音楽の場所

音楽の存在する場所はどこにあるのか。
それはテープやハードディスク或いは楽譜の中に有るのか、或いは空気を特定の周波数で顫わせる、その物理的な振動をいうのか。

音楽が存在するのは確かだとしても、そのあり方については誰も真剣に考えない。
音楽は単なる音響とは区別されねばならない。物理現象としての、空気の振動としての音響は音楽を構成する不可欠な要素ではあるが、それは未だ音楽ではないからだ。

人は普通音楽というものが既に存在(主観に対する客観として)していて、それを鑑賞者たる人が聴き入るというふうに考えているが、実際に起こっている出来事は、人と特定の制約(和声や音階)によって秩序づけられた音響とが出会うときにはじめて音楽が「生まれる」のである。それは「人が音楽を聴く」のではなく、むしろ「人/音響が音楽になる」そういう出来事として起こる。そこでは<<「音響」という或る物に聞き入る「我」>>などという關係図式は存在しない。自己は鳴り響く音樂と一つになりきって、そこでは両者の区別は端的に不可能となる。その時、「我」と「音響」とが音樂へと生れ変わるのである。音楽とは常に「生まれる」というあり方で存在しているのであって、それこそが音楽の存在様式である。

音楽を聴くということは、実際には「音楽になる」ということなのだ。

2002年10月02日 11時14分52秒



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