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■ ワタクシ的映画感想文

管理人の好き、嫌いだけで書いてるので、世間さまの作品の評価と大きくかけはなれている場合が多々あります(笑)
なにせ田舎なんで上映時期に時差があることをご了承ください。
★5つで満点、☆はぷらすαを差し上げたいとき使用。基本的に評価は甘いほうかな・・・



++5月の観賞作品++



■ 赤目四十八瀧心中未遂 ★★★





■ 幸せになるためのイタリア語講座 ★★★☆





++4月の観賞作品++



■ ニューオリンズ・トライアル ★★★★☆





■ アップル・シード ★★★☆





■ 恋愛適齢期 ★★★★

なぜにジャック・ニコルソンはモテモテなのか?映画を観はじめたばかり高校生の頃の疑問である。あたまもちょいとハゲてて、お腹も出始めたおっさんなのに。まぁ、それからたくさんの映画に出会い、彼の過去の作品を何本か観るうちに、ちょっとずつ解決はしていったのだけど(笑)
で、今回も、また、もてております。恋愛ものが続いてるなぁ、という気分になるのは「恋愛小説家」にも、もろ”恋愛”の文字が使われてたせいかな?原題そのままカタカナ化が主流のなかで、なかなか印象深いタイトルです。
60過ぎのプレイボーイ×20代のおねーちゃん、50過ぎのカチカチバツイチ女×30代のハンサム医師、普通この組み合わせはありえない!ってとこから始まる、大人のラブコメディ。
しかし、アチラの方はいくつになっても恋愛に積極的ですね(笑)まぁ、コチラでもバツイチや熟年離婚が増えてるし、”恋するオジサン&オバサン”はめずらしい話じゃないのかな。恋愛に適齢期はないのだよ〜、そんなラブパワーをもらえる映画です。



■ ラブストーリー ★★★

はい、なんというか、あたし的には甘すぎる映画です。この場合の”甘い”とは、作品のツメがどうという話でなく、sweet。恋愛用語としての甘いです(笑)
韓国の方の嗜好はよく分かりませんが、「猟奇的な彼女」でも主人公の男の子が言ってました。「韓国人は泣ける恋愛モノが大好きだ」。話題のTVドラマ「冬のソナタ」(未見ですが)や、お昼の「愛の劇場」なんか好きな人にはツボな話かも。
所々、とてもよいエピソードやキャラがちりばめられてはいるけれど、それらが活かしきれてない。”ああ、もう一歩”感がいなめません。個人的にはジヘの合気道ネタや、テスのお父さんネタなどもっとふくらませてほしかった。クァク・ジョエン監督にはパンチのきいた次作を期待します。



■ サロメ ★★★★☆





■ マスター・アンド・コマンダー ★★★☆





++3月の観賞作品++



■ グッバイ、レーニン! ★★★★





■ ホテルビーナス ★★★





■ 女はみんな生きている ★★★★





■ イノセンス ★★★★★





■ ドッグヴィル ★





■ レジェンド・オブ・メキシコ ★★★

結局劇場で予告を観ることなく公開日をむかえてしまいましたが、久々の生デフォーのメジャー作品に心が躍ります。マリアッチよりCIAより、麻薬王なワタクシ。
「デスペラード」ファンの方、ご安心ください。TV予告ではすっかりジョニーの映画みたいになってたけど、ちゃんとマリアッチな映画です。相変わらず、ラテンのバカパワーが熱く炸裂。 ただ、続編にありがちなんですけど、ギターケースから何が飛び出るかを知ってる分、新鮮味はありませんわね。その分を豪華キャストで補ったってとこでしょうか。
役者陣がよい仕事をしております。ジョニーのダメダサ加減とか、ミッキーのしょぼくれ具合とかが丁度よいです。残念だったがサルマ・ハエックが回想シーンでしか登場できなかったこと、なんでも彼女のスケジュールの調整がつかなくてこういう形になっちゃったらしい。活きいきとしたカロリーナがいればもっとメリハリのある話になったでしょうに。しかし、娯楽的要素はきっちり押さえてあるんでそれなりに楽めます。
まぁ、あたし的には麻薬王バリーリョだけで十分楽しいという話も(笑)ドーランたっぷり、出番もかなり短め(それも、後半は包帯で顔もちゃんと観れてない)なんですけど、要所要所できっちり彼らしさがでておりました。ピアノのシーンのミッキーとのやり取りなんかもろ好きvvv。
なんだかな〜と思っていた邦題も、観ればちょっぴりその訳が納得できたりして。「デスペラード」って作品自体がメキシコ映画界の”伝説”なのですね(笑)



++2月の観賞作品++



■ MUSA 武士 ★★





■ ラブ・アクチュアリー ★★★★





■ おにぎり ★☆

地元が少しでもかかわった映画は、よい作品になってくれたらなぁと願う。コミカルでテンポのよい予告は本当によく出来ていた。ベタなタイトルに当初、気にもかけていなかったあたしをとりあえず観てみるか、と劇場に足をはこばせるくらいの力はあった。それなのに、なんだかなぁ、作品自体に、そのパワーがちっとも感じられなかったんですよ。まったくもう、がっかり。
訳ありの落ちこぼれ集団のコメ作り、なかなかな設定で、役者さんもそれぞれの味をだしているのに、どうもそれらが生きてこない。あたしにはあの若い二人を農村や米作りにひき付けるだけの魅力がちっとも感じられなかったんだけど、ちゃんと脚本練ったのかなぁ・・・。中途半端にイマドキの農業の矛盾と問題なども提起されちゃってるあたりますます興ざめ。
そして、いちばん問題なのが、結構お客さんが入ってることだ。多分にして、ある農業団体の割り当てとか、地元撮影がらみで、普段映画なんか観てない人たちがこの映画を観ているはず。その上支援までつのった映画である。その人たちに「映画ってこんなもん?」そう思われちゃうとしたら、それはとても残念なことだ。



■ ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 ★★★★





■ 復活 ★★★★





■ ウエスト・サイド物語 ★★★★★





■ イン・アメリカ ★★★★☆





■ ポロック ★★☆

鋭い感性を授かるということは、光にあふれる世界へとその人を導く反面、上手く生きていく、とか、平凡な幸せ、ということから遠ざけるって一面があると思う。才能が渇くことなく湧き出てくる人ならともかく、大抵において表現者というものは自分の血肉を切り落としながら、それらを搾り出しさらけだす作業が必要になるものだから。
天才とキチガイは紙一重、うまく言ったものである。ときに彼らは生きていくことさえままならない。ジャクソン・ポロック、その鋭い感性が上に彼女の支えがなければ生きていけなかった男の切ないラブストーリー。
僕はあなたに永遠をあげる・・・正直、あたしはこのコピーがキライだ。事故にせよ別の女と死ぬことで妻への愛情を永遠にするなんてことが許されるかってゆーの。そんな不健康な考え方はあまりにもつらいじゃないですか。暗すぎるっ。同じ年に偶然にも画家の生涯を描いた作品がアカデミーにノミネートされている。生命力あふれる「フリーダ」とこの作品を比べてしまうことは乱暴な話だろうが、あたしは明るさと生命力を求める。
名優といわれて久しいエド・ハリス。誰かそろそろ彼にオスカーとらせてあげてくださいな。彼の表現者としての痛さが、彼を侵食してしまわないか心配だ。そんなことをついつい考えてしまうくらい、痛さ全開の映画でした。


++1月の観賞作品++



■ シービスケット ★★★





■ イン・ディス・ワールド ★★★☆





■ 飛ぶ教室 ★★★




■ ミスティック・リバー ★★★☆




■ ローマの休日 〜デジタル・ニューマスター版 ★★★★




■ 幸福の鐘 ★★★☆




■ アイデン&ティティ ★★★☆



++12月の観賞作品++



■ クジラの島の少女 ★★★★




■ ラスト サムライ ★★★☆

確か、あれは日本アカデミー賞の中継だったと思う。「たそがれ清兵衛」で主演男優賞を受賞した真田広之がトム・クルーズ主演の”サムライ映画”のロケ中とかで、ニュージーランドから受賞の喜びを語っていた。そのときはトム・クルーズがサムライ?一体、どんな映画になることやら、と思っていたのだが、観にいって驚いた。いままでハリウッドには数々のへんてこな”なんちゃってニッポン”を観せられていたあたしの目には新鮮なくらい、ちゃんと真面目な映画だった。
渡辺謙がよい。なんでもゴールデングローブ賞にノミネート、という話を鑑賞する前にニュースで知った。アカデミー賞という話も夢ではないのかも。プレミアインタビューなどの様子を見る限りでは渡辺氏の顔の大きさばかりが目立っていたのだが、スクリーンの中での彼の存在感の大きさはもっとすごい。世界の大スターを前にちっともひけをとらないその堂々たる姿に惚れ惚れする。サムライの世界に違和感なく溶け込んだトム・クルーズにも驚いたが、それだけ彼がハリウッドにおいては特異なくらい小さいということなのだな(あくまでも、身長の話ね)。
「武士道」や「滅びの美学」がどれくらいアメリカ人に理解していただけたものか?ってのも気になるところではあるけれども、そろそろあなた達の国の歴史ってのが侵略と殺戮によって出来上がってるかってことにも気づいて欲しい。連打式の銃に立ち向かっていく勝元をみながら、今も昔も武器商人の国、アメリカを強く感じてしまうのだ。



■ わたしは「うつ依存症」の女 ★★★★




■ くたばれ!ハリウッド ★★★★




■ 神に選ばれし無敵の男 ★★★




■ ファインディング・ニモ ★★★☆

ははは〜。ようやく観ることができました。全米公開から遅れること数ヶ月。いや〜、待った、待った。普段はディズニー映画に見向きもしないあたしがこんなにも待ち焦がれていた理由はただひとつ、タンクギャングのボス、ギルなのよっ、ギル。(注:デフォーが絡んでいるだけに、この作品の感想文に冷静さが思いっきり欠けてることを最初にお断りしておきます^^)傷がまた渋いのよ。
もちろん字幕版じゃなきゃ、あたしにとっては意味がない。しっかり耳に神経を集中させてセリフに聴き入ります。うっとり(笑)なかなかセリフがはっきりしてるので聞き取りやすく英語のお勉強にもぴったりですよん。
それにしてもPIXARの仕事はすごいですね。ちゃんと似てるんですよ、デフォーに。魚類なのに、アニメなのに、ちゃんとデフォーなんですよぅ。画面に出てくるたびにマジうれしいんです(おかしいぞ>自分)。そしてまた思った以上にギルの出番が多いもんですから、ますます顔がにやける〜。と、いう訳であっという間の1h41。エンドロールまでしっかり萌えました。
ああ、ちっとも作品自体の感想文になりゃしない。
人間の世界につれさられたニモと、息子を捜す父親マリーンの愛と勇気の冒険物語。水槽脱出という大冒険を果たして成長したニモ。だけど、それ以上に、この映画は父親マリーンの成長物語なんだと思う。過保護なだけの父親からの脱却。世のちびっこ達よりもお父さん、お母さんに観て欲しい映画かも。



■ ぼくの好きな先生 ★★☆

スチーム暖房のあったまる音、ぼんやりと雲っていくガラス。窓ガラス越しに降り続く雪をながめながらだんだん先生の声が遠くなっちゃったこと。そんな懐かしい時間をほっこりと思い出しました。
定年を間近に控えるロペス先生と、3歳から11歳までの13人のこどもたちの日常を綴ったドキュメンタリー。たった1つのクラスしかない小さな小さな小学校。ロペス先生は1人1人の子供達に歩み寄り、体を低くして子供たちの目の高さで語りかける。大好きな先生と木漏れ日のようにきらきらした日々。
そうか、むこうでは先生にキスしてさようならするのね。なんだか愛し愛されてるって感じが観てるこっちまできゅーんと伝わってくる、うらやましいね。こんなに愛しい時間を持てたこと、子供たちはきっと、大人になっても忘れないと思うんだ。
どこまでも優しく美しい音楽がゆったりと流れる時間と相まって、ついついあたしもうとうと〜、うとうと〜。あの授業中にぽわーっとしちゃう感じによく似ている。
今日もあの坂道を小さな子供たちが手をつないで歌いながら上ってきてるのだろうか。さあ行こ〜う♪学校へ行こ〜う♪



■ ハリウッド★ホンコン ★★★




■ フォーン・ブース ★★★☆



++11月の観賞作品++



■ 東京ゴッドファーザーズ ★★★★

チラシだけでも見てくださいな。遠くに光る東京タワーをバックにゴミ溜めのなかで微笑む赤ちゃん。「AKIRA」的近未来感と神々しささえただよってくるような構図にうっとりである。まさにチラシ萌え作品。ステキだ(笑)
まぁ、実際は近未来とか神々しいとかの話じゃなくて、今、現在の東京。主人公はホームレス3人組と、思いっきり現実的な設定。だけど、主人公のホームレス3人組のリアルだけどデフォルメされたキャラクターが絶妙で、緻密でリアルな東京タワーやビル群の光を借景に現実とも夢物語ともいえない不思議な世界を作りだしている。
クリスマス、雪降る東京でホームレス3人組がゴミ山の中で生まれたばかりの赤ちゃんを発見する。クリスマスにちなんで”清子”と(勝手に)命名された赤ちゃんの両親を捜して3人のゴッドファーザーズ(名付け親)が大奔走。
ホームレスと赤ちゃん、この突拍子もない組み合わせが、重苦しくならないのはまさにアニメの魔法。 元ドラッグクイーンに、訳あり家出娘に、自称元競輪選手。社会からはみ出してしまった彼らが”清子”両親を探すうち、自分たちが、帰るべき場所にたどりつく。
もしかしたら実写でもイケるんじゃない?と思わせておきながら、実はアニメじゃなきゃなしえない奇跡を盛り込んだファンタジー。ひとあし早くクリスマスプレゼントをもらった気分である。



■ 藍色夏恋 ★★★★





■ g@me ★★★☆





■ 名もなきアフリカの地で ★★★☆





■ マトリックス・レボリューションズ ★★★☆

全世界がお待ちかね?シリーズ最終章であります。いや〜、世の中の盛り上がり方がすごいっすよね。確かにつまんない作品ではありませんが、ここまで人々を舞い上がらせているものはなんなんでしょう?とか言いつつ、あたしも結構早く観にいっちゃったんですけど。(さすがに23:00から観る気力はなかったけどさ)
さて、前作はスミスの映画でしたが、今回は電気タコクラゲの映画のです(誤)出てくる出てくる、タコクラゲの大群がっ。そりゃ、もう、恐ろしいくらいに(笑)あの〜、最近の未来映画を観て思うんですけど、やはり、ロボットを製作する上で、あの足がたくさんあるってのがいちばん合理的かつ、実現可能なカタチなんでしょうねぇ。それを戦闘ものアニメに出てくるようなモビルスーツとでも申しましょうか?「エイリアン」でシガニー・ウィーバーが操縦していたロボットみたいのでやっっけるんですわ。なんか、今までのマトリックスとは趣が違ってますが、まぁ、これはこれで見応えがあります。なにげにミフネ船長がかっこいいし。
「始まりがあるものには、すべて終わりがある」さて、肝心な「答え」なんですが、いまひとつわからないってのがホントのとこです。ネオとトリニティのふたりの結末については、まぁ、予想通りなんですが、マトリックスの全貌は?と聞かれると、はて?
結局すべてが仮想現実、システム内の話ってこと?最後の最後のセリフでまた謎が深まってしまったのはあたしだけなんでしょうか・・・



■ “アイデンティティ” ★★★★☆

「ここに集ったのではない。ここに集められたのだ。」上手いと思いませんか?このコピー。最初、サイコ苦手なんで無視しようかと思ってたんですけどね、このコピーにつられました。いや、観といてよかった、おもしろい。
嵐のなかモーテルに集った11人。雨が降り続く閉ざされた空間のなか、ひとり、そしてまた1人・・・消えてゆく男女。やはりサイコミステリーには雨がよく似合う。このなんともいえない閉塞感。ここにいてはマズい。そう思わせた時点で、この作品はほぼ成功である。
そしてまた脚本と配役が上手い。登場人物が多い割に、ちっとも混乱しないのは、1人、1人のキャラクターがよくかけてるんだと思う。善人そうだけど何か訳ありそうな元刑事ジョン・キューザックと、刑事という肩書きを背負いつつも「あなた、絶対裏があるでしょう」と思わせてしまう、レイ・リオッタ。序盤に、このふたりの対決があることは想像できていたのだが、まさか、こんな裏があろうとは。事故に、囚人の脱走に、殺人、そして消える死体。思い返せば、すべて最初のシーンにつながるのだが、ちっとも思いつかなかったぜぃ。なるほどな。
ネタばれが少々早すぎるかなぁと思わないでもなかったが、まぁ、“2段オチ”ですからね。でも、割と最後のオチはインパクトとしては弱いかな。
あたし的には、久々のジョン・C・マッギンリーがすげー楽しかった。



■ 永遠のマリア・カラス ★★★

ある意味、予想を覆された映画であります。現役バリバリのマリア・カラスの舞台映像なんかを交えながら、舞台裏や私生活のカラスをファニー・アルダンが演じ、そこに音を乗っける半ドキュメンタリー的なお話を勝手に想像していたものですから、なぜに、オープニングが激しいロック?オペラ映画じゃなかったの?と、最初からびっくらしていたのであります。
音を乗せるのは晩年のカラス(もちろんファニー・アルダンが演じている)に、全盛時のカラス本人の声を乗せるという「たとえば、あのとき・・・」的、フィクションなのでした。・・・なんか言葉で説明するとややこしいな。
フィクションとはいえ、声を失い失意のどん底にいた歌姫に、なんと残酷で悪魔のささやきに似た企画なのだろう。当然、彼女はこの企画を通してプライドを取り戻し、フィルムをお蔵入りにする決断をするのだが、「もしかしたら、あの時差しのべられる手があったのでは・・・」そんな後悔とも懺悔ともつかない監督の想いがどうも感じられ、観てる方としては少々つらかった。
そして何より痛いのはマリア・カラスよりもファニー・アルダンがすごい映画になってしまっていたことだろう。いっそのこと劇中劇の「カルメン」を中心に据えたほうが、おもしろい作品になのたのかも。


++10月の観賞作品++



■ インファナル・アフェア ★★★★

やっぱし、香港映画ってのは「男と男」の物語をなんとも上手く創るのだ。
予想より、こじんまりとした印象はあるけれど、何もどっかん、どっかん火薬を使うばかりが警察映画じゃない。(まぁ、最近ヒットした踊る〜を皮肉る訳じゃないけどさ・・・あれはあれで好きだし)
それにしても、ここ最近こんなにも緊張感のある人間ドラマがあっただろうか?マフィアに潜入する捜査官と警察に潜入するマフィアの内通者。10年前に運命を入れ替えられたふたり。善と悪、コインの裏と表。まったく逆の立場にありながら、彼らがお互い追いかけてるのは、鏡に映るもうひとりの自分なのだ。孤独な男同士の対決にぞくぞくする。
とにかく構成の上手さに唸る。ああ、そういえば・・・と、思わずポンと手を打ちたくなような仕掛けが用意されている。さすが、構想に3年。こうやって1つ1つのエピソードをきちんと積み上げていく映画はおもしろい。なにやらとてつもない価格でハリウッドがリメイク権を買い取ったようだが、お〜い、ハリウッドのみなさん、リメイクばっかやってるとよい発想が生まれなくなっちゃうぞ〜い。
香港ではすでに2本の続編が製作されてるそうだが、さて、どうなっているんでしょう?つまんないモノになってなきゃいいのだけど。
それにしても、なぜ観客がこんなにも少ないのだ?勿体無い。やっぱ「女も惚れる・・・」ってコピーは余計だったか。



■ KILL BILL ★★★★

「ビルを殺せ」もう、タイトルからしてネタバレも何もないんで安心して書いちゃいますけど、いろんな意味で飛んでおります(笑)ええ、1年分の手足が切り落とされたって表現に間違いはないです。血飛沫びゅーびゅー。タランティーノ作品に免疫のない人が観たらひっくりかえっちゃうかも。数人づれで観にいったのだけど、途中退席された方も・・・お気の毒。
そんな繊細な方を尻目に、あたし的には、こんなに笑った映画は久しぶり。こりゃおかしい。ひとあし先に試写を観にいったダンナの言葉があまりにも的を得てたんで、そのまま借りてしまいます、「真剣なバカ映画」。
なんともビミョーに間違った日本感がたまらんです。多分、狙ってのことなんでしょうが。まず、この映画に銃刀法違反は存在してません、っていうか、存在したら映画自体がなりたたないのですけど。飛行機のシーンは笑いをこらえるのに必至。そして、リューシー姉さん、祝の席で喪服はいけません。まぁ、八掛けが赤かったから、いいか。でも、おはしょりは出した方がかっこいいよ。それにしてもリューシー・リューの日本語がなんともカワイイ。
そんな笑いとの狭間で、ユマ・サーマンのcoolさが際立ってます。立ち回りシーン、黒服軍団をばっさばっさ斬るシーンは「マト・リロ」のパロディなんでしょうか(笑)ちょっと長くてしつこい気もしますが、布袋の音をバックに血まみれでたたずむ姿はマジかっこよかったです。
vol.2も楽しみ〜。なにが楽しみって、今回は出番ちょっぴりだったダリル・ハンナ。それにしても来春か、長いな。



■ 28日後... ★★★

ダニー・ボイルがイギリスに帰ってきた、おかえり。
これなかなか真四角のリーフがかっこよかったのだよね。色とカタチに惹かれてついつい何枚も持ってきちゃってたのだ。いかにもカルト化しそうな雰囲気ありありで期待もしてたんだけど、実際観てみた感想は、案外普通。
誰もいないイギリスの街、がらんとした大都会の街並みに、むなしく響く”Hello”の声。すごいよ、一体どうやって撮影したんだ?
”Hello”が通じない世界。10秒で発病するウィルス。肉体ではなく精神を冒すという設定はなかなかおもしろいが、いまひとつその痛さや怖さが伝わってこない。いや、確かにゾンビ化した人間が、思いもよらぬ方向から飛び掛ってくるのは恐ろしいし、心臓がバクバクしてしまうのだが、それはあくまでもオバケ屋敷的怖さに近かった。それとも、この映画の正しい楽しみ方はそっちですかい?猿を媒体に感染する未知のウィルスってのも少々使い古された感じがしないでもない。やはり、もうちょっと極限に追い込まれた人間のあやうさや脆さを丁寧に描いた方がおもしろかったかも。
HELPじゃなくてHELLOってとこが監督のいちばんのこだわりだったんだろう。木々のざわめきと差し込む光。案外人類滅亡後の世界は、こんなにもおだやかで美しいものなのかもしれない。あ、それが実はいちばん怖い想像か(笑)
もう一つのラストも、これはこれでイギリスらしいかも〜とか思いつつ、宣伝して観せる程ではなかったよね・・・。



■ ライフ・オブ・デビッド・ゲイル ★★★★☆

この結末に納得できますか?と、問われたら、もちろん答えはNOである。しかし、アラン・パーカーはいつも最後の最後にとんでもないラストを用意して、あたしを驚かせる。アラン・パーカー、社会的問題をとりあげながら、エンタメ精神をもあわせ持つ稀有な監督だとあたしは思う。
命を粗末に扱っちゃいけない。あたりまえのことである。しかし、死刑制度の是非を問われたらどうか?人の命を軽んじた人間が命をもって罪を償うこともあたりまえのように思える。いまのところ反対派ではない。だが、もし、身内や知人に死刑宣告がなされたとしたら・・・答えはまたちがったモノになるであろう。そう、スクリーンを通してわたしたちに大きな問いかけがなされている。
しかしこの作品は重たいだけじゃ終らない。死刑廃止論者の大学教授が死刑になる。無実を主張する男デビッド・ゲイルが死の間際に女性記者ビッツィー語ったのは、ある殺人事件に隠された驚愕の真相。死刑執行日まであと4日。誰が彼を陥れたのか?謎のトラックの男と、ビデオテープ、真実はどこに?96時間の超一級サスペンス。目が離せない。
しかもデビッド・ゲイルの筋書きは96時間で終らない。ビッツィーもあたしたち観客も見事に彼の思惑にハマるのだ。元妻と彼の子供に託されたハガキもまた意味深で、一体どこまでが、彼の筋書きなのか悩むところである。監督がわざと謎を残したと思うのは考えすぎだろうか?



■ アダプテーション ★★★☆

おかしな2人が、またまたおかしな映画をつくりあげた。「マルコビッチの穴」んときも思ったけど、やっぱりあたしはチャーリー・カウフマンの頭の中を覗いてみたい。
「マルコビッチの穴」で成功を収めた脚本家チャーリー・カウフマンが「蘭に魅せられた男」の脚色を依頼されるが、ハリウッド的ドラマ性の少ない原作の脚色に四苦八苦し、苦悩する自分までもストーリーに登場させてしまうというお話である。映画の脚本をめぐって現実と虚構が交じり合う不思議な世界。
スーザン・オーリアン、よくこの脚色を許したなぁ。
双子のイジケ兄とノーテンキ弟、もともと自分から派生したキャラとはいえ、こんなにおもしろおかしく描いちゃっていいの?ある意味モノカキってのは自分をさらけ出す作業ではあるけれども、チャーリー暴走していく妄想はリアルで、また、ドナルドという架空の弟への憧れが感じられる。
おーい、ドナルドに捧ぐって、しかも脚本のタイトル入りだよ。やっぱ、あなた、変わってるよ(笑)
なんか、この作品でいちばんまともに見えたのが、クリス・クーパー演ずるところの、世間一般で言う変人、ジョン・フロシュだったのがこの作品の”ヘンさ”加減を示してる気がします。



■ 愛の嵐 ノーカット完全版 ★★★☆




■ デブラ・ウィンガーを探して ★★★★




■ マッチスティック・メン ★★★




■ フリーダ ★★★★☆

"VIVA LA VIDA"生命万歳。ビバ、フリーダ!思わず拳を高く上げてしまいたくなる作品である。
メキシコを代表する女流画家フリーダ・カーロの波乱万丈の人生。その激しくも、みずみずしい彼女の生命力は衝撃的。
ベッドごと野外へ運び出されるフリーダ。「まだ死人じゃないわ」まっすぐなまなざしが、向きをかえると同時に、走り出すのは奔放な少女。あふれんばかりの若さと、輝きに満ちている。なんとも印象的なオープニング。18歳の時、路面電車の衝突事故は、彼女の子宮を貫き、骨を粉々に砕いたが、彼女の活きる情熱を打ち砕くことはなかった。
30代のサルマ・ハエックが少女時代から死を迎えるまでを演じているのだが、これがまたちっとも違和感がない。きっと彼女自身もこの作品を創りだせることがうれしくてしょうがないのだ。壮絶な運命に翻弄されながらも、どこまでも激しく自由な魂。フリーダの輝きは、今、輝いているハエックだからこそ出しえたものだ。
「わたしには翼がある」眉毛がつながった、見方によってはグロテスクでもある、彼女の自画像。それが肉体と心の痛みをキャンパスに塗りこめた作品と知った今、今度は、いままでとは違った角度から彼女の絵を観ることができるかもしれない。実際の作品にお目にかかることは難しいから、せめて、画集だけでも眺めてみよう。



■ 少女の髪どめ ★★★

ストーリーうんぬんより、痛さを感じることが多いイラン映画であるが、こんなに気持ちがすんなり入り込むなんて。マジット・マジティ作品ははじめてであるが、巨匠といわれる所以はこんなところにあるのかも。
吹さらしの建築現場、怪我をした父親の代わりに働きにきた少年に楽な仕事を奪われた青年ラティフは面白くない。つぎつぎと少年に子供じみたイヤガラセをするも、もくもくと仕事をつづける少年。
しかし風のいたずらでラティフはある秘密を知ってしまう、少年が実は少女であったこと。
喧嘩っぱやく、悪がきがそのまんま大きくなったような印象の彼が、ほとんど言葉を交わしたこともない少女に恋をする。アフガン難民、さまよえる彼女らの過酷な現実を知ったとき、ラティフは少女を守ることを決意する。
「映画じゃあるまいし・・・」オーナーが思わずもらしてしまった言葉であるが、彼は決してヒーローになりたかったわけじゃない。ただ、ひっそりと彼女を見守りそばにいたかっただけなのである。
無償の愛、ラティフをそこまで駆り立てたものはなんだったのだろう。故郷へと旅立つ少女を無言で見送るラティフ、子供っぽかった青年が急に大人びて見えた。


++9月の観賞作品++



■ サハラに舞う羽根 ★★★☆

「4本の羽根」なんでも、これまで6回も映画化されてる英国の古典名作らしい。そのせいか、どうかは知らないが、いろんな意味でストーリーがすっとばされてるようである。
何故故郷から遠い敵地に赴き戦わなければならないのか?いまとなっては、あたり前に聞こえる疑問が許されなかった時代。戦争に行く意味を見出せない主人公が、除隊した際に友人達から送られたのは3本の白い羽根。「臆病者」のしるしである。そして、愛する婚約者までもが1本の白い羽根を残して彼から去っていってしまうのだ。で、主人公は苦悩するわけなんであるが、ここいらへんの描き方がいまいち弱い。結局彼は、親友たちが敵に囲まれていると知ると、いてもたってもいられず、ひとり砂漠を越える決意をするのだが、じゃ、なんで最初から戦地にいかなかったのさ?ってことになっちゃう訳で、国のためには命ははれなくても、友達のためになら戦場にいけるってことなんでしょうねぇ、と想像するしかない。2h12、すでにもう長いんだから、いっそ腹をくくってもう少々このあたりに時間をさいて長編大作にしてもよかった気がするぞ。
しかしながらどこまでも広がる砂漠のシーンは圧巻。そうか、撮影はO・ストーンと組んでた、ロバート・リチャードソンなんですね。どうりであたし好みの映像な訳だ。シーンのひとつひとつが力強く、美しい。大自然をバックにしたスケールの大きな映像と、CGを使用しない戦闘シーン、気分を盛り上げるにふさわしい重厚でエキゾチックな音楽。お話はどうであれ、なんだか、お腹いっぱい映画を観たって気分にはなれます。



■ ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密 ★★★

子供の頃の記憶というものはかなり断片的。その時、うれしかったり、傷ついたりしたことは強烈にかつ細かいディティールなどをも記憶していたとしても、それらの全体像がつかめていなかったりもする。なんだか、この映画から受けた印象がこれによく似ている。
幼い頃に受けた心の傷が原因で、自分もダメな母親になってしまうのでは?と恐れる娘。母親の友人たちが、若かりしころの母の苦悩を語り聞かせることで母娘の関係を修復しようと大奮闘するお話なんであるが、どうもエピソードがうまくつながらない。1つ1つのエピソードはかなり魅力的であり、そうそうたる女優陣が活き活きと演じているのにもかかわらず、あたしの中で、それらが集約されてこない。編集次第ではとても好きな作品になったかもと、残念で仕方ない。
知ってるようで、実は知らない母のこと。シッダに手渡された一冊のスクラップブック。思いっきりデコレートされた表紙のタイトルは「ヤァヤァ・ シスターズの聖なる秘密」。ページをめくるたびにあふれだすのは母と3人の親友たちの輝く日々。そう、あたしの母にもそんな日々があったのであろう、恋して、悩んで、傷ついて・・・そんな当たり前のことに気づかされる一本である。



■ 人生は、時々晴れ ★★★☆

どう見てもうだつのあがらないダンナと、おデブ何事にもトンがって苛立っているる息子、気立てはよいが寡黙でパッとしない娘、妻のパートで生計を補う一家と、ロンドンの集合住宅に集う決して裕福とも余裕があるとも言えない人々が織り成す群像劇。そう、彼らには余裕がない、すぐ隣にいる人に自分の心を開くことができないくらい。
すぐそばにいる家族でさえ、ものすごく遠く思える瞬間があることは事実で、あたし自身、どうしようもない疎外感と孤独に押しつぶされそうになることがある。心から語り合うこと、でも、それが意外と簡単なことではなかったりもする。心の声を言葉に置き換える作業ってのは、不器用な人間には、結構難しく、あたしなんかは先に涙が出ちゃうほど。
息子が発作で病院に担ぎこまれる。そんなときに限って、携帯と無線の電源を切っていた父親。最悪のタイミングではあるが、タクシーを海辺まで走らせ、浜辺でひとり佇んでしまいたい気持ちってのは、誰でも経験してる思いじゃないんだろうか?
「愛はまるで、蛇口から漏れる水の雫」・・・そう、受ける人がいなければ、乾いた大地に吸い込まれれ、満たされることがない。一家を襲ったある事件が、家族の絆と愛情あり方を再認識させてくれる。どんよりと曇った空にほんの少し薄日が差したようなラスト。リアルで静かな演出が心に染みる。



■ ゲロッパ! ★★★☆

まさか、本人が出てるはずはないんだけど、とにかくダンナが「じぇー、びぃだっ“JB”」と、あまりにうるさかったんで全然期待しないでついていったんであるが、これが予想以上におもしろい。
井筒監督といえば、辛口の映画批評をすることで有名らしいんだが、幸いあたしはテレビはあんまり観ないし、100人映画を観れば、100の意見があるだろうって思うタチなんで監督に対する余計な思い込みがない分楽しめたように思う。でも、人の作品を批評しちゃってる以上、自分の作品作るときには気合がいりそうだなぁ、とは思う。
収監されるヤクザの親分のため、弟分と子分たちがジェームズ・ブラウンをさらいに行く、という無茶苦茶なお話だが、生き別れた娘との再会や、JBのそっくりさんに、物まねショー、政務秘書官や内閣調査室まで巻き込んで、笑いあり、涙ありの、にぎやかな娯楽作品に仕上がっている。
作品の出来とはあまり関係ないが、作り手が楽しんでるって雰囲気が伝わってくる映画があたしは好きだ。みんなでダンス、ダンス、ダンスなエンディングなんかヒジョーに楽しそう。あたりまえのことなんだが、今さら西田敏行の歌の上手さにびっくりしたり、岸部一徳のバイプレイヤーぶりに感心したり、小道具の凝り様に笑ったり。やっぱり映画が好きな人が作った作品なんですよ。
そんな訳で、タイトルだけで食わず嫌いしてる「岸和田少年愚連隊」を観てみようかな〜という気分になった。



■ シモーヌ ★★☆

管弦楽のアダージョが使われると、クレジットに彼の名前がないのに心の中でエリアスを捜してしまうバカヤロウなあたしである。(っうか、デフォー萌えにしかわかんないネタを振るなってーの)
その悲壮感ただよう音楽をぎんぎんに効かせてるあたり、タランスキー監督の創りだす作品がメジャーから程遠いことがよく解る。アル・パチーノ近頃こんな落ちぶれた感じの役が多いのよね、そしてまた、ものすごく上手いんで、本人にまで落ちぶれたニオイが染み付かないか心配である(笑)
ウィノナのわがままっぷりがすごくイイ。オーバーアクションであることを知りつつも、こんな女優いるかもしんない、と思わせてしまうあたり、なかなか楽しい。製作サイドやワガママ放題の役者達、そして観客であるあたし達に対する皮肉がそこここに散りばめられている。
完璧な美貌と演技力で世界を虜にした完全無欠の女優、シモーヌ。 しかし、その正体は、落ち目の映画監督タランスキーが創り出したCG。”思いのまま”であるはずのシモーヌに生身の人間が振り回されてしまうというなかなかブラックなお話。しかし、おもしろい設定なのに、いまひとつノリが良くないのはなぜだろう?シモーヌが「Mrタランスキー」と連呼するほど、や〜な気分になった。やはり、”思いのまま”ってのはつまんないものなのかもね。
いつか、本物のシモーヌが誕生する日がくるのかも知れない。でも、今のとこ「ファイナルファンタジー」を観るかぎり(・・・と、言っても予告しか観たことないのだが)CGキャラも、まだまだだな、と妙に安心したりもする



■ シティ・オブ・ゴッド ★★★★★

ああ、びっくりした・・・あまりにもおもしろすぎる。しばらく息ができなかったように思えて、思いっきり深呼吸をする。そして、それらが半分事実であることを思い出し、小さなため息をついた。
彼らは殺すのだ、今日も、明日も、明後日も。少年達が笑いながら引き金を引く現実。涙など流しているヒマはない。善悪を問いてるヒマもない。灼熱の太陽と陽気なサンバにのせて、響き渡る銃声と飛び交う銃弾。銃もドラッグもすぐそこにある日常のなか、少年たちは「神の街」を駆け抜ける。
冒頭いきなり映し出されるのは研ぎ澄まされいくナイフ。’60〜’70年代のリオデジャネイロのスラム街。時間軸を巧みにあやつりながら、少年ギャング団の抗争と世代交代の様を写真家をめざす少年ブスカペの目を通して語られる群像劇。いつくかのエピソードを積み上げながら最初のシーンに集約されていく。壮大なノンフィクションを元にしながらも、緻密に再構成されたフィクション。すばらしく良く出来ている。
「ロック、ストック&スモーキング・バレルズ」や「スナッチ」なみのテンポのよさと抜群のカメラワーク。一体、この映画から、何を差し引いて、何をつけ足せというのだ?どのパーツも完璧でムダがない。久しぶりに心地よい衝撃と熱気にあてられた。



■ 座頭市 ★★★☆

外国人が喜ぶジャポニズムと日本人には新鮮なニッポンが程よくMIXされてた映画でやんす。ベネチアでの監督賞は納得できました。
あれほど話題になった金髪なんてのは全然気にもならなかったな。ああ、そういえば程度。違和感がちっともなかった。今の時代にあった時代劇エンターテイメントってことで評価ができるんじゃないかと思う。これまでの北野作品よか、ずいぶんとっつきやすく、また万人受けしそうな感じ。
今までの時代劇にのっとって、勧善懲悪の域をハズれることもなく目新しさはないが、シンプルな楽しさがある。やっぱシャキ〜ン!のバッサバッサでしょう。何故に市がこんなにも強いのか?それは”時代劇=ヒーロー物”だからいいんです(笑)スピード感とリズム感あふれる立ち回り、血が噴き出てても爽快感があります。悪役がちゃんと悪役らしいってのはいいですね。
泣かせるエピソードやら笑いの小ネタなどがバランスよく組み込まれ最後までたけし節が効いてます。畑作業や大工仕事にリズムをのせたり、雨音を音楽にうまく取り入れたり、最後の下駄のタップダンスシーンまでの流れはお見事。やはり日本人ってのは太鼓やお囃子の音に心躍ってしまうらしい。その辺は”監督北野”の思惑にまんまとハメられた気がします(笑)



■ パイレーツ・オブ・カリビアン ★★★☆

正しい夏休み映画。すっかり出遅れてしまってたんで、よいこの夏休みはとっくに終ってたんですけど〜(笑)
ジョニー・デップがすばらしいです、楽しそ〜。イイ男なのになぜか、ヘンな役ばかりやりたがる人ですが、今回はその”ヘン”な部分が十分に生かされてます。てっきりバリバリの悪役だと思ってたんで、ちょいと肩透かしをくらった気分ではありますが、このキャラの立ち具合といったら。イケてるジョニデより、あたしゃ、ちょっぴりお間抜けで情けないジョニデが好きよ(笑)スパロウ最高!役萌え。
さすが、ディズニー、金はかかってますよぅ。月光の下でCGと実写が入れ替わるってのはすごいなー。凝ってるなー。普通に感心しちゃいました。
基本的に、夏休み娯楽映画。想像どおりにお話が進むのはお約束なんですが、海賊の溜まり場の町の様子が、まんま、ディズニーランドの”カリブの海賊”。これには笑った。丸太型の乗り物にのって、ぬるく塩素くさい水の上をぷかぷか流れてる気分を思い出した。ああ、あまりにもステレオタイプすぎやしませんか。作り物くさい(笑)
ついでに、突っ込んでおくが、別に愛で呪いは解けちゃいなさそうだし、結局、何故に主人公の血が必要なのかについても、ちっとも触れられてなかったりする・・・つまり、続編作るってことか?



■ NOVO ★★★

5分で記憶をなくす男との恋愛。さて、こんな男と恋愛を続けていこうというのもなかなか根性がいりそうな話である。別にあたしは過去に生きるオンナじゃないが、愛する人とは、想い出も共有したいほうである。過去にとらわれない男は確かに新鮮かもしれないが、どんなに愛しても自分は彼の記憶には残れない。こんな不安定なことってあるだろうか?そんな男性と関係を持ってしまう彼女のポジティブさは拍手もんであるが、何度も惚れられるってのも、ある意味快感なんでしょうか?
記憶をなくす男といえば「メメント」を思い出すが、謎解きサスペンスというハードさはまったくありません。ガイ・ピアーズは身体に刺青を残したが、ノリエガは油性サインペンとキスマーク。この辺があくまでも恋愛映画なのであります(笑)かといって謎がまったくない訳でもなく、脇の登場人物たちの不可解な行動も多く、それらが説明されることはありません。謎をふっかけっぱなしで終ってます。・・・あの女上司や、元カレって一体???
決してつまんない映画じゃなかったけど、よくわかんない映画でもありました。



■ エデンより彼方へ ★★★★

まずは、鮮やかなポスターに目を引かれた。’50年代をしらないアタシにはとても新鮮な色彩感覚にあふれ、その中にたたずむジュリアン・ムーアのを眺めるってのもおもしろそうだな、なんて出かけていったのだが、これが予想以上によいのですよ。
夫は一流企業の重役、愛らしい子供たち、そして妻は賢く美しく、絵に描いたような理想の生活に囲まれた主婦、キャシー。雑誌の取材などをうけることもあり近所でも評判の憧れの主婦。そう、今でいうならカリスマ主婦。 しかし、そんな羨望のまなざしを受けていた彼女が、夫の秘密と、周囲の誤解により、あっという間に冷ややかな視線にさらされることになる。キャシーは今まで幸せと信じていた基盤が、こんなにも空虚でうわべだけのモノであり、いままで自分のいた世界が保守的で閉鎖的であったかを知る。
オープニングからエンドクレジットまで監督のこだわりが随所にちりばめられたクラシカルな雰囲気。しかし’50年代という時代をかりながらも、夫婦のあり方だとか、差別意識、周囲の人々の目線など、現代に置き換えても十分通用する話である。人間の本質は今も昔もさほど変わってないということなんでしょうね。
ラストまだ冷たい風の中で揺れていた白い花が、これから世間に立ち向かって行く彼女のようでもある。単なる、メロドラマの延長かと思っていたのに、意外にも、心の深いところに染み込んでくる作品でありました。



■ 英雄 HERO ★★★★

つまらぬことだが、チャン・イーモウはひたむきに走る女が好きなんだな、きっと。「初恋〜」ではチャン・ツィイーが「生きる」でもコン・リーが走ってた。で、今回もチャン・ツィイーが走る。
それにしても、マギー・チャンの美しいこと。チャン・ツィイーがしょんべんくさい小娘に思えるほどである。確かに如月にも一途な美しさはあれど、艶のある悲しみを湛えた飛雪の美しさは格別である。オンナのあたしでさえどきっとした。案外、真のヒーローとは・・・と語りながら、監督はこの二人を撮りたかったんじゃないの〜?なんて思ってしまう(笑)
最初、あまりにもあっけなく長空の話にケリがついてしまったものだから、この調子でワイヤー対決だけで話が進んでいっちゃったらどうしよう?と心配してしまったのだが、ああ、よかった、ちゃんとそこから話は伏線が張られていくんですね。まぁ、ちょっとエピソードが多すぎて、なんでもかんでも欲張りすぎって思わないでもなかったし、お話的には、マンガちっく、結局、始皇帝はすばらしいってなオチも気に入らないし、突込みどころ満載。でも目が楽しいといっている。
博物展でのみ知っていた青銅武器、鎧や鐘、それらが実際使われていた様子も、非常に興味深いし、広大な中国の大自然を背景にひらりと舞う衣装。この美しさを堪能するだけでも価値があるってものだ。無名と始皇帝をとりまく無機質な黒、燃える赤、悲しみの青、同志の緑、無心の白、ただストーリーの混乱を避けるためだけではない、底に流れる想いを密かに色が反映してたはずである。 
あたしは赤のシーンに一番血が通ってる気がして好きなんであるが、残剣の「お互い愚かであったな」ってセリフまで無名の頭の中で作られたんだとしたら、彼もなかなかのストーリーテーラーであるな、などと感心してしまった。



■ エルミタージュ幻想 ★★☆

泣く子も黙る、超一流の美術品が無造作に展示されているという、世界最大規模の美術館、エルミタージュ。白い大理石の柱、きらめくシャンデリア。とにかくとてつもないスケールの美術館を舞台に、とてつもない作品が生み出された。90分ワンカット。カメラは流れるように人々と時間の間を行き来し、不思議な世界を覗かせてくれる。なんて壮大な時間旅行。
ああ、しかし、・・・しかしである。残念なことに、この作品にはあたしをスクリーンに釘付けにする何かが足りない。何かが起こりそうな期待に満ちたオープニング、さて、一体どんな仕掛けが待っているの?とわくわくして待っていたのだが、基本的に何も起こらないんである。
実在したという外交官キュスティーヌの案内で、館内を急ぎ足でひとめぐり、そこにはエカテリーナ大帝がいてニコライ2世がいて、そして現在の観光客までもが登場する。でも、それは、かつての輝ける栄華を知っているエルミタージュ宮殿がみせてくれた、夢の残像。宮殿に残る魂のかけらを覗き見できただけである。
この物語に主人公はいない。たぶん建物自体が主人公なのであろうがカメラがそれらに近づきすぎることはない。夢先案内人はいても、あたしには登場人物にも、美術品にも距離が感じられ、中盤眠気が襲ってきたくらいである。
うとうとしていたあたしの耳に突然響いた管弦の音。「ああ、あたしはこれが観たかったのよっ!」華麗な舞踏会とオーケストラ。きらびやかな衣装をまとった人々が洪水となって階段を下りてゆく様は圧巻。このシーンがなかったら泣いてたかもしれません。