〜日比谷公園ホイ兄弟再現写真撮影記〜



それは小雨のそぼふる8月の12日であった。

JR新橋駅改札で二人の男が誰かを待っていた。
一人は一見ポリネシア系であった。もう一人は風呂上がりのような服装にさっぱりした顔をしていた。
男の名は安上がり決死隊、そして新宿亀・・・。

・・・文武英傑関東支部メンバーであった。
・・・他に支部はなかった。
本部すらどこにあるのか不明であった。

やがて改札からもう一人、ヒゲ面のホームレス風の男が現れた。
犀象であった。

男たちはあいさつも早々に新橋駅を後にした。
普段から思いつきで行動するこのメンバーが、途中昼食のためにやはり思いつきでなじみもないマレーシア料理の店に立ち寄り、水も出さない本場チックなもてなしに憤慨したことはここでは省略しよう。

男たちには怒りを乗り越えて日比谷公園へと向かわねば理由があった。

盆踊りではない。

それは・・・いや、その前にこの日男たちが集結したそもそものいきさつから話さねばなるまい。・・・プロジェクトBOO!

★★★衝撃★★★ホイ兄弟が日比谷公園に! ★★★感動★★★  パラソルを発見! ★★★挫折★★★  突然の大雨!   ♪銀幕のマイケル〜
   ステージのサミュエル〜
 みんなどこへ行った〜
   思い出を胸に残し〜

  脇役のリッキー
   裏方のスタンレ〜
  みんなどこへ行った〜
    伝説を後に残し〜

 ミスター・ブーを 誰も覚えていない〜
 チャウシンチーばかり見てる〜

 チョンボよ〜 オバケや死体に おびえてよ 昔みたいに〜
 キットよ〜 ブーの新作 いつどこで 見れるのだろ〜
バカなやつらだ★★★周囲の白い目★★★四川料理はうまかった★★★逆転★★★水も出ない店★★★苦闘★★★


この物語は六月に文武英傑に寄せられた一通のe-mailから始まる。

ユンピョウのファンサイト「YOU CAN BELIEVE」を運営するLONELY PLAYER氏より、ゴールデンハーベスト社出版の映画雑誌「嘉禾電影」掲載のホイ兄弟関連記事についてご提供の申し出があった。

後日コピーを手にしたメンバーは無我夢中で記事を読んだ。

ある文章に目が釘付けになった。

1979年9月号掲載の「許冠文忙而不乱」(本サイト上に訳出)というマイケルへのインタビュー記事には驚くべき発言が並んでいた。


マイケルが三船敏郎と共演!?

「天才與白痴」の潜水シーンは日本で撮影!?

幻の「東遊記」の企画とは!?
 


・・・次々に飛び出す衝撃的な事実がメンバーを震えさせた。しかし衝撃はそれで終わらなかった。

その記事の終わりに一枚の写真が載っていた。

そこには噴水を背にしてホイ兄弟が、サミュエル、マイケル、リッキーの三人がなんとも平和な表情を浮かべて写っていた。





古きよき時代を思わせる一枚であった。
そしてこの写真のキャプションには「許氏兄弟在東京日比谷公園」と記されていた。

撮影場所は・・・日比谷公園だった。

プロジェクトBOO!



ホイ兄弟が日比谷公園を訪れていたとは!
そしてその写真が雑誌を飾っていたとは!
・・・メンバー誰一人夢にも思っていなかった。

新宿亀は東京事情に詳しかった。
この写真を見てつぶやいた。
「この噴水、たしかまだあったよな〜」
それで決まった。この場所へと向かわねばならないと誰もが思った。

そう、メンバーがこの日集結し、日比谷公園へと向かった目的は、

ホイ兄弟がかつて記念撮影をしたあの噴水を見つけ、同じポイント、同じポーズで写真を撮る

ことだったのである!


やがてメンバーは日比谷公園にたどり着いた。
東南部「心字池」側の入り口から公園内に入った。


日比谷公園に突入!
後ろの女性は・・・知らない人だ


三人は平静を装いつつ公園内を眺めて歩いたが、その噴水が近づくにつれ、胸の高まりをおさえることはできなかった。
木立を抜けると、突然噴水が目の前に現れた。
カメラのセッティングをする新宿亀隊員を尻目に、犀象と安上がり決死隊隊員が噴水の周りをぐるぐると回り始めた。
当時の撮影ポイントを探すためだ。
二人は写真と照らし合わせつつ、ぴったりと同じ絵になるように、噴水内側のブロックの切れ目まで細かく見ていった。問題の写真では噴水の背後に幾本もの樹が生い茂っているのが見える。噴水の両脇は道路と平行するように木々が植えられている。
すると写真のように見えるポイントは二ヶ所に限られる。どっちだ?

撮影ポイント捜索中


・・・その時安上がり決死隊隊員が言った。
「写真の右端に見えるパラソルはあの売店のじゃないですか?」
ふと見ると、噴水の北側に売店があった。
右上に売店のパラソル・・・ついに撮影ポイントを発見した!


その売店のパラソルがちょうど写真の位置に来るまで、三脚に備え付けたカメラの位置も微調整する。
そして二つの画像は・・・ピタリとあった。

プロジェクトBOO!

いよいよ撮影開始だ!

その時雨が少し強くなってきた。メンバーはいったん休憩することにし、その売店へと向かった。老夫婦が営んでいた。犀象が尋ねた。

「すみません、この売店はずっとここにあるんですか?」
「もう四十年もここでやってますよ」
「この噴水の付近に他にも売店があったことは?」
「いやー、ずっとうちだけだね」
「この噴水も元のままですか?」
「そうだね。中の装置は取り替えたりしたけど、あとはそのまんまだね」


あそこらへんで撮影してたねえ・・・とは言われなかった



この三段式の大噴水は、昭和39年に戦後復興が完了したのを記念して作られた(日比谷公園公式HPによる)。

犀象はかつてここに香港映画の大スターの三兄弟が訪れて記念撮影をしたのを目撃しなかったか尋ねようとした・・・が、やめた。
美しい思い出はホイ兄弟と僕たちの胸だけにとっておこう・・・そう考えた。


ここで一服。この売店でサミュエルがアイスを食べた
・・・かどうかはさだかではない。



雨があがったところで撮影を再開した。ここで問題が発覚した。
持ってきた三脚では、写真と同じ角度から撮るためには高さが足りないのである。もう一人いれば・・・メンバーは自分たちが写真上に収まることばかり考えており、撮影する人間のことを計算に入れてなかった・・・

・・・ハッとした。ホイ兄弟は裏方のスタンレーがいてこそ真のホイ兄弟なのだと悟った。


公園をふと見渡すと、お祭りの準備のために置かれてあった脚立が目に入った。
犀象は脚立使用の許可をとるため設営の関係者のもとに走った。

プロジェクトBOO!
借りてきた脚立にカメラをセッティング よし、この角度だ!
写真と照らし合わせながら、慎重に手足の位置を決めてゆく


いよいよ本格的に撮影が開始された。

三人のメンバーがあるいはサミュエルにあるいはマイケルに、はたまたリッキーへと役柄をいろいろ入れ替えて撮影をした。その時にいくつかのことに気づいた。

まず一つ、サミュエルだけ違う方向を見ている。というよりサミュエルのみがカメラに顔を向け、あとの二人は正面を見据えたままだ。もしかしたら複数のカメラに撮影されていたのかも知れない。

もう一つ。マイケルが目を向けている正面にはプレスセンターがそびえていた。当時マイケルが見たのと同じ風景を見ている・・・メンバーは感動を抑えることができなかった。

さらに。この噴水はある一定の時間ごとに水を大きく噴き出す。ホイ兄弟の写真が撮影されたのは、水が噴き出していない時だ・・・間違いない!


噴水に腰掛けると正面にプレスセンター
当時マイケルも同じ風景を目にしたはずである・・・


そしてシャッターは押された・・・。

以下に完成品を展示する。元の写真と比べてほしい。


まずは一枚目。(左)サミュエル=安上がり、(中央)マイケル=犀象、(右)リッキー=新宿亀。
最初とあって、犀象の手の位置がマイケルと違う。
続いては、(左)サミュエル=新宿亀、(中央)マイケル=安上がり、(右)リッキー=犀象
リッキーのポーズを正確に真似るのは極めて困難であった。リッキーの仕草は一見さりげないポーズに見えて、実は指先まで計算されつくされているのである。さすがだ。リッキー、あんたは世界一の役者だよ!
三人のメンバー、めまぐるしく入れ替わってああでもないこうでもないと写真を撮りまくったが、どうやらこれが一番オリジナル写真に近いようだ。(左)サミュエル=犀象、(中央)マイケル=新宿亀、(右)リッキー=安上がり。後ろを歩いている人をエキストラで頼めばよりリアルな写真が撮れたかもしれない・・・。
ちなみにそれぞれの写真のマイケル役をクリックすると、ちょっと変わった(気持ち悪いかも・・・)三兄弟が見られます。
(心臓の悪い方はおやめください)


撮影をしながら、当時のホイ兄弟たちと同じ気持ちになって、景色を眺めてみた。
すぐそこに帝国ホテルがあった。
メンバーはすぐさまマイケルたちもここに泊まっていたのではという推察をした。ここのホテルのフロントでドタバタがあり、それが例えば「天才與白痴」におけるフロントのギャグシーンにつながつているのかも・・・メンバーは行き過ぎた想像を抑えることができなかった。

さっそく帝国ホテルに突入した。空気が違った。上流のかほりがした。すぐに出た。


帝国ホテルだよおっかさん。
リッキーだけ入場を断られた・・・かどうかは定かでない。


こうして文武英傑関東支部メンバーは大噴水をあとにした。
ありがとう情報をくれたLONELY PLAYERさん。
ありがとう売店のおじちゃん、おばちゃん。
そしてありがとう日比谷公園大噴水。
この時すでにメンバーの胸の内では大噴水はホイ噴水という呼び名に変わっていた。



噴水の青い★印が撮影ポイント


こうしてプロジェクトBOO!日比谷公園ホイ兄弟再現写真撮影作戦は無事終了した。
ホイ兄弟の撮影ポイントを地図上に示しておく。
興味のおありの向きは、ぜひともここで撮影されることをおすすめする!





本日はありがとうございました。
わたくしもぜひ撮影に行きたいと思います・・・。





♪ミスター・ブー ギャンブル大将
 ブーはまだ終わらない〜

 インベーダー 警備保障〜
 ブーはまだ終わらない〜

 鉄板焼き 勇み足〜
 ブーはまだ終わらない〜

 チョココップ ハッピーディンドン〜
 ブーはまだ終わらない〜・・・・・・・




 BOO!
       





 番組ではみなさまのプロジェクトBOO!体験を募集しております。


英才極品