メダルクラブ(1)



高校一年生の終わりの頃の話です。

部活をやめて、私とM子は放課後、街中で遊びふけってました。

服をみたり、小物をみたり・・・。

最初はすごく楽しかったんですけど

だんだん飽きてきました。

私「何かおもしろいことないかなぁ・・・。」

M子「ダラダラしてるよね・・・私たち。」

私「熱中できることないかねー?」

そんな時、私たちは出会ったのです。


メダルクラブに。


ゲームセンターのプリクラコーナーで

プリクラをとっていた時のことです。


M子「あんた、ゲームとかやる?」

すべてはM子のこの一言から始まりました。

私「いや・・・あんまりしないなぁ・・・。」

M子「私もゲーセンではあんまりしないんだけどさ。」

私「行ってみる?あっち(ゲームコーナー)。」

M子「でも、女であっちにいってる人いないよね。」

私「いいじゃん。行こうよ。こんな時間、人自体少ないって。」


こうして、私たちは未知の世界へ足を踏み入れることになりました。


私たちの未来のオアシスへ・・・。


M子「やっぱヤバイって。」


私「何が?」

M子「いや、ここにいる連中、みんなオタクじゃん!」

私「そうかぁ?あーアレ面白いんだよ!」

M子「あ?どれ?」


それは、私が中学生の頃に体験したゲームでした。

イスに座って、シューティングするんですけど、

そのイスが画面にあわせて動くんですよ。

トロッコにのっている設定なんです。


私「これ、面白いよ!やろうよ!」

M子「あーコレね。やったことあるわ。」

私「ね、やろうよ!」

M子「えー・・・仕方ないなぁ・・・いいよ。」

私「ヤッタ!えーと・・・アレ?」

M子「何?」

私「なんか、現金じゃできないっぽい。」

M子「はぁ?100円だろ、コレ。」

私「メダル三枚って書いてあるよ。」

M子「メダル?」

私「たぶん、お金をメダルに両替しなきゃいけないんじゃない?」

M子「あ、メダル両替機あったし。」

私「マジ?いくら?」

M子「えーと。百円で七枚だってよ、メダル。」

私「七枚もでてくんの!?じゃあ現金にしたら相当安いね。」

M子「だね。五十円で一回ぐらいだな。」

私「じゃあ二回できるね。」


私たちはメダルに両替し、ゲームをしました。

二回やるつもりだったんですが、疲れてしまったので

結局一回しかしませんでした。


このゲーム


私「ゲームって面白いね〜!」

M子「久々にやると楽しいね、結構。」

私「なんか他のゲームもやってみたくない?」

M子「なんか面白そうなのある?他に。」

私「うーーーん・・・・・。あ!アレは!?」


私がみつけたのは


ハウス オブ ザ デッド


ガンシューティングゲームです。

私はガンシューティングはしたことがなかったんですが

何故かひかれたんですよ。

きっと運命だったんですね。

私たちは後に、ガンシューティングゲームの虜になってしまいました。

今でもガンシューティング大好きです。

ゲームセンターにいったら

ガンシューティング以外やらない

といっても過言ではないです。

むしろ、ガンシューティングするためにゲームセンターに行きます。


M子「ゾンビのやつ?」

私「うん!私、こういうホラー系好き。」

M子「やだ。キモイ。」

私「なんでー?面白そうだよ。ゾンビ撃つんでしょ?」

M子「絶対やだ。グロイもん。」

私「大丈夫だって!所詮、絵じゃん。」

M子「内臓とかでるんだよ?やだね。」

私「絶対怖くない!やろうよ!ね!」

M子「はぁー?いやだって。しつこい。」

私「一回やってみればいいじゃん。ねー!」

M子「チッ。うるせーな。」

私「よし、やろう!」

M子「一回だけだからね。」


チャリン チャリン チャリン


ウオォオ ウオォオ ウオォオ



おぉ!?


何だ、メダル入れたときのこの声は!


M子「・・・メダルいれただけで吠えてるよ、ゾンビ。」

私「ちょっとビビったね。」

M子「だから嫌だっていってんのにー。すでに怖いし。」



しばらく進むと、待ちに待ったゾンビがでてきました。


私「
でた!よし、撃つよ!」


ズギュン ズギュン ズギュン


私「おぉおお!?超楽しい!!」

M子「黙れ!集中しろよ!」

ズギュン ズギュン ズギュン



カチッカチッ

私「あれ!?弾なくなっちゃった!!」

M子「あぁ!?画面外を撃て!補充されるから!」


カチャン



私「できた!」

M子「おい、ちゃんと撃てよ!オマエの分も私が撃ってんだよ!」


嫌がってた割りに、めちゃめちゃ真剣です、彼女。

ちゃんとPLAYの仕方も読んでるようですし。


ズギュン ズギュン ズギュン

グオォオォォォォォ・・・・・・
(ゾンビの叫び声)


かなり楽しいです!

ストレス解消しますよ、アレ。

まさに気分爽快。

こんなに気分がスカっとすることはないですね。

素晴らしいゲームに出会いましたよ。

その後、いきなりのゾンビの登場に何度か驚かされ、

何度もダメージをくらいながらも

最初のボスにたどり着きました。


私「お!?ボスっぽくない?」

M子「中ボスだな。」


私「よし、倒そう!」


ズギュン ズギュン ズギュン

グシャッ


Continue



あ。


9・8・7・6・5・4・3・2・1・0

うぅ・・・

ドタッ
(ゲーム内の主人公が倒れる音)



めちゃめちゃ強えぇ・・・。

アッサリやられてしまいました。

今ではノーダメージでたどりつき、ノーダメージで倒せるボスですが。

このときの私たちは初心者でしたからね。

命中率も低かったんです。


私「あーあ。」

M子「つえーよ、アイツ。」

私「でも面白かったね!」

M子「あぁ、案外ね。意外と平気かも。」

私「だろ?またやろうよ!全クリしたい!」

M子「全クリは無理だろ。お金かかるし。」


ちゃんと全クリしましたけどね。

しかも10回以上。


M子「ところでさぁ。」

私「何?」

M子「メダル、一枚余ってるよね?」

私「あ・・・本当だ。」

M子「どうすんの?一枚でできるゲームないよ。」

私「今度また使えばいいよ。」

M子「は?またくんの?」

私「?モチロン。」

M子「・・・・・。まぁいいか。」


この日はこれでゲームセンターを後にしました。

とてもさわやかな気持ちで。

そして

ゲームセンターから出るとき、私たちは気になる看板を発見しました。



メダルクラブ会員募集中!!



これがメダルクラブと私たちの最初の出会いです。


私「メダルクラブってなに?」

M子「さぁ?やばいだろ、名前的に。」

私「だね。どんなクラブだよ。」


この時、私たちがまさかメダルクラブにはいることになろうとは

これっぽっちも思っていませんでした。

メダルクラブに出会っていなければ

私たちの人生、少しは変わっていたと思います。

メダルクラブに出会って

私たちの人生は良い方向へいったのか?

それはわかりません。

もしかしたら悪い方向へいってしまったかもしれません。


でも、私は後悔していない。


メダルクラブに出会ったことを。

楽しい思い出を作ってくれたから。

それでもたまに思います。

もし、出会ってなかったら

もう少し、高校生らしい

女の子らしい生活が送れていたんだろうか。

たぶん、たいして変わってないと思いますね。

すでにおかしなことたくさんしちゃってましたから。

だったらやっぱり出会えてよかったです。

そして何度かこのゲームセンターを訪れ

私たちはメダルクラブについて少しずつ知っていきました。

どうやらメダルクラブとは、会員になるとさまざまな特典があるようです。

メダルクラブについての看板の下のほうにこう書かれていました。


メダル一時期お預かりします!


なるほど。

でも預けるほど余らないんですよね。

だからメダルクラブに入る必要なんてないと思ってました。

そんなのは相当なゲームマニアがはいるものだって思ってたんです。

しかし、ある日。

誰もが目に付くよう大きな看板が立てられていました。


メダルつかみどりキャンペーンのお知らせ


本日より一ヶ月間

メダルクラブの会員の方は、メダルを預けていただくと

カウンターで
メダルつかみどりをすることができます。

是非、ご利用下さい。

また、メダルクラブに入会されていない方は

無料で入会することができますので

是非この機会にご入会ください。



メダルつかみどりキャンペーン!?

何それ!?

すっごいいいじゃん!

しばらくタダで遊べるじゃん!

すでに常連気味になっていた私たちには

まさにふってわいたようなオイシイ話。


私「ねぇ!あんなこといってるよ!」

M子「オイ。まさかはいるつもりかよ。」

私「うん!はいろうよ!」

M子「冗談じゃねーよ。そんなんオタク道まっしぐらだぞ。」

私「ただでメダルがたくさんもらえるんだよ!?」

M子「上手い話には落とし穴があんだよ。」

私「とりあえず、もっと詳しくメダルクラブについて聞いてみようよ!」

M子「悪徳商法に決まってるって。」

私「聞いてみて、危なくなかったらはいればいいじゃん!」

M子「マジでやめとけって。」

私「聞いてみるだけ!
ね?

M子「・・・・。はぁ・・・。聞くだけね・・・。」


M子もすでに感覚がマヒしてきたようです。

あんなに拒否反応を起こしていたのに。

きっとメダルがもらえるかもしれないからでしょうね。

少しは期待したに違いありません。

ゲームというのは

ハマると怖いですね。

そして

私たちは、カウンターへ話を聞きに向かいました。


−続くー



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