よくよく考えてこんなにいいギターを使うような曲って筆者に作れるんだろうか?どうしよう?


最後に: あり得ない価格にてお譲りくださったNさん、このたびはどうもありがとうございました。今後大切に弾いていきます。

2004年5月20日脱稿




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