メダルクラブ(2)



あいかわらずブツブツ言い続けるM子の手を強引に引っ張り

私はカウンターへ向かいました。急ぎ足で。


私「すいません、
メダルクラブにはいりたいんですけど。


バッ(M子がすごい形相で私を見る)


店員さん「あ、はい。ちょっと待っててくださいね。」



ガッ
(M子に腕をつかまれた)


M子「おい!何でいきなりにはいることにしてんだよ!」


私「え?」

M子「話聞くだけだっつっただろ!」

私「話し聞いたらどうせ入ることになるって。」

M子「ふざけんな!なんであんたは勝手に・・・!!」

私「ブレイクブレイク。」

M子「あぁ!?」

私「順番が違っただけの話じゃん。そう怒るなよ。な?」

M子「・・・・・。」

私「色んな特典がついてくるよ。」

店員さん「お待たせいたしました。それじゃあこの用紙に・・・」

M子「メダルクラブって何ですか?」

店員さん「はい?」


M子「メダルクラブってはいったらどうなるんですか?」


店員さん「ええと・・・先にご説明したほうがよろしいでしょうか?」


M子「はい。」


店員さん「メダルクラブに入っていただくと、メダルが余ってしまった場合、預けることができるんですよ。」

店員さん「そして、また次回引き出して、使用して頂けるんですね。」


私「銀行みたいですね。入金と引き出しみたいな。」

店員さん「そう・・・ですね。」

M子「他には?」


店員さん「他には・・・そうですね。特にありませんね。


私「メダルつかみどりっていうのは?」

店員さん「あぁ、できますよ。期間限定ですけど。」

M子「無料なんですよね?」


店員さん「はい、サービスとなっております。」


私「じゃあはいります。」



店員さん「よろしいでしょうか?」


M子「・・・マジではいんの?」


私「おう。やだ?」

M子「・・・いいよ。」


M子もメダルクラブの特典にグラっときたようです。

まぁ無理もありません。

だってゲームマニアにとってこれはたまらなくいいシステムですよ!?


私「お願いします。」

店員さん「じゃあこちらの紙に記入お願いします。」

私「はい。」


その紙には、年齢・住所・氏名・電話番号など書く欄があり

そこらへんにあるアンケートとなんの変わりもありませんでした。

システムは全然怪しくないようです。

私達は、サラサラと記入を済ませました。


店員さん「じゃあカードを発行しますんで、二三分お待ち下さい。」

私「はい。」

-三分後-

店員さん「ではこちら、カードのほうになります。」

私「はい。」

店員さん「メダルを預ける際と引き出す際に、カードの提示が必要となりますので、忘れないようにしてください。」

私「わかりました。」

店員さん「今日はメダルを預けられますか?」


よし、早速預けてみよう。

そう思ったのですが、手元にあるメダルはたった二枚。


私「あの・・・二枚しかないんですけど・・・いいですか?」

店員さん「いいですよ。」

私「じゃあお願いします。」


二枚ごとき、預ける必要はないように思われますが

その考えは間違っていました。


店員さん「つかみ取りのほうはですね、一昨日から一ヶ月間、メダルを預けられた時にしていただけますので。」


ね?


メダル預けなきゃつかみどりさせてもらいないんだってさ。


私「一ヶ月間ってことは・・・一回だけじゃないんですか?」

店員さん「はい。一ヶ月間、毎日でもできますよ。」

私「マジですか!?」


ちょっと聞いた!?

どうなの!?それって。

普通つかみどりって一回だけじゃないの?


店員さん「毎日来て頂いて、預けられればの話ですが。」


後から考えると、この店員さんは

日来てつかみどりやろうなんてやつはいないだろう

と思っていたようです。

考えが甘い!


私「すごくない!?」

M子「すげぇ。ビビった。」

店員さん「じゃあつかみ取りのほう、どうぞ。」

私「どうする?M子やる?」

M子「あんたがやって。」

私「Ok」

店員さん「こちらの箱の中に手を片方だけ入れて、つかんでください。」

私「はい。」


ジャラジャラジャラ

うおおおお。

中身メダルだらけ!
←そりゃそうだろ。


私「はい、とれました。」

店員さん「じゃあこの箱の中にいれてください。」


ジャラジャラジャラ

ウィーーーーン
(機械が枚数を数えている)


店員さん「58枚ですね。」


私「
58枚だって!M子!」

M子「それってすごいの?」

私「しらんけど、お金になおしたら800円だよ!」

店員さん「ありがとうございました。」

私「こちらこそ、ありがとうございました。」

私「M子〜!はいってよかったでしょ?」

M子「まぁね。タダで遊べるし。」

私「ホラね。明日もこようね。」

M子「ダレにもいえないけどね。メダルクラブにはいってますなんて。」

私「・・・確かに。まぁそれくらいのリスクは仕方ねぇよ。」


それから私達は、毎日ゲームセンターに通いつめました。

一週間くらいたったある日。

気がつくとメダルの数は
300枚近くになってました。

毎日毎日減るどころかたまっていくんですから。


M子「300枚!?すげ!これだけあればしばらくタダで遊べるな!」

私「なんかいいのかな?って感じなんだけど。」

M子「だよね。ここ、そんなことして儲かんのかな?」

私「でもこんなステキなサービスやってるのに客少ないよね。」

M子「みんなメダルクラブ、しらねーんだって。」

私「じゃあさ、今日はハウスオブザデッド、次のボス倒そうか?」

M子「まじ?どれくらいメダルいるかな・・・。あいつつえーんだよ。」


この頃、私達はすでに
ワンダメージで最初のボスを倒し、

次のボスまでいけるくらい成長していました。


だけど、次のボスがめっちゃ強いんですよ。

そこでいつも終わってしまうんですね。


私「一人六枚くらいんでやれるんじゃん?」

M子「だいぶ上手くなってきてるしな。」

私「すごい成長ぶりだよ。」

M子「よし、やるか。」


こうして私達は、次のボスを倒しました。

メダルは二人合わせて
24枚くらい使っちやったけど。

強い強い。

それでもまた一つ壁を乗り越えることができました。

こうして、私達はますますゲームにはまっていきました。

しかしこの頃になると、メダルを使う枚数も増えてくるので

貯まるのが鈍くなってきたんです。

二週間経った頃、メダルは
400枚でした。

コイツはヤバイ。
←そうか?


M子「最近、結構使ってるもんなぁ・・・。」

私「つかみどりがなくなったらヤバイよね。」

M子「全クリするのには・・・何枚メダルいるかな。」

私「うぅ〜〜〜〜ん・・・・。」

M子「ねぇ。資産を増やさない?

私「どうやって?」

M子「メダルおとすやつあるじゃん。」

私「あぁ。一攫千金狙い?」

M子「おう。ギャンブルよ。」

私「いいよ。んじゃ資金貯めて全クリすっか!」

M子「おう!」


私達は次の日から、とりあえず一回だけシューティングして

その後はメダル落としに没頭してました。

M子は結構うまくて、案外簡単にたくさんメダルを手に入れました。

三週間が経った頃、私達のメダルは


700枚近くに。


M子「よし、そろそろ全クリすっか!ゾンビ。」


私「おう!やっちゃおう!」

M子「んじゃ明日ナ。」

私「OK。パーティーだな。ワハハ。」


そして次の日

私達はメダルを惜しみなく投資し、


ハウス オブ ザ デッドを全クリしました。


投資したメダルは二人合わせて
約100枚。

Drドリアン
(ゲーム中のゾンビ事件の主犯)め、ついにやってやった!

しかし、彼の最後はあっけないものでしたよ。

もう三年近く前の話なので、よく覚えてないんですが

確か自分の作ったゾンビにやられちゃったような覚えが・・・

他のゾンビゲームとかぶってたらごめんなさい。

まぁありがちでした。

それにしても・・・あの時の気持ちよさといったら

もう言葉では言い表せません。


なんともいえない爽快感!

そして達成感!



所詮ゲームではありますが

何か偉大なことをやり遂げた気がしました。

ハウス オブ ザ デッド の中で一番ビビったのが

最後のほうに

前に戦った中ボスがみんなでてくるんですよ。

一匹づつですが。

あの時はびびりましたね。

一番目のボスはもうザコなんで問題なしですが

やっぱ二番目がめっちゃ強いんですよ。

連続で弾をうちこまないとだめなんです。

急降下してくるんですが

何発かあててもひるむことがないんです。


あのバットマン。


しかも二人ともダメージくらうんですよ。

近づくのを待って、一気に撃ち込むわけですが

一応よけるのでなかなか上手くいかないんですね。

こういう中ボスには

必ず
ウィークポイントというのがあってそこを狙うわけですが

最後のボスに関しては


ウィークポイント  なんです。


?とかいわれても困るんですけど。

もう焦った焦った。

しかも消えたりするから。

しかし、さすがゲーマーのM子。


M子「こいう時、相手のウィークポイントは頭の場合が多い。」


と、分析してくれ

私達はひたすら頭を狙ってました。

どうやらその予想は見事当たっていたようです。

最後のボスに50枚以上、メダルをつぎこんだんじゃないでしょうか。

それくらい、強かったですよ。

お話にならない。

まぁそんな困難をいくつものりこえ

私達は全クリにいたったわけです。

しかし、私達はそこである危機に直面しました。


M子「あのさぁ・・・まだメダル600枚近くあるけど・・・何に使う?

私「あ・・・。そっか・・・全クリしちゃったもんね。」

M子「もうこのゾンビはやりたくねーだろ?」

私「うん。だいぶあきた。」

M子「どうすんだよ。600枚も。

私「どうしよう。」


よく考えればメダル600枚ってすごい数です。


M子「じゃあ・・・次はあれやっか。

私「どれ?」

M子が指していたのは



ロストワールド



まさにこのゲームこそ

私達のオアシスになるゲームなのです。

だいぶ下火にはなったものの

ロストワールドにかける情熱は現在もそう変わってません。

ゲーセンにいってロストワールドを見つけたら絶対やってるし。


M子「私、こういうの好きよ。」

私「よし。んじゃ明日からはコレで。」

M子「今度は楽しむためにも急いで全クリしないようにしようぜ。」

私「だな。」


新しい標的を見つけた私達は


超ノリノリでした。


しかしこのロストワールド

生活していくうえで厄介な問題を引き起こしたのです。

このロストワールド、例えるとするなら



超一級品の麻薬です。



やめられないとまらない♪


これくらいの


かっぱえびせん程度なら良かったんですけどね。


-続く-



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