サタデー・ホイト・フィーバー!

〜文武英傑第二回オフ会報告〜

日時:2004年5月1日(土) 午後2時
場所:大阪・梅田
参加:きんこん、インゴ、安上がり決死隊、monchack
    (登場順・敬称略)

異様な陽気のGW真っ只中、汗だくの男たちがそれぞれに大きな荷物を抱えて集合場所に向かっていた。目的は記念すべき「文武英傑」初の関西オフ会への参加。安上がり決死隊は道を間違え少々遅れて待ち合わせ場所のファストフード店に到着すると、見覚えのある男の背中が今まさにドリンクを抱えて動き出そうとしていた。

「お待たせしました!」。迷わず声を掛けると、背中はゆっくりと反転し、3ヶ月前に会った時より更に上気した様子のきんこんさんの満面の笑みが出現した。「席は取ってありますよ」。そう、関西出身とは言え、生活の拠点を大阪から移して既に16年、すっかり土地鑑が無くなってしまった僕は、今回のオフ会の実務的段取りを全てきんこんさんにお願いしてしまっていたのだった。指し示されたテーブルに向かうと既に美しい女性が一人緊張の面持ちで座っていた。「おお、新たな面識が始まった!」。緊張と焦りから思わずつまずいてしまい、アイスコーヒーを乗せたトレイを大きく傾けこぼしてしまった。「いやあ、暑いっすねえ」。照れ隠しのつもりの第一声も噴き出す汗にまみれて無様の上塗り。「なんだかいつも汗かいてますね、僕」。固まる女性。「で、どなたでしたっけ?」。女性ははにかんで答えてくれた。「・・・インゴです」。おお、いつも温かい応援メッセージを届けてくれるインゴさん! これはこれは、ようこそ来て下さいました! きんこんさんとのやり取りをしばし眺めていたインゴさん、「で、なんで標準語なんですか?」。そう、これが僕の悪い癖。緊張すると大阪の人に対しても自分の大阪弁を封印してしまうのだ。いかん、いかん、と気を落ち着かせる。

緊張し続けているインゴさんに和んでもらおうと取りとめもないバカ話をしていると、更に1名、女性が現れた。「ごめんなさ〜い」。こちらも美しいが、額からは玉のような汗がしたたり落ちていた。本当に暑い日だ。とても5月とは思えない。「monchackさん!」。まだ息が整わない彼女に自己紹介。やっと落ち着くと、女性二人が奇声を上げた。「いやあ、同(おんな)じやん!」。見ると全く同一の腕時計。「こんなことあるんやねぇ」。旧知のように打ち解けるインゴさんとmonchackさん。
 
四人が座った席はファストフードのオープンデッキ。すぐ横を大勢の通行人が通る。我慢できずにきんこんさんがまるで海外旅行にでも行くような大きなバッグの中身を披露し始める。更に着衣にも注目、韓国で購入したというドデカ李小龍Tシャツを着ていたのだった。羽織っていたジャケットをはだけて背中のデザインを披露してくれる。嬉しそうだ。

「『犀象』さんって読みにくいですよね。メールで読み方を聞いたことがあるんですよ」。インゴさんがそんなエピソードを披露してくれた。頷くmonchackさんときんこんさん。「『さ い ぞ う』と読んでやって下さい。南の国に憧れて、ほら、犀と象、南のイメージがするでしょ?」。一同しばし無言。

上映会会場の予約時刻まではまだ少し時間があり談笑するが、衝撃的な情報をmonchackさんから伝えられた。「実は友人は『ココ研(合家歓研究会:文武英傑の上部組織)』の熱烈ファンなんです。今日も一緒に来るよう言ったんですけど、今回は嫌や言うて恥ずかしがって来(こ)うへんのです」。な、なんと、ココ研にファンがいたとは! そこで僕はココ研、即ち「ミスター・ココナッツ」を研究することから始まった活動の経緯を簡単に紹介し、しかしそれではマイナーかつマニアックに過ぎる、という反省からより間口を広げたスタイルの「文武英傑」へと移行したことを打ち明けた。本当は一番見て欲しいココ研の理解者がいたことを知り、大いに勇気づけられる。更に掲示板もROM専門とのこと、恥ずかしがらずに出てきて下さ〜い!
 
汗もすっかり退いて、上映会会場に向かう四人。受付カウンターで断言するきんこんさん。「三時から予約していた『文武英傑』です」。店員に案内された部屋は四人では広すぎるほどのスペースがあった。しかしそれは大きな誤解だったことに気付くことになるのだった。

早速オーダーフリーのソフトドリンクを注文し、犀象氏提供のDVDプレイヤーをセッティングする。「少林サッカー」を始めとする様々な香港映画のディスクを取り出すきんこんさん。まずは前菜、ということで「鬼馬狂想曲」のベースとなった「1:99」CM集を放映する。映画では古天楽が扮した許冠傑役を、劉徳華が演じているのが最大のポイントだ。また劉青雲の許冠文ソックリ振りも注目に値する。BGV的に流しながら取り敢えず僕の手持ちのディスクを披露する。許冠傑映画の半分くらいが10年くらい前に買った海賊版VCD、また犀象氏からのお裾分けで入手したものも多数あったものの、いかにも自力で集めたかのように振舞う(まあ、いいか。「文武英傑」を代表して来てるんだし)。

何か見よう、ということで「難忘許冠傑30年」のDVDを鑑賞することにする。実はきんこんさんは未見だということが判明したためだ。始まった途端に食い入るように見入る彼に申し訳ないが、前回のオフ会で披露してくれたサムコレクションの解説をお願いする。前回登場した15歳のサムコンサート紀行、今回はフルパッケージで持参してくれたきんこんさん。アルバムに収められた写真を丁寧に紹介してくれる。monchackさん、インゴさんともに「若〜い」。許冠傑もきんこんさんも若いのだ。20年以上前の写真。貴重な許冠傑とのツーショット写真。スターぶらずにファンサービスに徹してくれた当時の許冠傑を振り返り、熱い想いが益々蘇えるきんこんさんなのであった。

その他にも、許冠傑が日本デビューも果たし一番注目されていた頃のファンクラブ会報も取り出してくれたきんこんさん。所狭しと資料がテーブルを埋めていく。「それから・・・」と次々に出てくるのは70年代からの香港映画を中心としたチラシコレクション、許冠傑の日本でリリースしたシングルレコード、国内で開催された香港映画祭のパンフ等々。取っ替え引っ替え拝見させてもらうが、特に印象に残ったのがファンクラブ会報。許冠傑を中心にした構成だが、全ページ手書き原稿が埋め尽くしイラストや写真が満載、当時のファンの熱気とスターとの距離の近さが感じられた。僕の手元には新宿亀氏より借りているジャッキー・チェンのファンクラブ会報があるが、作りは許冠傑のもののほうがしっかりしているようだ。中身はいずれ劣らぬ情熱が込められているが。映画会社・レコード会社のサポートもあったものの、会報を製作していたのはまさにファンの代表のような普通の人だったとのことで、20年後の今、「文武英傑」で活動する僕にしてみれば、少しでもその熱意にあやかりたいものだ、と改めて感じさせられた。そして複数枚ある映画チラシを惜しげもなく無償提供することを申し出てくれたきんこんさん。先を争うように目当てのチラシをゲット。まさにオフ会参加者の役得と言ったところか。感謝!

そのうちDVDの上映が終了し、画面は待機状態に戻った。BGM代わりに、とカラオケリストに収録されていた許冠傑の曲を5曲立て続けに登録する。曲が流れ出すと、インゴさんが「歌って下さい!」。最初の2曲は勉強不足のため歌えそうにないものだったが、無理やり歌うことにする。自信なさげな出来にも関わらず拍手を頂き恐縮至極。やがてきんこんさん、monchackさんも歌える曲の演奏が始まり、マイクを持ち回りで歌っていく。そして6曲目。ン?確か入れていた許冠傑の歌はもう終わっていたはずなのに・・・。実はケ麗君がカバーしているということで彼女の曲として収録されていた「浪子心声」だった。「こういうのって結構あるんよねえ」。monchackさんが教えてくれた。monchackさんは香港に行った時にも現地のカラオケボックスに入って許冠傑の曲を歌う行動派だ。あちらでは許冠傑のPVがバックに流れるが、日本では適当な風景画になってしまうのが難点だ、とも。「この歌、有名やね。皆さん知ってはりますよね」。きんこんさんが嬉しそうにマイクを握る。マイクの有り無しに関わり無く一同で合唱。

そうこうするうちに、6月に行われる許冠傑のコンサートに行きたい気持ちが高ぶってくるきんこんさん。「最初は行かれへんと思っててんけど、maikoさんから『行かないんですか?』言われて、『ああ、行くいう選択肢もあんねんな」と改めて気付いてから迷ってるんです」。20年以上前からの熱い想いを見せてもらった僕たちには、その気持ちは痛いほど伝わってくる。「行ったらええやん。ちゅうか、行かなあかんやん」。「20年ぶりに『あの時の少年がこんなに大きくなりました』ゆうて写真持っていって同じ構図の写真撮って来てぇな」。けしかけるmonchackさんと僕の畳み掛けるような説得工作に益々揺れる想いのきんこんさんの苦悩する姿がそこにあった。「時間は確保できるかも知れんけど、家族の了解ももらっとかんとあかんしなァ」。即決出来ないところが家族持ちになった少年のジレンマだった。「そうそう、家族ほっといて行ったらあかんで」。良識派インゴさんの主婦としての忠告がきんこんさんを現実に引き戻す。「う〜ん、どないしょ〜!」。苦悶に打ち震えるきんこんさんなのだった。
 
午後六時過ぎ、場所を替えて食事することにした。カラオケボックスから出る前にmonchackさん、インゴさんからの差し入れが振舞われる。感激の一瞬だ。本当に、本当にありがとうございます。

食事は気軽に、ということで近くの串かつ屋に入ることにした。好きな串を自分のテーブルで揚げて食べるスタイルだ。話が弾みビールのピッチも上がる。主な話題は依然としてきんこんさんの香港旅行。思い余ったきんこんさんは悩みに火を点けたmaikoさんに電話する。「・・・もしもし、ご無沙汰してます、きんこんです。来月のコンサートの件なんですけど・・・」。そこで衝撃的な事実を知らされる。maikoさんは所用でコンサート参加を見送る公算が強くなっている、とのことだった。maikoさんにとっても辛い決断だったろうが、それは想像以上にきんこんさんを打ちのめすことになった。

「maikoさんのツテでチケット入手とか、通訳的なこともお願いしようかとも思っててんけどなあ」

「別に泊まるとこはどこでもええねん。コンサート終わってからどっかで映画でも見て、バーで飲んでてもええし」

「別のツテに当たって何とかしてもらおうかなあ。知り合いが香港で芸能関係の仕事してるし」

「エアーチケットも何とかなるんちゃうかなあ」


はしごを外されたような顔だったきんこんさんだったが、すぐに立ち直った。頭の中では既にコンサート会場で観衆、そして許冠傑と一体と化している。monchackさんと僕も手を替え品を替えきんこんさんの決断を迫る。

「maikoさんも行かれへんかも知れへんのやし、もうこうなったら文武英傑代表として行ってこなあかんやん」

「まあ家庭壊してもうたらあかんから、無理に、とは言われへんけど、行かへんかったら後悔すんのんちゃうん?」

「ちょっと2〜3日行ってくるだけやろ。別に家庭を捨てるわけとちゃうねんから、それ位は理解して欲しいわなあ」

「サムとの感動の再会やろ。抱き締めてもらえたらどうする?『覚えてるで』言うて」


いささか呆れて三人のやり取りを見ていたインゴさん、それまでずっと慎重に検討するようブレーキ役を務めてくれていたが、呻吟するきんこんさんを見かねたのか悪魔の囁きか、「もう行ったらええやん!」。巻き起こる歓声、大きく背中を押されたきんこんさんは決意を固めつつあった。
 
午後八時過ぎ、串かつ屋を出た四人はTUTAYA堂山店に行くことにした。「心斎橋やら天王寺のほうがもっと品揃えもいいんやけど、ここもなかなかやと思うわ」というインゴさん、確かにそこらのレンタルビデオ店よりは香港映画の本数が相当多い。実は僕も以前インゴさんに教えてもらって「フロント・ページ」を借りるためだけに会員になった経緯がある。既に1年以上経っているので失効してしまっているのだが。久しぶりに中に入り、窓際一番奥にある香港映画コーナーに一同を誘導する。高さ2m以上、幅は5mほどもあるラック全面に香港映画が並んでいる。食い入るように眺める四人。「いやあ、ほんまいっぱいあるなあ」と感嘆の声を上げるmonchackさん。「サムの映画がちゃうとこに並んでるで」と「スウォーズ・マン」をカンフー映画のコーナーからミスター・ブーシリーズの隣に移動させるきんこんさん。「ここにこんなに人だかりするん初めて見たわ」と感慨深げなインゴさん。しばらく徘徊してから中古ビデオ販売のコーナーをチェックし店を出る。

 
商店街を抜けて散策するも解散するのも名残惜しく、無理を言って喫茶店に入ることにさせてもらった。場所はバナナ・ホール前のお店、窓際に座った。以前きんこんさんがバンドマネージャーをしていた頃、バナナ・ホールはもちろんのこと、この辺り一帯が活動拠点の一つであったこともあり、付近の地図が頭に叩き込まれているのだ。

落ち着いて腰を下ろし今日のまとめのような話が展開する。もちろん、テーマの中心はきんこんさんの決断コメントを引き出すことだ。実際に渡航する場合は週末になる可能性が高いため、エアーチケットが割高になるかも知れない、ときんこんさんが懸念を吐露すると、monchackさんも、知っている格安サイトを紹介する、と申し出る。もはやきんこんさんの悩みは行くかどうか、ではなくて、どのように行くか、というところに焦点が移ってきている。洗脳工作大成功!

 
ここまで画像的な記録を何も残していないことを気に病んでいた僕は皆でプリクラ撮影することを提案、賑やかな店内に入ると色々な機種が並んでいる。適当に空いているボックスに入り撮影することにする。撮影するまでに色々な設定があり背景や画質を細かく選べることに仰天する。きんこんさん、monchackさんはもちろんのこと、最年少のインゴさんでさえも感嘆のため息。

撮影後は、プリントアウトする前に画像に対して様々な模様を上乗せしてオリジナルの雰囲気を演出できるサービスがあった。一同再度感嘆の声。笑いながら様々な模様を入れていく。本当に皆が打ち解けたなあ、と実感した瞬間だった。

数パターンが大小組み合わされ出てきた写真を切り離し、記念に配る。名残惜しいものの、既に午後十時を過ぎていた。そろそろ帰途につくべき時間だ。
 
関西オフ会記念撮影プリクラ
左写真で前列左よりきんこん、monchack、
後列左より安上がり決死隊、インゴ。
(ご本人のご意向により一部画像を加工してあります)

流れ解散で大阪駅に。再会を誓いながらそれぞれが帰っていく。

今回、関西一円から集まって下さった皆さん、本当にありがとうございます。決して万全ではない体調にも関わらず参加してくれたmonchackさん、家事をやり繰りして時間を作ってくれたインゴさん、関西支部長並みの準備作業と多くのコレクションを持参してくれたきんこんさん、本当に楽しかったです。またお会いできることを楽しみにしています。それまでサイトのブラッシュアップに努めますのでどうぞお付き合い下さい。

また今回参加頂けなかった方々も、次回は是非お越し下さい。まずはお気軽に掲示板にメッセージを書き込んで下さると嬉しいです。来る者は拒まず、です。

次回関西オフ会を開催する時は、犀象氏も駆けつける、と確約してくれておりますので、皆で楽しみにしておきましょう!(安)
 
かなり主観的なレポートになってしまいました。
「実際と違う!」と思われた箇所もあるかも知れません。
記憶力が曖昧なところは前後が違っているかも知れません。
何卒ご容赦下さい。
少しでも現場の雰囲気が伝わればそれで十分嬉しいです。

(参考資料)
オフ会通算出欠簿
氏名 第一回
(新宿)
第二回
(梅田)
犀象  
安上がり決死隊
きんこん
maiko
(電話のみ)
monchack  
インゴ  


武陵桃源