日記にも書いたけれど、最近買ったマイルス・デイビスの自伝のせいで血中JAZZ濃度が上昇している。そこで今回はJAZZのとっておきの名盤を紹介しようと思う。
数あるジャズの名盤のなかでも、「もっと評価されていいんじゃないか?!」というアルバムが今回紹介する史上最強のトランペッター、後にアート・ブレイキーとJAZZメッセンジャーによるファンキー・ブームの立役者ともなるリー・モーガン(1938〜1972)によるブルーノート3作目、その名も「Lee Morgan Vol.3」(1957年)である。
録音時、なんと若干18歳!初めて聴いた時の筆者も18歳くらいだった(涙)「おいおいホンマかいな」と絶句する恐ろしい作品となっている。
このレコード、巷のジャズ読本など見ていると3曲目の「I remember Clifford」が最高と書いてある事が多いのだけれど、実はレコード全体が最高である。筆者などは「I remember Clifford」よりも、むしろA面2曲目の「Domingo」にこそ天才リー・モーガンのエッセンスがきらめいているように思われる。
マイナーな哀愁に満ちたメロディを、しかし若きリーはドライに溌剌と吹き上げて楽曲が幕をあける。
そしてアップテンポのテーマ部、もう文句のつけようがないアレンジ、メロディ、サウンド、リズムそしてグルーヴである。完璧なアンサンブルをバックに、リーのラッパは輝かしい光を放ち、至福の時が流れ出す。
テーマに続いては作曲者のベニー・ゴルソン(テナーサックス)が抑制のきいたソロを取る。メロディを覚えてしまうくらい、「歌っている」ソロである。独自のトーンも印象的だ。
続いてリーが突き刺すようなフレーズでソロを引き継ぐ。年齢詐称疑惑さえ浮かびかねない、堂々たる歌いっぷりで聴くものを圧倒する。ラッパが鳴りまくっているのが爽快である。
きちんとアレンジされたエンディング部も素晴らしい仕上がりで、文句のつけようがない。聴き終わるとまた聴きたくなる、麻薬のような曲である。
言うまでもなく「I remember Clifford」もいい。これでも10代・・・・。語るべき言葉も見つからない。
個人的な話で恐縮だが、筆者はこのレコードではじめてJAZZを「本当に・心の底から」楽しむコツを掴んだ、その意味で記念すべき作品なのだ。
このアルバムがここまで素晴らしい仕上がりになったのは、紛れもなくベニー・ゴルソンの作・編曲のおかげだろうと思う。とにかく曲がよい。JAZZの場合、曲はアドリブのための土台ということで、テーマメロディに気合の入っていない楽曲も多いが、このアルバムは楽曲そのものが魅力的で、そこにリー・モーガンのラッパが鳴り響くのだから悪いはずがない。ベースは神様ポール・チェンバースで、例によってぐいぐいとバンドをドライブさせている点も必聴である。JAZZの魅力をいっぱい詰めこんだ珠玉の名盤、これを聴かずに死ぬわけにはいかない。
<追記>
ブルーノートというレーベルはジャケット写真がいずれも素晴らしいのだけれど、リー・モーガンで最高のジャケットはブルーノートの2枚目だろうか。写真とロゴのバランスがたまらない。名曲「Whisper Not」が収録されており、このアルバムも素晴らしい。
天才リー・モーガン、さすがに女にはモテまくりだったようで、痴情のもつれで妻に射殺されてしまい、33年の短い一生を終える事になる。
2003年5月29日