Aphex Twin/Girl Boy ep/warp

何を今さらって感もするけど、音楽界のマッド・プロフェッサー、Richrad.D.James。
異常な愛情を惜しみなく注ぎ込んだそのサウンドは
「やめて〜、もうやめて〜。」ってなっちゃうぐらい。
MだMだと思いつつ、こっちもSに目覚めてくるから不思議。
やっぱりスゴイ人。

荒井由美/Super Best Of Yumi Arai
時々ユーミンとか聴きたくなることあるよね。えっ、そーでもない?あ、そう、ならいーんだけどさ。
僕がそういう時によく聴くのが、この彼女がまだ松任谷になる前の初期の楽曲を集めたベスト・アルバム(流石にオリジナル・アルバム全部は揃えられないもんで)。
美しいメロディに洗練されたアレンジと、今更だけどほんとにクオリティの高い楽曲揃い。何より若き日のユーミンの声は拙くも繊細で、聴き手の胸を切なく締めつける。「卒業写真」とか「ルージュの伝言」など誰もが知ってる名曲満載です。
その中でも個人的に好きなのは、「翳りゆく部屋」。失恋の悲しみを歌った曲だけど、サビの歌詞が印象的。
「どんな運命が愛を遠ざけたの/輝きは戻らない/私が今死んでも」
ここでいきなり死ぬという言葉が出て来て、いつもどきっとしてしまう。きっと彼女の意識の中で死とは、拭い去ることができない存在として常に不穏に蠢いているのだろう。
斜陽が差す部屋と終わった愛と世界のサイズと自らの死、それらを自分の中で全て同じように秤にかけてみる少女の過剰でひりひりした感性。いつだって荒井由美少女はきちんと恋をして、ちゃんと傷ついて、その気持ちを自分の言葉と音で丁寧にポップ・ミュージックとして表現してきた。
今、宇多田ヒカルや椎名林檎がやってることを、ユーミンは20年以上も前からやっていたのだ。必聴。                                   <キング>
Bob Marley & The Wailers /Catch A Fire /Island (1973)
彼のどのアルバムが好きかはほんとに人それぞれだと思う。そして個人的にはこれと『Burnin'』です。チンピラスピリット炸裂。裏ジャケを見よ!
全力でガンとばされてる!ひぃ。「Stop That Train」、「Duppy Conqueror」(『Burnin'』)といった必殺バラードもひたすらドスが効いてて。ベースもビリッと歪んで。「まずは背スジをピンとせい!」
という心意気がずしりと胸に来ます。     <スガイ>

Burnt Friedman & The Nu Dub Players
/Just Landed /Scape (1999)

天井が低くて暗く狭いブース、その中にふてぶてしく鎮座するごついマイク群、窮屈そうに楽器をもったメンバーの中の一人がヘッドホンしながらシンバルに向けてるのは、、、受話器? 裏ジャケのそんな風景から連想されるのは、夜な夜な仲間と集まっては実験を繰り返したと言う、あのキング・タビーのコントロール・ルーム。
 Dry & Heavyの内田直之氏が、アナログ卓演奏を中心に展開されるどっしりと大地に根をはった音で、バンドに寄り添い、後押しするようなダブを聴かせるのに対して、Burnt Friedmanはある意味バンドを突き放し、容赦なくちぎって加工してずらして貼って、自由に時間/空間を行き来して曲を解体、構築してしまう。サンプリングもハードディスクレコーディングもデジタルもアナログも、何でもあり。こっちは「Burnt Friedmanの音楽」であることを強烈に感じさせるダブである。それでも、結構大胆にいじくってるわりには生の演奏、生身の肉体性から大きく逸脱し ないというバランス感覚が、独特というか絶妙というか。例えばM3の中盤のドラム、だんだん手数が細かくなって「あれ、エディット?」と思ってるとどんどんスネアが転がり出し、人力じゃ絶対無理(手が一本多いんだもん)のとこまでフワッと離陸して「あわわ、、」と思わせた次の瞬間には、涼しい顔して元 のリズムに戻ってる。全体的に地味なんだけども、そんな感じで煙に巻いてみたり、惹き付けてみたりととにかく自在に音を操る感覚が見てて(聴いてて)小気味よい。
 Augustus Pabloの切なさ、Revolutionariesなどジャマイカのリズム隊の強く荘厳なリズムへの愛を感じさせながらも、ON-Uのような系統とは違う、Poleなどに通じる少し重めのアンビエントに降り立つあたりはやはりドイツという土地柄なのかしら。            <スガイ>
Burnt Friedman & The Nu Dub Players /Can't Cool 
/Nonplace(2003)
自身のレーベル、Nonplaceから。前作までとはかなり楽曲の印象が変わってここでは開放的なソウルフルな「歌もの」を聴かせる。4曲でAbiと言う人がボーカルをとっている(96° Recordings というレーベルの社長でDon Abiという名義で結構出してるらしいが詳細は不明)。今までになくアッパーな雰囲気(M1なんて豪快にカットアップしちゃってて楽しい。)だし、ボーカルも楽器も何だか大人の色気にあふれている。
 それにしてもこの人のドラムサウンドのかっこいいことといったら。所謂レゲエやダブという類いのものとは趣を異にするやけに歯切れのいいサウンドは、ともすれば人工的になったり軽くなったりしそうなもんだが、切れ味鋭くも聴くものの腰から下を確実にヒットアンドアウェイするキックなんか特に、刀鍛冶の名匠がやる要領で日々打ちつけられて鍛えられてきたとしか思えない、強い意志を感じる。これがあるからこそ、アルバムごとに様々なカラーを見せながらもなお、フリードマンの音でしかないという手応えが感じられる。決して「無邪気にエディットしまくった楽しさが伝わってきますね」的なものではなく、手を加えることによって得られるものも、逆に殺してしまうものも知り抜いた者だけが鳴らせる境地なのでは、と勝手に想像。
 ちょっとラウンジ的なかっこよさもあったりするもんだから毛嫌いする人もいるかとは思うけども、この人の音に対する異様なほどの気合いの入れようだけでも一聴に値するのでは、と思います。                    <スガイ>
Burnt Friedman & Jaki Libezeit
/Secret Rhythms/Nonplace

北朝鮮が核兵器でナンチャラって時に、隠れてこんなモン作ってたのか、みたいな衝撃。
オーロラを見た時はないけど、オーロラを初めて見た人のような感動。
以下、左記参照。

Carol king /Tapestry /Ode Records (1971)
いまだに売れ続ける怪物級名盤。のわりにイメージは地味だ。シンガーソングライターの草分けだろうと何回グラミー賞とろうと、どうしてもクラスの目立たない子的な控えめな佇まい。実際他のアルバム聴いたこと無いなぁ。とかいいつつ洋楽聴き初めの中学のころにコレを聴いて以来、なにかと引っ張り出して聴いたこと数知れず。年中聴くわけではないけど、うちのCD棚には常に入っていてくれないとなんか心細い、という存在。 
 モンキーズ、バーズ、アレサ・フランクリンなどに楽曲を提供し、数々のヒットを生んできた優れたソングライターが「ふぅ」と溜息ついて今度は自分のために歌を歌い出した。なんだかほんとのびのびしてるし、そのくせちょっと切ないのは狙いというより彼女の天性のもんだし(いや、勝手な予想だけど)、全曲名曲でしかないし、演奏もじつは凄いし…。熱く歌いあげるタイプのボーカルでは決して無いが、シンプルに一歩一歩確実にメロディを辿る歌声が聴く者の涙腺を直撃。「You've Got A Friend」、ダニー・ハサウェイの『Live』でのバージョンより個人的にぐっと来る度高いです。                      <スガイ>
Dakota Suite /This River Brings Poison /Planting Seeds Records (2003)
元スペースメン3、スペクトラムのRichard Formbyを含むトリオの通算6作目。必要最小限の楽器編成、一切の無駄を省いたような楽曲。淡々と、しかし内からえぐり出すような生々しい演奏。こういうのに出会うとなおさら、歌詞が聴き取れないのがイタイ。それでも、じっくりと全身から押し出すようなドラムやギターの音のうねりの間から歌がこぼれ出す度に、息をのんでしまう。                  <スガイ>
Clarence Carter/This is Clarence Carter/Atlantic
アラバマ生まれの盲目のソウル・シンガー、クラレンス・カーターのデビュー・アルバム。これぞアトランティック!という濃厚で熱すぎるソウルが堪能できる一枚。
そのしゃがれたボーカルは強く切なく、男にとっての愛の何たるかびしっとスジを通して歌ってくれます。M1、代表曲M9などメロディがキャッチーなミドル・テンポのナンバーは本当に聴いてて胸に熱いものがこみあげてくるし、だけどそれだけじゃないぜM10、「Funky fever」!ファンキー・フィーバーだよファンキー・フィーバー!ケツの穴締まりまくりのタイトなリズム隊とホーン・セクション、それに乗っかって腰を振る我等がクラレンス・カーター!まじでアイク・アンド・ティナ・ターナーの「プラウド・メアリー」ばりのソウル・ジャンプ・ナンバーの名曲、踊るしかない。
あと個人的に思うのは、とてもロックっぽいな、という事。アルバム全体の構成、グルーヴ感、そしてそこに込められたエモーション。ブラック・ミュージックの名盤というより優れたロック・アルバムという印象を受ける。
ま、ロックぽいというよりロックンロールのルーツにはソウルがあるってだけの話なんだけどさ。必聴。                    <キング>
Crescent /By The Roads And The Fields
/Fat-Cat (2003)
Movietone、Flying Saucer Attackのメンバー含むブリストルの4人組。モクモクと霞がかかったようなサウンドのパーカッション、ウッドベース、アコギ、ホーンの響きがギラリと光る鈍器のように重い。ボソボソした歌は、歌というよりポエトリーに近い。死ぬほど渋いが、ジャズ、レゲエ、フォーク、エクスペリメンタルといった音楽性がしっかりと底に横たわる、濃密な世界。                    <スガイ>
The Delgados /Great Eastern /Chemical Underground (2000)
「Dave Friedmanプロデュースの」がクローズアップされがちなバンド。でもここでの彼が問答無用で素晴らしいのは事実。やり過ぎという言葉をしらないんでしょう。過剰なまでに美しいメロやストリングアレンジで曲が進み、やがてオーディオのレベルメーターがピークから一歩も戻らなくなったとき(M6とかうちのミキサーでほんとにこうなる)、このバンドのことをロックど真ん中に感じずにいられません。                  <スガイ>
The Delgados /Hate /
Chemical Underground (2002)
前作に引き続いて美しい作品。前作にも増して過剰な音・アレンジが圧巻。モグワイ、アラブストラップを輩出したレーベルの主宰者がやってるバンドというだけあって操る轟音もそれ系ではあるけども、こういう甘美な美意識に貫かれた轟音はやっぱり彼らだけのもの。何よりもメロがいいってのがいい。       <スガイ>
DJ Shadow /Preemptive Strike
/Mo'Wax (1998)
98年リリースのシングル・コンピ。色褪せる気配なし。「ロック畑にもわかる」とかいう問題ではなく、万人に届く強さと温度を持ったビートだと思う。
ビリビリ来るような凄みのある空気感と匂い立つロマンティシズムにマイルスの『Kind Of Blue』を感じてみたり。   <スガイ>
Fennesz /Endless Summer
/Mego (2001)
夢の記憶を探る時みたいな深く遠いギターの音像、心地よい歪み、様々な周期で時間軸を満たしていくノイズのループ、漫画のコマ割りのように大胆なサウンドスケープの転換。の、一つ一つにいちいち唸らされる。要するにセンス良し。なかでもこの人の曲の普遍性、ポップさはこの手の音を出す人の中で別格なのかも。<スガイ>
The Flaming Lips /The Soft Bulletin /Warner (1999)
後追いもいいとこで聴いたが、噂に違わず。てかこういう半泣きボーカルはどうしても嫌いになれない。よくよく聴くと変な音&音作りだらけなのにそれらをがっちりまとめあげる手腕に血の轍を感じる。「いやぁDave Friedmanものははずさないねぇ」なんて言ったら昔からのリスナーに怒られますよね。       <スガイ>