復活!サミュエル坊主 15の春

〜文武英傑第一回緊急オフ会(!? )報告〜

場所:新宿
参加:犀象、きんこん、maiko、安上がり決死隊
    (登場順)


★それは2月14日のことだった。文武英傑掲示板の常連であるきんこんさんがこのような書き込みをしてくれた。

 

★調布というのは僕、犀象のアジトがある場所で、今でこそゴミ屋敷と化しているが引っ越したての頃には安上がり決死隊氏、新宿亀氏も訪れ、泊まりがけで14型テレビのミニシアターで(本当にミニだね)上映会を開いたこともある。その調布にきんこんさんがやってくるとは。これは迎え撃たねばなるまい。いつぞや文武英傑経営陣で、マニア探訪なんて企画面白いかもと話したことがある。そのマニアが向こうからやってきてくれる! 僕はさっそく次のような返事を書き込んだ。

 

★そして交渉は水面下で行われることとなり、僕ときんこんさんとの間で打ち合わせが始まった。ほどなく僕の元にやはり東京在住のmaikoさんより参加したいとのメールが届いた。レディが参加である。屋台で焼酎というわけにもいくまい。集合場所はきんこんさんの帰りのバスの出る新宿に決まった。会合の場所もmaikoさんの提案で、新宿駅マイシティのヤムチャ屋さんということになった。いよいよこれまで存在のみを確認していたホイファンたちに会えるのだ。僕の胸は高まった。残念ながら安上がり決死隊氏からは残業になりそうとのことで参加の確約は取れなかった。しかしもし行ける可能性があれば連絡するとのことで、きんこんさんの携帯の番号を伝えた。はたして電話はあるのか?
 
★そして当日、20日の夕時となった。僕は職場から電車で新宿を目指した。待ち合わせ場所はアルタ横のくだもの屋百果園前に5時半。急げ犀象! 新宿駅地下の迷宮をふらふら歩いているうちにいつの間にかアルタの裏手に出ていた。小走りで待ち合わせ場所に向かう僕。実はアルタ横のくだもの屋の前というのも結構待ち合わせ場所として使われるところで、はたしてきんこんさんがすぐに見つかるか分からない。僕はしばしば文武英傑誌上で汚いツラをさらしているからきんこんさんが僕を見つけてくれるかも知れない。いや待て芸能人だって本物はテレビよりずっと格好いいとか言われているではないか・・・気づいてくれないかも、と訳の分からぬことを考える僕。
 
★僕はけっこう人見知りする方である。初対面の人と会うと意識しなくても肩が鋼鉄のように固く凝ったりする。実はきんこんさんと会うのも緊張していた。どんな人なのだろうと想像をした。パンクロッカーのような兄ちゃんだったらどうしよう。あるいは痩せて目がギョロギョロして髪もボサボサ。要するに自分に瓜二つだったらどう反応すればいいのか。とこれまた訳の分からぬことを考える僕その2。
 
★その時明らかに男一人で新宿駅方面から来る人を待っている人間を発見した。直感した。きんこんさんに違いない! あの〜と話しかけて見るとまさしくその通りであった。きんこんさんは非常に感じのいい紳士で、余計な緊張も妄想もどこかに吹き飛んでいた。
 
★maikoさんの合流は7時である。それまで軽く腹に入れようということになった。知り合いから歌舞伎町のもっと奥の方に行くと油条(ヨウティァオ)が食べれる店があると聞いていたのでそこへ向かう。その店(上海人情WANG’s KITCHEN)は職安通りに面した、新宿というより大久保の方だ。店に腰を下ろし、自己紹介などしあう。まずはメンと油条を食べる。なかなかうまい。ここできんこんさんの香港映画にはまったきっかけから、そのマニア人生を色々とうかがう。その全てが僕にとっては驚きの連続であった。
 
★これらの驚異についてはいずれ本人の口から語られる日が来ることを期待するが、簡単なあらましを述べると、小学校の時、親に映画「Mr.BOO!」を見に連れて行ってもらい、一発でサミュエルの歌にほれ、その日のうちにレコード屋へ。それからはホイ兄弟関連の記事のある映画雑誌などはすべて購入してスクラップし、テレビ放映ともなれば新聞の番組表をまるごと保存し、ビデオに撮りためる(それらの資料をきんこんさんはわざわざ持ってきてくださった)。最大のイベントは15歳の時。なんときんこんさんはとあるサミュエルファンクラブの企画による香港ツアーに参加し、サミュエルのコンサートをリハーサルまで含めて鑑賞したばかりか、サミュエルとヤムチャまでし、サインをいただき、その上さらに肩を組んで写真を撮ってもらったりしたというのだ。
 
★見せていただいたその写真、サミュエルファンのお姉さま方にまじって確かに坊主頭の中学生がやや緊張した面もちでサミュエルと写っていた。すごい組み合わせだ! サミュエルも若く、スターのオーラをビンビンに放っている。これはすごい体験だ! 15歳で一人香港へ行き、サミュエルに会うとは! 岩手の田舎で育った僕は15歳の時に香港なんて場所がどこにあるのかろくに知りもしなかった。きんこんさんの青春そのものである秘蔵資料は、その黄金の輝きをいま取り戻したのである。
 
★大学に行かなければ間違いなく香港へと渡っていたというきんこんさん、学生時代はなんと京都中のレンタルビデオ店の会員となり、つねに新作が網にかかるのを虎視眈々と狙っていたそうだ。それに引き替え僕は中古ビデオ屋の店先でだいぶ鮮度の落ちた香港映画を二束三文で買ってきてはお宝発見と称して嬉々としていたのだからあまりにレベルの差がある。楽しく話をうかがっているうちにmaikoさんとの合流の時間が近づいてきた。僕らは新宿駅マイシティの七階にある九龍點心(クーロンテンシン)へと向かった。店の前に行くと、いかにも香港映画の好きそうな(どんなやねん!)若い女性が一人いた。maikoさんであった。
 
★この店の紹介を少ししよう。ヤムチャバイキング――ヤムチャ(点心)とバイキング(料理)の二本立てである。特にバイキングの料理は絶品であった。次から次と回転よく皿が変わり、取りに行く度に違う料理が並んでいた。そしてマンゴープリン、ゴマプリンなどのデザートも濃厚で舌がとろけるようであった。
 
★さて、maikoさんが加わったところで再びきんこんさんの15歳の時のサミュエルに会った際の興奮が語られることとなった。考えてみればすでに20年が経過しているとのことだが、あたかも昨日のことのように、振り向けばそこにサミュエルが本人登場〜とか言って笑いながら立っているような臨場感・高揚感があった。
 
★他のスターとの遭遇談も面白く、別の機会に香港を訪れたきんこんさんがアラン・タムの車にひき殺されそうになった話は大爆笑(失礼!)であった。
 
★スターとの遭遇談で行けばmaikoさんもなかなかのもので、今や伝説あるいは神となってしまったレスリー・チャン経営のお店で本人がプライベートな時間を過ごしているのに出くわした話はスリリングであった。プライベートだけあってそこにいた女性、後からやってきた女性いずれもスター中のスター。その名前を書くべきか、書かざるべきか・・・。
 
★ろくな遭遇談を持たない僕も負けじと近年香港でゲットしてきたホイ兄弟関連資料を取り出す。その片隅に写っている俳優についてきんこんさんとmaikoさんはこの人、××って作品で◎◎の役で出てた人だね〜と超ハイレベルな会話を繰り広げ、僕はたじたじなのであった。
 
★「鬼馬狂想曲」の話になった。はたして日本にも上映されるかどうか。映画監督を友人に持つmaikoさんのはそこいらの事情に詳しく、日本で上映されるかどうかは、その作品に人気スターが出ているかどうかにかかる比重が大きいとのこと。たしかに劉青雲だの陳小春だの言っても、普通の日本人にとってはジャッキー・チェンだのチャウ・シンチーだのというビックネームに比べたら知らないに等しいだろう。唯一の可能性はTwins。近々日本に上陸するTwinsが大ブレークすればそのからみで「鬼馬狂想曲」に陽が当たる可能性がある。我々はまずTwinsを支援しようという話にまとまる。ホイ兄弟の新作となる映画についても心配する僕たちであった。もちろんここに書いている以外にも多くの面白く、有意義で、スリルありロマンありピンチあり涙あり笑いありモハメドありの話をした。そのすべてを書ききることは到底できない。
 
★この店は二時間が基本である。おいしい料理をいただき、楽しく語りあった夢のような二時間はあっという間にすぎてしまっていた。きんこんさんのバスに乗る時間まではまだ一時間半くらいある。バス乗り場の近くの喫茶店でも行きましょうかということになり、店の外に出た。その時きんこんさんの携帯がなった。かけてきた相手はどうやら初対面の人らしく、とまどっているきんこんさん。しかし次の瞬間きんこんさんの顔がやわらいだ。電話をかけてきたのは・・・安上がり決死隊氏であった。(以上 犀象
 


「きんこんさんですか?」

僕はやや緊張しながら尋ねた。同好の士とは言え、掲示板を通じてのみ交流してきたので、ましてや自分が主催するサイトがきっかけ、というのは初めての体験だったから、とても平常心ではいられなかった。もちろん期待というか好奇心も半分あってのことだ。

帰ってきたのは懐かしい大阪弁、僕はその優しい口調にも助けられ、一気に肩の力みが飛んでいった。残業を打ち切って社外に出てから連絡したのだが、既に聞かされていた会食場所から離れてしまっていることは予測していた。上京して1年になるが、新宿は通勤経路とも関係がないため、未だに方向感覚が掴めない。通算しても5回ほどしか行っていないのではないだろうか。果たしてそんな僕ときんこんさんで場所が特定できるのだろうか? 新たな緊張が舞い降りてきた。

「犀象さんに変わりますね」

大まかな場所を頭に入れてから新宿に移動、再度連絡を取ってようやく集合場所である新宿新南口高架下のマクドナルド2Fに到着した。既に打ち解けた雰囲気の3人。気付くと僕の額からは汗が噴き出していた。2月とは言え既に下旬、春はそこまで来ていて暖かくなってきたのか、それとも安堵の気持ちがそうさせたのか。挨拶もそこそこに犀象氏が口火を切った。

「すごいお宝を持ってきてもらいましたよ!」

続いて満面の笑みをたたえたきんこんさんがアルバムから抜き出したであろう数枚のシートを大切そうにバッグの中から取り出した。その若干黄ばんだシートの色から、結構古いものであろうことはすぐに分かった。スケジュール表のようなものから始まり、綺麗に整理された写真が並んでいる。説明を受けないままに漫然と覗き込んだ僕だったが、そこに収められた光景を見てまた汗が頬を伝った。

なんとサムではないか! サムの生写真! おお! こんな貴重なものが! しかし驚くのはまだ早かった。コンサートのリハーサル風景に続いてファンと一緒にツーショットを披露しているサム! そしてその中に少年の頃のきんこんさんがサムと肩を並べて座っているではないか!

15歳の少年が香港までコンサートを見に行く。自分と比べてみると、その途轍もない行動力に圧倒された。照れくさそうに微笑むきんこんさん。何故か自慢げな表情を浮かべている犀象氏。まさに恐れ入った瞬間だった。

隣に座っていたのはmaikoさん。実にチャーミングな感じを受けたが、意外なことにきんこんも含めて共通点があることを犀象氏に告げられた。

「お二人とも大学は京都ですって」

おお、我が懐かしき学生時代、京都の町並みが脳裏をよぎる。そうか、お二人ともあの同じ空気を知っているのか。更にmaikoさんとは時期は違えど、中国の同じ都市に留学していたことも判明。志向に共通点があるんだなあ、と改めて感心した。

今後の予定を話していると、近々香港に行く予定がある方もおり、またきんこんさんも上京の予定があるという。何も行動の予定がない自分を反省しつつ、

「ゴールデンウィークには大阪に帰りますから、次回は関西オフ会をしましょうよ」

と提案。掲示板に書き込んで下さる皆さんの中には関西在住の方も少なくないようだから、きんこんさん以外の方にも是非参加してもらいたい。同じような幼少時の経験を持っている人、音楽的感性が通じる人、きっと初対面とは思えないほど話が盛り上がるに違いない。現に今日がそうなのだから。その時はまたきんこんさんのお宝を披露してもらいたいし、僕も何か持っていくことにしよう。

サイトに関しては身に余るほどのお褒めをきんこんさんとmaikoさんから頂いた。まだまだレベルが低いと自覚しているのだが、そう言って頂けるのは、それも直接お声を聞けたのは非常に嬉しいことだった。更なる精進と今後の抱負を披露したところで時計を見ると、きんこんさんをお見送りする時間になっていた。楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。バス乗り場まで行ったものの、名残惜しい。皆で記念撮影をして再会を誓う。きんこんさん、遠路はるばる来て下さって本当にありがとう。そして夜遅くまで付き合って下さったmaikoさんにも感謝。これからも色々と情報を頂けると嬉しいです。

次はどの街でどんな方々と会えるのか、今から楽しみだ。それまでにまた喜んでもらえるサイト作りを進めねばなるまい、との決意も新たに楽しかった一日に別れを告げた。(以上 安上がり決死隊


新宿駅新南口長距離バス乗り場入り口 左から犀象、きんこん、maiko、安上がり決死隊
(撮影:そこにいた人)




武陵桃源